商標異議申立
2024-900193
アッシュグリーム
- 審判番号
- 2024-900193
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2023-135151
- 登録番号
- 6823805
- 請求日
- 2024年09月24日
- 審決日
- 2025年05月21日
- 公報発行日
- 2025年07月25日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】威海馳萱電子商務有限公司
- 【権利者代理人】藤井 健一
- 【異議申立人】株式会社 ビーラン
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 大島 康浩
- 分類
- T1651.271-Y (W40)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項15号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第15号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6823805号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6823805号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6823805号商標(以下「本件商標」という。)は、「ASHGREEM」の欧文字を標準文字で表してなり、令和5年12月6日に登録出願、第40類「洋服の仕立て,布地の裁断,毛皮の注文仕立て,被服の寸法直し,イージーオーダーによる洋服の仕立て,裁縫,被服の染色,衣類の仕上げ加工,衣服の防水加工,皮の仕上げ加工」を指定役務として、同6年7月1日に登録査定、同月12日に設定登録されたものである。
2 引用標章
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する標章は、申立人の業務に係る「スノーウェア」に使用する「ASHGREEN」の欧文字からなる標章(以下「引用標章」という。)である。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、その登録は、同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。
申立人は、2023年からスノーウェアについて、「ASHGREEN」と明らかに認識し得る文字、又は「アッシュグリーン」と容易に称呼し得る文字からなる標章を広く使用し(甲2~甲7)、今日に至っている。
また、申立人による「ASHGREEN」を含むスノーウェアの我が国におけるEコマース市場での販売シェアは第1位である(甲8)。
加えて、本件商標と引用標章とは、最後の一文字の「N」と「M」が異なるだけで、他のアルファベット7文字は同じである。
以上より、本件商標の指定役務の分野の需要者は、本件商標がその指定役務に使用された場合には、申立人の業務に係る役務と出所の混同を生ずるおそれがあることは明らかである(甲9)。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
4 当審の判断
(1)引用標章の周知性について
申立人は、2023年からスノーウェアについて「ASHGREEN」と明らかに認識し得る文字、又は「アッシュグリーン」と容易に称呼し得る文字からなる標章を広く使用していると主張しているところ、申立人の提出に係る証拠によれば、スノーボード用ジャケット等の商品紹介とともに「ASHGREEN」「2023-24 SNOW COLLECTION launch the new・・・」の文字が記載され(甲7)、「OC STYLE」のウェブサイトには、「2024-2025 SNOWBOARD WEAR NEW COLLECTION」の見出しの下、「ASHGREEN」の表示とともにスノーボード用ジャケット等の写真の掲載、及び「ASHGREEN/アッシュグリーン メンズ レデ・・・」の表示がある(甲4)ことなどから、2023年頃から引用標章に係る商品の販売が開始されたことがうかがえるものの、当該商品の販売期間は短いものといえる。
また、申立人が、「ASHGREEN」を含むスノーウェアの我が国におけるEコマース市場での販売シェアは第1位である旨主張する甲第8号証をみても、申立人が提供する「OC STYLE/オーシースタイル」と称するオンラインショップが楽天ランキングにおいて、2017年から2022年の間に店舗として一定の評価を受けていることはうかがえるものの、かかる評価は、店舗としての評価である上、当該証拠において引用標章に関する記載も見あたらないから、これをもって、引用標章の周知性を推し量ることはできない。
さらに、引用標章を使用した商品の売上高、シェア等の販売実績及び広告宣伝の費用、方法、回数及び期間等について、その事実を客観的、かつ、具体的に把握することができる証拠は何ら提出されていない。
その他、申立人の提出に係る証拠から引用標章の周知性を認めるに足る事実は見いだせない。
そうすると、申立人の提出に係る証拠によっては、引用標章が申立人の業務に係る商品について使用する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとは認めることができない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 本件商標と引用標章の類否について
本件商標は、上記1のとおり、「ASHGREEM」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、辞書等に載録されている成語ではなく、直ちに何らかの意味合いを理解させるものではないから、一種の造語として認識される。そして、欧文字からなる造語は、通常、我が国において親しまれたローマ字又は英語の読みに倣って発音するものであるから、当該文字より「アッシュグリーム」の称呼を生じ、特定の観念は生じない。
他方、引用標章は、上記2のとおり、「ASHGREEN」の欧文字からなるところ、当該文字に相応して「アッシュグリーン」の称呼を生じる。
また、「アッシュグリーン」の文字については、辞書等に載録されている成語ではないものの、新聞記事情報等には、商品等の色彩の一として、「灰色がかった緑色」ほどの意味合いで使用されていることから、色彩の観念を生じる。
そうすると、本件商標と引用標章とは、語頭から「ASHGREE」の文字部分を共通にし、語尾における「M」の文字と「N」の文字において相違し、両者の称呼においても「アッシュグリー」の音を共通にし、語尾における「ム」の音と「ン」の音に差異を有するものであるから、外観及び称呼において近似するといい得る。
しかしながら、本件商標からは、特定の観念が生じないのに対し、引用標章からは、「灰色がかった緑色」ほどの色彩の観念が生じるというべきであることから、観念においては相紛れるおそれのないものであり、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない別異の商標というべきであるから、両者の類似性の程度は高いものとはいえない。
イ 本件商標の指定役務と申立人商品(スノーウェア)との関連性
本件商標の指定役務は、上記1のとおり、第40類に属する被服の加工等の役務であるところ、申立人の業務に係るスノーウェアとは、商品の販売場所及び役務の提供場所、事業者等を共通にすることのない、関連性のない商品及び役務といえる。
ウ 出所混同のおそれ
上記イのとおり、本件商標の指定役務と申立人商品とは、関連性のない商品及び役務であり、上記(1)のとおり引用標章は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているとは認められず、また、「灰色がかった緑色」ほどの色彩の一つを表すものとして使用されている状況から、独創性の程度は極めて低いものであって、かつ、上記アのとおり、本件商標と引用標章とは、類似性の程度は高いとはいえないものである。
そうすると、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定役務について使用しても、取引者、需要者をして引用標章を連想又は想起させることはなく、その役務が他人(申立人)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するとはいえず、他にその登録が同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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