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商標異議申立

2024-900164

コバリオン、シイ

審判番号
2024-900164
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2023-089852
登録番号
6811522
請求日
2024年08月13日
審決日
2025年05月20日
公報発行日
2025年06月27日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社エイワ
  • 【権利者代理人】大竹 正悟
  • 【権利者代理人】小椋 崇吉
  • 【異議申立人】コペリオン ゲーエムベーハー
  • 【異議申立人代理人】小林 功
  • 【異議申立人代理人】今井 秀樹
審判長/審判官
  • 審判長 高野 和行
  • 審判官 小俣 克巳
  • 審判官 豊瀬 京太郎
分類
T1652.261-Y (W07) / T1652.262-Y (W07) / T1652.263-Y (W07)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号
データ出所
審決公報(XML)

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登録第6811522号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6811522号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 1 本件商標 本件登録第6811522号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、令和5年8月10日に商標登録出願、第7類「プラスチック射出成形機及びその部品,プラスチック射出成形機用ノズル,プラスチック加工機械器具」並びに第5類、第6類、第9類、第10類及び第14類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同6年4月26日に登録査定、同年6月6日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件登録異議の申立ての理由において引用する国際登録第765482号商標(以下「引用商標」という。)は、「COPERION」の欧文字を横書きしてなり、2000年11月30日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2001年(平成13年)5月28日に国際商標登録出願、「plastic processing machines and apparatus; mixers.」を含む第7類並びに第6類、第9類、第11類、第37類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成15年4月4日に日本国において設定登録されたものであり、現在、有効に存続しているものである。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、その指定商品中、第7類「プラスチック射出成形機及びその部品,プラスチック射出成形機用ノズル,プラスチック加工機械器具」(以下「申立てに係る指定商品」という。)について、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第15号証を提出した。 (1)本件商標について ア 外観について 本件商標は、左側に青色で欧文字の「C」のような文字が、同じく青色の円図形を囲うように描かれた図形部分と、右側に「COBARION」の欧文字で横書きにしてなるものである。 本件商標は、上述のとおり、左側に図形を配してなるが、彩色もされ、当該図形と「COBARION」の文字の間には若干スペースがあり、まったく外観が異なることから、「COBARION」の文字と当該図形とは明らかに視覚上分離して認識される。 そうすると、本件商標中の「COBARION」の文字部分を要部として抽出することは自然であり、他人の商標(引用商標)と比較して類否の判断をすることも許されるというべきである。 イ 称呼について 本件商標の称呼について、造語である「COBARION」の文字部分は、その構成文字に相応して「コバリオン」の称呼が生じる。 商標権者が提供するウェブサイトにおいても、「COBARION」の読みは「コバリオン」と表示されているのであるから、かかる実際の取引実情に鑑みても、本件商標中「COBARION」の文字部分から通常生ずる称呼は「コバリオン」である(甲3)。 ウ 観念について 本件商標の観念については、その文字部分「COBARION」は、いずれも辞書などに載録されていない造語であり、特定の観念を生じないものである。 (2)引用商標について ア 外観について 引用商標は、「COPERION」の欧文字を横書きにしてなるものである。 イ 称呼について 引用商標の称呼については、その構成文字に相応して「コペリオン」との称呼が生じる。 申立人は、プラスチックや食品の製造加工に使用される同方向二軸押出機等の製造・販売を手掛けるドイツ法人であり、同方向二軸押出機を世界で初めてリリース後、65年以上の豊富な実績と経験を積み重ねた結果、申立人は、二軸押出機を取り扱う業界において、現在では同社の製品は世界シェアトップを占めている(甲4~甲6)。 日本においては、コペリオン株式会社(以下「申立人日本法人」といい、申立人と総称して「申立人ら」という。)が事業を展開している(甲7)。申立人らは、「COPERION」(コペリオン)の商標をハウスマークとして使用している(甲4、甲5、甲7)。 申立人らは、上記したとおり、プラスチックや食品の製造加工に使用される同方向二軸押出機等の製造を行う事業者であり、世界中に30の拠点と150以上の代理店を有し、日本を含め、広く販売事業を展開している(甲7~甲12)。同方向二軸押出機の販売実績は、全世界で約15,000台以上を記録している(甲4)。 以上のとおり、引用商標「COPERION」は、第7類に分類される同方向二軸押出機の分野において、「コペリオン」の称呼をもって、取引者・需要者に広く認識されているものである。 ウ 観念について 引用商標の観念については、「COPERION」の語は、いずれも辞書などに載録されていない造語であり、特定の観念を生じないものである。 (3)本件商標と引用商標との類否 ア 外観について 本件商標の要部である「COBARION」と引用商標「COPERION」とを比較すると、両者は8文字の構成中、「C」「O」「R」「I」「O」及び「N」の6文字を共通にし、3、4文字目において「BA」と「PE」の微差があるのみである。 当該相違部分は、それぞれの商標における中間部分に位置し、全体の文字列中に埋没しているため、「COBARION」と「COPERION」とはほぼ同一の文字列との印象を与え、直ちに識別することはできない。 以上からすれば、本件商標の要部である「COBARION」の文字部分と引用商標「COPERION」は、時と場所を異にして接する時は、需要者の視覚を通じて認識する外観の印象が互いに相紛らわしく、両商標は外観において類似する。 イ 称呼について 本件商標の要部である「COBARION」の文字部分から通常生ずる称呼は、「コバリオン」であり、引用商標から生ずる「コペリオン」と称呼において共通する。 本件商標及び引用商標の両商標から生ずる称呼を対比するに、いずれも5音構成である点で共通し、また、5音構成中「コ」「リ」「オ」「ン」の4つの構成音が同一であるとともに、これらの全体構成音中における配置位置も全く同じであるから、両称呼の語韻語調は極めて近似するものになっている。 また、両商標から生ずる称呼の唯一の相違音「バ」と「ペ」は、五十音順 の同行(ハ行)に属する濁音と半濁音であり、いずれも有声破裂音であることから、それぞれ単音であっても明確に聴取することが困難な相似音である。 さらに、両商標から生ずる称呼の唯一の相違音が比較的聴別し難い中間音であることからすれば、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、その語調、語感が近似し、互いに相紛らわしいものである。 以上を総合的に勘案すれば、本件商標と引用商標の称呼はかれこれ聴別することが極めて困難な類似のものと考えるのが至極自然である。 さらに、商標の類否の判断は、商標の有する外観、称呼及び観念のそれぞれの判断要素を総合的に考察して行われるところ、殊に、簡易・迅速を尊ぶ実際の取引においては、最も記憶にとどまりやすい音声(称呼)が商標を識別するための最も重要な要素を占めるところ、本件のように、特定の観念を有しない造語からなる商標については、観念によって商標を記憶することができないため、称呼を記憶し、取引にあたることが少なくないといえ、称呼が共通する場合には、極めて出所混同のおそれが高くなることが明白である(不服2004-65105、不服2005-7686、不服2010-17688(甲13~甲15))。本件商標は、その要部の構成文字中、中間の一音のみが相違する点、及び、観念においては比較することができない点において、上記審決例と事案を共通にする。 してみれば、本件商標と引用商標とは称呼において類似するのであるから、上記の事案と同様、互いに類似する商標であると考えるのが相当である。 ウ 観念について 観念においては、本件商標と引用商標は、ともに、特定の観念を生じないものであるから、比較することはできない。 (4)引用商標に化体した業務上の信用について 引用商標は、我が国において、多大な業務上の信用が化体した商標であり、出所の混同は、経済的損害を招くものである。 また、引用商標が、業界において広く知られているがゆえに、混同のおそれは高く、商標の類似関係は厳格に判断されるべきものである。 (5)指定商品の類否について 申立てに係る指定商品は、引用商標の指定商品中、第7類「plastic processing machines and apparatus; mixers(プラスチック加工用の機械及び装置,混合機)」と同一又は類似する。 (6)まとめ 以上より、本件商標は、外観及び称呼において、引用商標と相紛れるおそれのある類似の商標であることは明らかであり、また、本件商標は、引用商標の指定商品中の第7類の指定商品と同一又は類似の商品に使用するものである。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 4 当審の判断 (1)引用商標の周知性について ア 申立人の主張及び提出された証拠によれば、以下の事実が認められる。 (ア)申立人は、プラスチックや食品の製造加工に使用される同方向二軸押出機等の製造・販売を、65年以上前から手掛けるドイツ法人である(甲6、甲7)。 (イ)日本においては、申立人のグループ子会社であるコペリオン株式会社が事業を展開している(甲4、甲6、甲7)。 (ウ)申立人らは、「コペリオン」「coperion」又は「COPERION」の文字からなる標章又はこれらの文字を構成中に有する標章を、申立人らの出所を表すものとして申立人らのウェブサイトや取引書類に使用している(甲4、甲5、甲7、甲9~甲12)。 (エ)申立人らは、日本を含め、世界中に30の拠点と150以上の代理店を有しており、また、同方向二軸押出機の販売実績は全世界で約15,000台以上であると主張している(申立人の主張、甲4、甲7)。 なお、15,000台以上であることを裏付ける証拠の提出はない。 イ 上記アによれば、以下のとおり判断できる。 申立人らは、日本及び外国において申立人らの出所を表すものとして、商品「同方向二軸押出機」等について、引用商標と構成文字を同一にする商標(小文字で表したもの含む。以下これらをまとめて「引用標章」という。)及び引用商標の構成文字である「COPERION」の読みを片仮名で表した「コペリオン」の文字からなる商標を使用していることが認められる。 しかしながら、引用標章を表示した商品の我が国での売上高、販売数量などの販売実績及び広告宣伝の期間・規模・頻度等など、その周知性を定量的に判断し得る具体的な証拠は提出されていないから、引用標章が、需要者にどの程度認識されるに至ったかを客観的な証拠に基づいて判断することができない。 その他、申立人の提出に係る甲各号証を総合してみても、引用標章が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間で、申立人の業務に係る商品を表示するものとして広く認識されていたと認めるに足りる事実は見いだせず、引用標章の周知性を立証する証拠としては不十分なものといわざるを得ない。 したがって、引用標章と構成文字を同一にする引用商標についても、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものである。 (2)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標について 本件商標は、別掲のとおり、欧文字「C」のごとき図形の右側にわずかな空隙をもって表した円図形を組み合わせ、全体を青色で表した図形(以下「図形部分」という。)を左側に配し、その右側に空白を介して横書きした「COBARION」の欧文字(以下「本件文字部分」という。)を配した構成よりなるものである。 そして、図形部分は、我が国において特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され、親しまれているというべき事情は認められないものであり、本件文字部分は、辞書等に載録されている成語として一般に慣れ親しまれた語ではなく、申立てに係る指定商品の分野において、特定の意味合いを有する語として知られているという事情も見いだせないことからすれば、図形部分は特定の称呼及び観念を生じないものであり、また、本件文字部分からは特定の観念を生じない。 してみれば、図形部分と本件文字部分とが常に不可分一体のものとしてのみ認識し把握されるべき格別の理由は見いだし難く、それぞれが独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというべきであるから、本件商標と引用商標との類否判断をする際に、本件文字部分を抽出して商標そのものの類否判断をすることが許されるというべきである。 そして、特定の意味を有しない欧文字については、我が国において広く親しまれているローマ字読み又は英語読みに倣って発音されるのが自然であることからすると、本件文字部分は、その構成文字に相応して「コバリオン」の称呼を生じ、上記のとおり特定の観念を生じないものである。 イ 引用商標について 引用商標は、前記2のとおり、「COPERION」の欧文字を横書きしてなるところ、書体や文字の大きさに差異はなく、構成全体としてまとまりよく一体的に表されているものである。 そして、当該文字は、辞書等に載録されている成語として一般に慣れ親しまれた語ではなく、直ちに何らかの意味合いを理解、認識させるものではないから、一種の造語というのが相当であり、特定の観念を生じない。 また、特定の意味を有しない欧文字については、我が国において広く親しまれているローマ字読み又は英語読みに倣って発音されるのが自然であることからすると、引用商標は、その構成文字に相応して「コペリオン」の称呼を生じ、上記のとおり特定の観念を生じないものである。 ウ 本件商標と引用商標との類否について 本件商標と引用商標との類否について検討するに、外観においては、本件文字部分と引用商標との比較では、8文字という比較的短い文字数での中間における「BA」と「PE」の2文字に差異を有し、また、商標全体の比較では、図形部分の有無の差異を有するものであるから、本件商標と引用商標とは、外観上、明確に区別できるものである。 次に、称呼においては、本件商標から生ずる「コバリオン」の称呼と、引用商標から生ずる「コペリオン」の称呼は、全5音中語頭の「コ」及び第3音目以降の「リオン」の4音を共通にするとしても、第2音の「バ」と「ペ」の音に差異を有するところ、この差異音は子音における「b」と「p」の差異及び母音における「a」と「e」という音質、音感を著しく異にする差違を有するものであるから、共に5音という短い音構成においては、その差異が両称呼全体に与える影響は小さいものとはいえず、それぞれを一連に称呼するときは、互いに聞き誤るおそれはなく、称呼上、明瞭に聴別し得るものである。 さらに、観念においては、両商標は、いずれも特定の観念を生じないから、観念上、比較することができないものである。 そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観において明確に区別でき、称呼において聞き誤るおそれはないものであるから、これらが取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合的に勘案すれば、本件商標と引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 その他、本件商標と引用商標が類似するとする特段の理由は見いだすことはできない。 (3)申立人の主張について 申立人は、引用商標が、業界において広く知られているがゆえに、混同のおそれは高く、商標の類似関係は厳格に判断されるべきものである旨主張する。 しかしながら、上記(1)のとおり、申立人が提出した証拠によれば、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものであるから、申立人の上記主張は採用することができない。 (4)小括 本件商標と引用商標は、上記(2)のとおり、非類似の商標であるから、申立てに係る指定商品が引用商標の指定商品と同一又は類似する場合があるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (5)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

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