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商標異議申立

2024-900218

シンクスター

審判番号
2024-900218
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2023-135622
登録番号
6832863
請求日
2024年10月16日
審決日
2025年09月16日
公報発行日
2025年10月31日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】深▲セン▼市星酷互聯科技有限公司
  • 【異議申立人】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
  • 【異議申立人代理人】村山 靖彦
  • 【異議申立人代理人】小暮 理恵子
  • 【異議申立人代理人】行田 朋弘
審判長/審判官
  • 審判長 小林 正和
  • 審判官 渡邉 あおい
  • 審判官 吉岡 めぐみ
分類
T1651.22 -Y (W0928) / T1651.25 -Y (W0928) / T1651.261-Y (W0928) / T1651.262-Y (W0928) / T1651.263-Y (W0928) / T1651.271-Y (W0928) / T1651.222-Y (W0928)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第7号、商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6832863号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6832863号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 1 本件商標 本件登録第6832863号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、第9類「イヤホン,マイクロホン,音響増幅器,コンピュータ用内蔵冷却ファン,コンピュータ用キーパッド,コンピュータ用マウス,コンピュータ周辺機器,データ送信用ケーブル,マウスパッド,携帯電話機用保護ケース,スマートフォン用レンズ用保護フィルム,ノートブック型コンピュータ専用スタンド」及び第28類に属する商標登録原簿の記載のとおりの商品を指定商品として、令和5年12月7日に登録出願、同6年8月5日に登録査定、同月9日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立人が引用する商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標は、以下のとおりであって、登録商標の商標権は現に有効に存続している。 これらをまとめて「引用商標」という場合がある。 (1)申立人及びそのグループ会社の使用する別掲2のとおりの構成からなる商標(「引用商標1の1」ないし「引用商標1の3」:以下、まとめていうときは、「引用商標1」という。) (2)登録第2571577号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成:THINK PAD 指定商品:第9類に属する商標登録原簿に記載の商品 優先権主張:アメリカ合衆国 1990年(平成2年)6月29日 登録出願日:平成2年12月27日 設定登録日:平成5年8月31日 書換登録日:平成16年10月20日 (3)登録第4422628号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の構成:THINKLIGHT(標準文字) 指定商品:第9類に属する商標登録原簿に記載の商品 登録出願日:平成11年9月29日 設定登録日:平成12年10月6日 (4)登録第4679936号商標(以下「引用商標4」という。) 商標の構成:THINKVANTAGE(標準文字) 指定商品:第9類及び第16類に属する商標登録原簿に記載の商品 優先権主張:アメリカ合衆国 2002年(平成14年)8月26日 登録出願日:平成14年12月4日 設定登録日:平成15年6月6日 (5)登録第4679937号商標(以下「引用商標5」という。) 商標の構成:THINKCENTRE(標準文字) 指定商品:第9類及び第16類に属する商標登録原簿に記載の商品 優先権主張:アメリカ合衆国 2002年(平成14年)8月26日 登録出願日:平成14年12月4日 設定登録日:平成15年6月6日 (6)登録第4696902号商標(以下「引用商標6」という。) 商標の構成:THINKVISION(標準文字) 指定商品:第9類及び第16類に属する商標登録原簿に記載の商品 優先権主張:アメリカ合衆国 2002年(平成14年)12月12日 登録出願日:平成15年1月28日 設定登録日:平成15年8月1日 (7)登録第4899408号商標(以下「引用商標7」という。) 商標の構成:THINKPLUS(標準文字) 指定商品及び指定役務:第9類、第37類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務 登録出願日:平成17年4月1日 設定登録日:平成17年10月7日 (8)登録第5180701号商標(以下「引用商標8」という。) 商標の構成:THINKSTATION(標準文字) 指定商品及び指定役務:第9類、第16類、第35類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務 登録出願日:平成19年2月19日 設定登録日:平成20年11月14日 (9)国際登録第1324014号商標(以下「引用商標9」という。) 商標の構成:THINKSYSTEM 指定商品:第9類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品 国際商標登録出願日:2016年(平成28年)8月17日 設定登録日:平成29年10月27日 基礎出願又は基礎登録の効力の一部終了:2018年(平成30年)11月8日 (10)国際登録第1344942号商標(以下「引用商標10」という。) 商標の構成:THINKAGILE 指定商品:第9類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品 国際商標登録出願日:2017年(平成29年)2月28日 設定登録日:平成30年11月30日 基礎出願又は基礎登録の効力の一部終了:2020年(令和2年)3月5日 (11)国際登録第1396390号商標(以下「引用商標11」という。) 商標の構成:THINKSMART 指定商品及び指定役務:第9類、第38類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務 優先権主張:アメリカ合衆国 2017年(平成29年)12月7日 国際商標登録出願日:2017年(平成29年)12月7日 設定登録日:令和元年5月31日 (12)国際登録第1431022号商標(以下「引用商標12」という。) 商標の構成:THINKSHIELD 指定商品:第9類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品 優先権主張:アメリカ合衆国 2018年(平成30年)7月24日 国際商標登録出願日:2018年(平成30年)10月4日 設定登録日:令和2年4月10日 基礎出願又は基礎登録の効力の一部終了:2020年(令和2年)10月16日 (13)国際登録第1447376号商標(以下「引用商標13」という。) 商標の構成:THINKREALITY 指定商品:第9類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品 優先権主張:アメリカ合衆国 2018年(平成30年)12月7日 国際商標登録出願日:2018年(平成30年)12月7日 設定登録日:令和2年4月10日 基礎出願又は基礎登録の効力の一部終了:2020年(令和2年)12月2日 (14)国際登録第1466979号商標(以下「引用商標14」という。) 商標の構成:THINKBOOK 指定商品:第9類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品 優先権主張:シンガポール 2018年(平成30年)11月16日 国際商標登録出願日(事後指定日):2019年(令和元年)5月13日 設定登録日:令和2年8月14日 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、その指定商品中、第9類「イヤホン,マイクロホン,音響増幅器,コンピュータ用内蔵冷却ファン,コンピュータ用キーパッド,コンピュータ用マウス,コンピュータ周辺機器,データ送信用ケーブル,マウスパッド,携帯電話機用保護ケース,スマートフォン用レンズ用保護フィルム,ノートブック型コンピュータ専用スタンド」(以下「申立てに係る商品」という。)について、商標法第4条第1項第7号、同項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第34号証を提出した。 以下、証拠の表記にあたっては、「甲第○号証」を「甲○」のように省略して記載し、枝番号の全てを示すときは、枝番号を省略して記載する。 (1)申立人及びそのグループ会社の使用商標の周知性について ア 申立人及びそのグループ会社の歴史及び事業規模について 申立人は、香港に本店を置き、北京に本社を置き、シンガポール等にオペレーションセンターを置く中国のパーソナルコンピュータ(PC)メーカーであるレノボ・コーポレイション(英語表記は「Lenovo Corporation」。以下「レノボ」という。)を頂点とする、世界的企業体「レノボグループ」に属するシンガポール法人であり、レノボの世界的ブランドである「THINK」関連の商標を管理する法人である(甲4)。 レノボは、1984年に設立され、2004年に米国International Business Machines Corporation(以下「IBM社」という。)のPC部門を買収し、IBM社の主力製品であるノートパソコン「ThinkPad」等は、当該買収以降レノボによって開発・販売されるようになった(甲4の1及び甲5)。 また、2011年には、当時の国内シェア1位である日本のパソコンメーカーの日本電気株式会社(以下「日本電気」という。)とレノボグループの合弁会社「レノボNECホールディングス」を発足した(甲4の1及び甲6)。 そのほかにもレノボは、ドイツの大手PCメーカーであるMedion AGも買収し、アジア太平洋市場ではシェア1位を取り続け、中東アフリカ・ヨーロッパ・世界市場でもシェア2位となり、2013年からは世界シェア1位のPCベンダーとなった(甲4の1及び甲7)。 その後、2017年には、レノボは株式会社富士通(以下「富士通」という。)のPC部門を買収し、日本市場では1995年の日本電気以来となる4割超の圧倒的なシェアを得た(甲4の1及び甲8)。 また、2018年には、世界のコンピュータの性能ランキングを競い合うTOP500において、レノボはスーパーコンピュータのシェア世界1位のベンダーとなった(甲4の1及び甲9)。 近年では、2020年に、レノボは日本国内のパソコン市場において16.5%のシェアを獲得し、前年の5位から一気に首位に踊り出た(甲10)。 また、米国の調査会社であるInternational Data Corporation(IDC)は、2023年通期(年間)のPC(パソコン)出荷台数について、レノボが5900万台(2023年の世界全体のシェアの22.7%)と世界ーであったことを発表した(甲11)。 以上のとおり、レノボグループは設立後、その企業努力によって、パソコンメーカーとして世界において著名性を獲得している。 イ 「ThinkPad」を含めた「Think」を接頭辞とする商標の周知性について レノボは、自身の販売する製品(パーソナルコンピュータ及びその関連機器)やセキュリティサービスの多くに、「Think」を接頭辞とする商標を使用している(甲12)。 レノボの販売するノートパソコン「ThinkPad」は、1992年にIBM社によって開発及び販売が開始されたが、2004年にレノボがIBM社のPC部門を買収して以降、当該開発及び販売についてはレノボに引き継がれた(甲4の1及び甲5)。 このほか、レノボはIBM社より「ThinkCentre」及び「ThinkVision」のブランドを承継した(甲4の1及び甲13)。 また、2019年には「ThinkPad」のサブブランドとして、「ThinkBook」の販売も開始した(甲14)。 レノボは、これらの「Think」を接頭辞とするブランドを「Thinkファミリー」と総称してホームページ等で紹介している(甲15)。 IBM社又はレノボのPC関連製品は、日経クロステックやその他のニュース記事媒体において、遅くとも2003年時点から「Thinkシリーズ」や「Thinkブランド」等と呼称されている(甲16)。 ノートパソコン「ThinkPad」は、1992年に製造販売が開始された後(甲17)、継続的に製造販売され、2022年には発売から30周年を迎え(甲18)、東京(六本木ヒルズ)及び大阪(梅田蔦屋書店)にて30周年記念展も開催された(甲19)。 「ThinkPad」ブランドの製品は、2015年には累計1億台、2022年時点では累計2億台の出荷台数を達成している(甲20)。 レノボの日本法人であるレノボ・ジャパン合同会社(甲4の1。以下、改組前のレノボ・ジャパン株式会社も含め、「レノボ・ジャパン」という。)は、2020年4月から12月までの通期において、国内法人向けパソコン市場でレノボブランド単独のシェアNo.1を記録した(甲21)。 また、2023年には、NECレノボは日本における国内パソコン販売について、シェア1位の販売台数268.8万台を記録した(甲22)。 加えて、株式会社日経BPが毎年行う顧客満足度調査のノート型パソコンの部門において、レノボ・ジャパン単独で、2008年から2013年には1位~6位内に、2021年には1位に、2022年には4位にランクインをした(甲23)。 本件商標の出願日前である上述の時期において、レノボ・ジャパンの販売するノート型パソコンは教育向け最適モデルを除き、そのほとんどが「ThinkPad」シリーズであったため(甲24)、これらの販売台数や評判は「ThinkPad」について示すものであるともいえる。 レノボの「ThinkPad」や「ThinkBook」は、Wikipediaの「ノートパソコン」に関するページや製品比較等の記事において、ノート型パソコンの定番商品の一つとして、本件出願の前からその名が挙げられている(甲25)。 さらに、各オンライン辞書においても、「ThinkPad」の単独ページが設けられている(甲26)。 日本経済新聞の歴代記事においても、レノボの「ThinkPad」についての記載は数多く存在し(甲27の1)、国会図書館の蔵書検索からは各種雑誌等でレノボの「ThinkPad」についての記事が掲載されていたことが確認できる(甲27の2)。 また、全てが申立人関連の商標と確認できてはいないが、NIKKEI COMPASSにおいて「ThinkPad」で検索すると、1500件超の雑誌記事や新聞が表示される(甲27の3)。 さらに、レノボ・ジャパンのウェブサイトによると、「ThinkPad」をはじめとする「Think」を接頭辞とする商標を有する製品は、本件登録出願の前後において、官公庁や大学、大企業、NASA等でも使われている(甲28)。 ウ 「Think」を接頭辞とする商標及び当該商標の赤色部分について 引用商標1の1である「ThinkPad」のロゴは、3文字目の「i」の第一画の点部分が赤に染色されており、その他の文字は赤色ではない同色(背景が黒地の場合は白色、背景が白地の場合は黒色のことが多い。)で表されているところ、当該商標は少なくとも2007年11月よりも前から現在まで継続してノート型コンピュータに使用されており(甲2の1の1及び甲29の1)、「ThinkPad」のカタログや商品ページにも同ロゴが使われている(甲3、甲5、甲12、甲15、甲30及び甲31)。 「ThinkPad」製品の天板やキーボード下において引用商標1の1が使われる際は、この「i」の赤色部分はアクセスランプ(ステータス・インジケーター)として起動時に点灯する特徴を有しており、需要者の注意を強く惹きつける箇所である(甲29の2ないし甲29の4)。 また、引用商標1の1は「ワイヤレスキーボード」単独で販売された場合においても健在である(甲29の5)。 引用商標1の1及び「Think」単独で3文字目の「i」の第一画の点部分が赤に染色された商標は、少なくとも2023年時点では、商品配送時の梱包用資材の表面の大部分において使用されており、「ThinkPad」を配送注文した需要者の目に留まるものであった(甲32)。 当該梱包資材は、2022年に「パーソナルコンピューターパッケージ」としてグッドデザイン賞を受賞している(甲32の3)。 また、この他にも、デスクトップコンピュータに使用される引用商標1の2「ThinkCentre」や、ノート型コンピュータに使用されている引用商標1の3「ThinkBook」等のいわゆる「Thinkファミリー」の製品(甲15)も、同様に3文字目の「i」の第一画の点部分が赤に染色されており、その他の文字は赤色ではない同色(黒色や白色)で表されている(甲2の1の2、甲2の1の3、甲12、甲13、甲14の2、甲14の3及び甲15)。 引用商標1及びその他の「Thinkファミリー」商標が有する当該赤点部分は、レノボの「ThinkPad」の大きな特徴の一つでもあるトラックポイントを彷彿させるものである(甲33)。 「ThinkPad」は、トラックポイントを搭載した初のノート型コンピュータ(甲17)であり、「ThinkPad」製品のキーボードには基本的にこの赤いトラックボイントが設置されていている(甲12、甲24の2及び甲30)。 上記のとおり「ThinkPad」は、国内外問わずトップレベルの販売台数を誇り、その購入者は「ThinkPad」のキーボードの一部として当該赤色のトラックポイントに接している。 また、レノボ自身もこのトラックポイントを特徴の一つとして重視していることが、レノボのカタログからも分かる(甲12及び甲30)。 「ThinkPad」の大きな特徴の一つがこのトラックポイントであることは、Wikipediaやコトバンク、IT用語辞典等の用語解説からも伺える(甲25の1、甲26の2及び甲26の3)。 エ 引用商標1の周知性について 以上の事実から、申立人及びそのグループ会社の使用する「ThinkPad」を含めた「Think」を接頭辞とする商標及び「Think」部分の「i」の第一画の点部分が赤に染色された商標は、申立人及びそのグループ会社の業務に係るパーソナルコンピュータ関連商品を表示するものとして、本件商標の登録出願前から、国内外問わず需要者の間に広く認識されていたことは明らかである。 (2)商標法第4条第1項第7号について ア 本件商標について 本件商標は、欧文字「thinkustar」を書してなるものであり、3文字目の「i」の第一画の点部分が赤に染色されており、その他の文字は黒色で表されている(甲1)。 イ 引用商標1について 引用商標1の1は、欧文字「ThinkPad」を書してなり、引用商標1の2は、欧文字「ThinkCentre」を書してなり、引用商標1の3は、は、欧文字「ThinkBook」を書してなるものであり、いずれも3文字目の「i」の第一画の点部分が赤に染色されており、その他の文字は赤色ではない同色(黒色や白色)で表されている(甲2の1、甲3、甲5、甲12、甲13、甲14の2、甲14の3、甲15、甲29の1、甲29の5、甲30及び甲31)。 ウ 商標の類否について (ア)商標の外観について 上述のとおり、本件商標は、欧文字「thinkustar」の構成からなるものである。 ここで、本件商標全体の文字は、造語であり特定の意味を有さない一方、語頭に位置する「think」の部分は、「思う」という意味を有する、我が国において義務教育課程で学習する広く一般に知られる英単語である(甲34)。 また、PCを中心とするコンピュータの分野においては、上述のように、レノボグループの「Think」を接頭辞とする一連の商標は、取引者及び需要者の間において広く知られていることから、取引者・需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える。 以上より、本件商標の要部は「think」であるといえる。 引用商標1は、いずれも語頭に「Think」を配しているところ、これらはレノボの「Thinkファミリー」の一環であることから、その要部は、語頭部の「Think」である。 そして、本件商標と引用商標1はいずれも、3文字目の「i」の第一画の点部分が赤に染色されており、その他の文字は赤色ではない同色(黒色や白色)で表されている。 そうすると、本件商標と引用商標1は、要部である語頭部の「think(Think)」の文字及び色彩が共通しているため、本件商標は、引用商標1とは外観上近似した印象を与えるものであり、類似している。 (イ)商標の称呼について 称呼においては、本件商標の要部である「think」の文字部分から「シンク」の称呼を生じ、引用商標1の要部である「Think」の文字部分からも「シンク」の称呼を生じる。 したがって、本件商標は、引用商標1と「シンク」の称呼を共通にするものである。 よって、本件商標と引用商標1は、要部において同一の称呼が生じる。 (ウ)商標の観念について 本件商標と引用商標1は、全体としては、一種の造語として理解されるものであり、特定の観念は生じない。 一方、前述のように、本件商標及び引用商標1の要部は「think(Think)」であり、当該要部は「思う」等の意味合いを共通にするものである。 よって、本件商標と引用商標1とは、全体として観念においては比較し得ないが、要部の観念は同ーである。 (エ)商品の類否について 2023年度の商標登録出願の審査において用いられたニース分類によると、引用商標1の1及び引用商標1の3が使用されている商品である「ノートブック型コンピュータ」並びに引用商標1の2の商品である「デスクトップコンピュータ」の類似群コードは、いずれも「11C01」である。 そして、本件商標の指定商品のうち、「コンピュータ用内蔵冷却ファン,コンピュータ用キーパッド,コンピュータ用マウス,コンピュータ周辺機器,マウスパッド,スマートフォン用レンズ用保護フィルム,ノートブック型コンピュータ専用スタンド」は、引用商標1の使用されている商品と類似する。 エ 商標法第4条第1項第7号の該当性について 上述のとおり、本件商標と引用商標1とは、外観上類似し、要部において同一の称呼が生じ、観念については、全体としては比較し得ないが、要部の観念においては同一である。 また、本件商標の指定商品の一部は、引用商標1が使用されている商品と類似する。 したがって、本件商標及び引用商標1がその外観、称呼又は観念等によって需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に観察すると、本件商標を指定商品に使用した場合に、引用商標1と出所混同のおそれがある。 よって、本件商標は、引用商標1に類似する。 上述のとおり、引用商標1を含めた「Think」を接頭辞とする商標及び「Think」部分の「i」の第一画の点部分が赤に染色された商標は、申立人及びそのグループ会社の業務に係るパーソナルコンピュータ関連商品を表示するものとして、本件商標の登録出願前から、国内外問わず需要者の間に広く認識されていたが、本件商標権者は、本件商標の出願及び登録に関して、申立人及びそのグループ会社から何らの許可を得ていない。 これらの事実を考慮すると、本件商標権者は、本件商標を使用し、申立人及びそのグループ会社の周知商標に化体した信用、名声及び顧客吸引力等に便乗して、不当な利益を得る意図があるものと推認できる。 加えて、本件商標権者が本件商標を使用して品質又は質の劣化した商品を提供した場合は、申立人及びそのグループ会社の周知商標に化体した信用、名声及び顧客吸引力等を毀損させるおそれがある。 以上より、本件商標は、不正の利益を得る目的又は申立人及びそのグループ会社に損害を加える目的で使用をするものであると考える。 したがって、本件商標の登録出願の経緯には社会的妥当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないため、本件商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあるものである。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。 (3)商標法第4条第1項第10号について 上述のとおり、本件商標と引用商標1とは外観上類似し、本件商標の要部と引用商標1は、称呼及び観念を同一にする。 また、本件商標の指定商品の一部は、引用商標1の1及び引用商標1の3が使用している商品と類似する。 よって、本件商標と引用商標1が、外観、称呼又は観念等によって需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に観察すると、本件商標を指定商品に使用した場合には、引用商標と出所混同のおそれがあり、本件商標は引用商標1と類似する。 そして、上記のとおり、申立人及びそのグループ会社の使用する「ThinkPad」を含めた「Think」を接頭辞とする商標及び「Think」部分の「i」の第一画の点部分が赤に染色された商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人及びそのグループ会社の業務に係るパーソナルコンピュータ関連商品を表示するものとして、本件商標の登録出願前から、国内外問わず需要者の間に広く認識されていた。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。 (4)商標法第4条第1項第11号について 上述のとおり、本件商標の要部は「think」であるといえる。 引用商標2ないし引用商標14は、すべて語頭に「THINK」を配している。 そしてこれらは、レノボの「THINKファミリー」の一環であることから、その要部は、語頭部の「THINK」であることはいうまでもない。 そうすると、本件商標と引用商標2ないし引用商標14は、要部である語頭部の「THINK」の文字が共通しているため、本件商標と引用商標2ないし引用商標14は、外観上近似した印象を与えるものであり、類似しているといえる。 称呼においては、本件商標の要部である「think」の文字部分から「シンク」の称呼を生じ、引用商標2ないし引用商標14の要部である「THINK」の文字部分からも「シンク」の称呼を生じることから、本件商標は、引用商標2ないし引用商標14とは、「シンク」の称呼を共通にするものである。 よって、本件商標と引用商標2ないし引用商標14は、要部において同一の称呼が生じる。 本件商標と引用商標2ないし引用商標14は、いずれも全体として、一種の造語として理解されるものであり、特定の観念は生じないため、観念においては比較し得ない。 一方、前述のように、本件商標及び引用商標2ないし引用商標14の要部は、「think」及び「THINK」であるから、「思う」の観念を同ーにする。 以上より、本件商標と引用商標2ないし引用商標14とは、その外観、称呼又は観念等によって需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に観察すると、本件商標を指定商品に使用した場合に、引用商標2ないし引用商標14と出所混同のおそれがある。 よって、本件商標は申立人及びその関連会社が商標権を有する引用商標2ないし引用商標14に類似する。 申立てに係る商品は、引用商標2ないし引用商標14の第9類の商品と需要者の範囲等を共通にし、同じ類似群を有している。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (5)商標法第4条第1項第15号について 上述のとおり、引用商標1をはじめとする、申立人及びそのグループ会社の使用する「ThinkPad」を含めた「Think」を接頭辞とする商標及び当該「Think」部分の「i」の第一画の点部分が赤に染色された商標は、申立人及びそのグループ会社の業務に係るパーソナルコンピュータ関連商品を表示するものとして、本件商標の登録出願前から、国内外問わず需要者の間に広く認識されていた。 また、「ThinkPad」製品の天板やキーボード下において引用商標1の1が使われる際は、この「i」の赤色部分はアクセスランプ(ステータス・インジケーター)として起動時に点灯する特徴を有しており、需要者の注意を強く惹きつける箇所である。 このことより、「Think」を接頭辞とし、かつ、当該「Think」部分の「i」の第一画の点部分が赤に染色された本件商標をその指定商品に使用した場合、本件商標が、引用商標1と関連する商品である、又はレノボの「Thinkファミリー」の一つであるかのごとく誤認されるおそれが非常に高い。 また、本件商標権者が本件商標を使用した場合、取引者及び需要者に、申立人及びそのグループ会社の業務に係る「Thinkファミリー」が想起される可能性が高いことは明らかである。 そして、その場合には、あたかも本件商標権者が、申立人及びそのグループ会社と経済的又は組織的に何らかの関係がある者であるかのごとく、誤認混同されるおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 4 当審の判断 (1)引用商標の周知著名性について ア 申立人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、以下のとおりである。 (ア)申立人は、香港に本店を置き、北京に本社を置き、シンガポール等にオペレーションセンターを置く中国のパーソナルコンピュータ(PC)メーカーであるレノボを頂点とする、「レノボグループ」に属するシンガポール法人であり、レノボの「THINK」関連の商標を管理する法人である(甲4)。 (イ)レノボは、1984年に設立され、その後、2004年にIBM社のPC部門を買収し、2011年には、日本のパソコンメーカーの日本電気とレノボグループの合弁会社「レノボNECホールディングス」を発足した(甲4の1及び甲6)。 そのほかにも、レノボは、ドイツの大手PCメーカーであるMedion AGを買収し、アジア太平洋市場ではシェア1位を取り続け、中東アフリカ・ヨーロッパ・世界市場でもシェア2位となり、2013年からは世界シェア1位のPCベンダーとなった(甲4の1及び甲7)。 (ウ)レノボは、2017年には、富士通のPC部門を買収し、日本市場では1995年の日本電気以来となる4割超のシェアを得た(甲4の1及び甲8)。 2020年に、レノボは日本国内のパソコン市場において16.5%のシェアを獲得し、前年の5位から首位になった(甲10)。 (エ)米国の調査会社であるInternational Data Corporation(IDC)は、2023年通期(年間)のPC(パソコン)出荷台数について、レノボが5900万台(2023年の世界全体のシェアの22.7%)と世界ーであったことを発表した(甲11)。 (オ)レノボの販売するノートパソコン「ThinkPad」は、IBM社によって開発・販売が開始されたが、2004年にレノボがIBM社のPC部門を買収した際、レノボに引き継がれ(甲4の1及び甲5)、このほかにもレノボはIBM社より「ThinkCentre」、「ThinkVision」のブランドを承継し(甲4の1及び甲13)、さらに「Think」を接頭辞とするブランドを開発し、パソコンやその関連機器を製造・販売している。 (カ)レノボは、「Think」を接頭辞とするブランドを「Thinkファミリー」と総称して、ホームページ等で紹介し(甲15)、第三者によっても、「Thinkシリーズ」や「Thinkブランド」と称されていることが認められる(甲16)。 (キ)アーカイブウェブアプリケーション「Wayback machine」のウェブサイトには、「レノボ、ThinkPadの累計出荷台数1億台を達成」(2015年1月4日)の記載、教育家庭新聞ニュースには「ノートPC「ThinkPad」誕生から30周年 限定記念モデルなど2製品を発売」(2022年10月7日)の見出しの下、「ThinkPadが発売してから累計出荷台数は2億円台以上。」の記載がある(甲20)ものの、発売から長期間にわたる累計出荷台数であって、その市場シェア等については、不明である。 また、「TECH+」のウェブサイトには、「2020年4月から12月までの通期において、国内法人向けパソコン市場でレノボブランド単独のシェアNo.1を記録」(甲21)、「株式会社MM総研」のウェブサイトには、「2023年には、NECレノボは日本における国内パソコン販売について、シェア1位の販売台数268.8万台」(甲22)、株式会社日経BPが毎年行う顧客満足度調査のノート型パソコンの部門において、レノボ・ジャパンは、上位にランクインしている(甲23)等が認められるが、これは、レノボ・ジャパンが取り扱う商品全体の内容である。 さらに、「ThinkPad」、「ThinkCentre」及び「ThinkVision」などの「Think」を接頭辞とする個々の商品の我が国における販売台数、売上額など取引実績に係る主張はなく、それを示す証左も見いだせない。 イ 上記ア(ア)ないし(カ)より、レノボグループは、2005年(平成17年)頃から現在までパーソナルコンピュータなどの商品の製造販売を行っており、それら商品を総称して「Thinkブランド」及び「Thinkシリーズ」などと表記し、「Think」を冠したシリーズ商標として使用していることが認められる。 しかしながら、上記ア(キ)のとおり、商品名に「Think」の文字が冠された各商品の取引実績を示す証左は見いだせないから、申立人提出の証拠によっては、我が国における売上高、市場比率(販売シェア)等の量的規模を客観的な使用事実に基づいて、引用商標の周知著名性の程度を推し量ることができない。 また、他に「Think」の文字が申立人等の業務に係る商品を表示するものとして需要者等の間に広く認識されているものと認めるに足る事情は見いだせない。 そうすると、「Think」の文字を冠してなる引用商標は、いずれも本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人等の業務に係る商品を表示するものとして需要者等の間に広く認識されているものと認めることはできない。 (2)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標 本件商標は、別掲1のとおり、ややデザイン化されている「thinkustar」の欧文字を横書きした構成からなるところ、その構成中「i」の文字の点については、赤で着色されているが、各文字は、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔で、全体としてまとまりよく表されているものであり、外観上、いずれかの文字部分が強調されて表現されているものではない。 また、本件商標全体から生ずる「シンクスター」又は「シンクユースター」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。 そして、本件商標の構成中の「think」の文字が、「考える」等の意味を有する語(甲34)であり、我が国において親しまれた英単語であるといえるとしても、これに続く「ustar」の文字は、辞書等に載録がなく、これらを組み合わせてなる本件商標は、直ちに特定の観念を生じない一種の造語として看取されるものであって、全体が不可分一体のものとして、取引者、需要者に記憶されるというのが相当である。 してみれば、本件商標は、「thinkustar」の文字全体で取引に資されるとみるべきであって、「think」の文字部分のみをもって取引に資されるというべき特段の事情は見いだせないから、該文字部分のみを捉えた称呼及び観念は生じないというのが相当である。 なお、申立人は、レノボグループの「THINK」を接頭辞とする一連の商標は、取引者及び需要者の間において広く知られているため、本件商標の要部は「think」である旨主張している。 しかしながら、「THINK」の文字が申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないことは、上記(1)のとおりであって、本件商標は、上記したとおり、特定の観念を有しない不可分一体のものとして認識されるものであり、その構成中の「think」の文字部分のみが分離、抽出されるということはなく、他に構成中の「think」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情を見いだすこともできないから、申立人の上記主張は、採用することができない。 イ 引用商標2ないし引用商標14 引用商標2は、前記2(2)のとおり、「THINK PAD」の文字からなるところ、「THINK」及び「PAD」の間に1文字分のスペースを有しているとしても、同じ書体でまとまりよく表されているもので、視覚上一体的に看取されるものであり、いずれかの文字部分が看者の注意を引くような構成とはなっていない。 また、その構成文字全体から生ずる「シンクパッド」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。 そして、「THINK PAD」の文字は、全体で特定の意味合いを有する語として、一般的な辞書等に載録されてなく、かつ、特定の意味合いをもって親しまれているような事情も見いだせない。 そうすると、引用商標2は、その構成文字全体をもって、特定の観念を生じない一体不可分の造語を表したものとして認識、把握されるとみるのが相当である。 また、引用商標3ないし引用商標14は、前記2(3)ないし(14)のとおり、いずれも語頭に「THINK」の文字を有するが、それに続く文字も、同一の書体、同一の大きさ、等しい間隔で書され、いずれも商標全体として、まとまりのある一体的な構成態様で表されており、特段「THINK」の文字部分が看者の注意を引くような構成とはなっていない。 さらに、引用商標3ないし引用商標14は、その構成文字全体としては、いずれも特定の意味合いを想起させない造語を表したものと理解されるから、特定の観念は生じないものというのが相当である。 してみると、引用商標3ないし引用商標14は、その構成全体が一体不可分のものであって、それぞれの構成文字全体に相応した称呼のみを生じ、いずれも特定の観念を生じないものである。 ウ 本件商標と引用商標2ないし引用商標14の類否 本件商標と引用商標2ないし引用商標14を比較すると、両商標は、その構成要素中に「think」、「THINK」の文字を含んでいるとしても、他の構成要素において判然とした差異を有しており、この差異が両者の外観に与える影響は大きく、全体から受ける視覚的印象において明らかな差異を有するものであるから、これを時と所を異にして離隔的に観察するも、外観において相紛れるおそれはないものである。 また、本件商標と引用商標2ないし引用商標14は、上記ア及びイのとおり、いずれも全体としてまとまりよく一体的に表されているものであるから、このまとまりよく表現されている構成から、殊更、「think」、「THINK」の文字部分のみを分離抽出して、単に「シンク」の称呼をもって取引に供されることはなく、それぞれの構成文字全体に相応した称呼のみを生ずるとみるのが相当である。 さらに、観念においては、両商標は、いずれも特定の観念を生じないから、観念において比較することができない。 したがって、本件商標と引用商標2ないし引用商標14とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 その他、本件商標と引用商標2ないし引用商標14とが類似するというべき理由は見いだせない。 してみれば、本件商標は、その指定商品中に引用商標2ないし引用商標14の指定商品と同一又は類似の商品が含まれているとしても、上記のとおり引用商標2ないし14とは非類似の商標である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第10号該当性について 上記(1)のとおり、申立人の提出に係る証拠において、引用商標がパーソナルコンピュータ等に使用し、「THINK」シリーズとして広く知られているとはいい難いものである。 そして、上記(2)のとおり、本件商標と引用商標2ないし引用商標14とは、十分に区別し得る非類似の商標というべきものである。 また、引用商標1は、別掲2のとおり、「ThinkPad」、「ThinkCentre」及び「ThinkBook」の文字を横書きしてなり、その構成中「i」の点については、赤で着色されている構成からなるところ、引用商標2ないし引用商標14と同様に、全体としてまとまりよく一体的に表されているものであるから、このまとまりよく表現されている構成から、殊更、「Think」の文字部分のみを分離抽出して、単に「シンク」の称呼をもって取引に供されることはなく、それぞれの構成文字全体に相応した称呼のみを生ずるとみるのが相当である。 そうすると、本件商標と引用商標1とは、十分に区別し得る非類似の商標というべきものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。 (4)商標法第4条第1項第15号該当性について 本件商標と引用商標1は、いずれも構成中「i」の文字の点について、赤で着色されていることを考慮しても、上記(3)のとおり、本件商標と引用商標1とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものである。 また、上記(1)のとおり、申立人の提出に係る証拠において、引用商標がパーソナルコンピュータ等に使用し、「THINK」シリーズとして広く知られているとはいい難いものであるから、本件商標権者が本件商標を申立てに係る商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (5)商標法第4条第1項第7号該当性について 上記(1)のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者等の間に広く認識されている商標とはいえず、また、上記(2)及び(3)のとおり、本件商標と引用商標とは、非類似の商標である。 そして、申立人が提出した証拠からは、本件商標の登録出願の経緯に著しく社会的妥当性を欠く等の事実は見当たらず、本件商標をその指定商品について使用することが、社会の一般道徳観念に反するものとはいえず、その他、本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標であると認めるに足りる証拠も見いだせない。 してみると、本件商標は、引用商標の周知性にただ乗りするなど不正の目的をもって使用をするものと認めることはできず、また、本件商標が、その登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないというべき事情は見いだせないものであるから、本件商標権者が、本件商標の登録出願をし、登録を受ける行為が「公の秩序や善良の風俗を害する」という公益に反する事情に該当するものということはできない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。 (6)むすび 以上のとおり、本件商標は、申立てに係る商品について、商標法第4条第1項第7号、同項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-900218

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