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商標異議申立

2024-900171

レオルーブ、レオルブ、レオ

審判番号
2024-900171
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2023-084371
登録番号
6813705
請求日
2024年08月20日
審決日
2026年06月25日
公報発行日
2026年09月25日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【権利者】フックスジャパン株式会社
  • 【権利者代理人】弁理士法人三枝国際特許事務所
  • 【異議申立人】ランクセス ドイチュランド ゲーエムベーハー
  • 【異議申立人代理人】村山 靖彦
  • 【異議申立人代理人】小暮 理恵子
  • 【異議申立人代理人】行田 朋弘
審判長/審判官
  • 審判長 山田 和彦
  • 審判官 小俣 克巳
  • 審判官 白鳥 幹周
分類
T1652.261-ZC (W04) / T1652.262-ZC (W04) / T1652.263-ZC (W04) / T1652.264-ZC (W04)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法43条の3第2項商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第43条の2第1号、商標法第43条の3第3項、商標法第35条、特許法第98条第1項第1号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6813705号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6813705号商標の指定商品中、第4類「液体燃料,バイオマス液体燃料」についての商標登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由

理 由 1 本件商標 本件登録第6813705号商標(以下「本件商標」という。)は、「RHEOLUBE」の文字を標準文字で表してなるものであり、令和5年7月28日に登録出願、第4類「潤滑剤,固形潤滑剤,燃料,工業用油脂,ろう,工業用ワックス,バイオマス燃料」を指定商品として、同6年5月14日付けで登録査定、同年6月13日に設定登録されたものである。 なお、指定商品については、令和8年3月2日(受付日)に指定商品中、第4類「液体燃料,バイオマス液体燃料」について一部放棄の申請がなされ、商標権の登録一部抹消の登録がされているものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録第1280556号商標(以下「引用商標」という。)は、「REOLUBE」の文字を横書きしてなるものであり、昭和46年5月14日に登録出願、同52年7月4日に設定登録され、その後、平成19年12月26日に、指定商品を第4類「潤滑油」とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、引用商標と類似する商標であって、また、その指定商品中「燃料,バイオマス燃料」(以下「申立てに係る商品」という。)に含まれる「液体燃料,バイオマス液体燃料」(以下「液体状の申立て商品」という場合がある。)は、引用商標の指定商品「潤滑油」と類似する商品であるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものであり、その登録は、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものであると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第27号証(枝番号を含む。また、以下表記に当たっては「甲○」(「○」部分は数字)のように省略して記載し、枝番号のすべてを示すときは枝番号を省略する。)を提出した。 (1)商標法第4条第1項第11号について ア 本件商標について 本件商標は、欧文字「RHEOLUBE」を標準文字で表してなり、第4類「潤滑剤,固形潤滑剤,燃料,工業用油脂,ろう,工業用ワックス,バイオマス燃料」を指定商品として令和5年7月28日に登録出願、令和6年6月13日に設定登録されたものである(甲1)。 イ 引用商標について 申立人が証拠(甲2)として引用する登録第1280556号商標は、欧文字「REOLUBE」を横書きしてなり、第4類「潤滑油」を指定商品として昭和46年5月14日に登録出願、同52年7月4日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 ウ 商標の類否について (ア)商標の外観 本件商標は、欧文字「RHEOLUBE」を標準文字で表してなる商標である。 引用商標は、欧文字「REOLUBE」を横書きしてなる商標である。 本件商標と引用商標の外観を比較すると、両商標は、「R」及び「EOLUBE」のつづりを有する点において共通しており、差異については本件商標2文字目にある「H」の有無にすぎない。 本件商標は、8文字、引用商標は、7文字もあり、いずれも極めて短い構成であるとはいえない。これらの文字数から構成される商標において、語頭でも語末でもない位置における一文字の有無は、需要者にとってあまり意識されることがなく、類否判断に大きな影響を与えるとはいえない。 したがって、本件商標の外観の全体的印象及び引用商標の外観の全体的印象は互いに紛らわしいものであり、本件商標は、引用商標と外観において類似する。 (イ)商標の称呼 本件商標は、既存の一般的に知られた単語ではなく、造語として認識するのが相当であり、特定の読み方は決まっていないため、我が国において親しまれている英語又はローマ字読みに倣って称呼することが自然である。また、本件商標の2文字目にあたるような「R」と母音の間に置かれる「H」は、英単語において発音されないことが多い(例えば「rheology(レオロジー)」、「rhapsody(ラプソディー)」、「rhodium(ロジウム)」など)。 したがって、本件商標からは、「H」を除いた「レオルブ」又は「レオルーブ」との称呼が自然と生じる。 引用商標もまた、造語として認識するのが相当であり、特定の読み方は決まっていないため、ローマ字読みの「レオルブ」又は「レオルーブ」との称呼が自然と生じる。 そうすると、両者は、共に同一の「レオルブ」又は「レオルーブ」の称呼を生ずるので、本件商標の称呼は、引用商標の称呼と同一である。 (ウ)商標の観念 本件商標は、造語であり、特定の観念は生じない。 また、引用商標も造語であり、特定の観念は生じない。 よって、本件商標と引用商標は、観念においては比較し得ない。 (エ)商標の類否判断 以上のとおり、本件商標と引用商標とは、外観において類似し、同一の称呼が生じ、観念については比較し得ない。 したがって、本件商標及び引用商標がその外観、称呼又は観念等によって需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に観察すると、本件商標を指定商品に使用した場合に、引用商標と出所混同のおそれがある。 よって、本件商標は引用商標に類似する。 (オ)本件商標の審査過程 なお、本件商標の審査段階においては、引用商標を引用したうえで、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するという内容の拒絶理由通知書(甲3)が発送されていた。 すなわち、本件商標の審査段階において、本件商標は、引用商標と類似すると判断されていた。出願人は、当該拒絶理由通知を受け、特に意見することなく、引用商標の指定商品と類似する商品「潤滑油及び潤滑グリース」と「工業用油」を本件商標の指定商品から削除する補正を行った。 よって、本件商標と引用商標とが類似することは、審査段階において既に判断されていたことである。そして、当該判断は出願人による非類似の主張によって覆されていない。 エ 商品の類否について (ア)本件商標の指定商品 本件商標は、第4類「燃料,バイオマス燃料」を指定している。 (イ)引用商標の指定商品 引用商標は、第4類「潤滑油」を指定している。 (ウ)商品の類否判断 a 本件商標の出願当時採用されていた「特許庁類似商品・役務審査基準〔国際分類第12-2023版対応〕」(以下「類似商品・役務審査基準」という。)によると、「燃料」は「液体燃料」を包含することが明記されている。また、「バイオマス燃料」とは「動植物から生まれた生物資源(バイオマス)でつくる燃料」という意味を有し、その中にはバイオエタノールやバイオディーゼルといった液体燃料も含まれる(甲4)。上記を踏まえると、「バイオマス燃料」は「バイオマス液体燃料」を包含すると考えられる。 b 商品の類否判断に際しては、対比されるべき両商品に同一又は類似の商標を付して取引においた場合に、需要者をして商品について出所の混同を生ずるおそれがあるかどうかによって判断されるべきであり、このことは、「指定商品が類似のものであるかどうかは・・・商品自体が取引上誤認混同の虞があるかどうかにより判定すべきものではなく、それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により、それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売にかかる商品と誤認される虞があると認められる関係にある場合には、たとえ、商品自体が互いに誤認混同を生ずる虞がないものであっても、それらの商標は商標法・・・にいう類似の商品にあたると解するのが相当である。」(最高裁昭和36年6月27日判決、昭和33年(オ)第1104号)との最高裁判所の判決においても示されているところである。 これを踏まえて本件商標及び引用商標の指定商品についてみるに、主な液体燃料として挙げられるガソリン(甲5)の製造販売業界において、日本の主要なガソリンスタンドブランドを展開する「ENEOS」、「出光興産」、「コスモ石油」、「JA-SS」(甲6)は、いずれも同グループ企業において、石油製品と同様に自動車・機械・船舶等のための商品として潤滑油の製造及び販売を行っている(甲7~甲10)。また、バイオマス液体燃料についても、上記のガソリンスタンドブランドを展開している企業のグループ会社が取り扱っている(甲11、甲12)。加えて、エネルギー事業を取り扱う大手商社においても、液体燃料又はバイオマス液体燃料と潤滑油の両方を、工業用・自動車用・船舶用の製品として販売を取り扱っている(甲13~甲16)。以上より、「液体燃料,バイオマス液体燃料」及び「潤滑油」はいずれも、製造部門及び販売部門を共通とするものである。 なお、通販サイト「ヨドバシ.com」において「液体燃料」と検索すると、検索結果一覧にはポリタンクやボトル状の容器に入った商品が多く表示されるところ、同ウェブサイトにおいて「潤滑油」と検索した場合も同様の商品が多く表示される(甲17)。需要者が乗り物用の製品を販売している部門において商品を探す際、後述のとおり商品の用途も類似する商品が似たような容器に収められ、かつその容器の外観において同一又は類似の商標が付されている場合、当該需要者が同一営業主の製造・販売に係る商品と誤認するおそれは十分にある。このことからも、「液体燃料,バイオマス液体燃料」と「潤滑油」において、同一又は類似の商標を使用するときは、同一営業主の製造・販売に係る商品と誤認されるおそれがあると考えられる。 また、潤滑油は主にガソリン又は灯油などの石油燃料の連産品として得られる鉱油を使用したり、炭化水素や動物油・植物油等を原材料とする(甲18)。一方、液体燃料の多くは石油系のものであり(甲5)、また、炭化水素を用いた液体合成燃料や、動物油・植物油由来のバイオマス液体燃料も一般的に製造及び販売されている(甲19~甲21)。 よって、「液体燃料,バイオマス液体燃料」及び「潤滑油」はいずれも共通の原材料を用いる。 また、車やバイク等の乗り物において、動力としての液体燃料又はバイオマス液体燃料と、内部機構をスムーズに動かすための潤滑油は、いずれも必要不可欠なものであり(甲22)、前述の大手ガソリンスタンドブランドを展開する企業においていずれも取り扱われている(甲7~甲12)。 よって、「液体燃料,バイオマス液体燃料」及び「潤滑油」はいずれも用途が一致する。 上記のとおり、自動車やバイク等の乗り物を使用する業界や一般需要者は、液体燃料(バイオマス液体燃料)と潤滑油をいずれも購入することが必要となる(甲22)。また、航空業や船舶業においても、飛行機や船舶を取り扱う際に、液体燃料はもちろんのこと、潤滑油も使用する(甲23~甲26)。 よって、各商品の需要者の範囲は共通であるといえる。 以上より、本件商標の当該指定商品は、引用商標の当該指定商品と生産部門、販売部門、原材料及び品質、用途、並びに需要者の範囲が一致する。 よって、これらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは、同一営業主の製造・販売に係る商品と誤認されるおそれがある。 c 本件商標の指定商品「燃料」に包含される「液体燃料」は、「工業用油」と備考類似の関係にある(甲27)。ここで、本件商標の出願当時採用されていた類似商品・役務審査基準によると、「工業用油」の中に「潤滑油」が包含されることが明記されている。 したがって、「液体燃料」及びその一種である「バイオマス液体燃料」は、「工業用油」に包含されている「潤滑油」と類似であることは、類似商品・役務審査基準からも確認することができる。 d 以上より、本件商標の指定商品である第4類「燃料,バイオマス燃料」に含まれる「液体燃料,バイオマス液体燃料」は、引用商標の指定商品である第4類「潤滑油」と類似する。 よって、これらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは、同一営業主の製造・販売に係る商品と誤認されるおそれがある。 (2)結び したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、商標登録を受けることができないものであるから、その登録は、「燃料,バイオマス燃料」に含まれる「液体燃料,バイオマス液体燃料」について、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである。 4 取消理由の通知 当審において、商標権者に対し、「本件商標は、その指定商品中、第4類「液体燃料,バイオマス液体燃料」について、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は、同法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。」旨の取消理由を、令和8年1月22日付けで通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えた。 5 商標権者の意見 商標権者は、上記4の取消理由に対して、令和8年3月5日付け意見書において、本件商標の指定商品より「液体燃料,バイオマス液体燃料」を放棄する申請を行ったことにより、上記4の取消理由は解消される旨の意見を述べた。 6 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標について 本件商標は、上記1のとおり、「RHEOLUBE」の欧文字を標準文字で表してなるところ、これは一般的な辞書類に掲載されている成語ではなく、また、特定の意味を有する語として使用、理解されているというべき事実は見当たらないことからすれば、特定の意味合いを理解させない造語として認識されるというのが相当である。 そして、そのような欧文字からなる造語については、これを称呼する場合、我が国において親しまれている英語風の読み又はローマ字風の読みに倣って称呼するのが自然であるところ、英語において、例えば「rheology」を「レオロジー」、「theory」を「セオリー」、「lube」を「ルーブ」と発音することや、「rhapsody」を「ラプソディー」と発音するように「h(H)」の文字を発音しない場合があることなどに倣えば(以上、参考:「新英和中辞典 第7版」株式会社研究社)、本件商標は「レオルーブ」と称呼することが考えられる。 そうすると、本件商標よりは、その構成文字に相応して「レオルーブ」の称呼が生じ、また、特定の観念は生じないものといえる。 イ 引用商標について 引用商標は、「REOLUBE」の欧文字を横書きしてなるものであるところ、これは一般的な辞書類に掲載されている成語ではなく、また、特定の意味を有する語として使用、理解されているというべき事実は見当たらないことからすれば、特定の意味合いを理解させない造語として認識されるというのが相当である。 そして、そのような欧文字からなる造語の自然な称呼については、上記アのとおりであるところ、英語において、「stereo」を「ステレオ」、「lube」を「ルーブ」と発音する(参考:同上)ことなどに倣えば、引用商標は「レオルーブ」と称呼することが考えられる。 そうすると、引用商標よりは、その構成文字に相応して「レオルーブ」の称呼が生じ、また、特定の観念は生じないものといえる。 ウ 本件商標と引用商標との類否について 本件商標と引用商標を比較するに、外観においては、書体が相違するものの、いずれも大文字の欧文字が一般的な書体の範ちゅうで表されているものであるから、その点において与える印象の差異が大きいとはいえず、また、つづり字としては、本願商標の2文字目における「H」の文字の有無のみが相違し、語頭及び語尾の文字を含め、それ以外の文字を共通にするものであるから、全体としては、一定程度近似した印象を与えるものといえる。 そして、称呼においては、「レオルーブ」の称呼を共通にし、また、観念においては、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較することができない。 そうすると、本件商標と引用商標とは、観念については比較することができないものの、外観については一定程度近似した印象を与えるものであり、かつ、称呼を共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本件商標と引用商標は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。 エ 本件商標の申立てに係る商品と引用商標の指定商品の類否について 本件商標の申立てに係る商品中、「燃料」は、「燃焼させて熱源とする材料。薪・木炭・石炭・石油・天然ガスなど。」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)であり、「バイオマス燃料」は、そのうち「生物体をエネルギー源または工業原料として利用」(出典:同上)するものである。また、「燃料」は「固体燃料」、「液体燃料」と「気体燃料」に大別され、そのうち「液体燃料」は、「液体状の燃料。」であって「石油系燃料(重油・軽油・灯油・ガソリン)・アルコール類・油脂類などがある。」(出典:同上)ものであり、「バイオエタノール」や「バイオディーゼル」などの液体状のバイオマス燃料も一般的に存在している(甲4、甲19~甲21)。 他方、引用商標の指定商品「潤滑油」は、「工業用油」の範ちゅうに属する「潤滑剤として用いる油。」であり、「主として石油の高沸点で留出する部分を用い、ほかに動植物性油脂を用いる。」ものであって、「液体と半固体とがあり、また、用途によってマシン油・スピンドル油・ダイナモ油・シリンダー油などに分かれる。」ものである(出典:同上)。 そこで、申立てに係る商品に含まれる商品のうち、液体状の申立て商品と、引用商標の指定商品の類否を検討すると、これらの商品は、いずれも石油製品や油脂製品を取り扱う事業者が製造しているものであり、それらの事業者自身若しくはその関連会社、又は、エネルギー関連商品を取り扱う商社が販売している商品であって(甲6~甲16)、例えば「自動車用の燃料(ガソリン)」と「自動車用の潤滑油(エンジンオイル)」はいずれもガソリンスタンド(サービスステーション)において取り扱われているものである(甲22)。 また、飛行機、船舶などの稼働に当たっても、液体燃料と潤滑油の両方が必要と考えられる(甲23~甲26)ことなどを踏まえれば、液体状の申立て商品と、引用商標の指定商品は、その生産部門及び販売部門、並びに需要者の範囲を、相当程度共通にするものといえる。 さらに、原材料及び品質について、液体状の申立て商品や引用商標の指定商品は、上記のとおり、いずれも一般的に石油や油脂を原材料とするものであり、液体状のもの(液体状のものを含むもの)である。 そうすると、液体状の申立て商品と引用商標の指定商品とは、その商品の生産部門及び販売部門、需要者の範囲並びに原材料及び品質を相当程度共通にすることから、これらを総合的に考慮すれば、その商品に同一又は類似の商標を使用した場合に、同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれがあるものというのが相当である。 なお、申立てに係る商品中、液体状の申立て商品以外の商品と引用商標の指定商品とは、原材料、品質、用途などを総合勘案すれば非類似の商品であるといえる。 したがって、申立てに係る商品中「液体状の申立て商品」は、引用商標の指定商品「潤滑油」と類似する商品を含むものといえる。 オ 小括 上記アないしエのとおり、本件商標と引用商標とは類似の商標であり、本件商標の申立てに係る商品中「燃料,バイオマス燃料」に含まれる「液体燃料,バイオマス液体燃料」(液体状の申立て商品)は、引用商標の指定商品「潤滑油」と類似する商品であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものある。 (2)商標権者の意見について 商標権者は、上記5のとおり、本件商標の指定商品より「液体燃料,バイオマス液体燃料」を放棄する申請を行ったことにより、上記4の取消理由は解消した旨述べている。 しかしながら、商標登録の異議申立制度は、異議の申立てがあった場合に登録処分の適否を審理し、瑕疵ある場合にはその是正を図るというものであって、商標登録を取り消すべき旨の決定が確定したときは、その商標権は、初めから存在しなかったものとみなすと規定されていることにかんがみれば(商標法第43条の3第3項)、商標登録が商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるか否かは、その商標の登録査定時を基準に判断すべきことである。 他方、本件商標に係る商標権について、放棄による登録の一部抹消がなされたことが商標登録原簿に登録されたとしても、商標権の放棄による消滅の効力は、登録により生じるものである(商標法第35条で準用する特許法第98条第1項第1号)。 そうすると、本件商標の設定登録後になされた商標権の放棄に関する商標権者の主張は、本件商標が、その登録査定時において、商標法第4条第1項第11号に該当するものであったとした先の取消理由の認定、判断に何ら影響を及ぼすことはないと解するのが相当である。 したがって、商標権者の上記主張は、採用することができない。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、本件登録異議の申立てに係る商品中「液体燃料,バイオマス液体燃料」については、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。 また、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、取り消すべき理由がないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。 よって、結論のとおり決定する。

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