商標異議申立
2024-900149
ドッグズピザ、ドッグズピッツァ、イヌノピザ
- 審判番号
- 2024-900149
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2024-014656
- 登録番号
- 6804935
- 請求日
- 2024年07月23日
- 審決日
- 2025年04月02日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】米山 綾美
- 【権利者代理人】西山 玄一郎
- 【異議申立人】ドミノズ アイピー ホールダー エルエルシー
- 【異議申立人代理人】弁理士法人有古特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 高橋 幸志
- 審判官 鯉沼 里果
- 審判官 小俣 克巳
- 分類
- T1651.222-Y (W31) / T1651.251-Y (W31) / T1651.252-Y (W31) / T1651.253-Y (W31) / T1651.255-Y (W31) / T1651.271-Y (W31)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項10号商標法4条1項15号商標法4条1項19号商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第19号、商標法第4条第1項第15号、商標法第43条の3第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6804935号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6804935号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6804935号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1の構成からなり、令和6年2月14日に登録出願、第31類「ペットフード,ドッグフード」を指定商品として、同年4月22日に登録査定され、同年5月15日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号に該当するとして引用する商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2の構成からなり、ピザを主とする飲食物、ピザを主とする飲食物の提供、ピザを主とする飲食物のデリバリーサービスについて多く使用されているというものである。
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号に該当するにもかかわらず、各号に違反して登録されたものであって、商標法第43条の3第2項の規定により取り消されるべきものである旨申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証を提出した。
本件商標は、近接して並んで配された赤色と青色のタイル図形と、この各タイル図形の中に描かれた犬の足跡の図形と、「DOG’sPIZZA」なる文字列と、「イヌノピザ」なる文字とによって構成されている。これらのうちの、近接して並んで配された赤色と青色のタイル図形は、本件商標において特に印象的な部分であり、本件商標において強く識別力を発揮する要部である。
一方、引用商標は、近接して並んで配された赤色と青色のタイル図形と、その各タイル図形の中に描かれた白い色の1つの又は2つの円形とによって構成されている(甲2、甲3)。この2つのタイル図形の配色と配置とが、他には見られない特徴的な要素であり、引用商標において強く識別力を発揮する要部である。
引用商標の所有者は、米国法人のドミノズ アイピー ホールダー エルエルシー(以下「米国ドミノIP社」という。)である。
ドミノ・ピザ社は、米国の法人(以下「米国ドミノ社」という。)であり、ピザを中心とした飲食物を、主に宅配形式によって提供する法人である。
米国ドミノIP社は、米国ドミノ社の商標権を含む知的財産権を管理する法人であり、このタイル図形を要部とする多くの商標を日本でも登録している(甲4~甲11)。
また、株式会社ドミノ・ピザジャパン(以下「日本ドミノ社」という。)は、米国ドミノ社とフランチャイズ契約を締結して、ピザを中心とした飲食物を、主に宅配形式によって提供する法人である。
日本ドミノ社が米国ドミノ社とライセンス契約を結んだのは1985年であり、日本ドミノ社の日本における店舗数は、2023年には1000店舗に達した(甲12)。
引用商標が、インターネットやその他の媒体(例えばテレビコマーシャル)において、また、店舗において大量に使用されている(甲2、甲3)。
本件商標の要部は、引用商標の要部であるタイル図形の形状、配色、配置が同一であり、これらの点は引用商標と一致する。そして引用商標が、著名な商標であることを考慮すると、本件商標に接した需要者は、本件商標が使用された商品・役務を、引用商標の所有者の商品・役務と混同を生ずるおそれがあるというべきである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当するにもかかわらず、登録されたものであることは明らかである。
さらに、本件商標は引用商標と類似するものであり、本件商標権利者が、引用商標の所有者の信用を利用して、不正の目的を持って本件商標を使用していることは明らかである。
すなわち、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当するにもかかわらず、登録されたものであることは明らかである。
第4 当審の判断
1 引用商標の周知・著名性について
申立人の提出に係る証拠及び同人の主張より、米国ドミノ社は、ピザを中心とした飲食物を、主に宅配形式によって提供する法人であり、日本ドミノ社は、米国ドミノ社とフランチャイズ契約を締結して、ピザを中心とした飲食物を、主に宅配形式によって提供していること、また、日本ドミノ社と米国ドミノ社は1985年にライセンス契約を結び、日本ドミノ社の日本における店舗数は、2023年に1000店舗に達したことがうかがえる(甲12)。
そして、インターネットやテレビコマーシャルにおいて、別掲2の標章を使用(甲2、甲3)していることからすると、引用商標は、一部の需要者の間には、一定程度知られている可能性がある。
しかしながら、上記インターネットにおける商品掲載日やテレビCMの放映日時、地域、回数等は明らかでなく、また、引用商標の使用開始日や申立人の業務に係る商品及び役務の外国及び我が国における売上高、市場シェア、販売数量等の販売実績を示す客観的な裏付け資料並びに宣伝広告の回数や費用等の広告実績など、その周知性を数量的に判断し得る客観的、かつ、具体的事実に関する証拠の提出はない。
そうすると、申立人提出の証拠によっては、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品及び役務を表示する商標として、我が国の需要者の間で広く認識されていたと認めることはできない。また、外国の需要者の間で広く認識されていたと認めることもできない。
2 商標法第4条第1項第10号該当性について
(1)本件商標
本件商標は、別掲1のとおり、やや右斜めに傾いた赤色と青色の四角形状の図形(以下「図形部分」という。)を上下に配置し、その図形部分内に白抜きした犬の足跡(肉球)図形をそれぞれ描き、当該図形部分の下に赤色の「DOG’s PIZZA」の欧文字と緑色の「イヌノピザ」の片仮名(以下「文字部分」という。)を上下二段に書した構成からなるところ、その構成中の図形部分と文字部分とは、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいえないものであり、これらをあわせた構成全体で特定の称呼及び観念を生ずるなどの事情もみいだせないことからすれば、当該図形部分と文字部分がそれぞれ独立して商品の出所識別標識としての機能を果たすといえるものである。
そうすると、本件商標は、これに接する取引者、需要者が、その構成中の図形部分に着目し、当該部分をもって取引に資する場合も決して少なくないとみるのが相当である。
そして当該図形部分は、我が国で特定の事物等を表すものとして親しまれたものでもないことからすれば 、特定の称呼や観念は生じない。
(2)引用商標
引用商標は、大きく右斜めに傾いた赤色と青色の四角形状の図形を上下に配置し、それらの図形内にサイコロの目のような一つ又は二つの白丸を描いた構成からなるところ、我が国で特定の事物等を表すものとして親しまれたものでもないことからすれば、これよりは特定の称呼や観念は生じない。
(3)本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標の構成は、上記(1)及び(2)のとおりである。
そこで、本件商標の構成中の図形部分と引用商標とを比較するに、両者は、右斜めに傾いた赤色及び青色の四角形状の図形を上下に配置した構成からなる点において共通するとしても、本件商標の図形部分は、それぞれの四角形状の図形内に犬の足跡(肉球)図形を配しているのに対し、引用商標は、それぞれの四角形状の図形内にサイコロの目のような一つ又は二つの白丸を配した構成よりなるものであるから、その構成及び受ける印象が明らかに異なるものというべきであって、離隔的に観察しても見誤るおそれはないものである。
そうすると、本件商標と引用商標は、その構成全体が相違するものであり、本件商標の図形部分と引用商標においても見誤るおそれがないことから、外観上紛れるおそれはない。
また、本件商標は、その構成中の文字部分に相応し「ドッグズピザ」「イヌノピザ」の称呼及び「犬のピザ」ほどの観念を生じるのに対し、引用商標は、特定の称呼又は観念を生じないことから、称呼及び観念においても紛れるおそれはない。
したがって、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても、相紛れるおそれはなく、非類似の商標というべきである。
その他、本件商標と引用商標とを類似のものとすべき事由は見出せない。
なお、申立人は、本件商標は、近接して並んで配された赤色と青色のタイル図形が強く識別力を発揮する要部であり、引用商標は、近接して並んで配された赤色と青色のタイル図形の配色と配置とが、他には見られない特徴的な要素であり、引用商標において強く識別力を発揮する要部であると認定した上で、本件商標の要部は、引用商標の要部であるタイル図形の形状、配色、配置が同一であり、これらの点は引用商標と一致することから、引用商標が著名な商標であることを考慮すると、本件商標に接した需要者は、本件商標が使用された商品・役務を、引用商標の所有者の商品・役務と混同を生ずるおそれがある旨主張している。
しかしながら、本件商標は、図形内に犬の足跡(肉球)図形を配しているのに対し、引用商標は、図形内にサイコロの目のような一つ又は二つの白丸を配した構成よりなるものであるから、その構成及び受ける印象が明らかに異なるものというべきであって、離隔的に観察しても見誤るおそれはないものであること、上述のとおりである。
よって、申立人の主張は採用することができない。
(4)小括
上記1のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして我が国の需要者の間に広く認識されているものと認めることはできず、かつ、本件商標と引用商標は、上記(3)のとおり、非類似の商標である。
したがって、本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品及び役務との類否について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標は、上記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることができないものである。
また、本件商標と引用商標は、上記2(3)のとおり、非類似の商標であるから、両者の類似性の程度は低い。
そうすると、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定商品について使用しても、我が国の需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であると誤認し、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないというべきである。
その他、本件商標について、出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
4 商標法第4条第1項第19号該当性について
引用商標は、上記1のとおり、他人(申立人)の業務に係る商品を表示するものとして我が国又は外国の需要者の間に広く認識されているものとは認められないものである。
また、申立人が提出した証拠からは、本件商標権者が、本件商標を不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用をするものと認めるに足りる具体的事実は見いだせない。
さらに、上記2(3)のとおり、本件商標と引用商標は、非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
5 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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