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商標異議申立

2024-900162

モモキュンソード

審判番号
2024-900162
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2023-083795
登録番号
6810568
請求日
2024年08月09日
審決日
2025年01月20日
公報発行日
2025年03月28日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社ぶれいぶかんぱにぃ
  • 【異議申立人】株式会社 ソフィア
  • 【異議申立人代理人】原口 昌之
  • 【異議申立人代理人】竹下 茂臣
審判長/審判官
  • 審判長 旦 克昌
  • 審判官 大島 康浩
  • 審判官 小林 裕子
分類
T1651.22 -Y (W41) / T1651.222-Y (W41) / T1651.271-Y (W41)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第7号、商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項第19号、商標法第29条、商標法第43条の2
データ出所
審決公報(XML)

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登録第6810568号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6810568号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 1 本件商標 本件登録第6810568号商標(以下「本件商標」という。)は、「モモキュンソード」の文字を標準文字で表してなり、令和5年7月14日に登録出願、第41類「インターネットによる音楽・音声・映像・画像・文字情報の提供及びこれらに関する情報の提供,オンラインによる音楽・音声・映像・画像・文字情報の提供及びこれらに関する情報の提供,書籍の制作,電子出版物の提供」を指定役務として、同6年5月8日に登録査定され、同年6月4日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議の申立てにおいて、本件商標が商標法第4条第1項第7号、同項第15号及び同項第19号に該当するとして引用する商標は、「モモキュンソード」の文字からなり(以下「引用商標」という。)、申立人のパチンコ事業において広く用いられ、我が国の需要者の間に広く認識されるに至っていると主張するものである。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証(以下「甲○」と表記する場合がある。)を提出した。 (1)商標法第4条第1項第15号について ア 「モモキュンソード」という商標は、申立人のパチンコ事業において広く用いられ、需要者の間に広く認識されるに至っている著名な商標である。本件商標をその指定役務に使用する場合には、あたかもその役務が、申立人又は申立人と組織的若しくは経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのごとく、役務の出所について混同を生ずるおそれがある。 イ 上記アは、令和6年2月21日付けの拒絶理由通知書において同様の認識が示されていたところである(甲2)。しかし、その後、株式会社ぶれいぶかんぱにぃ(以下「本件商標権者」という。)から、アニメ「モモキュンソード」に係る本件商標権者とN社との間の令和5年5月10日付け「事業譲渡契約書」(甲3)に基づき、本件商標権者は商標法第4条第1項第15号でいうところの「他人」ではなく、引用商標を出願する権利を譲り受けた当事者そのものである旨の主張がなされた(甲4)。そして、申立人においてこれに対する反論を述べる機会が与えられないまま、本件商標が登録されたが、この経緯から当該登録は本件商標権者の主張に沿った判断に基づいていると思われる(甲5)。 ウ しかし、事業譲渡契約については、N社の内部で取締役会ないし株主総会による承認決議が一切行われていないため無効であり、本件商標権者はアニメーションを指定役務として本件商標を出願する権利も譲り受けていない。 また、申立人はパチンコ「モモキュンソード」という原著作物の著作者であるが(甲6)、そのパチンコのプロモーション目的でアニメ「モモキュンソード」やWEBライトノベルなどが企画され、申立人は監修者として関与する形で、申立人とN社がこれらを共同で制作した(甲7)。そのため、申立人は、原著作物の二次的著作物である当該アニメをN社と共同で制作した関係にあり、当該アニメを利用するためには、本件事業譲渡契約の効力如何にかかわらず、少なくとも申立人から原著作物の利用許諾を得ることが必須であり、かつ、申立人から上記アニメの利用許諾を得ることも必要であるところ、申立人は出願人に対してそのような承諾は一切していないし、N社に与えていた利用許諾の契約上の地位を本件商標権者へ承継させることにも同意していない。さらに、なぜか本件商標権者はアニメ「モモキュンソード」の放映を令和5年11月から開始しているが、N社は本件商標権者に対してアニメ「モモキュンソード」の原画や音源を引き渡したことはなく、この意味でも、本件商標権者は、当事者であるN社からアニメの業務を承継していない(なお、この点については、令和5年10月以前にN社が本件商標権者あるいはその代表者に原画や音源を提供した事実はないが、令和5年10月以前に、本件商標権者はどのような手段でそれらのデータを入手して、現実に配信できたのか、申立人及びN社において調査中である。)。 エ よって、本件商標権者は引用商標との関係では「他人」であり、本件商標は申立人の業務に係る役務と混同を生ずるおそれがある。 (2)商標法第4条第1項第19号について 上記(1)ウのように、本件商標は著名な商標である引用商標と同一であり、また、本件商標権者は申立人から、原著作物たるパチンコ「モモキュンソード」の利用承諾を得ないまま、かつ、N社との共同著作に係る二次的著作物であるアニメ「モモキュンソード」の著作権の譲受けの同意を得ないまま、当該アニメのインターネット配信に及んでおり、本件商標は、他人の著名商標を不正の目的で使用するものにほかならない。 (3)商標法第4条第1項第7号について 引用商標である「モモキュンソード」という文字には、それ自体に創作性があり著作権の保護が及ぶところ、本件商標権者は、その著作権者である申立人の承諾を得ないまま、同一の商標である本件商標を利用及び登録しようとしており、これは商標法第29条に違反するものであるから、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある。 (4)結び 本件商標が本件指定役務に使用された場合、その役務の需要者が申立人の業務に係る役務と出所について混同するおそれがある。したがって、本件商標登録は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反してなされたものであるから、取り消されるべきである。 また、出願人は引用商標と同一である本件商標を不正の目的をもって使用をするものであり、本件商標登録は商標法第4条第1項第19号の規定に違反してなされたものであるから、取り消されるべきである。 さらに、本件商標の使用は引用商標の著作権を侵害するものであるから、本件商標登録は公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標を登録したもので、商標法第4条第1項第7号の規定にも違反してなされたものであるから、取り消されるべきである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第15号該当性について 申立人は、申立人の使用に係る引用商標が、申立人のパチンコ事業において広く用いられ、需要者の間に広く認識されるに至っている著名な商標であり、本件商標がその指定役務に使用された場合に、その役務の需要者が申立人の業務に係る役務と出所について混同するおそれがあることから、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する旨主張する。 しかしながら、申立人は、引用商標がパチンコ事業を取り扱う業界において、どの程度の周知性を得ているのかを立証する販売状況(売上高、市場シェア等)や宣伝広告状況(費用、範囲等)など、周知・著名性を客観的に判断するための証拠を何ら提出していない。 そうすると、申立人の引用商標が、申立人の役務を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識され、本件商標の登録出願時及び登録査定時に周知著名性を獲得していたとは認められない。 してみれば、本件商標と引用商標が同一の構成文字からなり、これが辞書類に載録されていない造語であって独創性を有するとしても、本件商標をその指定役務に使用した場合、これに接する取引者・需要者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく、その役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第19号該当性について 引用商標は、上記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、我が国又は外国の需要者の間で広く認識されていたものではない。 なお、申立人は、本件商標権者が「モモキュンソード」に係るパチンコの利用許諾及びアニメの著作権の譲受けの同意を得ないまま、当該アニメのインターネット配信に及んでおり、本件商標は、引用商標を不正の目的で使用するものである旨主張するが、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、本件商標権者が引用商標にフリーライドするなど不正の目的をもって本件商標を使用するものであると認めるに足りる証拠の提出はない。 そうすると、本件商標は、本件商標権者が引用商標の名声を毀損させることを認識し、あるいは、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用するものとはいえない。 したがって、本件商標は、その他の要件について判断するまでもなく、商標法第4条第1項第19号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第7号該当性について 申立人の主張及び提出された証拠からは、本件商標権者が申立人に対し何らかの具体的な金銭的な要求や事業活動を阻害したなどの事実関係を見いだすことはできない。 また、本件商標の出願経緯や目的に不正があるとはいえず、著しく社会的相当性を欠くともいえない。 さらに、その商標権により不正の利益を得る目的、他人に損害を与える目的などの不正の目的があったとはいえないから、その登録自体が適正な商道徳に反し、著しく社会的相当性を欠くとはいえない。 その他、本件商標は、その構成自体が非道徳的、きょう激、卑わい、差別的又は他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではない。 したがって、本件商標は、公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがある商標ではないから、商標法第4条第1項第7号に該当しない。 (4)むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも該当するものではなく、その登録は、同項に違反してされたものとはいえない。 他に本件商標の登録が商標法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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