商標異議申立
2024-900259
タイギア、タイギール、テイギア、テイギール
- 審判番号
- 2024-900259
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2024-039373
- 登録番号
- 6854801
- 請求日
- 2024年12月10日
- 審決日
- 2025年05月15日
- 公報発行日
- 2025年11月28日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】張小華
- 【異議申立人】陳 恰
- 【異議申立人代理人】譚 粟元
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 馬場 秀敏
- 分類
- T1651.222-Y (W18)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項19号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第19号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6854801号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6854801号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6854801号商標(以下「本件商標」という。)は、「TAYGEER」の文字を標準文字で表してなり、令和6年4月12日に登録出願、第18類「リュックサック,雑のう,乳幼児運搬用バックパック,ブリーフケース,スポーツバッグ,車輪付スーツケース,車付き買物袋,工具袋(中身が入っていないもの),革製包装用袋,キャンプ用バッグ,登山用バッグ,旅行用衣服かばん,かばん用圧縮袋,通学用かばん,ランドセル,旅行かばん,バッグ,化粧用具入れ(型に合わせていないもの)」(以下「異議申立商品」という。)を指定商品として、同年10月2日に登録査定され、同月16日に設定登録されたものである。
第2 登録異議申立人が引用する標章
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当するとして引用する標章は、EU商標登録第018183330号(以下「引用商標」という。)であり、「Taygeer」の欧文字よりなり、申立人が、同人の取扱いに係るかばん類(以下「申立人商品」という。)に使用し、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、外国で広く認識されていると主張するものである。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第16号証を提出した。
なお、証拠の表記に当たっては、「甲第1号証」を「甲1」のように省略して記載する場合がある。
1 本件商標と引用商標について
本件商標と引用商標は、その構成より、いずれも「Taygeer」という文字列であり、大文字か小文字の違いのみだけで、「タイギア」ないし「タイギール」の称呼を生じ、同一の観念を生ずるものであり、本件商標と引用商標の指定商品は、同一又は類似のものである。
2 商標法第4条第1項第19号について
(1)引用商標について
引用商標は、英和辞書に載録がなく、申立人によって創作された造語であり、特定の意味合いを有するものである。その構成は、「T」はTrust(信頼)、「a」はAdventure(アドベンチャー)、「y」はYouthful(ユースフル)、「g」はGlobal(グローバル)、「ee」はExcellence(エクセレンス)とEnvironment(環境)、「r」はReliability(信頼性)であるため、明らかに構成上特徴を有するものである。
また、申立人は、2017年から越境ECビジネスを開始し、2017年6月11日にAmazon.ca(カナダ)ストアを開設、2017年6月12日にAmazon.de(ドイツ)ストアとAmazon.it(イタリア)ストアを開設、2017年6月15日にAmazon.com.mx(メキシコ)ストアを開設、2017年6月17日にAmazon.com(アメリカ)ストアを開設、2018年2月27日にAmazon.uk(イギリス)ストアを開設、2017年6月12日にAmazon.es(スペイン)ストアを開設し、引用商標を使用して数多くのかばん類商品を販売している。その販売事例と各商品の10000個以上のレビューから外国では広く認識されており、極めて高い周知性を獲得していることは確認できる。そして、令和6年7月22日に日本で商標を出願し、これから日本で販売開始する予定である。
そして、申立人の引用商標は、外国で広く認識されていて極めて高い周知性を獲得していることから、容易にインターネットを通じて検索することが可能な状況であったことを考慮すると、商標権者は、本件商標の登録出願時において、引用商標の存在を知っていたものというべきであり、引用商標が商標登録されていないことを奇貨として、引用商標に化体した信用又は名声に便乗して利益を得ようとする目的をもって、引用商標と同一の本件商標を剽窃的に登録出願し、その登録を受けたものといわざるを得ない。
本件商標は、引用商標と同一又は類似であり、引用商標の名声、周知性等に便乗し、不正の利益を得る目的をもって使用するものというべきであるから、商標法第4条第1項第19号に該当する。
(2)証拠について
ア 甲第3号証・甲第4号証について
申立人がメキシコ産業財産庁で令和5年5月10日に登録出願、同6年8月7日に登録された商標広報情報及び写しであり、現に有効に継続しているものである。
イ 甲第5号証~甲第16号証について
実際に海外で使用され、現に有効に継続しているものである。
・Amazon.ca(カナダ)ストア(甲5、甲6)
Taygeerブランドバック、2017年6月11日から発売開始
・Amazon.de(ドイツ)ストア(甲7、甲8)
Taygeerブランドバック、2017年6月12日から発売開始
・Amazon.it(イタリア)ストア(甲9)
Taygeerブランドバック、2017年6月12日から発売開始
・Amazon.com.mx(メキシコ)ストア(甲10、甲11)
Taygeerブランドバック、2017年6月15日から発売開始
・Amazon.com(アメリカ)ストア(甲12、甲13)
Taygeerブランドバック、2016年6月17日から発売開始
・Amazon.uk(イギリス)ストア(甲14、甲15)
Taygeerブランドバック、2018年2月27日から発売開始
・Amazon.es(スペイン)ストア(甲16)
Taygeerブランドバック、2017年6月12日から発売開始
(3)むすび
本件商標は、申立人によって創作された独創性のある造語であり、引用商標と同一又は類似のであり、引用商標の名声、周知性等に便乗し、不正の利益を得る目的をもって使用するものというものであるから、取り消されるべきである。
第4 当審の判断
1 引用商標の周知著名性について
申立人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、申立人は、外国(EUIPO、メキシコ)において、「Taygeer」又は「TAYGEER」の商標登録を有していることは確認できる(甲2~甲4)。
そして、複数の外国のAmazonウェブサイトにおいて、2017年以降、引用商標を使用したかばんが販売されていることがうかがえるが、申立人の表示は見当たらない(甲5~甲16)。
また、引用商標を使用した申立人商品の販売実績(販売数、使用地域、売上高、業界シェア等)並びに広告実績(広告宣伝の方法、期間、地域及び規模等)を客観的に把握できる証拠は何ら提出されていない。
そうすると、引用商標の使用状況に基づき、その周知性を推し量ることができないため、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国又は外国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
2 商標法第4条第1項第19号該当性について
(1)引用商標の周知性について
上記1のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国又は外国の需要者の間に広く認識されていたものとはいえない。
(2)本件商標と引用商標の類似性について
ア 本件商標について
本件商標は、上記第1のとおり、「TAYGEER」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して「タイギア」の称呼が生じ、当該文字は、一般の辞書等に載録のない語であり、特定の意味を有しない造語といえるから観念は生じない。
イ 引用商標について
引用商標は、上記第2のとおり、「Taygeer」の欧文字よりなるところ、その構成文字に相応して「タイギア」の称呼が生じ、当該文字は、一般の辞書等に載録のない語であり、特定の意味を有しない造語といえるから観念は生じない。
ウ 本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標とは、観念においては比較できず、外観においては、大文字、小文字の違いを有するものの同一のつづりからなるものであり、称呼においては、「タイギア」の称呼を共通にする同一又は類似の商標である。
エ 異議申立商品と申立人商品について
異議申立商品と申立人商品は、いずれもかばん等であるから、同一又は類似の商品である。
(3)判断
上記(2)のとおり、本件商標と引用商標とは同一又は類似の商標であり、異議申立商品と申立人商品とは同一又は類似の商品であるが、上記(1)のとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして我が国又は外国の需要者の間に広く認識されていたとは認められないものである。
そして、申立人提出の全証拠からは、本件商標の権利者が、本件商標を異議申立商品に使用して不正の利益を得ている事実や申立人に経済的損害を加えるなどの具体的な行為に及んでいる事実は把握することができない。
そうすると、本件商標の登録出願は、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的など)をもってされたものと認めることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号に違反してされたものではなく、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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