商標異議申立
2024-900188
エスパーフレックス、パーフレックス、パー、ピイイイアアル、フレックス
- 審判番号
- 2024-900188
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2024-052312
- 登録番号
- 6826154
- 請求日
- 2024年09月17日
- 審決日
- 2025年06月17日
- 公報発行日
- 2025年07月25日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】住友金属鉱山株式会社
- 【権利者代理人】長谷川 芳樹
- 【権利者代理人】黒川 朋也
- 【権利者代理人】國重 充代
- 【異議申立人】ゼムペリット・テヒニッシェ・プロドゥクテ・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング
- 【異議申立人代理人】江崎 光史
- 【異議申立人代理人】佐久間 洋子
- 【異議申立人代理人】田崎 恵美子
- 【異議申立人代理人】高橋 正宏
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 渡邉 あおい
- 審判官 深田 彩紀子
- 分類
- T1652.261-Y (W060917) / T1652.262-Y (W060917) / T1652.263-Y (W060917)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6826154号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6826154号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6826154号商標(以下「本件商標」という。)は、「S’PERFLEX」の文字を標準文字で表してなり、令和6年5月17日に登録出願、第17類「樹脂フィルムを用いた銅張積層板,金属はくを蒸着した樹脂フィルム,金属はくを蒸着したプラスチックシート,プラスチック基礎製品,半加工プラスチック,半加工人造樹脂,半加工合成樹脂」を含む商標登録原簿記載の商品を指定商品として、同年7月11日に登録査定、同月19日に設定登録されたものである。
第2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する登録第4235619号商標(以下「引用商標」という。)は、「SEMPERFLEX」の文字を横書きしてなり、平成8年11月13日に登録出願、第17類「ゴム,プラスチック基礎製品」を指定商品として、同11年1月29日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、その指定商品中、第17類「全指定商品」(以下「申立てに係る商品」という。)について、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
1 本件商標
本件商標からは、「エスパーフレックス」の称呼が生ずる。そして、本件商標の構成中「S」と「PERFLEX」の間にはアポストロフィ「’」が存在するが、このアポストロフィは、文字が省略されたことを示すとき等に使用される記号であり、例えば「I am」を「I’m」、「are not」を「aren’t」、のように使用される他、「government」を「gov’t」、「international」を「int’l」、「amazing」を「amazin’」といった使い方もされるものである(甲第3号証)。
また、これらのアポストロフィの使用例のうち、後者の「gov’t」、「int’l」、「amazin’」は、発音の際に、省略前の単語と同じく、「ガバメント」、「インターナショナル」、「アメージング」のように発音される。
本件商標は既成語ではないが、このアポストロフィの使用例を踏まえると、引用商標との関係において、引用商標の省略形と認識・把握され、「常に柔軟」の観念が生じ、また、「センパーフレックス」の称呼も生じ得る。
2 引用商標
引用商標からは、「センパーフレックス」の称呼が生ずる。そして、引用商標も既成語ではないが、構成中の「SEMPER」の文字は、「常に、いつでも」の意味を有するラテン語であり、また「FLEX」の文字は「曲げる、動かす、曲がる、柔軟性」等を意味する英語であるから(甲第4号証)、引用商標は全体として「常に柔軟」のような観念が生ずる。
3 類否の検討
本件商標は構成文字8文字、引用商標は構成文字10文字からなるところ、本件商標の構成文字は全て引用商標と共通しており、とりわけ、語頭の「S」と後半部分の「PERFLEX」が共通していることから、外観上相紛らわしく、類似するものである。
また、本件商標の構成中、アポストロフィ「’」は文字が省略されていることを示す記号であることに鑑み、本件商標は引用商標の省略形と認識・把握し得ることから、引用商標と同一の「センパーフレックス」の称呼を生じ得るため、称呼上も相紛らわしく、類似する。
さらに、本件商標は「引用商標の省略形」との観念、ひいては、引用商標と同じく「常に柔軟」との観念が生じ、観念上も相紛らわしく、類似する。
以上より、本件商標と引用商標とは、外観、称呼、観念の観点から類似するものであり、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は、上記第1のとおり、「S’PERFLEX」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は一般的な辞書等に載録された成語ではなく、特定の意味合いを想起させる語として知られているというような事情も見いだせないものであるから、特定の観念を生じることのない造語として認識されるというのが相当である。
そして、造語からなる欧文字にあっては、ローマ字読み又は英語読みに倣って発音するのが一般的であるから、本件商標は、その構成文字に相応して、「エスパーフレックス」の称呼が生じるものである。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「エスパーフレックス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
引用商標は、上記第2のとおり、「SEMPERFLEX」の文字を横書きしてなるところ、構成中、「FLEX」の文字(語)は、「曲げる」ほどの意味を有する語であるが、全体としては特定の意味合いを想起させる語とは認められないものである。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して「センパーフレックス」の称呼を生じ、全体として特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標とを比較するに、両者は、上記第1及び第2のとおりの構成からなるところ、外観においては、構成中、語尾の「PERFLEX」の文字部分を共通にするものの、語頭のつづり字は「SEM」と「S’」とで異なるものであり、「’」(アポストロフィ)の有無という差異もあいまって、両商標は、外観上、明確に区別し得るものである。
次に、称呼においては、本件商標から生じる「エスパーフレックス」の称呼と、引用商標から生じる「センパーフレックス」の称呼とは、語頭の音が「エス」と「セン」で相違するから、明瞭に聴別し得るものである。
さらに、観念については、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、両者は観念上、具体的な比較をすることができない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観において明確に区別し得るものであり、称呼において明瞭に聴別できるものであるから、両商標が与える印象、記憶等を総合してみれば、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのない、非類似の商標というのが相当である。
(4)小括
本件商標と引用商標は、上記(3)のとおり、非類似の商標であるから、本件商標の指定商品が、引用商標の指定商品と同一又は類似のものを含むとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(5)申立人の主張について
申立人は、アポストロフィの使用例を示した上で、本件商標は、引用商標の省略形と認識・把握され、「常に柔軟」の観念が生じ、「センパーフレックス」の称呼も生じ得る旨主張する。
しかしながら、「S’PERFLEX」又は「S’PER」の文字が、「SEMPERFLEX」又は「SEMPER」の省略形であることを示す証拠の提出はなく、また、そのように認識されるという事情も見いだせない。
他に、本件商標から、「常に柔軟」の観念及び「センパーフレックス」の称呼を生じるというべき事情も見いだせない。
したがって、申立人の主張は採用できない。
2 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえず、他にその登録が同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、その登録は、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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