商標拒絶査定不服審判
2025-000551
サイアンフルーツパーク、サイアン
- 審判番号
- 2025-000551
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2024-003931
- 請求日
- 2025年01月16日
- 審決日
- 2025年06月19日
- 公報発行日
- 2025年09月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社斎庵
- 【請求人代理人】田中 正男
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 康浩
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 大塚 正俊
- 分類
- T18 .261-Z (W35) / T18 .262-Z (W35) / T18 .263-Z (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2024-3931拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和6年1月17日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年8月2日付け:拒絶理由通知書
令和6年9月4日:意見書の提出
令和6年11月1日付け:拒絶査定
令和7年1月16日:審判請求書、手続補正書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第35類、第36類、第40類及び第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願され、その後、本願の指定役務については、当審における手続補正書により、第35類「果物の小売り又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,インターネットウェブサイトを介して行う果物の小売り又は卸売りの業務において行われる顧客に対する便益の提供,農業経営に関する助言」に補正されたものである。
3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6231165号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成30年12月17日に登録出願、第18類、第25類及び第35類に属する別掲3のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和2年3月2日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号の該当性について
ア 本願商標と引用商標との類否について
(ア)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、上部に果物、葉、枝、ハサミ、帽子等のイラストを三角形状に並べた図形(以下「図形部分」という。)を配置し、その下に「Saian」及び「Fruits Park」の欧文字(以下「文字部分」ということがある。)を二段に横書きしてなるところ、図形部分と文字部分とは、相互に間隔を空けて、それぞれ重なり合うことなく、独立して表されていることから、視覚上分離して看取し得るものである。
そして、構成中の図形部分は、特定の意味合いを表すものとして認識されているというべき事情は認められないものであり、これよりは、特定の称呼及び観念を生じないものである。
また、図形部分及び文字部分とが、特定の意味合いを有する等の観念上の結びつきを有するものとも認められないことから、これらが常に一体不可分のものとしてのみ看取されると判断しなければならない特段の事情は見いだせない。
そして、本願商標の構成中「Fruits」の文字は、「果物」(出典:株式会社大修館書店「ジーニアス英和辞典 第六版」)の意味を有する「Fruit」の複数形であり、「Park」の文字は、「公園」(前掲書)を有する語であって、これらの文字全体としては「果物の公園」程の意味合いを認識させるものであり、別掲4のとおり、本願商標の指定役務に関連する分野において、果物の小売を行う施設等が「フルーツパーク(Fruits Park)」と称されている事実がみられる。そうとすると、当該「Fruits Park」の文字部分は、本願商標の指定役務中「果物の小売り又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,インターネットウェブサイトを介して行う果物の小売り又は卸売りの業務において行われる顧客に対する便益の提供」との関係において、役務の一業態を表すものとして一般に用いられていることから、役務の質を表したものと理解され、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ない部分であるといえる。
他方、本願商標の構成中、中央に大きく顕著に表された「Saian」の文字は、一般的な辞書等に掲載のない語であり、特定の意味を想起させる語として知られているものとも認められないことからすれば、特定の意味を認識させない一種の造語として認識されるというのが相当である。
さらに、当該「Saian」の文字が、その指定役務との関係において、自他役務の識別標識としての機能を有さないと判断しなければならない事情も見いだせないから、「Saian」の文字部分は、取引者、需要者に対して強く支配的な印象を与えるものと判断するのが相当である。
そうすると、本願商標は、「Saian」の文字部分を分離抽出し、これを本願商標の要部として引用商標と比較することが許されるというべきであり、「Saian」の文字に相応して「サイアン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(イ)引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、「SAiAN」の欧文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、該文字は、上記(ア)と同様に、辞書等に掲載のない語であり、特定の意味を想起させる語として知られているものとも認められないことからすれば、特定の意味を認識させない一種の造語として認識されるというのが相当である。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して「サイアン」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(ウ)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標は、それぞれ上記(ア)及び(イ)のとおりの構成よりなるところ、両商標は、その全体の外観構成において相違するものの、本願商標の要部である「Saian」と、引用商標の「SAiAN」の文字とを比較すると、いずれも欧文字のつづりが同一であるから、両者は外観上、近似した印象を与えるものである。
次に、称呼においては、本願商標の要部である「Saian」の文字から「サイアン」の称呼を生じ、引用商標の「SAiAN」から「サイアン」の称呼を生じることから、両者は、「サイアン」の称呼を共通にするものである。
そして、観念においては、本願商標の要部である「Saian」と引用商標の「SAiAN」は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することができない。
以上からすると、本願商標と引用商標は、観念において比較することができないとしても、外観上近似した印象を与えるものであり、かつ、「サイアン」の称呼を共通にするものであるから、外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、相紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
イ 本願商標の指定役務と引用商標の指定役務の類否について
本願商標の指定役務中の第35類「果物の小売り又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,インターネットウェブサイトを介して行う果物の小売り又は卸売りの業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標の指定役務中の第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と同一又は類似の役務である。
ウ 小括
以上によれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ、その指定役務は引用商標の指定役務と同一又は類似する役務であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は図形部分と文字部分とを一体として作成した図形商標であり、図形部分と文字部分とは密接不可分に結合していることから、取引者、需要者がこれを分離して理解・把握することはなく、「Saian」の文字部分が独立して出所識別標識としての機能を果たすことは有り得ない旨主張する。
しかしながら、上記(1)アで述べたとおり、本願商標は、図形部分と文字部分とは、相互に間隔を空けて、それぞれ重なり合うことなく配置された構成よりなるところ、両者は、外観上、分離して看取されるものであり、また、図形部分と文字部分の間には、観念上のつながりがあるものではなく、両者を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえない。また、文字部分については、その構成中「Fruits Park」の文字は、役務の質を表したものと理解され、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ない部分である一方、「Saian」の文字は、その指定役務との関係において、自他役務の識別標識としての機能を有さないと判断しなければならない事情も見いだせないから、「Saian」の文字部分は、取引者、需要者に対して強く支配的な印象を与えるものと判断するのが相当である。
イ 請求人は、本願商標の使用状況として、2017年から、オンラインショップや小売り・卸売り・販売等で使用されていること、また、パンフレットや社屋の壁面、室内ドアー、看板やユニホーム、農機具に付して使用されていること、さらに、「フルーツパーク斎庵」には、年間、約10万人の来場者が訪れ、本願商標を付した果物の総出荷量は約140トン/年であることを述べ、本願商標は出願人の出所を示す標章として全国的に周知されていることから、引用商標との間で誤認混同が生じない旨主張している。
しかしながら、提出された資料には、本願商標が掲載されている事実は確認できるものの、かかる証拠をもって本願商標が全国的に周知であると認めることはできないこと、また、上記(1)で述べたとおり、本願商標と引用商標は類似するものであって、その指定役務が類似のものであるから、請求人の上記の主張は、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当することを覆す理由にはならない。
ウ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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