商標異議申立
2024-900079
フォックスウエア、フォックス、エフオオエックス
- 審判番号
- 2024-900079
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2023-071900
- 登録番号
- 6773490
- 請求日
- 2024年04月01日
- 審決日
- 2024年12月06日
- 公報発行日
- 2025年04月25日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】深▲セン▼市孚沃電子科技有限公司
- 【異議申立人】フォックス ヘッド インコーポレイテッド
- 【異議申立人代理人】佐藤 明子
- 審判長/審判官
- 審判長 大橋 良成
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 渡邉 あおい
- 分類
- T1651.261-Y (W09) / T1651.262-Y (W09) / T1651.263-Y (W09) / T1651.271-Y (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法4条1項15号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項第10号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6773490号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6773490号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6773490号商標(以下「本件商標」という。)は、「FOXWEAR」の文字を標準文字で表してなり、第9類「運動用保護ヘルメット,保安用ヘルメット,はんだ付け工用ヘルメット,帽子(保護ヘルメット),乗馬用ヘルメット,ヘルメット用バイザー,イヤホン,ビデオカメラ,スキー用ヘルメット,閃光式信号装置」を指定商品として、令和5年6月28日に登録出願、同6年1月15日に登録査定、同月25日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は、以下の(1)ないし(4)のとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続している。
(1)登録第4674219号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様:別掲1のとおり
登録出願日:平成13年10月24日
設定登録日:平成15年5月23日
指定商品:第9類「空気圧計,オートバイ用ヘルメット,保護用ヘルメット,オートバイ及び自転車に乗車する人を傷害から保護するための事故防護用パンツ及び上半身・肘・膝・脛・足首用保護具」
(2)登録第4700922号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様:FOX RACING(標準文字)
登録出願日:平成13年10月26日
設定登録日:平成15年8月15日
指定商品:第9類「空気圧計,オートバイ用ヘルメット,自転車用ヘルメット,オートバイ及び自転車に乗車する人用の傷害から保護するための保護用被服」
(3)登録第4621605号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の態様:別掲2のとおり
登録出願日:平成13年10月24日
設定登録日:平成14年11月15日
指定商品:第9類「空気圧計,オートバイ用ヘルメット,保護用ヘルメット,オートバイ及び自転車に乗車する人用の傷害から保護するための保護用被服」
(4)国際登録第1646287号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の態様:別掲3のとおり
国際商標登録出願日:2021年(令和3年)12月9日
優先権主張:アメリカ合衆国 2021年12月9日
設定登録日:令和5年11月10日
指定商品及び指定役務:第9類「Helmets for mountain biking and motocross activities and other motorized activities; protective helmets for sports; safety helmets; helmet parts and accessories; protective clothing for wear by cyclists, motorcyclists, and motorists for protection against accident or injury, namely, protective back pads, knee pads, protective pads for shoulders and elbows, protective suits, protective chest pads, and protective gloves; sports goggles; goggles for use in motorcycling, bicycling, and other action-sports activities; protective face masks not for medical purposes; protective eyewear; protective eyewear parts and accessories; spectacles and sunglasses and their parts and accessories; eyewear cases; downloadable electronic publications and images in machine readable form in the field of clothing apparel and motocross, motorcycle, bicycle, sports activities, goods and services.」のほか、第16類、第18類、第25類及び第35類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
なお、引用商標1ないし引用商標4をまとめていうときは、以下「引用商標」という。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第14号証を提出した。
以下、証拠の表記に当たっては、「甲第○号証」を「甲○」のように簡略して記載する。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との対比
本件商標の指定商品中、第9類「運動用保護ヘルメット,保安用ヘルメット,はんだ付け工用ヘルメット,帽子(保護ヘルメット),乗馬用ヘルメット,ヘルメット用バイザー,スキー用ヘルメット」(以下「本件指定商品中のヘルメット」という。)は、引用商標1の指定商品中、第9類「オートバイ用ヘルメット,保護用ヘルメット,」、引用商標2の指定商品中、第9類「オートバイ用ヘルメット,保護用ヘルメット」、引用商標3の指定商品中、第9類「オートバイ用ヘルメット,保護用ヘルメット」及び引用商標4の指定商品中、第9類「Helmetsfor mountain biking and motocross activities and other motorized activities; protective helmets for sports; safety helmets; helmet parts and accessories」の指定商品と同一又は類似する商品である。
したがって、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と、同一又は類似である。
イ 本件商標と引用商標との対比
本件商標は、狐を意味する英単語「FOX」の欧文字と着用物を意味する「WEAR」の欧文字という、日本人に親しまれている英単語を組み合わせてなるものである。
本件商標を本件指定商品中のヘルメットに使用した場合、これらの商品は、いずれも人間が着用するものであるから、本件商標は、「FOXの着用」的な観念を生じさせる。
すなわち、「WEAR」の文字部分は、本件商標の上記指定商品の機能を示すものであり、これらの指定商品に使用される限り、当該部分は、識別力に欠けるか、あるいは識別力が弱いものであり、本件商標中、識別力を発揮する部分は「FOX」の文字部分である。
そして、この「FOX」の文字部分から、「フォックス」の称呼及び狐の観念が生ずる。
これに対し、引用商標1は、「F」の欧文字と狐の顔の図形と「X」の欧文字を統一的なデザインにより横書きしたものであり、全体として「FOX」の印象を与えるから、「フォックス」の称呼及び狐の観念が生じる。
また、引用商標2は、「FOX」の欧文字と「RACING」の欧文字とをスペースを介して組み合わせてなり、「RACING」の部分は、その指定商品中、「オートバイ用ヘルメット,保護用ヘルメット」に使用した場合に、商品の用途を示す語句であって、識別力に欠けるか、あるいは識別力が弱いものであり、引用商標2の識別力を発揮する部分は「FOX」の文字部分である。そして、この「FOX」の部分から、「フォックス」の称呼及び狐の観念が生ずる。
さらに、引用商標3及び引用商標4は、デフォルメされた狐の顔の図形で構成されているので、これらの商標から、「フォックス」の称呼及び狐の観念が生ずる。
そうすると、本件商標と引用商標とは、双方の商標が本件指定商品中のヘルメットと同一又は類似する指定商品に使用された場合に、ともに「フォックス」の称呼及び狐の観念が生ずる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
ア 申立人の使用するFOX及び狐の顔のロゴマーク(以下「申立人使用商標」という。)について
申立人の実質的な企業のブランド名は、「FOX RACING」であり、1974年にアメリカ合衆国で、モトクロス用のサスペンションやエンジン関連パーツを製造販売するメーカーとして創設された。
その後、1977年にパーツの性能を示すために自社モトクロスチームを発足させ、そのチームが好成績によりモトクロスファンを熱狂させるとともに、このチームライダーが身につけていたウェア等に使用された「FOX」、「フォックス」及び狐のロゴマークがブランドとして誕生した。
現在では、FOX RACINGは、マウンテンバイク、バイクモトクロス、モトクロスの分野で、世界でも指折りのスポーツブランドとして成長している(甲6、甲7)。
「FOX」は、我が国において、遅くとも1996年頃までに、モトクロスのブランドとして有名であり(甲8)、同時に特徴的なロゴ(甲2、甲4、甲5)も、バイクの分野においては知られていた。
イ ヘルメットについて
FOX RACINGのヘルメットのデザインや性能には定評があり、本件商標の登録出願前に公開されているウェブ上の記事には、申立人使用商標がタイトルや製品上に使用されている(甲10~甲13)。
また、ウェブ上のバイク雑誌(甲14)が公開した「オススメのヘルメットランキング」に関する記事には、FOX RACINGのヘルメットV1もランクインしている。
なお、この記事の日付は、2024年5月4日であるが、このヘルメットは、本件商標の登録出願日より前から販売されているものである。
ウ 混同を生ずるおそれについて
申立人使用商標は、自転車用及びバイク用ヘルメットの分野では、ユニークな商標であり、「FOX」は、我が国での商標登録はされていないものの、遅くとも1996年頃までには知られており、また、他の「FOX」又は「FOX」の文字と他の語句との組み合わせによる名称のメーカーやブランドは、申立人の知る限り、本件商標の登録出願前には、我が国では存在していなかったものである。
したがって、「FOX」の欧文字と「WEAR」の欧文字とを組み合わせた本件商標を登録出願した本件商標の権利者(以下「本件商標権者」という。)が保護用ヘルメットという極めて限定された分野において、この事実を知らなかったとは考えられない。
本件商標は、「FOX」を着用する、といった観念を直ちに生じさせるため、あたかもその商品がFOX RACINGが製造、販売しているかのような、紛らわしい印象を与えるものである。
したがって、本件商標をその指定商品中「運動用保護ヘルメット,保安用ヘルメット,はんだ付け工用ヘルメット,帽子(保護ヘルメット),乗馬用ヘルメット,ヘルメット用バイザー,スキー用ヘルメット」に使用すると、FOX RACINGが提供する商品と混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、上記1のとおり、「FOXWEAR」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して生じる「フォックスウェア」の称呼も冗長ではなく、よどみなく一連に発音し得るものである。
また、当該文字は、我が国における一般的な辞書等に載録が認められず、特定の意味を認識させる文字として親しまれたものでもないから、特定の観念は生じないものである。
イ 引用商標について
引用商標1は、別掲1のとおり、「F」の欧文字と「X」の欧文字の間に、何らかの動物の顔とおぼしき図形を配した構成からなり、中央に表された図形部分は、我が国において特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され親しまれているというべき事情は認められないため、当該図形からは特定の称呼及び観念は生じないものである。
そして、引用商標1の構成全体からは、「F」と「X」の欧文字2字に相応し「エフエックス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと判断するのが相当である。
引用商標2は、上記2(2)のとおり、「FOX RACING」の文字を標準文字で表してなるところ、「FOX」と「RACING」との間に1文字分のスペースがあるとしても、まとまりよく表され、当該構成文字に相応して生じる「フォックスレーシング」の称呼も冗長とはいえない。
また、当該文字は、我が国における一般的な辞書等に載録が認められず、特定の意味を認識させる文字として親しまれたものでもないから、特定の観念は生じないものである。
引用商標3及び引用商標4は、別掲2及び別掲3のとおりの構成からなり、何らかの動物の顔とおぼしき図形で構成されており、当該図形部分は、我が国において特定の事物又は意味合いを表すものとして認識され親しまれているというべき事情は認められないため、当該図形からは特定の称呼及び観念は生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標とを比較するに、外観において、本件商標と引用商標1、3及び4とは、欧文字のみからなる構成と、欧文字と図形から及び図形のみからなる構成において明らかに相違し、また、本件商標と引用商標2とは、「WEAR」と「RACING」の欧文字が相違し、文字及び文字数の相違から、明確に区別できるものである。
また、称呼においては、本件商標から生じる「フォックスウェア」の称呼と引用商標2から生じる「フォックスレーシング」の称呼とは、語頭の「フォックス」を共通にするものの、それに続く音及び音数が異なり、語調、語感が明らかに異なるものであるから、明瞭に聴別できるものである。
さらに、特定の称呼が生じない引用商標1、3及び4と本件商標とは、称呼において、相紛れるおそれはない。
そして、観念においては、本件商標及び引用商標からは、いずれも特定の観念が生じないから、観念において比較することができないが、類似するとはいえない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、その指定商品が同一又は類似の指定商品であるとしても、外観、称呼及び観念のいずれにおいても、相紛れない非類似の商標といえる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 申立人使用商標の周知性について
申立人の主張及び同人が提出した証拠によれば、以下のとおりである。
(ア)「自転車ベストグッズ 最新カタログ’96~’97」(成美堂出版:甲8)には、他のメーカーの半袖ジャージとともに引用商標1が付された半袖ジャージが掲載されている。
(イ)「BikeBros.ブランドサーチ」(甲6)には、「FOX/フォックス」の見出しの下、「FOXブランドを生み出しているFOX Racingは、1974年にモトクロッサー用サスペンションやエンジン関連パーツの製造・販売するメーカーとして創設された。1977年にパーツの性能を示すために自社モトクロスチームを発足させ、そのチームが好成績を残し、全米のモトクロスファンを熱狂させるとともに、その人気はチームライダーが着ていたモトクロスウェアにまで及び、一般販売を求める声に応えて販売をスタートさせた。」旨記載され、本件商標の登録出願前の「バイクニュース FOXのモトクロスウェア」の記載とともに引用商標2ないし引用商標4が付されたモトクロスウェアの写真が掲載されている。
(ウ)「FOX RACING MOTOCROSS MX 2023」(甲9)には、表紙に引用商標4及び「FOX」の表示があり、ヘルメットに「FOX」及び引用商標3が付されている。
(エ)本件商標の登録出願前の「webオートバイ」(甲10~甲12)には、ヘルメットの左右に「FOX」、後部に引用商標1が付されたヘルメット、ヘルメットの前面顎に引用商標4様、及び同左右に「FOX」、後部に引用商標1が付されたヘルメット、ヘルメットの前面鍔の下に「FOX」、同顎部分に「FOXRACING」等がそれぞれ付されているヘルメットの写真が掲載されている。
(オ)「RIDE-HACK」(甲13)には、「FOX V1ヘルメットを3世代の進化を振り返りつつインプレッションしてみた」(2023年1月10日)の見出しの下、「2022年、FOXの公道走行可能なオフロードヘルメット「V1」の取り扱いが復活しました。」として、ヘルメットの左右、又は前面額部分に「FOX」が付されている写真が掲載されている。
(カ)「Web!ke+」(甲14)には、「【Webike】オススメのヘルメットランキング」(2024年5月4日)には、オススメのオフロードヘルメットの欄「FOX:フォックス V1」が記載されているが、これは、本件商標の登録査定後にランキングされたものである。
(キ)上記(ア)ないし(カ)からすると、申立人は、本件商標の登録出願前及び登録査定前には、モトクロスウェアやヘルメットに申立人使用商標を付して販売しているが認められるとしても、我が国における申立人の業務に係る商品の広告の範囲・方法、市場シェア等の具体的な証拠の提出がないことから、申立人使用商標が申立人の業務に係る商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとは認めることはできない。
イ 本件商標と引用商標の類似性の程度について
本件商標は、上記(1)ウのとおり、引用商標とは非類似の商標であって、また、申立人使用商標は、「FOX」の欧文字及び狐の顔のロゴマークからなるものであるから、引用商標と同様に本件商標とは相紛れないものというべきであるから、その類似性の程度は低いものである。
ウ 出所の混同のおそれについて
申立人使用商標は、上記アのとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者等の間に広く認識されていたとは認められないものであり、本件商標と申立人使用商標とは、上記イのとおり、類似性の程度が低いものであるから、本件商標に接した需要者等が申立人の業務に係る申立人使用商標を連想、想起するものということはできない。
そうすると、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者が、その商品について他人(申立人)あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であると誤認し、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものである。
その他、本件商標について、出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)その他
申立人は、登録異議申立書にのみ、本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当する旨を記載するが、申立ての根拠や具体的理由等において何らの主張や説明がされていないから、これを採用することはできず、また、当審において職権をもって調査するも、本件商標が同号に該当すると認めるに足りる事情は見いだせない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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