商標異議申立
2024-900093
パンプ、ポンプ
- 審判番号
- 2024-900093
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2023-077025
- 登録番号
- 6787377
- 請求日
- 2024年04月30日
- 審決日
- 2024年12月11日
- 公報発行日
- 2025年03月28日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社カインズ
- 【異議申立人】久保 早苗
- 【異議申立人代理人】有吉 修一朗
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 渡邉 あおい
- 分類
- T1652.13 -Y (W12) / T1652.272-Y (W12)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号商標法4条1項16号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6787377号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6787377号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6787377号商標(以下「本件商標」という。)は、「パンプ」の片仮名及び「Pump」の欧文字を2段に書してなり、第12類「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,自転車,ファットバイク,車椅子,手押し車,カゴ台車」を指定商品として、令和5年7月11日に登録出願、同6年2月7日に登録査定、同年3月14日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標はその指定商品中、第12類「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,自転車,ファットバイク」(以下「申立対象商品」という。)について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証(枝番号を含む。)を提出した。
以下、証拠の表記に当たっては、「甲第○号証」を「甲○」のように簡略して記載し、枝番号を有する証拠において、枝番号の全てを引用する場合は、枝番号の記載を省略する。
(1)本件商標の「Pump」について
本件商標の下段の「Pump」の欧文字は、ポンプ(圧力の働きによって流体を送る装置)の意味を有する英単語であり(甲2、甲3)、申立対象商品との関係では、「二輪自動車用空気入れ(ポンプ)」や「自転車用空気入れ(ポンプ)」を意味する語である。
(2)本件商標の「パンプ」について
本件商標の上段の「パンプ」の片仮名は、英単語「pump」の発音を表すものである。すなわち、「ポンプ」の語源がオランダ語の「pomp」であるため(甲4)、我が国では、「ポンプ」として知られているが、英単語「pump」の発音は「パンプ」である(甲2)。
なお、「pu」の文字を「パ」と発音する点は、「pumpkin(かぼちゃ)」や「pumps(婦人靴)」と同様であり、一般消費者にとって、特別なことではない。
例えば、「pump」の欧文字と「パンプ」の片仮名が2段書きされている複数の登録商標がある(甲5)。
過去の審判例(甲6)では、商標の構成中、片仮名が欧文字の読みを表したとされ、本件商標の上段の「パンプ」の片仮名は、下段の「pump」の欧文字の発音を表したにすぎないと考えるのが自然である。
(3)第三者による「pump」や「パンプ」の使用の事実について
第三者による「pump」や「パンプ」の使用事実(甲7)から、本件指定商品の分野においては、「二輪自動車用空気入れ」や「自転車用空気入れ」について、「pump」の欧文字や「パンプ」の片仮名が使用されていることは明らかである。
(4)小括
そうすると、本件商標を申立対象商品に使用したときは、これに接した需要者及び取引者は、その商品が「二輪自動車用空気入れ(ポンプ)」や「自転車用空気入れ(ポンプ)」であることを理解するもの、すなわち、商品の品質(特徴)を表示したものと認識するにとどまるというべきであって、自他商品の識別標識としては機能し得ない。
(5)まとめ
したがって、本件商標は、申立対象商品のうち、第12類「二輪自動車用・自転車用空気入れ(ポンプ)」に相当する商品に使用するときには、商標法第3条第1項第3号に該当し、それ以外の申立対象商品に使用するときには同法第4条第1項第16号に該当する。
3 当審の判断
(1)商標法3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本件商標は、前記1のとおり、「パンプ」の片仮名と「Pump」の欧文字とを2段に書してなるものである。
そして、申立人の提出に係る証拠によれば、以下のとおりである。
ア 「Pump」及び「パンプ」について
(ア)本件商標の構成中「Pump」の欧文字は、「ポンプ、揚(吸)水器」等の意味を有する英単語「pump」であり、英語では「パンプ」と発音されるといえ、また、「自転車の空気入れ」は、「a bicycle pump」と表示される(甲2)。
(イ)「ポンプ」は、「【pomp】圧力の働きによって液体を送る装置。特に液体に対するものをいい、気体では構造により真空ポンプ・送風機などと呼ぶことが多い。」との記載がある(甲3)。
(ウ)本件商標の登録査定前のインターネット情報には、「ワイズロードONLINE」のウェブサイトに「BROMPTON(ブロンプトン)携帯用ポンプ PUMP WITH MOUNTING BRACKETS シルバー」(甲7の12)の記載、同ウェブサイトに「CANNONDALE(キャノンデール)フロアポンプ PRECISE FLOOR PUMP(プリサイス フロアポンプ)ステルスグレー」(甲7の13)の記載、「WORLDCYCLE」のウェブサイトに「LANDCAST Magic Pump製品紹介PV ランドキャストマジックポンプ」(甲7の16)の記載、「amazon」のウェブサイトに「CarOver【英式 米式 仏式 対応】携帯空気入れ 自転車 フットポンプ 小型 浮き輪 ボール ゲージ付き CO-F-PUMP」(甲7の17)の記載、また、同ウェブサイトに「フットパンプ 自転車空気入れ」(甲7の19)の記載がある。
しかしながら、いずれも「PUMP(Pump)」については、「ポンプ」として紹介されているのが一般的である。
(エ)上記以外の「PUMP(Pump)」及び「パンプ」の文字の使用例の証拠は、本件商標の登録査定後のもの、又は掲載日が確認できないものである。
イ 以上からすると、「PUMP(Pump)」の文字は、「パンプ」と英語で発音し、称呼され得るとしても、我が国では、その意味合いや取引の実際においては、広く一般に「ポンプ」と称呼され使用されているといえる。
そして、「PUMP(Pump)」の欧文字及び「パンプ」の片仮名が単独で、「二輪自動車用空気入れ」や「自転車用空気入れ」を意味するものとして使用されている事実は見いだせず、かつ、自他商品の出所識別標識としての機能を有しないというべき事情も見いだせない。
そうすると、本件商標は、その指定商品中、申立対象商品との関係において、商品の品質を具体的に表示するものと直ちに認識、理解させるものではないから、自他商品の出所識別標識として機能を有するというべきであり、また、商品の品質について誤認を生ずるおそれもない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標は、申立対象商品について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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