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商標異議申立

2024-900085

デイリーエッセンシャル、デーリーエッセンシャル、デーリー、エッセンシャル

審判番号
2024-900085
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2023-092409
登録番号
6776264
請求日
2024年04月11日
審決日
2025年01月16日
公報発行日
2025年04月25日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【権利者】株式会社フォーチュン
  • 【権利者代理人】齊藤 誠一
  • 【権利者代理人】シュワルツ 知子
  • 【権利者代理人】鈴木 恵庭
  • 【異議申立人】花王 株式会社
  • 【異議申立人代理人】小川 雅也
審判長/審判官
  • 審判長 高橋 幸志
  • 審判官 清川 恵子
  • 審判官 白鳥 幹周
分類
T1651.261-Z (W03) / T1651.262-Z (W03) / T1651.263-Z (W03) / T1651.264-Z (W03)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法43条の3第2項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商標登録第6776264号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 商標登録第6776264号商標の商標登録を取り消す。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6776264号商標(以下「本件商標」という。)は、「DAILY ESSENTIAL」の文字を標準文字で表してなり、令和5年8月21日に登録出願、第3類「化粧品,日焼け止めクリーム,日焼け止めローション,日焼け止め用オイル,頭髪用化粧品,髪油,下地用化粧品,スキンクリーム」を指定商品として、同6年1月25日に登録査定、同年2月5日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用した登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。これらをまとめていうときは「引用商標」という。 1 登録第2117987号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の態様:別掲1のとおり 登録出願日:昭和60年7月16日 設定登録日:平成元年2月21日 書換登録日:平成21年4月22日 指定商品:第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」 2 登録第4168259号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の態様:別掲2のとおり 登録出願日:平成9年2月10日 設定登録日:平成10年7月17日 指定商品:第3類「シャンプー,リンス,トリートメント」 3 登録第4530759号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の態様:「エッセンシャル」の片仮名を一列に横書きしてなるもの 登録出願日:平成9年3月5日 設定登録日:平成13年12月21日 指定商品:第3類「シャンプー,リンス,トリートメント」 4 登録第4668079号商標(以下「引用商標4」という。) 商標の態様:「エッセンシャル」の片仮名及び「Essential」の欧文字を上下二段に横書きしてなるもの 登録出願日:平成13年12月5日 設定登録日:平成15年5月2日 指定商品:第3類「せっけん類,香料類,化粧品,つけづめ,つけまつ毛,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,歯磨き,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布」のほか、第11類及び第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品 第3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証から甲第93号証(以下「甲○」と表記する。)を提出した。 1 商標法第4条第1項第11号について (1)本件商標 本件商標は欧文字表記で左横書き一連に「DAILY ESSENTIAL」と書してなる商標である。その構成中、申立人が1976年の発売開始から現在まで48年以上の長年にわたり製造販売を継続し(甲6、甲7)、せっけん類、化粧品分野の取引者、需要者層においては周知、著名商標に該当している「Essential(エッセンシャル)」のブランドと大文字小文字の微差のみで綴りが共通する「ESSENTIAL」を有している。 また本件商標の構成中「DAILY」は「毎日の、平日の、日常の、日常的な」(甲8)等を意味するところ、該部分はせっけん類、化粧品との関係では「毎日使用する」「日常的に使用する」等の品質等を表し自他商品識別機能を欠く部分に該当する。 さらに「DAILY」と「ESSENTIAL」の一連で既成語として一般の英語辞書等に存在せず(甲9)、観念上の一体性も全く見受けられないこと等を考慮すると、本件商標については「ESSENTIAL」部分で要部観察される可能性は極めて高いものである。 そして、本件商標の構成全体から生じる称呼「デイリーエッセンシャル」は10音と冗長であり、本件商標の構成全体から特定の観念が生ずるものでなく、本件商標の構成中「DAILY」は品質等表示であることからすれば、需要者等に印象付ける部分は、「ESSENTIAL」部分にある。 その場合、本件商標からは「ESSENTIAL」に相応した外観、称呼及び観念をも生ずるものである。 (2)引用商標について 引用商標1は図形の下に片仮名表記「エッセンシャル」が配された商標、引用商標2は欧文字表記「Essential」、引用商標3は片仮名表記「エッセンシャル」、引用商標4は上段に片仮名表記「エッセンシャル」、下段に欧文字表記「Essential」の語を配してなる二段併記の商標であり、該態様を考慮すると、引用各商標からは「エッセンシャル」の称呼が生ずるものである。 そして「Essential(エッセンシャル)」は申立人の製造販売する代表的なシャンプー、コンディショナー等をはじめとするヘアケア商品のブランド名であることから、引用商標からは「申立人のヘアケア商品のブランド」程の観念が容易に想起されるものである。 (3)本件商標と引用商標の類否 本件商標と引用商標の外観を比較すると、構成する文字に差異があるものの、本件商標の要部である「ESSENTIAL」と引用商標2及び4の「Essential」の文字部分を共通にすることから、両者は似通った印象を与え外観において類似する。 次に称呼を比較すると、両者は「エッセンシャル」の称呼を共通にする。 そして観念を比較すると、上述のようにEssential(エッセンシャル)」は申立人に係る商標として周知、著名に至っていることから、本件商標の要部「ESSENTIAL」からは「申立人のヘアケア商品のブランド」程の同一の観念が想起される可能性は極めて高いといえる。 以上を考慮すると、本件商標の要部と引用商標の文字部分は、称呼及び観念を共通にし、外観において近似した印象を与えるものであるから、これらを総合的に勘案すれば、両者は、互いに相紛れるおそれのある類似商標に該当する。 2 商標法第4条第1項第15号について (1)周知著名性について ア 申立人の長年にわたる使用状況について 申立人は、「Essential(エッセンシャル)」のブランド名で1976年に発売開始以来、現在に至るまでの間、シャンプー、リンス、コンディショナー、髪用化粧品等ヘアケア商品の製造販売を継続している(甲6、甲7)。 1976年に、申立人は、髪のキューティクルをケアする効果のある商品「カオーフェザー エッセンシャル」のシャンプーとリンスの販売を開始し(甲12~甲14)、1980年代にブランド名を「エッセンシャル」と改め、1981年「エッセンシャル コンディショニング」を販売、それ以降「エッセンシャル」を冠したシャンプー、リンス、コンディショナーを販売した(甲15~甲17)。 そして2007年以降はシャンプー、コンディショナー、トリートメントの他、ヘアパックや洗い流さないトリートメント等を販売し、現在では上記「Essential(エッセンシャル)」のプレミアムシリーズ等を展開し(甲7、甲18)、製品やウェブサイト等には「Essential」の表記が使用されている。 申立人はその時代の需要者のニーズに応えるため、商品のリニューアルや新製品を開発、販売を積極的に行い、申立人の主力ヘアケアブランドの一としてロングセラー商品となっており、「Essential(エッセンシャル)」ブランドの商品は、日本全国で販売され、取扱う販売店もドラッグストア、総合スーパー等多数に上る。 また近年も「Essential(エッセンシャル)」ブランドの商品が需要者より人気を得て、2019年から2023年にかけて、各種メディアにおいてせっけん類、化粧品に関するランキングの上位に順位付けされている(甲19~甲35)。 イ 「Essential(エッセンシャル)」ブランド商品に関する宣伝広告及び第三者の掲載記事等について 申立人は「Essential(エッセンシャル)」ブランドの商品に関して、過去から現在に至るまでテレビCM、SNS等各種メディアで幅広く広告を展開している。 (ア)甲36は、2019年から2022年にメディアを介して行った、一部の広告の内容(雑誌名、ウェブサイト名等)の掲載一覧であり、その広告の内容は甲37ないし甲67のとおりである。当該広告において「Essential(エッセンシャル)」の表記、商品が掲載されていることが確認できる。 (イ)1976年の発売当初よりテレビコマーシャルに力を入れており(甲68~甲71)、「Essential(エッセンシャル)」ブランドのテレビコマーシャルはその時代の人気の高い女優、モデル、タレントを多数起用したものである(甲72~甲74)。 (ウ)動画共有サービス「YOUTUBE」において、「Essential(エッセンシャル)」ブランドの新製品発表(甲75)やSNSと連動した商品のイベントの一環としての音声ドラマの配信等も行っていた(甲76、甲77)。 (エ)新聞等で「Essential(エッセンシャル)」ブランドの商品が掲載されている(甲78、甲79)。 (オ)各種メディアで広告の一例として、2010年から2023年までに行った各種媒体の広告に関する広告出稿証明書(甲80)においては、過去14年間余りでも「Essential(エッセンシャル)」ブランドに関して、多大な宣伝広告費が投入されていることが証明される。 以上のとおり、申立人が多大な広告費を費やし、強力な宣伝広告に努めていること、及び1976年から現在までロングセラー商品として販売されている実情からは、せっけん類、化粧品の多数の需要者層において「Essential(エッセンシャル)」ブランドの商品が愛用され、その結果広く知られたものとなっている。 ウ 「Essential(エッセンシャル)」ブランドの認知度 株式会社マーケティング・リサーチ・サービスによる、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県を含む首都圏30kmにおいて、15才から79才の女性に対して行われたブランド認知率調査であるヘアケア定点実態調査集計結果(甲81)によれば、「Essential(エッセンシャル)」ブランドの認知率は80.1%であるところ、ヘアケア市場規模は2022年5166億円とも言われており(甲82)、毎年各社が各種様々なヘアケア商品を投入し、膨大なヘアケア商品が市場に流通している実情を鑑みると、「Essential(エッセンシャル)」ブランドの認知率である「80.1%」は極めて高い認知率であることは明白である。 エ 推計販売規模について 株式会社インテージ(以下「インテージ社」という。)によるパネル調査データベース データ内容証明書(甲83~甲85)は、同社の提供するパネル調査の内、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ホームセンター・ディスカウントストア、ドラッグストア、専門店等の全国約6000店舗より収集している小売店販売データを基にした調査である「全国小売店パネル調査」(甲87)による、「シャンプー」「コンディショナー」「シャンプー・コンディショナー」の2003年1月から2016年12月、2017年1月から2022年12月までの期間の販売個数・金額を推計し、他製品と比較した順位付けが記載されている推計販売規模(個数、金額)を示す資料である。 上記各資料によれば、甲83からは「Essential(エッセンシャル)」ブランドのシャンプーは、約6000店舗のみでも、約50~90億円の売上金額、約1400万~2100万の販売個数があり、甲84からは「Essential(エッセンシャル)」ブランドのコンディショナーは、約6000店舗のみでも、約30~50億円の売上金額、約100万~1300万の販売個数、甲85からはEssential(エッセンシャル)」ブランドのシャンプーとコンディショナーは、約6000店舗のみでも、約80~140億円の売上金額、約2400万~3400万の販売個数があったことが確認できる。 またいずれのデータにおいても、他製品と比較した順位付けで上位を維持していることが確認できる。 上記インテージ社の調査からは「Essential(エッセンシャル)」ブランドの商品が他製品と比較しても上位を維持し続けている一定の売上金額、販売個数が確認できることから、現在、「Essential(エッセンシャル)」ブランド及び引用商標は、申立人の提供する商品を識別する標識として強い識別機能を発揮し、全国的に著名性を獲得するに至っていることは明白である。 オ 小括 以上のとおり、申立人は1976年から継続してヘアケア商品の表示として使用し、多大な売上を得ていること、また多大な広告宣伝費を投入し、強力な宣伝広告に努めていることは明らかであり、本件商標の指定商品「せっけん類、化粧品」に含まれるヘアケア商品においては、引用商標は取引者・需要者の間に広く認識され、全国的に著名性を獲得していることは明白である。 (2)本件商標と引用商標の類似性 本件商標の構成中「DAILY」は「毎日の、平日の、日常の、日常的な」等を意味するところ、該部分はせっけん類、化粧品との関係では品質等を表し自他商品識別機能を欠く部分に該当することは明白であり、現にヘアケア商品においても「デイリー(DAILY)」は品質等表示として一般的に使用されている(甲88~甲90)。その場合、「ESSENTIAL」部分が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものである。 そして本件商標の要部「ESSENTIAL」と引用商標は称呼及び観念を共通にし、外観において近似した印象を与える類似の商標であり、指定商品も同一又は類似である。 また、「Essential(エッセンシャル)」商標を長年にわたり、ヘアケア商品に継続して使用した結果、ヘアケア商品分野の取引者・需要者層においても周知、著名に至っていることは明白である。 この点過去の審判事件(無効2007-890040、2007-890041、2007-890042号)においても、申立人の長年にわたる使用の結果、「エッセンシャル」「Essential」商標は特にシャンプー、リンス、トリートメント分野で需要者層において広く知られていることが認定されており(甲91~甲93)、特許庁でも「Essential(エッセンシャル)」商標は本件商標の指定商品分野で周知・著名性が認められていることの証左といえる。 以上を総合勘案すると、本件商標を指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、引用商標を使用している申立人の商品を連想、想起し、該商品が申立人又は申立人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。 第4 当審における取消理由通知 当審において、令和6年10月24日付けの取消理由通知書をもって、本件商標の権利者(以下「本件商標権者」という。)に対し、本件商標は、引用商標と類似する商標であり、その指定商品は引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである旨通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えた。 第5 本件商標権者の意見 上記第4の取消理由通知に対し、本件商標権者は、意見書を提出しなかった。 第6 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標 本件商標は、上記第1のとおり、「DAILY ESSENTIAL」の欧文字を標準文字で表してなるものである。 そして、その構成中「DAILY」の欧文字は、「毎日の、平日の、日常の、日常的な」(甲8)等を意味するところ、該部分は、せっけん類、化粧品との関係では、「毎日使用する」「日常的に使用する」等の意味合いを認識するというべきであり、自他商品の識別標識としての機能が弱い部分といえ、かつ、後述のとおり、「Essential(エッセンシャル)」が申立人の業務に係る「シャンプー、コンディショナー、トリートメント」の商標として、我が国の需要者等に広く知られていることから、本件商標の構成中、「ESSENTIAL」の文字部分が、自他商品の識別機能を果たす要部として着目され、当該文字部分をもって取引に資する場合も少なくないものといえる。 そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して「デイリーエッセンシャル」の称呼のほか、本件商標の要部といえる「ESSENTIAL」の文字に相応して、「エッセンシャル」の称呼をも生じ、また、同文字は「本質的。必須の。」の意味(広辞苑第七版)を有することから、「本質的。必須の。」の観念を生じるものである。 (2)引用商標 ア 引用商標1は、別掲1のとおり、月を擬人化した図形を上部に表し、その下に「エッセンシャル」の片仮名を配してなるところ、図形と文字部分が視覚的に分離して看取されるというべきであるから、その構成文字に相応して、「エッセンシャル」の称呼、「本質的。必須の。」の観念を生じるものである。 引用商標2は、別掲2のとおり、語頭の「E」がやや図案化しているものの「Essential」を表したものと容易に認識されるから、その構成文字に相応して、「エッセンシャル」の称呼、「本質的。必須の。」の観念を生じるものである。 引用商標3は、「エッセンシャル」の片仮名を書してなり、引用商標4は、「エッセンシャル」の片仮名の下に「Essential」の欧文字を配した上下二段からなるから、それぞれその構成文字に相応して、「エッセンシャル」の称呼、「本質的。必須の。」の観念を生じるものである。 イ 申立人使用商標の周知性 申立人の主張及び同人の提出に係る証拠によれば、以下のとおり認められる。 (ア)申立人は、せっけん類や化粧品等を取り扱う我が国の代表的な製造メーカーであり、「Essential(エッセンシャル)」の文字は、1976年に発売開始以来、現在に至るまで、「シャンプー、コンディショナー、トリートメント」等のヘアケア商品に使用されている(甲6、甲7)。 (イ)「Essential(エッセンシャル)」ブランドの商品については、講談社VOCE及び集英社MAQUIA「2019年下半期ベストコスメ」にて、「エッセンシャル flat くせ・うねりときほぐしセラム」及び「エッセンシャル flat くせ・うねりメンテナンスシャンプー&トリートメント」がヘアケア部門1位、集英社MORE「下半期ベストコスメ大賞2020」にて、「エッセンシャル flat くせ・うねり ときほぐしセラムEX」がヘアケア部門1位を受賞し、商品の容器には、いずれも「Essential」の文字が表示されている(甲19~甲21)。 また、「Essential(エッセンシャル)」ブランドの商品は、「LIPSベストコスメ2021 年間」にて、ヘアオイル部門及びヘアトリートメント部門でカテゴリ賞(甲22、甲23)、「同ベストコスメ2022 下半期」にて、アウトバストリートメント部門及びインバストリートメント部門で新作賞(甲24、甲25)、「同2022 年間」にて、ヘアトリートメント部門及びヘアオイル部門で部門賞(甲26、甲27)、「同2023 下半期及び年間」にも、シャンプー・コンディショナー部門、アウトバストリートメント部門及び総合大賞の部門賞に挙げられ、商品の容器の写真とともに「エッセンシャル」と表示されて紹介(甲29~甲31、甲35)されている。 (ウ)「@cosme」のウェブサイトには、「@cosmeベストコスメアワード」として、「エッセンシャル」が、ベストシャンプー・コンディショナーで1位、ベストヘアケアで2位とされ、商品の容器には、「Essential」と表示されて紹介(甲33、甲34)されている。 (エ)本件商標の登録出願前に発行されたファッション雑誌及び同ウェブサイトに、シャンプー、トリートメント、コンディショナー等の「Essential(エッセンシャル)」ブランドの商品についての広告が掲載され(甲36~甲67)、粧業界展望(2018年7月14日号)及び化学工業日報(2018年7月5日発行)に、申立人のヘアケアブランド「エッセンシャル刷新」についての記事及び商品の容器の写真が掲載(甲78、甲79)されている。 (オ)2010年から2023年までに行った新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、インターネット、交通広告など各種媒体の広告に関する広告出稿証明書(甲80)によると、「エッセンシャル」のブランドに関して、例えば、2021年は雑誌、テレビ、インターネットを中心に約7億9千万円、2022年は雑誌、テレビ、交通広告を中心に約8億1千万円、2023年は、テレビ、インターネット、交通広告を中心に約3億6千万円ほどの宣伝広告費が投入されており、2010年から2023年までの総計では、約178億円と、相当な額が宣伝広告費として投入されていることが認められる。 (カ)株式会社マーケティング・リサーチ・サービスによる、2022年5月12日ないし同月31日において、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県を含む首都圏30Kmにおいて、15才から79才の女性に対して行われたブランド認知率調査であるヘアケア定点実態調査集計結果(甲81)によると、「エッセンシャル」のブランドの認知率は、79.3%とされている。 (キ)マーケティング・リサーチやデータ解析等を行っている株式会社インテージによる「パネル調査データベース データ内容証明書」(甲83~甲85)によるシャンプー、コンディショナーの2003年1月から2016年12月、2017年1月から2022年12月までの期間の販売個数・金額を推計した資料から、「エッセンシャル」ブランドのシャンプー及びコンディショナーは、例えば、2020年は約26百万個を販売し、約110億円の売上、2021年は約23百万個を販売し、約98億円売上、2022年は約21百万個を販売し、約91億円の売上となっており、相当の販売個数、売上金額があったといえる。 (ク)上記(ア)ないし(キ)からすると、申立人は、1976年から「エッセンシャル」を使用開始し、商品の容器には、「Essential」が表示されている。そして、相当程度の広告費を費やし、宣伝広告に努め、2019年から2023年の間にベストコスメのヘアケア部門、ヘアオイル部門、トリートメント部門での部門賞を受賞していること、「エッセンシャル」ブランドの認知度が79.3%とされ、相当数の販売個数、売上金額があったことが認められる。 そうすると、「Essential(エッセンシャル)」(以下「使用商標」という場合がある。)は、申立人の業務に係る「シャンプー、コンディショナー、トリートメント」の商標として、広く知られていることが認められる。 (3)本件商標と引用商標の類否 上記(1)及び(2)アのとおり、本件商標の要部といえる「ESSENTIAL」の部分と引用商標2及び4の「Essential」の部分とは、大文字と小文字において相違するものの、その文字綴りを同一にするものであるから、外観において類似し、かつ、本件商標と引用商標は、ともに「エッセンシャル」の称呼を生じ、「本質的。必須の。」の観念を生じるから、称呼及び観念を共通にする類似の商標というべきである。 (4)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否 本件商標の指定商品は、前記第1のとおり、「化粧品,日焼け止めクリーム,日焼け止めローション,日焼け止め用オイル,頭髪用化粧品,髪油,下地用化粧品,スキンクリーム」であって、前記第2のとおり、引用商標1及び4の指定商品中の「化粧品」、引用商標2及び3の指定商品中の「リンス,トリートメント」とは、その製造部門、販売部門、用途等が一致する同一又は類似する商品といえる。 (5)まとめ したがって、本件商標は、引用商標と類似する商標であり、その指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 2 商標法第4条第1項第15号該当性について 商標法第4条第1項第15号は、「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標(第十号から前号までに掲げるものを除く。)」と規定されている。 したがって、本件商標は、前記1のとおり、商標法第4条第1項第11号に該当する以上、本件商標が、商標法第4条第1項第15号に該当するか否かについて、検討を要さない。 3 まとめ 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、その商標登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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