商標異議申立
2024-900260
メンインポッシブル、インポッシブル
- 審判番号
- 2024-900260
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2024-022440
- 登録番号
- 6856327
- 請求日
- 2024年12月16日
- 審決日
- 2025年06月17日
- 公報発行日
- 2025年07月25日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】石田 敦士
- 【権利者代理人】弁護士法人窪田法律事務所
- 【異議申立人】インポッシブル・フーズ・インコーポレイテッド
- 【異議申立人代理人】弁理士法人深見特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 大島 康浩
- 分類
- T1651.261-Y (W43) / T1651.262-Y (W43) / T1651.263-Y (W43) / T1651.264-Y (W43)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第43条の2第1号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6856327号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6856327号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6856327号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、令和6年3月5日に登録出願、第43類「飲食物の提供」を指定役務として、同年10月3日に登録査定され、同月21日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第6646654号商標(以下「引用商標」という。)は、「IMPOSSIBLE」の文字を標準文字で表してなり、令和4年6月24日に登録出願、第43類「レストランにおける飲食物の提供,ケータリング,喫茶店における飲食物の提供,カフェテリアにおける飲食物の提供,軽食堂における飲食物の提供並びにレストラン及び喫茶店における飲食物の提供,食事及び飲料の予約の取次ぎ,食事及び飲料のケータリング,飲食物の提供,レシピ・食材及び料理に関する情報の提供,コンピュータデータベースによるレシピ・食材及び料理に関する情報の提供」を指定役務として、同年11月30日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 商標の類似性
本件商標は、麺類を箸でつまんで持ち上げた状態を描写した図形の下に、ローマ字「men」及び「impossible」を配した態様からなり、引用商標は、ローマ字「IMPOSSIBLE」を標準文字で表した態様からなる。
ここで、本件商標中のローマ字「men」は、その上の図形に麺類が描かれていることから明らかなように、「麺(めん)」に対応するものである。そして、このローマ字は、指定役務の第43類「飲食物の提供」との関係において、提供対象の食物(料理)を表すため、役務の質を直接的かつ具体的に示すものであり、自他役務識別力を欠くといえる。そうすると、本件商標中の自他役務識別標識として機能する要部は、それ以外の部分である上記図形とローマ字「impossible」となる。
以上に基づき本件商標と引用商標とを比較すると、本件商標の一要部であるローマ字「impossible」と引用商標(ローマ字「IMPOSSIBLE」を標準文字で表したもの)とは、いずれも「インポッシブル」の称呼及び「不可能な」等の観念を生じる英語であり、称呼及び観念を同じくするとともに、外観において、小文字と大文字という差異を有するのみであり、近似した印象を与える。
よって、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念が同一であり、外観においても相紛らわしく、役務の出所において混同を生じるおそれのある類似の商標である。
イ 役務の同一・類似性
本件商標の指定役務の第43類「飲食物の提供」と引用商標の指定役務の第43類「飲食物の提供」等とは、同一又は類似の役務である。
ウ まとめ
以上より、本件商標と引用商標とは、商標が類似し、指定役務も同一又は類似の関係にあるものである。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、商標法第43条の2第1号の規定により、その登録を取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、別掲のとおり、麺類を箸で持ち上げた状態を表したとおぼしき図形(以下「本件図形部分」という。)を上段に配し、その下部に「men impossible」(以下「本件文字部分」という。)の欧文字を横書きにしてなるところ、本件図形部分と本件文字部分とは、上下にそれぞれ重なり合うことなく、独立して表されていることから、視覚上分離して看取し得る。
そして、本件商標中の本件図形部分は、特定の事物を表すものとして認識されているものではないから、これよりは特定の称呼及び観念は生じない。
また、本件商標中、本件文字部分は、「men」の文字を「impossible」の文字よりも太文字で表してなるものの、外観上まとまりよく一体的に表されたものであり、本件文字部分中の「men」の文字は、「manの複数形。男。」(「ジーニアス英和辞典 第6版」大修館書店)の意味を、「impossible」の文字は、「不可能な」(前掲書)の意味を有するとしても、「men impossible」の文字は、一般的な辞書等に載録がなく、本件商標の指定役務との関係において、特定の意味を表す語として一般に使用されているような特別な事情もないことから、特定の観念を生じない一連一体の造語を表したものとみるのが相当であることからすると、このようなまとまりのよい構成においては、本件商標に接する需要者は、「men」の文字を捨象して、「impossible」の文字部分のみに着目するというよりは、むしろ「men impossible」の文字全体をもって、役務の出所識別標識としての機能を果たし得るとみるのが相当であるから、本件商標から「impossible」の文字部分のみを分離、抽出して他人の商標と比較して商標の類否を判断することは許されないというべきである。
加えて、当該文字部分は、本件商標の指定役務の分野において、特定の意味を有しない造語であり、全体としてその称呼もよどみなく一連に称呼し得るから、当該文字より「メンインポッシブル」の称呼を生ずるというのが相当である。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して「メンインポッシブル」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。
イ 引用商標について
引用商標は、「IMPOSSIBLE」の欧文字を横書きしてなるところ、当該文字は「不可能な」の意味を有する英語(「ジーニアス英和辞典 第6版」大修館書店)であるから、その構成文字に相応して「インポッシブル」の称呼及び「不可能な」の観念を生じるものである。
ウ 本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標は、上記ア及びイのとおり、外観においては、図形部分の有無、「men」の文字の有無等の差異を有するものであるから、両者は外観上、明確に区別し得るものである。
また、称呼においては、本件商標から生じる「メンインポッシブル」の称呼と引用商標から生じる「インポッシブル」の称呼とは、語頭部分の「メン」の音の有無に差異を有するものであるから、称呼上、明瞭に聴別し得るものである。
さらに、観念においては、本件商標は特定の観念を生じないのに対し、引用商標は、「不可能な」の観念を生じるから、観念において相紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標は、外観及び称呼において、明確に区別及び明瞭に聴別し得るものであり、観念において相紛れるおそれはないものであるから、両者の外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標である。
したがって、本件商標の指定役務と引用商標の指定役務が同一又は類似であるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとはいえず、他にその登録が、同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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