商標拒絶査定不服審判
2025-001586
アゼスト
- 審判番号
- 2025-001586
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2024-073445
- 請求日
- 2025年02月03日
- 審決日
- 2025年08月18日
- 公報発行日
- 2025年11月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ア・ゼスト
- 【請求人代理人】篠崎 史典
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 勉
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 佐藤 緋呂子
- 分類
- T18 .261-Z (W36) / T18 .262-Z (W36) / T18 .263-Z (W36)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2024- 73445拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和6年7月6日に登録出願されたものであって、その手続の経緯の概略は以下のとおりである。
令和6年 7月18日 :手続補正書の提出
令和6年 8月21日付け:拒絶理由通知書
令和6年 9月 4日 :意見書の提出
令和6年11月 1日付け:拒絶査定
令和7年 2月 3日 :審判請求書の提出
第2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第36類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願され、その後、指定役務については、上記1の原審における手続補正書により、第36類「不動産業務,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,建物又は土地の情報の提供,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,アパートの管理,アパートの貸与,アパートの貸与の媒介又は取次ぎ,コワーキング用事務所の貸与,事務所の貸与,保険に関する助言,保険の引受け,保険契約の締結の仲介,保険情報の提供,保険料率の算出,債権の回収の代行,土地・建物担保付資金の貸付,投資,賃貸料の徴収の代行,賃借り満期購入方式の金融,資金の貸付け,資金の貸付け及び手形の割引」に補正されたものである。
第3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5974846号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成29年2月3日に登録出願、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,建物又は土地の情報の提供,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介」を指定役務として、同年8月25日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような商品に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであり、かつ、その商品の取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的な取引状況に基づいて判断するのが相当である。(最高裁昭和39年(行ツ)第110号同43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁参照)。
また、複数の構成部分を組み合わせた結合商標は、その構成部分全体によって他人の商標と識別されるものとして考案されているものであるから、その構成部分の一部を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することは原則として許されない。しかし、商標の構成部分の一部が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えると認められる場合や、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認められる場合等、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合していると認められない場合には、その構成部分の一部を抽出し、当該部分だけを他人の商標と比較して商標の類否を判断することも許されると解すべきである(最高裁昭和37年(オ)第953号同38年12月5日第一小法廷判決・民集17巻12号1621頁、最高裁平成3年(行ツ)第103号同5年9月10日第二小法廷判決・民集47巻7号5009頁、最高裁平成19年(行ヒ)第223号同20年9月8日第二小法廷判決・裁判集民事228号561頁参照)。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標について
ア 本願商標は、別掲1のとおり、略六角形、略三角形及び略四角形を組み合わせた緑色の図形(以下「図形部分」という。)を左側に配し、その右側に、同色にて「AZEST」の欧文字(以下「文字部分」という。)を横書きしてなるところ、図形部分と文字部分とは、重なり合うことなく配置され、図形と文字という構成要素を異にしていることから、視覚上分離して看取、把握され得るものである。
そして、図形部分は、我が国では特定の事物や意味を有する図形として知られているものではないことから、特定の意味合いを想起させるとはいい難く、特定の称呼及び観念を生じない。
また、文字部分の「AZEST」からは、その構成文字に相応して「アゼスト」の称呼を生じる一方、当該文字は、一般の辞書に載録のない造語であり、特定の観念を生じない。
そうすると、図形部分と文字部分とは、視覚上分離して看取され、また、称呼及び観念上のつながりもなく、両者を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとは認められないものであるから、それぞれが独立して自他役務の識別標識としての機能を果たすものといえる。
そうすると、本願商標から「AZEST」の文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することも許されるというべきであり、本願商標は、その構成文字に相応して「アゼスト」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、「AZEST」の欧文字をセリフ体で横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して、上記(1)と同様に「アゼスト」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標の類否について検討するに、外観については、その全体構成において差異を有するものの、本願商標の要部と引用商標を比較したときには、両者は、「AZEST」のつづりを共通にするものであり、外観上近似した印象を与えるものである。
また、本願商標の要部と引用商標は、称呼において、「アゼスト」の称呼を同一とするものであり、観念において、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較することができない。
そうすると、本願商標の要部と引用商標は、観念において比較できないとしても、外観において近似した印象を与え、称呼を同一とするものであるから、これらの外観、称呼、観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して考察すれば、両商標は互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)本願商標の指定役務と引用商標の指定役務との類否について
本願商標の指定役務である第36類「不動産業務,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,建物又は土地の情報の提供,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,アパートの管理,アパートの貸与,アパートの貸与の媒介又は取次ぎ,コワーキング用事務所の貸与,事務所の貸与」は、引用商標の指定役務である第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,建物又は土地の情報の提供,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介」と同一又は類似の役務である。
(5)小括
以上より、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定役務も引用商標の指定役務と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 請求人の主張について
請求人は、商標の類否判断においては、商標全体を対比して判断し、特段の事情がない限り、一部を抽出して判断するべきではないと述べた上で、本願商標全体と引用商標とを観察すると、図形の有無等によって明確に区別できる旨主張する。
しかしながら、上記1のとおり、商標の各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合していると認められない場合には、商標の構成部分の一部だけを取り出して、他人の商標と比較し、その類否を判断することが許されるものと解される。
そして、本願商標は、上記2(1)のとおり、その構成中の文字部分を要部として抽出し、他人の商標と比較し、その類否を判断することが許されるというべきである。
したがって、請求人の主張は採用できない。
4 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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