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商標異議申立

2024-900075

エイトビットドゥー、ハチビットドゥー、エイトビットド、ハチビットド、ビットドゥー、ビットド

審判番号
2024-900075
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2023-064141
登録番号
6772981
請求日
2024年03月28日
審決日
2025年02月04日
公報発行日
2025年03月28日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】張 天文
  • 【異議申立人】シェンチェン ベストド テクノロジー カンパニー リミテッド
  • 【異議申立人代理人】村井 康司
  • 【異議申立人代理人】魯 佳瑛
審判長/審判官
  • 審判長 山田 啓之
  • 審判官 渡邉 あおい
  • 審判官 杉本 克治
分類
T1651.261-Y (W09) / T1651.262-Y (W09) / T1651.263-Y (W09) / T1651.264-Y (W09)
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第7号、商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第19号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

登録第6772981号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

結 論 登録第6772981号商標の商標登録を維持する。

理由

理 由 1 本件商標 本件登録第6772981号商標(以下「本件商標」という。)は、「8bitdo」の文字を標準文字で表してなり、令和5年6月11日に登録出願、第9類「コンピュータ周辺機器(コンピュータハードウエアを含む。),有線通信機械器具,無線通信機械器具,無線応用機械器具,遠隔測定制御機械器具,音声周波機械器具,映像周波機械器具,電気通信機械器具の部品及び付属品,携帯情報端末,電子応用機械器具,入退室監視装置,測定機械器具」を指定商品として、同年12月18日に登録査定、同6年1月24日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立人が引用する商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は、以下のとおりである。 (1)登録第5632115号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の態様:別掲1のとおり 登録出願日:平成25年7月19日 設定登録日:平成25年11月22日 指定商品:第28類「業務用ゲーム機,ゲームおもちゃ,家庭用テレビゲーム機,携帯用液晶画面ゲーム機,テレビゲーム機,輪投げ,知育玩具,おもちゃ,ゲーム用ボール,遊戯用器具,スケート靴,クリスマスツリー用装飾品(装飾用照明及び菓子を除く。),ボディートレーニング用器具,運動用具,ゴルフクラブ」 (2)登録第6251610号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の態様:別掲2のとおり 登録出願日:令和元年5月30日 設定登録日:令和2年5月14日 指定商品:第28類「ゲーム用具,業務用ゲーム機、ゲームおもちゃ,テレビゲーム機,輪投げ,電気通信機能が搭載された携帯可能なゲーム用具及びおもちゃ,知育玩具,電子おもちゃ,ロボットおもちゃ,ゲーム用ボール,ゴルフクラブ,ボディビル用具,スケート靴,クリスマスツリー用装飾品(装飾用照明及び菓子を除く。),遊園地用機械器具,おもちゃ,人形,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具」 なお、引用商標1に係る商標権は、商標登録原簿の記載によれば、令和5年11月22日に商標権の存続期間が満了し、その抹消登録が同6年8月7日にされており、引用商標2に係る商標権は、現に有効に存続している。 以下、これらをまとめて、「引用商標」という場合がある。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第10号、同項第11号及び同項第19号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証(枝番号を含む。以下、枝番号のすべてを示す時は、枝番号を省略する。)を提出した。(1)引用商標の周知性について 申立人は、2013年に中国法に基づいて設立されたゲーム周辺機器の開発、製造及び販売を行う企業で、漢字商標「八位堂」とともに引用商標をゲーム周辺機器に使用してきており、その取引商品は、具体的に「コントローラー、ジョイススティック、キーボード、マウス、スピーカー、無線通信用アダプター」等で、ゲームプラットフォームを問わず、ビデオゲーム機からパソコンやスマートフォン等の電子機器の付属品として使用されるゲーム用具に係るものであり、申立人の商品は、米国の「IDEAデザイン賞」、ドイツの「レッド・ドット・デザイン賞」、我が国の「グッドデザイン賞」等を受賞し、多くのメディアにおいて高い評価を得ており、2019年にマイクロソフト社との「ProjectxCloud」というパートナーシップを締結し、中国企業としては初のパートナーとして、マイクロソフト社のゲームコンソル「XBOX」専用の無線コントローラー、有線コントローラー、リモコン、アーケードスティック(ジョイスティック)を開発、販売している(甲3)。 申立人は、中国を含め、米国、カナダ、ブラジル、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペインを含む欧州、ロシア、オーストラリア、フィリピン、韓国、我が国に国内EC販売店を持ち、自社が運営する公式ECサイトやAliexpressを通し、全世界に向けて商品販売をしている(甲4)。 申立人の商品「コントローラー、スピーカー、マウス、キーボード」は、我が国の情報サイトやソーシャルメディアに多く取り上げられており、その中、汎用性を有する「スピーカー、マウス、キーボード」のような商品は、ゲーム情報サイトにとどまらず、テクノロジー情報サイト「gizmode.jp」、デジタル総合ニュースサイト「watch.impress.co.jp」、デザイン誌「AXIS」、アスキーの企業サイト「ascii.jp」、ゲームやOS、各種PC環境を快適にするためのニッチな情報サイト「nichepcgamer.com」等において、遅くとも2016年1月22日以降、複数にわたって紹介されている(甲5)。 申立人は、国際的な販売行為により、本国である中国のみならず、香港、米国、ドイツ等においても商品や受賞歴が紹介されている(甲6)。 申立人の商品は、我が国において、60年以上にわたり総合的なデザイン評価を行ってきており、国内認知率83.6%(公益財団法人日本デザイン振興会が実施した2020年度調査「グッドデザイン賞」の認知率より)を獲得したグッドデザイン賞において2年連続に3品について受賞し、同賞を受賞することに伴い、2023年10月25日ないし同月29日に行われた「2023年度グッドデザイン賞受賞展」に出展、同月5日ないし同年11月5日にGOOD DESIGN Marunouchiにて展示された(甲7の1~10)。 さらに、申立人の商品は、アメリカ・インダストリアル・デザイン協会が主催する、世界中の様々な産業分野の製品に関するデザイン賞である「IDEAデザイン賞」において、2021年からノミネートされており、2023年には、子供用商品部門において、銅賞を受賞するに至っている(甲7の11~16)。 また、ドイツ、エッセンのノルトライン=ヴェストファーレンデザインセンターが主催する国際的なプロダクトデザイン賞である「レッド・ドット・デザイン賞」において、2020年、2021年及び2023年にわたり受賞している(甲7の17~20)。 (2)商標法第4条第1項第11号について ア 本件商標と引用商標との対比 本件商標は、「8」の数字及び「bitdo」の欧文字をスペースなく一列に横書きし、全体として、「エイトビットドゥー」又は「ハチビットドゥー」の称呼を生じ、造語として特定の観念を生じない。 引用商標1は、「8」の数字及び「Bitdo」の欧文字をスペースなく一列に横書きし、8ビット風のドット書体からなる商標であり、並びに引用商標2は、「8」の数字及び「BitDo」の欧文字をチャンベリヘッドラインブラック体でスペースなく一列に横書きしてなる商標であり、いずれも、構成全体として、「エイトビットドゥー」又は「ハチビットドゥー」の称呼を生じ、造語として特定の観念を生じない。 本件商標と引用商標とは、文字種及び書体は異なるものの、同じ数字及び欧文字からなり、同一の称呼を生じるため、互いに同一又は類似の商標である。 イ 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との対比 (ア)本件商標の指定商品中、「コンピュータ周辺機器(コンピュータハードウエアを含む。)」等と引用商標の指定商品中「家庭用テレビゲーム機,ゲーム用具」等とは、生産部門、販売部門、原材料及び品質、用途、需要者の範囲が共通する。 具体的に、引用商標の指定商品中「家庭用テレビゲーム機,(電子)ゲーム用具」は、本件商標の指定商品中「電子応用機械器具」と同様に、電子の作用を応用したもので、電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としているものであるところ、電子応用機械器具の一種といえ、生産部門、原材料及び品質等を共通する。 また、本件商標の指定商品中「電子応用機械器具」中、「コンピュータ」は、インストールされるプログラムにより複数の用途を有し、ゲームソフトウェアをインストールすることにより、ゲームプラットフォームとして使用されることが可能であり、パソコンゲームを快適にプレイするために開発された「ゲーミングPC」という商品があることから、引用商標の指定商品中「家庭用テレビゲーム機、(電子)ゲーム用具」等とは、用途や需要者を共通する。 (イ)さらに、引用商標の指定商品中「(電子)ゲーム用具」の下位概念である「(ゲーム用)コントローラー,アーケードスティック,無線通信用アダプター,キーボード」といった商品は、その用途からするとゲーム用具と分類されるが、コンピュータでの電子ゲームをより楽しむために提供される商品であり、コンピュータの付属品に該当するといえる。実際に、申立人の商品「(ゲーム用)コントローラー,アーケードスティック,無線通信用アダプター,キーボード」は、国内最大のECサイトであるAmazonにおいて、「パソコン・周辺機器」のカテゴリーにも分類されている(甲9の2)。 (ウ)また、いわゆる、ゲーミングキーボードやゲーミングマウスと呼ばれる、コンピュータ周辺器具は、快適なゲームを補助するものとして開発されてはいるが、ゲーム専用ではなく、通常のコンピュータの使用においても使用が考えられる。つまり、通常の作業パフォーマンスを向上させるために、感度の良いゲーミングキーボードやマウスを利用する人々もおり、本件商標の「コンピュータ周辺機器(コンピュータハードウエアを含む。)」とは、需要者が共通する。 (エ)申立人の商品が紹介された媒体からしても、汎用性を有する「スピーカー,マウス,キーボード」のような商品は、ゲーム情報サイトにとどまらず、テクノロジー情報サイト、デジタル総合ニュースサイト、アスキーの企業サイト、ゲームやOS、各種PC環境を快適にするためのニッチな情報サイト等において紹介されており、需要者が共通する(甲5の4~6・15・16) (オ)以上からすると、引用商標に係る指定商品中「家庭用テレビゲーム機,(電子)ゲーム用具」等の商品に含まれる「ゲーミングキーボード,ゲーミングマウス,家庭用テレビゲーム機の付属品である通信用のアダプター」等の商品は、本件商標に係る指定商品中「コンピュータ周辺機器(コンピュータハードウエアを含む。),有線通信機械器具,無線通信機械器具,無線応用機械器具,電気通信機械器具の部品及び付属品,携帯情報端末,電子応用機械器具」と、生産部門、販売部門、原材料及び品質、用途、需要者の範囲が共通する。 ウ 小括 したがって、本件商標と引用商標とは、実質的に同一であり、その指定商品は、類似する商品であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (3)商標法第4条第1項第10号について 申立人は、2013年より引用商標に係る商標を「コントローラー、ジョイスティック、キーボード、マウス、スピーカー、無線通信用アダプター」等の商品に、申立人の出所表示として使用してきており、そのレトロ感のあるデザインと品質で国際的に評判のあるデザイン賞を受賞しており、多くのメディアに取り上げられてきている。 また、本件商標と引用商標は、上記(2)のとおり、類似し、その指定商品も類似する商品である。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。 (4)商標法第4条第1項第19号について 引用商標は、需要者の間に広く認識され、本件商標と類似すること上記(1)及び(2)のとおりである。 本件商標は、少なくとも中国又は我が国において周知な引用商標と同一文字列からなる同一又は類似する商標であり、引用商標は、造語よりなるもので構成上顕著な特徴を有するもので、本件商標は、申立人の周知な商標を不正の目的をもって使用するものと追認されるものである。 さらに、商標権者は、外国で周知な他人の商標と同一又は類似の商標が我が国で登録されていないことを奇貨として、高額で買い取らせるために先取り的に登録出願したもの、又は外国の権利者の国内参入を阻止し若しくは代理店契約締結を強制する目的で登録出願した意図があったように容易に推測される。というのは、商標権者は、個人でありながら、2019年10月13日より本件異議申立書の手続補正書の作成日を基準として61の登録出願を行っており、その多くは、他人の商標を抜け駆け登録する意図で登録出願されたものと見受けられる。設定登録になった37件のうち、10件に対して、真正権利者より、その登録の阻止、取消/無効のため、情報提供、異議申立て又は無効審判がなされていることを確認している。 また、特許庁の審査に係属中である登録出願のうちには、他人の出所表示として認識されている商標と同一商標を無断に登録出願しているような状況が判明している。 以上のとおり、本件商標は、申立人が国際的な使用により少なくとも中国又は我が国において、需要者の間で一定の認知度を獲得した商標と同一又は類似する商標を不正の目的を有して登録出願した商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。 (5)商標法第4条第1項第7号について 引用商標が、中国、我が国等いずれかの特定国において、需要者の間に広く認識されたことを裏付ける証拠が不十分であるとしても、提出された証拠からすると、少なくとも中国発のグローバルECサイト「Aliexpress」、米国発のグローバルECサイト「Amazon」において、本件商標の登録出願日より前に全世界に商品を提供していたこと、国際的に権威あるデザイン賞を複数の団体より複数回にわたって受賞したことからすると、引用商標が世界的にゲーム業界で一定の周知性を獲得していることは明らかである。 このような状況で、証拠不十分と判断される場合、越境ECを通じて、特定市場に縛られず、グローバル展開をする事業者によって、蓄積された営業上の信用を保護することが難しく、商標法の本来の趣旨である商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もって産業の発達に寄与することに矛盾することとなる。また、申立人が提供する優れたデザインと高い品質を期待した需要者の期待を裏切ることとなるので、その登録を認めることは、社会的な妥当性を欠く結果になるように思われる。 さらに、上記(4)のとおり、商標権者は、他人の業務上の信用が合体した商標と全く同一の商標を複数回にわたって、登録出願してきており、その目的は明らかでないものの、使用の目的で登録出願したとしても、少なくとも他人の業務上の信用にただ乗りする意図があると容易に推測され、また、それを許す行為は、公正な商取引に害を与え、需要者に出所の誤認混同を生じる結果になるおそれがあることは否定できない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標と引用商標1との類否について 上記2のとおり、引用商標1は、別掲1のとおり、「8Bitdo」の文字を四角形のドット状で表してなるところ、その商標権は、存続期間満了により令和5年11月22日に消滅したものとみなされ、本件商標の登録査定日(令和5年12月18日)において存在していないから、本件商標との類否を検討することを要しない。 イ 本件商標と引用商標2との類否について 本件商標は、上記1のとおり、「8bitdo」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して、「エイトビットドゥー」の称呼を生じ、当該文字は、辞書等に掲載が認められないから、特定の観念を生じない。 他方、引用商標2は、別掲2のとおり、「8BitDo」の文字を書してなり、その構成文字に相応して、「エイトビットドゥー」の称呼を生じ、当該文字は、辞書等に掲載が認められないから、特定の観念を生じない。 そうすると、本件商標と引用商標2とは、構成文字において「8」の数字と「bitdo」又は「BitDo」の欧文字との結合であって、その文字つづりを共通にするものであるから、外観において近似するものであり、かつ、両者から生じる「エイトビットドゥー」の称呼を共通にするものである。 また、本件商標及び引用商標2からは、特定の観念を生じない。 以上から、本件商標と引用商標2は、観念において比較することができないものの、外観において近似し、称呼を共通にする類似の商標というべきである。 ウ 本件商標の指定商品と引用商標2の指定商品との類否について 申立人は、本件商標の指定商品中「コンピュータ周辺機器(コンピュータハードウエアを含む。)」等と、引用商標2の「テレビゲーム機,ゲーム用具」等とは、電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素とし、インストールされるプログラムにより複数の用途を有しているものであるから、電子応用機械器具の一種といえ生産部門、販売部門、原材料及び品質、用途、需要者の範囲が共通する旨、また、申立人の商品「(ゲーム用)コントローラー,アーケードスティック,無線通信用アダプター,キーボード」は、「パソコン・周辺機器」のカテゴリーにも分類されている旨主張している。 しかしながら、引用商標2の指定商品中に含まれている「家庭用テレビゲーム,ゲーム用具」は、電子の作用を利用している商品であるとしても、コンピュータ周辺機器とは、その業界、製造・販売部門、用途等が異なるというべきである。 また、申立人の商品「(ゲーム用)コントローラー,アーケードスティック,無線通信用アダプター,キーボード」について、「パソコン・周辺機器」のカテゴリーにも分類されているとするが、それを明らかにする証拠は、Amazonのウェブサイトの写しのみであり、それが広く一般に採用されている分類とはいい難い。 以上から、本件商標の指定商品と引用商標2の指定商品との需要者が一部共通する場合があるとしても、両者の指定商品は、その業界、流通経路、製造・販売部門、用途等が明らかに相違する非類似の商品というべきである。 そうすると、本件商標と引用商標2が類似の商標であるとしても、本件商標の指定商品と引用商標2の指定商品とは非類似の商品といい得るから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第10号該当性について ア 引用商標の周知性 申立人の主張及び同人から提出された甲各号証によれば、以下のとおりである。 (ア)申立人が作成したとする会社案内には、八位堂(8bitdo)は、2013年に設立され、ゲーム用のコントローラー・ジョイススティック・キーボード・マウス・無線通信用アダプター等のゲーム用具の製造及び販売を行い、それら商品に引用商標2を付している。また、甲第3号証には、「2018年のアメリカIDEA銅賞を受賞」及び「2020年3月12日 M30のBluetoothコントローラはドイツのレッドドット(reddot)のデザイン賞を受賞した」旨の記載がある(甲3、甲4)。 (イ)「gizmode.jp」のウェブサイトには、「懐かしのファミコンのコントローラー風スピーカー、これはかわいすぎる!」(2016年1月22日)の見出しの下、また、同ウェブサイト「「8Bitdo」は四角カワイイ!!NES風デザインのキューブスピーカーが日本でも発売」(2016年5月11日)の見出しの下、さらに、「inside-games.jp」のウェブサイトには、「「十字ボタン」モチーフのUSBハブ登場!キューブ型スピーカーも」(2016年6月30日)の見出しの下、いずれも当該商品の写真が掲載されている(甲5の1~3)。 「watch.impress.co.jp」のウェブサイトには、「NESコントローラ風のワイヤレスマウスが登場」(2019年11月12日)の見出しの下、「往年の家庭用ゲーム機を模したレトロコントローラなどを手がけている8BitDoは・・・ワイヤレスマウスを発売した。」の記載(甲5の4)、デザイン誌「AXIS web Magazine」には、「国外向けファミコン「NES」にインスパイアされたマウス「8BitDo N30 Wireless Mouse」が登場」(2019年11月14日)の見出しの下(甲5の5)、さらには、「game.watch.impress.co.jp」のウェブサイトには、「海外版ファミコン「NES」風デザインの無線マウスが8BitDoより販売中!」(2019年11月14日)の見出しの下(甲5の6)、いずれも当該商品が紹介されている。 上記以外のウェブサイト(甲5の7~20)は、掲載日が確認できないもの、本件商標の登録出願後のものである。 (ウ)申立人は、国際的な販売行為により、中国のみならず、香港、米国、ドイツ等においても商品や受賞歴が紹介されていると主張しているが、それらの証拠の一部には、八位堂(8BitDo)の記載があるものの(甲6の4・5・7・15・28・29)、それら以外は引用商標の表示がないものや本件商標の登録出願後のものである。 (エ)申立人の商品は、我が国において、本件商標の登録出願前に2022グッドデザイン賞を「8BitDo Ultimate 2.4g Wireless Controller for PC with Charging Dock」、「8BitDo Ultimate Wired Controller for Xbox」及び「8BitDo Arcade Stick for Xbox」について、受賞している(甲7の2・4・6)。 また、アメリカにおいて「IDEAデザイン賞」において、2021年からノミネートされており、2023年には、子供用商品部門において、銅賞を受賞(甲7の11~16)、ドイツにおいて「レッド・ドット・デザイン賞」を2020年、2021年及び2023年にわたり受賞している(甲7の17~20)が、それらは、いずれも商品のデザインに関するものである。 (オ)以上(ア)ないし(エ)によれば、八位堂(8bitdo)は、ゲーム用のコントローラー・ジョイススティック・キーボード・マウス・無線通信用アダプター等のゲーム用具を製造及び販売を行い、それら商品には、引用商標2を付し、本件商標の登録出願前の2022年には、我が国において、グッドデザイン賞を受賞している。 しかしながら、引用商標が付された商品の販売数量・売上高・市場シェア、広告の方法・範囲等の具体的な証拠がないことから、申立人の主張及び同人提出の証拠によっては、引用商標が申立人の業務に係る商品について使用する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国及び外国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとは認めることができない。 イ 本件商標と引用商標の類否 本件商標と引用商標2とは、上記(1)イのとおり、外観において近似し、称呼を共通にする類似の商標というべきである。 また、引用商標1は、別掲1のとおり、「8Bitdo」の文字を四角のドットで表してなるところ、その構成文字に相応して「エイトビッドドゥー」の称呼を生じるものであって、引用商標2と同様に、本件商標と引用商標1とは、外観において近似し、称呼を共通にする類似の商標といえる。 ウ 小括 上記ア及びイからすると、本件商標と引用商標が類似の商標であるとしても、引用商標が本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に申立人の業務に係る商品を表示するものとして広く知られているとはいえないから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第7号該当性について 本件商標は、上記1のとおりの構成からなるものであって、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、きょう激又は他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではない。 また、上記(2)アのとおり、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者等の間に広く認識されているものとはいえないから、商標権者が本件商標をその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることのないものである。 その他、本件商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ない場合等、本件商標が公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標と認めるに足る具体的な証拠の提出はない。 そうすると、本件商標は、引用商標の出所表示力を希釈化するとか、その名声にただ乗りするなど不正の目的をもって使用するものとはいえず、また、他に商標権者が本件商標をその指定役務に使用することが社会一般の道徳に反し公正な取引秩序を乱し、あるいは国際信義に反するなど、公序良俗に反するものというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。 (4)商標法第4条第1項第19号該当性について 上記(2)イのとおり、本件商標と引用商標とは、類似の商標であったとしても、上記(2)アのとおり、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国及び外国の需要者等の間に広く認識されているものとはいえない。 さらに、申立人が提出した証拠からは、商標権者が本件商標を不正の利益を得る目的、他人に損害を与える目的その他不正の目的をもって使用するものと認めるに足りる具体的事実は見いだせない。 したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって、不正の目的をもって使用をするものということはできないから、商標法第4条第1項第19号に該当しない。 (5)むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第10号、同項第11号及び同項第19号に該当するとはいえず、他にその登録が同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-900075

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