商標異議申立
2024-900077
ジュータンサンメノケア、ジュータンサン、メノケア
- 審判番号
- 2024-900077
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2023-073094
- 登録番号
- 6772338
- 請求日
- 2024年04月01日
- 審決日
- 2024年12月10日
- 公報発行日
- 2025年06月27日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【権利者】株式会社プラセス製薬
- 【異議申立人】一般社団法人 日本家族計画協会
- 【異議申立人代理人】弁理士法人英知国際特許商標事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 大森 友子
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T1651.261-ZC (W03) / T1651.262-ZC (W03) / T1651.263-ZC (W03) / T1651.264-ZC (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の3第2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6772338号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6772338号商標の指定商品中、第3類「せっけん類,化粧品」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6772338号商標(以下「本件商標」という。)は、「重炭酸メノケア」の文字を標準文字で表してなり、令和5年6月30日に登録出願、第3類「口臭用消臭剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料」を指定商品として、同年11月30日に登録査定され、同6年1月22日に設定登録されたものである。
第2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標に係る登録異議申立ての理由において引用する登録第4760961号商標(以下「引用商標」という。)は、「メノケア」の片仮名と「MENOCARE」の欧文字を二段に書してなり、平成15年9月3日に登録出願、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、同16年4月2日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
第3 登録異議申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものであるから、その登録は、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証(枝番号を含む。)を提出した。
なお、証拠の表記に当たっては、「甲第1号証」を「甲1」のように省略して記載する。
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「重炭酸メノケア」の文字よりなるところ、視覚的に漢字「重炭酸」と片仮名「メノケア」に分離観察される。
また、その構成文字中「重炭酸」は、正確には「重炭酸塩」といわれ、一般的には「炭酸水素イオン」とも呼ばれており、組成式「HCO3-」として表される化学物質を表すものである。そして、重炭酸は入浴剤などの原材料として普通に「重炭酸入り入浴剤」として製造、販売されている実情がある(甲4、甲5)。
さらに、本件指定商品との関係においても「炭酸ペーストパック」等炭酸を利用したパック用化粧品が製造販売されている事情も確認できる(甲3)。
加えて、審査においても「JYUTANSAN」からなる商標が、「重炭酸」をローマ字表記したものであり、「炭酸水素イオン(重炭酸イオン)」を含有する又は用いる商品であることを認識するにとどまると判断され、拒絶されている(甲6の1)。
その他、「重炭酸」の文字が、入浴剤や化粧品の原料として品質表示と認定された審査事例がある(甲6の2)。
そうとすると、本件商標の構成中「重炭酸」の文字部分は、これに接する取引者、需要者は、該文字部分より「重炭酸を原材料とした商品」であること、いわゆる商品の原材料、品質表示と認識し、「メノケア」の文字部分が自他商品の識別機能を有する部分として取引に資されることも少なくないといえる。
したがって、本件商標よりは「メノケア」の称呼をも生じるものといわなければならない。
加えて、本件商標の構成中「メノケア」の片仮名文字部分は、辞書等にも記載のない語であり、特定の意味を有しない造語といえる(甲7の1)。
一方、引用商標は、「メノケア」「MENOCARE」の片仮名及び欧文字よりなるものであり、これより「メノケア」の称呼を生ずることは明らかである。
加えて、引用商標を構成する「メノケア」「MENOCARE」は、辞書等にも記載のない語であり、特定の意味を有しない造語といえる(甲7の1、2)。
以上のとおり、本件商標と引用商標とは「メノケア」の文字部分において共通し、かつ、「メノケア」の称呼を同じくするものである。また、両者は共に造語よりなるものであるから観念において比較できないものである。
さらに、本件商標と引用商標の指定商品は、同一又は類似のものである。
2 むすび
よって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものである。
第4 当審における取消理由の要旨
当審において、商標権者に対して、「本件商標の登録は、その指定商品中、「せっけん類,化粧品」について、引用商標との関係において、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。」旨の取消理由を令和6年8月27日付けで通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えた。
第5 商標権者の意見
商標権者は、上記第4の取消理由に対して、指定した期間内に意見を述べていない。
第6 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は、上記第1のとおり、「重炭酸メノケア」の文字を標準文字で表してなるところ、これは漢字「重炭酸」と片仮名「メノケア」という異なる文字種で構成されているから、視覚的に分離して看取されるといえる。
そして、当審において職権で調査した証拠(別掲)及び申立人の提出に係る証拠(甲4、甲5)によれば、本件商標の構成中「重炭酸」の文字については、「重炭酸イオン(炭酸水素ナトリウムを原料とするもの)」を指称するものとして使用されている語であって、「化粧品」及び「せっけん類」を取り扱う業界においては、「重炭酸イオン」を含む商品、例えば「入浴剤」、「パック用化粧品」、「化粧水」及び「洗顔料」が製造、販売されており、当該商品の商品説明等に「重炭酸」の文字が使用されている事実が認められる。
そうすると、「重炭酸」の文字は、本件商標の登録査定時(令和5年(2023年)11月30日)に、その指定商品中、「化粧品,せっけん類」との関係において、商品の原材料、品質等を表したものと認識されるにすぎないから、当該文字部分は、自他商品識別標識としての機能を有しないか又は極めて弱いものというのが相当であり、これより自他商品識別標識としての称呼及び観念は生じないというのが相当である。
してみれば、本件商標は、その指定商品中、「化粧品,せっけん類」との関係において、その構成中「メノケア」の文字部分(以下「本件商標の要部」という場合がある。)が、商品の出所識別標識として、需要者に対し、強く支配的な印象を与えるものであるから、これを要部として抽出し、他人の商標と比較して、商標の類否を判断することが許されるというべきである。 したがって、本件商標は、その指定商品中、「化粧品,せっけん類」との関係において、構成文字全体に相応して生じる「ジュウタンサンメノケア」の称呼のほかに、その構成中、独立して商品の出所識別標識としての機能を果たし得る「メノケア」の文字部分に相応して、「メノケア」の称呼が生じ、当該文字は辞書等に掲載のない造語であって、特定の意味合いを認識させるものではないから、特定の観念は生じない。
(2)引用商標
引用商標は、上記第2のとおり、「メノケア」の片仮名と「MENOCARE」の欧文字を二段に書してなるところ、「MENOCARE」の文字は、辞書等に掲載のない造語であり、また、上段の片仮名は、下段の欧文字の読みを表したと理解されるから、「メノケア」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。
(3)本件商標と引用商標との類否
本件商標の要部と引用商標は、外観においては、「MENOCARE」の欧文字の有無の差異はあるものの、片仮名「メノケア」の文字を共通にするから、近似した印象を与えるものであり、また、称呼においては、「メノケア」 の称呼を共通にし、観念においては、両者は、いずれも特定の観念を生じないから、比較することができない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観において近似した印象を与え、称呼を共通にすることから、これらを総合してみれば、両者は相紛らわしい類似の商標と判断するのが相当である。
(4)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について
本件商標の指定商品中「せっけん類,化粧品」は、引用商標の指定商品中「せっけん類,化粧品」と同一の商品である。
(5)まとめ
以上のとおり、本件商標は、その指定商品中「せっけん類,化粧品」との関係で引用商標と類似する商標であり、かつ、本件商標の指定商品中「せっけん類,化粧品」は、引用商標の指定商品中の「せっけん類,化粧品」と同一であるから、本件商標は、上記商品について商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中「せっけん類,化粧品」については、引用商標との関係において、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。
そして、本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品については、その登録を取り消す理由がないから、同第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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