商標異議申立
2024-900232
ハビバー
- 審判番号
- 2024-900232
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2024-014961
- 登録番号
- 6841047
- 請求日
- 2024年11月11日
- 審決日
- 2025年07月24日
- 公報発行日
- 2025年08月29日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】アルバンダール コンプレックス カンパニー フォー スイーツ アンド フード エル.エル.シー.
- 【権利者代理人】弁理士法人東海特許事務所
- 【異議申立人】アル―ハジ マフムード ハビバー&サンズ カンパニー ヨルダン リミテッド ライアビリティ カンパニー
- 【異議申立人代理人】譚 粟元
- 審判長/審判官
- 審判長 高橋 幸志
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T1651.222-Y (W293043)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項19号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第19号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6841047号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6841047号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6841047号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、第29類、第30類及び第43類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和6年2月15日に登録出願、同年8月29日に登録査定、同年9月4日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、引用する米国商標登録第6392337号商標は、別掲2のとおりの構成からなり、第30類「Sweets;assorted Arabic sweets,namely,ma’moul,barazeq,ghraybah,konafeh;mixed sweets」を指定商品として、2019年(令和元年)10月8日に米国に登録出願、2021年(令和3年)6月22日に登録されたと主張するものである。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第14号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第19号について
ア 本件商標について 本件商標は、「Habibah」という文字を中心に、横の帯を上下に配して組み合わせた図形であり、引用商標と同じ「ハビバ」ないし「ハビバー」という称呼を生ずるものである。
したがって、本件商標と引用商標は、いずれも同じ構成にしたものであるから、同一の観念を生じ、外観においても同一又は類似するものである。
また、指定商品も互いに抵触するものである。
イ 引用商標について
引用商標「Habibah」は、Haj Mahmoud Habibahの名前から由来し、申立人のアラブの菓子事業とカフェの開業創業者であり、特定の意味を生ずるものである。
申立人の創業者は、1947年にバブアルハリアル地区でクナファの店を始め、1989年に息子のハニとヒシャムはヨルダンでAl-Haj Mahmoud Habibah & Sons Co.を創業し、ヨルダンハシミテ王国全土に支店を開設して事業を拡大してきた。
1985年から「ハビバ・スイーツ・コンプレックス(Habibah Sweets Complex)」支店を設け、その後、支店を続々とオープンし、1994年に生産工場を北マルカ地区に設立、現にアラブ及び外国の菓子を製造しているほか、海外市場にも輸出している(甲3~甲8)。
そして、申立人は、引用商標と他の登録商標を投資認可機関であるサウジアラビア総合投資庁(Ministry of Investment of Saudi Arabia:MISA)に登録してライセンスを取得し、海外への輸出販売を開始された。海外でも商標権を数多く取得している(甲14)。
また、申立人は、2009年からヨルダンでハビバ・スイーツについてISO認証を取得し、総面積は3000平方メートルになる中東で最大のハビバ商業複合施設をオープン、現在、総従業員数は174名までに至っている。2016年9月26日にヨルダンのバスマ王女殿下まで訪れるほど有名なスイーツの名所になり、日本人もヨルダンに行ったら必ず尋ねる名所地になっている(甲3~甲11)。
そして、本件商標権者が中東で出願された「Habibah」関連の商標は、申立人の異議申立により取消されている(甲12、甲13)。
以上の事実に照らせば、申立人の商標は、申立人の業務に係る指定商品及び指定役務を表示する出所識別標識として、本件商標の登録出願日前より、ヨルダンを始めとする中東及び外国で広く認識されていたものである。
本件商標権者は、本件商標の登録出願時において、引用商標の存在を知っていたものというべきであり、引用商標が商標登録されていないことを奇貨として、引用商標に化体した信用又は名声に便乗して利益を得ようとする目的をもって、引用商標と同一の本件商標を剽窃的に登録出願し、その登録を受けたものといわざるを得ない。
(2)小括
本件商標は、引用商標と同一又は類似であり、引用商標の名声、周知性等
に便乗し、不正の利益を得る目的をもって使用するものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人の提出に係る証拠によれば、以下のとおりである。
申立人のウェブサイトには、申立人の歴史が紹介され、1947年にバブアルハリル地区でクナファの店を始め、1989年にヨルダンでAl-Haj Mahmoud Habibah & Sons Co.を創業し、現在において菓子業及びカフェを営んでいることが記載され、キングフセインストリート支店、アルマティナアルムナワラ支店、アル・ウェダット支店及びリヤド、サウジアラビア支部の写真には、店舗の入口の上部に引用商標が表示されている(甲7)。
そして、2023年3月7日付けの中東新聞に、申立人を紹介する記事が掲載されており、当該記事に掲載された写真は、申立人のウェブサイト(甲7)の「連絡先」と題するページの写真と同一であり、当該写真に掲載の店舗の看板は、引用商標と異なるアラビア語のロゴマークのものである(甲8)。
また、申立人のウェブサイトの「ニュース」と題するページにおいても、アラビア語のロゴマーク等が掲載されているとしても、引用商標は確認することはできない(甲10)。
さらに、旅行関連のものと思しきウェブサイトにおける「クチコミ」(甲11)には、申立人の店舗を利用した顧客からの投稿の情報が掲載されている。
イ 以上によれば、申立人は、菓子及びカフェに関する事業を運営する会社であり、ヨルダンを中心として、複数の店舗を有しているものの、店舗の入口の上部に引用商標が使用されている店舗は3支店・1支部にとどまり、その他申立人の店舗において引用商標が使用されている事実の提出もなく、引用商標が使用された取扱商品の販売数量・売上高・市場シェア、また、その商品の宣伝広告等の証拠が提出されておらず、これらの具体的な事実を確認できないことから、申立人の提出に係る証拠及び同人の主張によっては、引用商標が申立人の業務に係る商品について使用する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、日本国内の需要者はもとより、外国における需要者の間に広く認識されていたものと認めることができない。
(2)本件商標と引用商標の類否について
本件商標は、別掲1のとおり、「Habibah」の文字(以下「文字部分」という場合がある。)を筆記体風に横書きに書してなり、該文字の上下に波線の図形を配してなるところ配してなるものである。
そして、波線の図形部分は、直ちに特定の称呼及び観念を生じるものではない。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「ハビバ」の称呼の生じ、当該文字は、辞書等に載録が認められないから、特定の観念は生じない。
他方、引用商標は、別掲2のとおり、外側が紺色、内側が水色からなるグラデーションを施したような横長楕円形内に「Habibah」の欧文字を大きく筆記体風に白抜きし、また、該文字の上下に波線の図形を配し、さらに、その下に小さく「AL-HAJ MAHMOUD HABIBAH & SONS」の文字を白抜きにして上下2段に配した構成からなるものである。
そして、引用商標は、その構成中筆記体風で大きく表された「Habibah」の白抜き文字部分が視覚的に分離して看取され、当該文字部分がこれに接する者に強く支配的な印象を与えるといえるもので、この文字部分より生じる称呼及び観念をもって取引に資する場合も少なくないといえることから、その構成文字に相応して、「ハビバ」の称呼を生じ、当該文字は、辞書等に載録が認められないから、特定の観念は生じない。
なお、波線の図形部分からは、特定の称呼及び観念は生じない。
そこで、本件商標と引用商標を比較すると、両者は、共に特定の観念を生じないことから、観念について比較することができない。
また、外観について、引用商標の中央の表された「Habibah」の文字の書体とその文字の上下に配置された波線図形の形状は、本件商標と同一のものであるから、引用商標が横長楕円形内に白抜きで表示されているとしても、構成全体が酷似しているといえるものである。
そして、称呼について、共に「ハビバ」の称呼を共通にするものである。
してみると、本件商標と引用商標は、観念において比較できないものの、外観において酷似し、称呼において同一であるから、これらの外観及び称呼によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、互いに紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。
(3)商標法第4条第1項第19号該当性について
上記(2)のとおり、本件商標と引用商標とは、類似の商標といえるものである。
しかしながら、上記(1)イのとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間に広く認識されているものとはいえない。
また、申立人が提出した証拠からは、本件商標権者が本件商標を不正の利益を得る目的、他人に損害を与える目的その他不正の目的をもって使用するものと認めるに足りる具体的事実は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(4)申立人の主張
申立人は、中東で出願された「Habibah」関連の商標は、申立人の異議申立により取消されている(甲12、甲13)ことからしても、申立人の商標は、申立人の業務に係る指定商品及び指定役務を表示するものとして本件商標の登録出願日前より、ヨルダンをはじめとする中東及び外国で広く認識されており、商標権者は本件商標の登録出願時において、引用商標の存在を知っていたというべきであり、引用商標が商標登録されていないことを奇貨として、引用商標に化体した信用又は名声に便乗して利益を得ようとする目的をもって、引用商標と同一の本件商標を剽窃的に出願し、登録を受けたものいわざるを得ない旨主張している。
しかしながら、取消となったと主張する「Habibah」関連の商標がどのような商標であるか不明であるばかりでなく、異議申立の内容及び取消となった理由も不明であることからすれば、申立人の主張は採用することはできない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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