商標異議申立
2024-900155
オリコンロッカー、オリコン
- 審判番号
- 2024-900155
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2023-082432
- 登録番号
- 6808603
- 請求日
- 2024年08月01日
- 審決日
- 2025年09月03日
- 公報発行日
- 2025年10月31日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】山田 輝
- 【権利者代理人】川浪 圭介
- 【異議申立人】オリコン 株式会社
- 【異議申立人代理人】岩田 敏
- 審判長/審判官
- 審判長 板谷 玲子
- 審判官 馬場 秀敏
- 審判官 小田 昌子
- 分類
- T1651.23 -Y (W20)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項8号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第8号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6808603号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6808603号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6808603号商標(以下「本件商標」という。)は、「ORICON LOCKER」の欧文字を横書きしてなり、令和5年7月25日に登録出願、第20類「ロッカー,錠(電気式又は金属製のものを除く。),木製・竹製又はプラスチック製の包装用容器,ネームプレート及び標札(金属製のものを除く。),ハンガーボード,つい立て,ベンチ,買物かご,工具箱(金属製のものを除く。)」を指定商品として、同6年5月13日に登録査定、同月28日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第106号証(枝番号を含む。以下、枝番号のすべてを示すときは枝番号を省略する。)を提出した。
(1)申立人の商号(略称)「オリコン(ORICON)」の著名性について
ア オリコンの会社沿革
申立人(以下、申立人には、事業会社であるグループ会社を含む場合がある。)には次の沿革(概要)があり、その商号(略称)及びハウスマークである「オリコン(ORICON)」(以下「引用商標」という。)は、申立人らによる長年の使用とその実績によって日本全国で認知された著名な商号(略称)である。
1967年 株式会社オリジナルコンフィデンス設立(代表:小池聰行)、週刊誌「総合芸能市場調査」創刊(甲2)
1968年 シングルランキング発表開始
1970年 アルバムランキング発表開始
1979年 一般向け音楽情報週刊誌「オリコン全国ヒット速報」創刊
1997年 デイリーランキング発表開始
1999年 音楽情報サイト「ORICON STYLE」のサービス開始
2000年 オリコン株式会社新規上場(ナスダック・ジャパン)
2003年 医療ランキング本「患者が決めた! いい病院」発刊
2005年 オリコン株式会社純粋特殊会社に移行
2006年 オリコン顧客満足度ランキング発表開始
2008年 “本”ランキング発表開始
2009年 法人向けデータ提供サービス「ORICON Biz online」配信開始
2013年 芸能・エンタメニュースに特化した公式YouTubeチャンネル「ORICON NEWS」を開設
2016年 デジタルアルバムランキング発表開始
2017年 デジタルシングル(楽曲)ランキング発表開始、Webサイト「ORICON STYLE」を「ORICON NEWS」に名称変更 2018年 合算シングルランキング、合算アルバムランキング、ストリーミングランキング発表開始
2019年 オリコン顧客満足度ランキングの調査データの学術研究分野向けの提供を開始
2020年 Webサイト「ORICON NEWS」が月間3億PVを達成、公式YouTubeチャンネル「ORICON NEWS」が登録者数100万人を突破
2023年 公式YouTubeチャンネル「ORICON NEWS」が登録者数180万人を突破(2024年7月現在は、209万人)
イ 雑誌媒体(ORICON WEEKLY)
株式会社オリジナルコンフィデンス(以下「オリジナルコンフィデンス社」という。)は、1967年に「総合芸能市場調査」を創刊し(甲2)、以後、「コンフィデンス」「オリジナルコンフィデンス」「ORICON BiZ」「ORIGINAL CONFIDENCE」「コンフィデンス」と誌名を変更しながら、主に業界(芸能事務所やレコード会社等)向けに音楽情報・エンタテイメント情報を提供してきた。この最大販売部数は、約1万部である。
その一方で、一般向けには1979年8月に「オリコン全国ヒット速報」(週刊)を創刊し、2016年に休刊するまで誌名変更はありつつも、37年間音楽やエンタテイメントを伝える週刊雑誌を発行し(甲3~甲49)、上記雑誌は、一般向けに毎週最新の音楽ランキング(ヒットチャート)や歌手・アイドルなどの情報を提供する当時としては画期的な雑誌であった。
すなわち、それまで日本には音楽ランキング(ヒットチャート)はなく、レコード会社が個別にレコードの売上枚数をプロモーション目的に発表するにすぎなかった。それに対して、上記雑誌では、全国のレコード店からのレコード売上枚数の報告に基づいてランキングを作成している。
このような音楽ランキング情報は、音楽愛好家やアイドル・アーティストファンにとって欠かせない情報(雑誌)であったが、一方で、レコード会社にとっては、歓迎せざる情報(雑誌)でもあった。これまで通用していた「○○万枚突破」といった大々的な宣伝文句が打てなくなるからである。
このため、上記雑誌に対するレコード会社からの圧力・バッシングは想像に難くない。
しかし、上記雑誌が37年も続き、その後もウェブサイト上で(「ORICON NEWS」)音楽ランキングを提供しているのは、日本全国に数多くいるユーザーの幅広い支持によるものに他ならない。そして、結果的に、オリコンによる音楽ランキングは、音楽ランキングのスタンダードとなった。例えば、著名なアーティストを報道する場合などに、ヒット曲が「○○万枚」の売上げや「ランキング○位」と紹介する新聞記事等には、オリコンのデータが使用されることが非常に多い(甲51~甲55)。
「ORICON WEEKLY」の販売部数は、1982年ないし1993年にかけて7万部から18.5万部で推移している(甲56~甲66)。
今から40年以上も前に音楽情報や芸能情報を入手するのは、インターネットで簡単に情報を入手できる現在と比較にならないほど難しかった。
その入手手段としては、雑誌媒体が最も一般的であり、その中でも本誌は極めて貴重な情報源であった。
ランキングだけでも、国内の1週間のシングルランキング、アルバムランキング、カセットランキングを1位から100位まで発表している。
また、海外の音楽のランキングや音楽に関連するランキングのほかに、様々なランキングも掲載されている。
ランキング以外にも、ヒットしているアーティストや物・サービスの情報、レコード(シングル及びアルバム)のリリース情報、アーティストの予定表なども掲載されている。
そして、「ORICON WEEKLY」中の読者のページ「オリ通」をまとめた書籍(甲70)が平成元年12月15日に発行され、これによれば、オリ通への投稿者が全国にわたっていることが理解できる。
ウ 顧客満足度ランキング
申立人は、2003年に患者満足度に基づいた医療ランキング本「患者が決めた!いい病院」を発刊し、その後、2007年版が発刊されている(甲72)。
オリコン顧客満足度ランキングは、当初「エステティックサロン」、「人材派遣会社」、「英会話スクール」、「結婚情報サービス」の4つのランキングからスタートしたが(甲73、甲74)、本件商標の登録出願前の2020年9月でも、約170以上のランキングが発表され(甲75)、同出願時点で、194のランキングが発表されている(甲105)。すなわち、社会生活に関連する様々な商品やサービスにこの顧客満足度ランキングが実施されている。
申立人は、ランキング1位に選出された企業の功績を称えて、「オリコン顧客満足度アワード」と称して、年に一度授賞式を開催している(甲76)。この授賞式は、マスコミでも報道されて、注目度の高いものとなっている(甲77)。
このように、音楽やエンタテイメント分野からスタートした「オリコン」の商号(略称)及びブランドであるが、この「オリコン顧客満足度ランキング」を発表することにより、その対象が社会生活全般に広がって、情報提供会社、ブランドとして高い知名度と信頼を確立した(甲78)。
エ 広告露出
2008年より発表の開始された“本”ランキングでは、第1位を獲得した本がその広告に「オリコン第1位」であることを積極的に表示している(甲79)。本によっては、帯に「オリコン第1位」を表示することもある(甲80)。
次に、同じく「オリコン顧客満足度ランキング」でも、ランキング第1位を獲得した企業は、その商品やサービスの広告に「オリコン顧客満足度ランキング(調査)第1位」であることを表示している(甲81)。その数は、申立人が確認できただけで、2016年計596件、2017年計461件、2018年計432件、2019年(3月まで)計461件となっている(甲82)。
さらに、ランキング第1位を獲得した企業は、自社のホームページ上でも、その旨を積極的に表示している。
このように、ランキング上位(特に第1位)に選出された企業は、それを積極的に広告媒体(パンフレット、新聞、チラシ、TVCM等)に表示するので、結果的に「オリコン」の社名(略称)やブランドの広告媒体への露出も多くあり、消費者、需要者が「オリコン」の名を頻繁に見聞きすることになっている。
なお、ランキング結果を広告媒体に使用する企業は、申立人のグループ会社であり、「オリコン顧客満足度」の事業会社である「株式会社oricon ME」と商標利用契約を結びロゴマーク等を使用している(甲83)。したがって、「オリコン」の社名(略称)やブランドが含まれるランキング結果の広告宣伝使用については、商標権のライセンス契約が存在している。
オ マスコミ露出
新聞では、「オリコン」の文字の記載された記事が頻繁に見受けられ、例えば、“本”ランキングに関して、本件商標の登録出願前の2018年のオリコン年間本ランキングについての記事が多数掲載され(甲84)、アーチスト等について、オリコンでのランキング情報を多数の新聞が記事にしている(甲85、甲86)。
次に、テレビ番組でも「オリコン」の文字の表示された画面が頻繁に見受けられ、2019年3月5日にも、朝の情報番組では「オリコン」の最新音楽ランキング情報が報道されており(甲87)、夜のバラエティー番組では過去の「オリコン」の音楽ランキング情報等が紹介されている(甲88)。また、2020年9月18日にも、ウォーターサーバーのテレビショッピングやマツコデラックス氏のトーク番組、歌番組「ミュージックステーション」で「オリコン」の文字が表示されている(甲89)。
また、前記した2019年や2020年よりさらに遡って、2014年及び2015年にも「オリコン顧客満足度ランキング」等について、テレビ、多岐にわたる雑誌や新聞において紹介されている(甲90~甲98)。
その他にも、2020年10月に死去した作曲家に関する報道では、新聞及びテレビにおいて、申立人の情報が数多く引用されて「オリコン調べ」とクレジット表記されている(甲99)。レコーディングプロデューサーが「・・・元のままじゃ、オリコン初登場一位をとれないんで」と言って、同氏の当初書いた曲の進行を変えたという逸話をシンガーソングライターが雑誌で語っている(甲100)。これは、音楽の世界でオリコン(のランキング)の存在がいかに大きいものかを如実に表しているといえる。
このように、新聞やテレビの報道などで申立人の情報(データ)が広く利用されている。例えば、朝の情報番組の中で視聴率トップ3の番組では、いずれも申立人の音楽ランキングの情報を報道し(甲101)、国民的アイドルに関する申立人の音楽ランキング情報も大きく報道されている(甲102)。また、一般の書籍でも、「・・・多くの曲がオリコンチャートを賑わせた」(甲103)など、ヒット曲を説明する際にもオリコンのランキングが指標となっている。それは、「オリコン」の業界標準やブランド力・信頼性に他ならず、ひいては「オリコン」の全国的な認知度を物語っている。
カ まとめ
以上のように、申立人は、1967年頃より主に業界向けの音楽又は芸能情報の提供を開始し、申立人の名称の略称である引用商標は、音楽又は芸能向け出版物の雑誌タイトルの一部に使用され、また、音楽等の各種ランキングにおいては、オリコンの調査に基づくランキング等であることを表す際、例えば「オリコンチャート」、「オリコン調べ」のように多くのメディアによって紹介、宣伝されるなどして、「音楽又は芸能情報の提供」の分野(以下「申立人分野1」という。)では、本件商標の登録出願前より、音楽又は芸能関係の我が国の取引者、需要者の間において著名であった。
事実、申立人と競合関係にある「ビルボードジャパン」も、その書籍で「日本では「ヒットチャート」は、レコードやCDセールスから成るオリコンによるシングルランキングが有名です。」と明言している(甲104)。これは、申立人分野1において、オリコンの名がいかに浸透しているかを雄弁に物語っている。
また、申立人は、2016年頃より「オリコン年間本ランキング」と称して、本のランキングを発表しており、さらに、2006年よりオリコン顧客満足度ランキングの発表を開始し、「エステティックサロン」を始め4つのランキングからスタートし、本件商標の登録出願時点で、その数は、194となっている(甲105)(以下「本のランキング」及び「各種の顧客満足度調査」に係る分野を「申立人分野2」という。)。
そして、ブランド認知調査(2023年3月23日~24日)によれば、「オリコン顧客満足度ランキング」の認知は、33.2%で、その他の顧客満足度サービスよりも4倍以上の認知度を有している(甲106)。
また、オリコン顧客満足度ランキングで使用される商標ロゴの認知は、41.3%もあり、ランキング入りした企業がこの商標ロゴを積極的に広告・宣伝活動に使用した結果、申立人分野2においてもオリコンの名が広く浸透していることがうかがえる。
以上のことから、引用商標は、2016年まで出版していた音楽・エンタテイメント系出版物の雑誌名のみならず、その出版元の略称として、そして紙媒体から月間3億PVを達成したWebサイト「ORICON NEWS」及び登録者数180万人を突破した公式YouTubeチャンネル「ORICON NEWS」になってもサイト運営者の略称として引き継がれ、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の商号の略称としてその著名性を維持している。また、それのみならず、昨今の本ランキングや顧客満足度ランキング等をとおして、社会生活全般に関する情報提供サービス事業者の商号の略称として、全国的に広く知られるに至った。
(2)商標法第4条第1項第8号について
商標法第4条第1項第8号の審査基準によれば、「著名な」略称に該当するか否かの判断は、人格権保護の見地から、必ずしも、当該商標の指定商品又は指定役務の需要者のみを基準とすることは要しないとされている。
そうとすると、「オリコン」は、申立人の商号(名称)の略称として世間一般で広く認知されており著名であるから、本件商標は、他人の著名な略称を含む商標であり、その他人の承諾を得ているものではない。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。
3 当審の判断
(1)引用商標の著名性について
申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、次のとおりである。
ア 申立人の前身であるオリジナルコンフィデンス社は、1967年に「総合芸能市場調査」を創刊(甲2)以後、「コンフィデンス」「オリジナルコンフィデンス」「ORICON BiZ」「ORIGINAL CONFIDENCE」「コンフィデンス」と誌名を変更しながら、主に業界(芸能事務所やレコード会社など)向けに音楽情報・エンタテイメント情報を提供しており、この最大販売部数は約1万部であるとされるが、その裏付けとなる証拠は提出されていない。
イ 一般向けには1979年8月に「オリコン全国ヒット速報」(週刊)を創刊し、2016年に休刊するまで誌名変更はありつつも、37年間音楽やエンタテイメントを伝える週刊雑誌を発行した(甲3~甲49)。「ORICON WEEKLY」の1993年版の販売部数は約18万部である(甲66)。
ウ ヒット曲の売上げやランキングを紹介する新聞記事等には、例えば「オリコンチャート」「オリコン調べ」のように記載されている(甲51、甲52、甲55)。
エ 元歌手A氏や現役歌手B氏についてのランキング情報について、新聞で「オリコン年間ランキング」「オリコン調べ」等のように、「オリコン」の文字が使用され(甲85、甲86)、また、「市場調査会社のオリコン」(甲85の6)、「音楽調査会社オリコン」(甲85の7)の記載がある。
オ 2016年ないし2019年のオリコン年間本ランキングに関する新聞記事に「オリコン調べ」、「オリコン上半期写真集売り上げランキング」等と掲載され、また、「本ベストセラー」のコラム中に「情報会社オリコン」の記載が散見される(甲84)。
カ 申立人は、2003年度版及び2007年度版の医療ランキング本「患者が決めた!いい病院」を発刊し、2003年度版の表紙に「オリコン・メディカル」、2007年度版には「オリコン・エンタテインメント」と表示されている(甲72)。
キ 申立人は、2006年に、オリコン顧客満足度ランキングの発表を開始し、当初「エステティックサロン」、「人材派遣会社」、「英会話スクール」及び「結婚情報サービス」の4つのランキングからスタートし(甲73、甲74)、2022年3月時点では、191のランキングが発表されたとされ(甲75)、2023年5月には、194のランキングが発表されたとされる(甲105)。
そして、「2023年オリコン顧客満足度 認知度調査グラフ集」(甲106)によれば、「オリコン顧客満足度ランキング」の認知は、33.2%である。
ク テレビ番組で「オリコン顧客満足度ランキング」が紹介され、雑誌や新聞などにも「オリコン顧客満足度ランキング」又は「オリコン日本顧客満足度ランキング」等の文字が記載されている(甲90、甲91の1、4~17、23、24、26、28~31、34~37、39~41、46、甲92の1~3、7~9、11、13~18、20~28、30、31、33、34、36~39、甲93の1~3、6~11、15、18、22、25、甲94の3、8~13、18、20、23、25、30、35、36、39、43)。
ケ 以上によれば、申立人の前身であるオリジナルコンフィデンス社は、1967年頃より主に業界向けの音楽又は芸能情報の提供を開始し、引用商標は、音楽又は芸能向け出版物の雑誌タイトルの一部やランキングの名称の一部に使用されている。
そうすると、引用商標は、雑誌タイトルの一部や各種ランキングの名称の一部として使用されたことにより、雑誌のタイトルやランキングの名称を表わすものとして認識されるものというべきであり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の名称の略称を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
なお、新聞記事において、「市場調査会社のオリコン」、「音楽調査会社オリコン」、「情報会社オリコン」の記載が散見されるものの、これらはランキングに関する記事内容であり、当該記事のみをもって、引用商標が申立人の名称の略称を表示するものとして広く認識されていたとはいい難い。
(2)商標法第4条第1項第8号該当性について
本件商標は、上記1のとおり、「ORICON LOCKER」の欧文字を横書きしてなるものである。
一方、引用商標は、「オリコン」又は「ORICON」の文字からなるものであるところ、上記(1)のとおり、引用商標は、音楽又は芸能向け出版物の雑誌タイトルの一部やランキングの名称の一部に使用されている事実が認められるとしても、申立人の提出に係る証拠からは、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の名称の略称として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
したがって、本件商標は、その構成中に「ORICON」の文字を含むとしても、当該文字が申立人の著名な略称とはいえないから、他人の著名な略称を含む商標と認めることはできず、商標法第4条第1項第8号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当するとはいえず、他に本件商標の登録が同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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