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商標異議申立

2024-900100

アイスノヒ

審判番号
2024-900100
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2023-062258
登録番号
6785841
請求日
2024年05月13日
審決日
2025年03月17日
公報発行日
2025年06月27日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【権利者】株式会社アンカー
  • 【異議申立人】一般社団法人 日本アイスクリーム協会
  • 【異議申立人代理人】弁理士法人松田特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 大島 康浩
  • 審判官 真鍋 伸行
  • 審判官 大島 勉
分類
T1651.16 -Z (W35)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項商標法43条の3第2項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第6号、商標法第3条第1項
データ出所
審決公報(XML)

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登録第6785841号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6785841号商標の商標登録を取り消す。

理由

理 由 1 本件商標 本件登録第6785841号商標(以下「本件商標」という。)は、「アイスの日」の文字を標準文字で表してなり、令和5年6月6日に登録出願、第35類「菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同6年2月28日に登録査定、同年3月8日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきである旨申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第27号証(枝番号を含む。以下、枝番号の全てを示すときは、枝番号を省略する。)を提出した。 (1)本件商標の意味合いについて 本件商標は、「アイス」の用語と「日」の用語とを助詞「の」で結合した構成よりなるところ、後半部「の日」の文字は、「○○の日」のごとく、その前に言葉を伴って、「○○の記念日」と理解されるものである。 一方、「の日」の前に冠された「アイス」の文字は、「アイスクリーム」の略として一般に広く知られているものであり(甲2)、辞書上においては多義的な意味合いを有するとしても、一般の取引社会においては、「アイス」と言われれば「アイスクリーム」を即座に想起する程度に「アイスクリーム」の略語として通用しているものである。この点については、インターネットの検索エンジン「Google」で「アイス」を検索したところ、冒頭50件以上の検索結果において、辞書上の意味合いを指摘した1件を除いた全ての検索結果が「アイスクリーム」の意味合いで用いられている例であったことからしても、十分に首肯し得るところである(甲3)。 なお、「アイス」の用語には、「氷」等、「アイスクリームの略」以外の意味が辞書に記載されてはいるものの、本件商標が取引者・需要者にいかなる意味合いで理解されるのかについては、本件商標の指定商品・指定役務との関係で考察される必要があり、本件商標をその指定役務中「菓子の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に使用した場合、これに接する需要者が、「アイス」の文字部分を「アイスクリーム」以外の意味合いで理解する事態は想定し難い。 これは、スーパーマーケットやコンビニエンスストアに行って、店員に「アイス売り場はどこですか?」と尋ねた際に、「アイスクリーム売り場」ではなく、「氷売り場」を想定する者がいるのかどうかを考えてみれば、十分にご理解し得るものと思われる。 したがって、本件商標「アイスの日」は、その指定役務中「菓子の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に使用された場合には、これに接する需要者に「アイスクリームの日」なる意味合いでとらえられる用語である。 (2)指定役務や関連商品における使用状況等 しかるに、本件商標と同義の意味合いである「アイスクリームの日」は、申立人の前身である東京アイスクリーム協会が制定したアイスクリームに関する記念日である。 この「アイスクリームの日」は、昭和39年(1964年)に、アイスクリームのシーズンが始まる連休明けの時期である5月9日を「アイスクリームデー」と決めた上で、記念事業を開催し、都内の施設や病院などにアイスクリームをプレゼントしたことに由来するものであり、以後、毎年5月9日を中心にイベント・キャンペーンが全国各地で開催されているものである(甲4)。 アイスクリームのメーカーや小売店においては、この「アイスクリームの日」に合わせて、「アイスクリーム」の宣伝活動を行っているところであるが、正式名称「アイスクリームの日」の文字ではなく、「アイスの日」の文字を宣伝広告に使用している例が多数見受けられる。 例えば、イオングループは、毎年アイスメーカーとのタイアップで「5月9日はアイスの日キャンペーン」を開催しているが、「アイスの日」の文字を「アイスクリームの小売等役務」の宣伝広告に使用している(甲5)。 なお、「アイスクリームの日」は5月9日であることから、その1ヶ月前である4月頃より同記念日に関する広告がなされることが多いが、本年においても、本件商標の登録査定の日の直後より、複数の小売店・アイスクリーム販売店によって、「アイスの日」の文字が宣伝広告に使用されるに至っている(甲6ないし甲9)。 また、本件商標の指定役務中「アイスクリームの小売等役務」と極めて密接な関連性を有する商品「アイスクリーム」の分野においても、アイスクリームメーカーが、商品「アイスクリーム」の宣伝広告に「アイスの日」の文言を使用した上で、アイスクリームの販売を行っているところでもある(甲10ないし甲17)。 その他、一般的な記事においても、「アイスクリームの日」を「アイスの日」と称している事実が多数確認できるところでもあり(甲18ないし甲22)、かかる事実は、本件商標「アイスの日」は「アイスクリームの日」の意味合いでとらえられるとする申立人の上記主張を十分に裏付けるものである。 (3)商標「○○の日」の審査状況 近年、我が国においては多数の記念日が制定されており、記念日として制定された「○○の日(○○は商品の普通名称)」の文字が、各種商品の消費を促す標語として使用されている実情が認められる。 そのような宣伝広告に多数使用されている用語については、例えば、食品に限ってみても、識別力がないことを理由に拒絶されており(甲23ないし甲27)、いずれも一私人に独占使用は認められず、広く一般に開放されている。 上記事案は、本件とは個別具体的事案を異にするものの、冒頭に冠された食品の消費を促す標語として取引業界において用いられている点では本件商標と同様の事情にある商標であり、本件商標の識別力判断にあたって十分に参酌されてしかるべき事案である。 (4)まとめ 以上を要するに、本件商標をその指定役務に使用した場合、本件商標の構成用語の意味合いに、指定役務及びその関連商品の分野における「アイスの日」の語の使用状況等をも総合的に勘案すれば、これに接する需要者は、アイスクリームの顧客吸引、販売促進を図るための宣伝広告として使用されていると理解されるにとどまり、自他商品の識別標識として認識し得ない。 よって、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものである。 3 当審における取消理由通知 当審において、本件商標が商標法第3条第1項第6号に該当するから、本件商標の登録は同法第43条の3第2項の規定に基づいて取り消すべき旨を別掲とともに、本件商標権者に通知し、意見を求めた。 4 上記通知に対する本件商標権者の意見 本件商標権者は、上記通知に対して、意見書を提出していない。 5 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第6号該当性について 本件商標は、上記1のとおり、「アイスの日」の文字を標準文字で表してなる。 そして、本件商標を構成する「アイスの日」の文字について、上記3で通知した別掲によれば、1869年(明治2年)5月9日に横浜で、日本で初めてアイスクリームが発売されたことにちなみ(記念して)、日本アイスクリーム協会(旧東京アイスクリーム協会)により1964年に「アイスクリームの日」が制定され、その後、遅くとも1993年4月以降から本件商標の登録査定日前において継続して、アイスクリームやアイスキャンディーを取り扱う業界において、「アイスの日」の語がアイスクリームやアイスキャンディーに関する特定の日(上記制定された日)を表すものとして使用され、アイスクリーム等に係るキャンペーンやイベント等が長年にわたり広く行われている実情が認められる。 そうすると、本件商標は、これをその指定役務に使用しても、これに接する需要者は、アイスクリーム等の顧客吸引及び販売促進を図る宣伝・広告を表したものであると理解するにとどまり、自他役務の識別標識として認識し得ない。 したがって、本件商標は、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標であり、商標法第3条第1項第6号に該当する。 (2)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項6号の規定に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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