商標拒絶査定不服審判
2025-000148
バイマージー、バイメルジー、マージー、メルジー
- 審判番号
- 2025-000148
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-054018
- 請求日
- 2025年01月07日
- 審決日
- 2025年05月07日
- 公報発行日
- 2025年10月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ミーファクトリー・カンパニー・リミテッド
- 【請求人代理人】村井 康司
- 【請求人代理人】魯 佳瑛
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .261-Z (W03) / T18 .262-Z (W03) / T18 .263-Z (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 54018拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年5月18日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年12月 1日付け:拒絶理由通知書
令和6年 2月29日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年 3月27日付け:通知書
令和6年 7月 4日 :上申書の提出
令和6年10月 1日付け:拒絶査定
令和7年 1月 7日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第3類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。
そして、本願の指定商品は、上記1の手続補正書により、第3類「化粧品,口紅,化粧用マッサージクリーム,ネイルエナメル,浴用及びシャワー用化粧品,肌用保湿化粧品,ボディケア用及び美容用の化粧品,コロン,日焼けの手入れ用化粧品(医療用のものを除く。),肌の手入れ用クリーム・ローション・ジェル・化粧水,清浄用化粧品,ピーリング用化粧品,顔用ローション(医療用のものを除く。),顔及び身体用のメイクアップ用化粧品,皮膚再生用化粧品,香水,化粧用油,化粧用クリーム,化粧落とし剤,アイライナー」と補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6704955号商標(以下「引用商標」という。)は、「MARZY」の文字を標準文字で表してなり、令和4年11月14日登録出願、第3類「化粧品」を指定商品として、同5年6月7日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲のとおり、「by MERZY」の文字を一列に横書きしてなるものであるところ、そのうち「by」の文字と「MERZY」の文字とは書体が異なり、「MERZY」の文字の方が太い線ではっきりと表されているものである。
また、本願商標の構成中、「by」の文字は、「~によって」(出典:「新英和中辞典 第7版」株式会社研究社)を意味する平易な英語であるのに対し、「MERZY」の文字は、辞書類に掲載されている語ではなく、我が国において特定の意味合いを有する語として用いられているという事情も見当たらない、造語というべきものであるから、これらの文字が観念的に結合しているということもできない。
加えて、「by」という語は、一般に「by 〇〇〇」との用法により「商品や役務の出所が〇〇〇」であることを表す英語の前置詞として我が国において広く用いられ、親しまれていることや、「by」が小文字で書されていることからすると、本願商標は、全体として、「by」の後の「MERZY」の文字部分を、独立して、見る者の注意を引くように構成されているといい得るものである。
以上のことからすると、本願商標構成中の「by」の後に配された「MERZY」の文字部分は、本願商標の構成の中でも、出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものといえ、この部分を本件商標の要部として抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して商標の類否を判断することが許されるというべきである。
そして、「MERZY」の文字のような欧文字からなる造語については、これを称呼する場合、我が国において親しまれている英語の読み又はローマ字の読みに倣って称呼するのが自然であるところ、「MERZY」を構成する母音と子音を表す文字の配置等からすると、これを自然にローマ字の読みに倣って称呼することは困難である。そこで、英語の読みに倣った称呼を検討するに、英語において例えば「merge」を「マージ」、「merry」を「メリー」、「crazy」を「クレイジー」などと発音することに倣えば、「マージー」や「メルジー」と称呼することが考えられる。
したがって、本願商標よりは、その構成中の「MERZY」の文字部分(以下「本願要部」という。)に相応した「マージー」又は「メルジー」の称呼が生じ、また、これは辞書類に掲載されている成語ではないことから、特定の観念が生じるとはいえないものである。
イ 引用商標について
引用商標は、「MARZY」の文字を標準文字で表してなるところ、これは辞書類に掲載されている語ではなく、我が国において特定の意味合いを有する語として用いられているという事情も見当たらないことからすると、該文字は造語として認識されるというべきものである。
そして、上記ア同様、これは英語の読み又はローマ字の読みに倣って称呼するのが自然であるところ、「MARZY」を構成する母音と子音を表す文字の配置等からすると、これを自然にローマ字の読みに倣って称呼することは困難である。そこで、英語の読みに倣った称呼を検討するに、英語において例えば「mark」を「マーク」、「march」を「マーチ」、「crazy」を「クレイジー」などと発音することに倣えば、「マージー」と称呼することが考えられる。
そうすると、引用商標よりは、その構成文字に相応して「マージー」の称呼が生じ、また、特定の観念は生じないものといえる。
ウ 本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標を比較するに、全体としては「by」の文字の有無で相違するものであるが、本願要部と引用商標との比較においては、書体が相違するものの、いずれも5文字の大文字の欧文字からなるものであって、2文字目が「E」と「A」とで異なるのみで、語頭及び語尾の文字を含む、5文字中4文字(「M」及び「RZY」の文字)のつづり字を共通にするものであるから、相当程度近似した印象を与えるものである。
そして、称呼においては、「マージー」を共通にするものであり、また、観念においては、いずれも特定の観念を生じないものであるから比較することができない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、観念において比較することはできないとしても、外観上相当程度近似した印象を与えるものであり、称呼も共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
エ 本願商標と引用商標の指定商品の類否について
本願の指定商品である第3類「化粧品,口紅,化粧用マッサージクリーム,ネイルエナメル,浴用及びシャワー用化粧品,肌用保湿化粧品,ボディケア用及び美容用の化粧品,コロン,日焼けの手入れ用化粧品(医療用のものを除く。),肌の手入れ用クリーム・ローション・ジェル・化粧水,清浄用化粧品,ピーリング用化粧品,顔用ローション(医療用のものを除く。),顔及び身体用のメイクアップ用化粧品,皮膚再生用化粧品,香水,化粧用油,化粧用クリーム,化粧落とし剤,アイライナー」は、引用商標の指定商品である第3類「化粧品」と同一又は類似する商品である。
オ 小括
上記アないしエによれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標構成中の「MERZY」の文字よりは、フランス語の読みやローマ字の読みといった諸事情を考慮すれば、「メルジー」という称呼が最も自然に生じるものである旨主張する。
しかしながら、仮に、本願の指定商品である化粧品を取り扱う分野において、フランス語からなる標章がしばしば採択、使用されているとしても、そのことによって、本願商標を英語の読みに倣って発音することが妨げられるものでもなく、そもそも、本願商標の構成中「MERZY」の文字は、平易な英単語である「by」の文字に続いて表されていることからすれば、当該「MERZY」の文字をフランス語の読みに倣って発音することは、むしろ不自然といえる。
また、上記(1)アのとおり、「MERZY」を構成する母音と子音を表す文字の配置等からすると、これを自然にローマ字の読みに倣って称呼することは困難である上、英語において例えば「merge」を「マージ」と発音するほか、「merchant」を「マーチャント」、「mercy」を「マーシー」と発音することに倣えば、当該文字を「マージー」と称呼することも十分に考えられるものである。
そうすると、本願商標構成中の「MERZY」の文字より最も自然に生じる称呼が「メルジー」であるとはいえず、上記1(ア)及び上記の英語に倣えば、「マージー」の称呼も自然に生じ得るものというのが相当である。
イ 請求人は、本願商標は外観上まとまりよく一体的に表されており、その構成文字全体から生じ得る「バイメルジー」「バイマージー」という称呼のいずれも冗長でないこと等からすれば、本願商標は全体として観察されるべきである旨主張する。
しかしながら、本願商標構成中の「by」の文字と「MERZY」の文字とは、重なり合うことなく表されており、また、当該「by」の文字と「MERZY」の文字とでは、書体が異なり、「MERZY」の文字の方が太い線ではっきりと表されていること等からすれば、それぞれを分離して認識し得る態様で配置されているものといえ、本願商標が外観上まとまりよく一体的に表されているものとはいえない。
また、上記(1)アのとおり、「商品や役務の出所が○○〇」であることを示すものとして「by 〇〇〇」との用法が広く用いられ、親しまれていること等からすると、「by」の後に配された「MERZY」の部分は、本願商標の構成の中でも、出所識別標識として強く支配的な印象を与えるというべきである。
ウ 請求人は、本願の指定商品と引用商標の指定商品は、いわゆる化粧品であるところ、その需要者は、商標の外観に注目する高い注意力を有する者である旨主張する。
しかしながら、化粧品は、日常的に消費される商品であり、その需要者は、主に成人女性であって、広く一般消費者を含むものであるから、その通常の需要者の注意力の程度が高いものとはいえず、また、職権をもって調査するも、請求人の主張を裏付ける事情を発見することはできなかった。
エ したがって、請求人の上記アないしウの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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