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商標異議申立

2024-900222

カネプエックス、カネップエックス

審判番号
2024-900222
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2023-137943
登録番号
6835906
請求日
2024年10月28日
審決日
2025年07月15日
公報発行日
2025年08月29日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】張家港大大金属制品有限公司
  • 【権利者代理人】曽々木 太郎
  • 【異議申立人】クニペックス-ヴェルク ツェー グスタフ プッチュ カーゲー
  • 【異議申立人代理人】小林 功
  • 【異議申立人代理人】今井 秀樹
審判長/審判官
  • 審判長 山田 啓之
  • 審判官 渡邉 あおい
  • 審判官 石塚 文子
分類
T1651.261-Y (W08) / T1651.262-Y (W08) / T1651.263-Y (W08) / T1651.271-Y (W08)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号、商標法第43条の2、商標法第43条の3第4項
データ出所
審決公報(XML)

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登録第6835906号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6835906号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 1 本件商標 本件登録第6835906号商標(以下「本件商標」という。)は、「KANEPX」の欧文字を書してなり、第8類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、令和5年12月13日に登録出願、同6年8月8日に登録査定、同月21日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立人が引用する商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件登録異議の申立てにおいて引用する登録商標は以下のとおりであり、その商標権は現に有効に存続している。これらをまとめて「引用商標」という。 (1)国際登録第1171610号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の態様:「KNIPEX」 国際登録出願日:2012年10月24日 優先権主張日:2012年(平成24年)4月25日(ドイツ) 設定登録日:平成28年2月5日 指定商品:第6類から第9類、第16類、第18類及び第20類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品 (2)登録第1461275号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の態様:「Knipex」 登録出願日:昭和51年1月13日 設定登録日:昭和56年5月30日 書換登録日:平成14年1月16日 指定商品:第8類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第22号証を提出した。以下、証拠の記載に当たっては、「甲第○号証」を「甲○」のように省略して記載する。 (1)商標法第4条第1項第11号について ア 本件商標 本件商標は、「KANEPX」の欧文字を同書、同大、同間隔で横一列に配してなり、当該文字構成から、「カネプエックス」や「カネップエックス」といった称呼が生じる。 また、本件商標の観念については、辞書等に載録されていない造語であり、特定の観念は生じない。 イ 引用商標 引用商標1は、「KNIPEX」の欧文字、引用商標2は、「Knipex」の欧文字を同書、同大、同間隔で横一列に配してなり、その構成文字に相応して「クニペックス」との称呼が生じる。 また、引用商標の観念については、いずれも辞書等に載録されていない造語であり、特定の観念を生じない。 ウ 本件商標と引用商標との類否 本件商標「KANEPX」と引用商標1「KNIPEX」及び引用商標2「Knipex」は、構成文字中、「K」「N(n)」「P(p)」「E(e)」「X(x)」の5文字が共通し、そのうち最も目につきやすい語頭の「K」と語尾の「X」が共通している。 したがって、両商標を全体観察した場合、外観上近似した印象を強く看者に与え、本件商標と引用商標は、時と場所を異にして接する時は、需要者の視覚を通じて認識する外観の印象が互いに相紛らわしく、両商標は外観において類似する。 また、両商標から生ずる称呼を対比するに、語尾の「ックス」の構成音を同じくし、当該構成音は韻を踏むように強く発音されるところから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときには、全体の語感、語調が極めて近似したものとなっている。 以上からすれば、本件商標と引用商標の称呼は互いに聴別することが極めて困難な類似のものと考えるのが自然である。 さらに、観念においては、本件商標と引用商標は、共に特定の観念を生じないものであるから、比較することはできない。 エ 本件商標の指定商品は、引用商標1の指定商品中、第8類の商品と同一又は類似のものであり、引用商標2の商品と同一又は類似のものである。 オ 商標に化体した業務上の信用について 引用商標は、下記に示すとおり、我が国において多大な業務上の信用が化体した商標であり、出所の混同は、経済的損害を招くものである。また、引用商標が業界において広く知られているがゆえに、混同のおそれは高く、商標の類似関係は厳格に判断されるべきものである。 カ まとめ 以上より、本件商標は、外観及び称呼において、引用商標と相紛れるおそれのある類似の商標であることは明らかであり、また、本件商標は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品に使用するものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第15号について ア 上述のとおり、本件商標と引用商標は、互いに類似する。 イ 引用商標の周知性について (ア)申立人は、ドイツに拠点を置く工具類の製造・販売を手掛ける企業であって、1882年にドイツのクローネンベルクで創業し、140年以上の豊富な実績と経験を積み重ねた結果、申立人は工具類を取り扱う業界において、世界有数のブランドの一つとなっている(甲4)。また、申立人の国際的なビジネスシェアは現在では60%以上に達しており、1998年以降は子会社をアメリカ、中国、ドバイ、日本、メキシコ、ブラジル、インド等に設立している(甲5)。 (イ)日本国内においては、クニペックスツールズジャパン株式会社(KNIPEX TOOLS JAPAN K.K.又はKNIPEX TOOLS JAPAN Co.,Ltd.)(以下、「申立人日本法人」といい、申立人と総称して「申立人ら」という。)が事業を展開し(甲6)、「KNIPEX」の商標を自社商品に使用しており(甲7~甲11)、日本国内における2023年の販売額は約6億7,000万円である(甲12)。 また、申立人日本法人は、日本国内の展示会に積極的に出展しており(甲13~甲16)、日本国内における2023年1月から2024年9月までの広告宣伝費は約1,400万円となっている(甲17)。 さらに、引用商標はインターネット記事やショッピングサイトにおいて「世界的なプライヤーブランド」等として多く紹介されている(甲18~甲22)。 (ウ)本件商標の指定商品は、申立人らの提供する商品と同一又は類似するものであって、需要者・取引者も共通するといえる。 (エ)上記内容を考慮すると、引用商標は我が国の需要者・取引者間に広く知られているものと認められる。したがって、「KANEPX」の文字からなる本件商標が本件指定商品について使用された場合には、申立人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがあることは明らかである。 ウ 以上のとおり、本件商標が本件指定商品に使用された場合、その商品の需要者が申立人の業務に係る商品と出所について混同するおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 4 当審の判断 (1)引用商標の周知著名性について ア 申立人の提出に係る証拠によれば、次の事実が認められる。 (ア)申立人は、1882年にドイツで創業したプライヤーメーカーであり、申立人の沿革には、「国際的なビジネスシェアは現在では60%以上に達しており、1998年以降は子会社をアメリカ、中国、ドバイ、日本、メキシコ、ブラジル、インド等に設立している。」旨、記載されている(甲4、甲5、甲9)。 (イ)日本国内では、申立人日本法人が事業を展開し(甲6)、引用商標を商品「プライヤー」に使用している(甲7~甲11)。 (ウ)申立人日本法人における2023年の販売額は約6億7,000万円である(甲12)。 (エ)申立人日本法人における2023年1月から2024年9月までの期間の広告宣伝費は約1,400万円である(甲17)。 また、申立人らは、2024年6月15日に東京で開催された「ギアフェスタ TOKYO PALOOZA 2024」、同月29日に神戸で開催された「ギガフェスタ GIGA FACTORY GEAR KOBE 2024」、「2024国際航空宇宙展」等の展示会に出展した(甲13~甲16)。 (オ)2020年9月3日付けのインターネット上の記事において、「世界中の工具を扱う専門店のワールドインポータントツールズが「KNIPEX」のショールームを開設」の見出しの下、「Joyfulインポートツールズ株式会社は、・・・ドイツの工具メーカーのKNIPEX(クニペックス)社のショールームをオープンした。KNIPEXは、1882年の創業から130年以上にわたりプライヤーを作り続けている老舗メーカー。」の記載がある(甲18)。 (カ)「WORLD IMPORT TOOLS」のウェブサイトにおいて、「スタッフブログ」における2019年1月14日付けの記事において、「世界トップメーカー!KNIPEX(クニペックス)メカニックプライヤーをクローズアップ!」の見出しの下、「「握り物?挟み物?」ツールメーカーと言えば・・・創業から今年で135年という歴史をもち、高品質と長寿命を両立しつつ、他メーカーにはない独創的かつユニークな構造の特許を多数持つ、ドイツKNIPEX(クニペックス)社の製品ではないでしょうか。世に出回る、主要プライヤーの礎を築き、・・・プライヤーメーカーのリーダー的な存在です。」の記載がある(甲19)。 (キ)「ケイビーワンツールオンラインショッピング」のウェブサイトにおいて、「KNIPEX クニペックス」の見出しの下、「プライヤー専門の工具メーカーとして120年以上の歴史があり近年は新製品を多数発表しています。・・・100年を越える伝統。ドイツの職人気質と最新技術が融合した、世界的なプライヤーブランド ヨーロッパ最大のプライヤーメーカーとして世界中で人気を博しているクニペックス社。」の記載があり、「クニペックス 最新カタログ クニペックスカタログ2007年バージョン」が販売されている(甲20)。 (ク)「モノタロウ」のウェブサイトにおいて、「クニペックス(KNIPEX)」の見出しの下、「世界的なプライヤーブランドとして市場をリードしています。」の記載がある(甲21)。 (ケ)「ASCII.jp」のウェブサイトにおいて、「テコの原理でしっかりつかめる!KNIPEXのプライヤーレンチが小さくても快適な理由」(2024年7月29日)の見出しの下、「・・・そんな人にオススメしたいのが、KNIPEXのプライヤーレンチです。」の記載がある(甲22)。 イ 上記アによれば、申立人は、創業140年を超えるプライヤーメーカーであって、遅くとも2007年には、我が国において、申立人日本法人によって引用商標を使用した「プライヤー」が販売され、その後も継続して現在に至るまで、販売され、2023年の売上げが相当額あり、また、インターネット上のいくつもの記事において、申立人又は引用商標が世界的なプライヤーのブランドとして高く評価されていることが認められる。 そうすると、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人らの業務に係る「プライヤー」を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと判断するのが相当である。 (2)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標 本件商標は、前記1のとおり、「KANEPX」の欧文字を書してなり、「カネプエックス」又は「カネピーエックス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないとみるのが相当である。 イ 引用商標 前記2のとおり、引用商標1は、「KNIPEX」の欧文字を書してなり、引用商標2は、「Knipex」の欧文字を書してなるものであり、当該構成文字に相応して、「クニペックス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないとみるのが相当である。 ウ 本件商標と引用商標の類否 本件商標と引用商標を比較すると、外観においては、語頭の「K」及び語尾の「X(x)」の文字を共通にするとしても、中間に位置する「ANEP」と「NIPE(nipe)」の文字に差異を有することにより、互いに別異の語を表してなると容易に認識できるからというべきであるから、外観は、明確に区別できる。 次に、本件商標から生じる「カネプエックス」又は「カネピーエックス」の称呼と引用商標から生じる「クニペックス」の称呼を比較すると、両者は、語頭において「カネプエ」又は「カネピーエ」と「クニペ」の音の差異を有することから、全体の音調、音感が異なり、それぞれを一連に称呼しても、両称呼は聞き誤るおそれはなく、明瞭に聴別し得る。 さらに、観念においては、両者は共に特定の観念を生じないから、比較することができない。 そうすると、本件商標と引用商標は、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において容易に区別し得るから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標である。 エ 小括 以上により、本件商標は、引用商標と同一又は類似する商標ではないから、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について言及するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第15号該当性について 引用商標は、上記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人らの業務に係る「プライヤー」を表示するものとして需要者等の間に広く認識されているものである。 また、引用商標は、既成語からなるものではないから、その独創性の程度も高いものといえる。 しかしながら、上記(2)のとおり、本件商標と引用商標は、非類似の商標であるから、両商標の類似性の程度は低いといわなければならない。 そうすると、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定商品に使用しても、取引者及び需要者が引用商標を連想又は想起することはなく、その商品が申立人ら又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないというべきである。 他に、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (4)まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものではなく、その登録は同項の規定に違反してされたものとするとはいえない。 他に本件商標の登録が、商標法第43条の2各号に該当するというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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