商標異議申立
2024-900052
エア、エアー、エイアイアアル
- 審判番号
- 2024-900052
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2023-090660
- 登録番号
- 6765234
- 請求日
- 2024年03月05日
- 審決日
- 2025年04月28日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社アイシン
- 【権利者代理人】弁理士法人不二商標綜合事務所
- 【権利者代理人】木村 吉宏
- 【権利者代理人】伊東 美穂
- 【異議申立人】レスメド プロプライエタリー リミテッド
- 【異議申立人代理人】高岡 亮一
- 【異議申立人代理人】小田 直
- 【異議申立人代理人】會田 悠介
- 【異議申立人代理人】田上 麗子
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 豊瀬 京太郎
- 審判官 小俣 克巳
- 分類
- T1652.261-Y (W1044) / T1652.262-Y (W1044) / T1652.263-Y (W1044) / T1652.264-Y (W1044)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第10条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6765234号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6765234号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6765234号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、「医療用マスク」を含む第10類、「セラピー,セラピーに関する情報の提供,医療,医療に関する情報の提供並びに指導及び助言,健康管理,健康管理に関する情報の提供並びに指導及び助言,医業に関する情報の提供並びに指導及び助言,内科医業に関する情報の提供並びに指導及び助言,調剤に関する情報の提供並びに指導及び助言,補完代替医療による治療,補完代替医療による治療に関する情報の提供並びに指導及び助言,衛生管理に関する指導・助言又は情報の提供,医療情報の提供,健康診断,治療目的の医療分析」を含む第44類、第3類、第5類、第11類、第16類、第29類、第31類及び第37類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和3年2月3日に登録出願された商願2021-12391に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同5年8月15日に登録出願、同年12月1日に登録査定、同月22日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録商標は、以下のとおりであり、引用商標1ないし引用商標5及び引用商標7ないし引用商標9の商標権は現に有効に存続している。
なお、引用商標6は、令和6年5月30日に存続期間満了により、同7年2月26日に抹消登録されている。
また、これらをまとめて「引用商標」という。
(1)登録第6601373号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様:AIRWEAR(標準文字)
登録出願日:令和4年5月19日
優先権主張日:2021年(令和3年)12月8日 オーストラリア連邦
設定登録日:令和4年8月15日
指定商品及び指定役務:第10類「医療機器、すなわち、持続的気道陽圧(CPAP)治療用装置及び自動気道陽圧(APAP)治療用装置並びにこれらの部品,医療用呼吸マスク及びその部品,医療用呼吸マスクのために用いるヘッドギア及びその部品,呼吸器用機械器具に用いる医療用の加湿器及びその部品,睡眠関連呼吸障害及び慢性呼吸器疾患の治療用の医療機器に用いる医療用熱水分交換器及びその部品並びに付属品,医療用の送気チューブ又は導管、医療用の加温された空気を送るための送気チューブ又は導管、及びこれらの構成部品,呼吸イベントをモニタリングするための医療用機械器具及びその部品,インターネットを通じて呼吸イベントのデータを送信する、呼吸イベントをモニタリングするための医療用機械器具及びその部品,ブラキシズム・呼吸器系睡眠障害・いびきを治療するための医療用、歯科用、口腔用機械器具及び装置並びにこれらの部品」及び第44類「睡眠関連呼吸器疾患の分野におけるウェブサイトを通じた情報の提供,睡眠関連呼吸器疾患の分野における、患者の認識・教育・症状管理を向上させるための及び患者を支援するためのオンラインによる医療データ・既往歴及び医療記録の分析及び提供」の他、第9類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
(2)国際登録第1305755号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様:AIRMINI
国際商標登録出願日:2016年(平成28年)5月11日
優先権主張日:2015年(平成27年)11月17日 Australia
設定登録日:平成29年2月17日
指定商品及び指定役務:第10類「Medical apparatus for treatment of respiratory disorders; medical ventilators and parts therefor; respirators for artificial respiration and parts therefor; humidifiers for medical use and parts therefor; medical apparatus, namely, continuous positive airway pressure (cpap) and automatic positive airway pressure (apap) devices and parts therefor; respiratory masks for medical purposes and parts therefor; headgear for medical respiratory masks and parts therefor; respiration monitors and parts therefor; medical apparatus and instruments for monitoring respiratory events, and parts therefor; medical apparatus and instruments for monitoring respiratory events that transmit data about those respiratory events through the internet, and parts therefor; medical, dental and oral devices for treating bruxism, respiratory sleep disorders and snoring and parts therefor.」の他、第9類及び第42類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
(3)登録第5660676号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の態様:AIRFIT
登録出願日:平成25年12月4日
優先権主張日:2013年(平成25年)7月8日 アメリカ合衆国
設定登録日:平成26年3月28日
指定商品:第10類「医療用の呼吸器用機械器具用マスク・マスク固定具・頭部固定具・その他医療用の呼吸器用機械器具及びその部品並びに付属品,医療用機械器具」
(4)登録第5660681号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の態様:AIRSENSE
登録出願日:平成26年1月30日
優先権主張日:2013年(平成25年)11月6日 アメリカ合衆国
設定登録日:平成26年3月28日
指定商品:第10類「医療用機械器具,持続的に気道に陽圧を付加する医療用機械器具及びこれらの部品並びに付属品,自動的に気道に陽圧を付加する医療用機械器具及びこれらの部品並びに付属品,医療用の呼吸器用機械器具用マスク・マスク固定具・頭部固定具・その他医療用の呼吸器用機械器具及びこれらの部品並びに付属品」
(5)登録第5669286号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の態様:AIRTOUCH
登録出願日:平成25年12月10日
優先権主張日:2013年(平成25年)11月6日 アメリカ合衆国
設定登録日:平成26年5月9日
指定商品:第10類「医療用の呼吸器用機械器具用マスク・マスク固定具・頭部固定具・その他医療用の呼吸器用機械器具及びその部品並びに付属品」
(6)登録第5673580号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の態様:AIRLUX
登録出願日:平成26年3月6日
優先権主張日:2013年(平成25年)9月12日 アメリカ合衆国
設定登録日:平成26年5月30日
指定商品:第10類「医療用の呼吸器用機械器具用マスク・マスク固定具・頭部固定具・その他医療用の呼吸器用機械器具及びその部品並びに付属品」
(7)登録第5749160号商標(以下「引用商標7」という。)
商標の態様:AIR10
登録出願日:平成26年9月5日
優先権主張日:2014年(平成26年)4月22日 オーストラリア連邦
設定登録日:平成27年3月13日
指定商品:第10類「医療用人工呼吸器の部品及び付属品,人工呼吸装置の部品及び付属品,持続的に気道に陽圧を付加する医療用機械器具の部品及び付属品,自動的に気道に陽圧を付加する医療用機械器具の部品及び付属品,医療用呼吸マスクの部品及び付属品,医療用呼吸マスクを装着する際に使用する頭部への固定具(ヘッドギア)の部品及び付属品,呼吸器用医療用機械器具の付属品として用いられるエアーフィルター・加湿器用ホース・加湿器用水桶・エアー供給用チューブ・特注による、医療用呼吸マスクを装着する際に使用する頭部への固定具(ヘッドギア)・耳掛け・鼻用パッド・顎固定具・チューブ用保護カバー・コード用保護カバー・キャリーバッグ」のほか、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品
(8)登録第6023726号商標(以下「引用商標8」という。)
商標の態様:QUATTRO AIR
登録出願日:平成28年10月3日
設定登録日:平成30年3月2日
指定商品:第10類「呼吸器用機械器具用マスク・マスク固定具・頭部固定具・その他の呼吸器用機械器具及びその部品並びに付属品,医療用機械器具」
(9)登録第5717959号商標(以下「引用商標9」という。)
商標の態様:SPRING AIR
登録出願日:平成26年9月5日
優先権主張日:2014年(平成26年)4月22日 オーストラリア連邦
設定登録日:平成26年11月14日
指定商品:第10類「医療用呼吸マスク用のクッション」
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第10類「医療用マスク」(以下「申立てに係る商品」という場合がある。)及び第44類「セラピー,セラピーに関する情報の提供,医療,医療に関する情報の提供並びに指導及び助言,健康管理,健康管理に関する情報の提供並びに指導及び助言,医業に関する情報の提供並びに指導及び助言,内科医業に関する情報の提供並びに指導及び助言,調剤に関する情報の提供並びに指導及び助言,補完代替医療による治療,補完代替医療による治療に関する情報の提供並びに指導及び助言,衛生管理に関する指導・助言又は情報の提供,医療情報の提供,健康診断,治療目的の医療分析」(以下「申立てに係る役務」という。)について、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第10号証を提出した。
以下、申立てに係る商品と申立てに係る役務をまとめていうときは、申立てに係る商品及び役務という。
(1)商標法第4条第1項第11号
ア 本件商標について
本件商標は、図案化された欧文字「AIR」を書してなり、これよりは、「エア」の称呼を生じ、「空気」のような観念を生じる。
イ 引用商標について
引用商標1は、欧文字「AIRWEAR」と書してなり、「エアウェア」の称呼が生じるが、「AIR」と「WEAR」を組み合わせてなる造語であり、観念上のつながりがないから、それぞれの称呼と観念が生じ得ると考えられ、「エア」の称呼を生じ、「空気」のような観念を生じる。
引用商標2は、欧文字「AIRMINI」と書してなり、「エアミニ」の称呼が生じるが、「AIR」と「MINI」を組み合わせてなる造語であり、「MINI」の文字は、「小型のもの」「小さい」などを表す英単語として我が国で広く認識されているところ、当該文字は、通常サイズより小さい形状を示す表示として一般に用いられており、自他商品の識別機能を発揮し得ないものと考えられる。
そうすると、「エア」の称呼を生じ、「空気」のような観念を生じる。
引用商標3は、欧文字「AIRFIT」と書してなり、「エアフィット」の称呼が生じるが、「AIR」と「FIT」を組み合わせてなる造語であり、「FIT」の文字は、「合う」「適合する」などを表す英単語として我が国でも広く認識されているところ、当該文字は、引用商標3の「医療用の呼吸器用機械器具用マスク」に使用した場合、当該マスクが「使用者に密着する」、「使用者に合う」等の商品の効能を示すものとして理解、認識されるにすぎない。そのため、「FIT」の文字部分は、自他商品の識別機能を発揮し得ず、「AIR」の文字部分が商標の要部として機能するものと考えられる。
そうすると、「エア」の称呼を生じ、「空気」のような観念を生じる。
引用商標4は、欧文字「AIRSENSE」と書してなり、「エアセンス」の称呼が生じるが、「AIR」と「SENSE」を組み合わせてなる造語であり、観念上のつながりがないから、それぞれの称呼と観念が生じ得ると考えられ、「エア」の称呼を生じ、「空気」のような観念を生じる。
引用商標5は、欧文字「AIRTOUCH」と書してなり、「エアタッチ」の称呼が生じるが、「AIR」と「TOUCH」を組み合わせてなる造語であり、観念上のつながりがないから、それぞれの称呼と観念が生じ得ると考えられ、「エア」の称呼を生じ、「空気」のような観念を生じる。
引用商標6は、欧文字「AIRLUX」と書してなり、「エアラックス」の称呼が生じるが、「AIR」と「LUX」を組み合わせてなる造語であり、観念上のつながりがないから、それぞれの称呼と観念が生じ得ると考えられ、「エア」の称呼を生じ、「空気」のような観念を生じる。
引用商標7は、欧文字及び数字「AIR10」と書してなり、「エアテン」の称呼が生じるが、英語の「AIR」と数字「10」を組み合わせてなる造語であり、数字「10」の部分は、自他商品の識別機能を発揮し得ず、「AIR」の文字部分が要部として機能すると考えられる。
そうすると、「エア」の称呼を生じ、「空気」のような観念を生じる。
引用商標8は、欧文字「QUATTRO AIR」と書してなり、「クアトロエア」の称呼が生じるが、イタリア語の「QUATTRO」と英語の「AIR」を組み合わせてなる造語であり、その間にスペースがあることに加え、観念上のつながりがないことから、強く結合しているとまではいえない。
そうすると、それぞれの文字に相応した称呼と観念が生じ得ると考えられ、「エア」の称呼を生じ、「空気」のような観念を生じる。
引用商標9は、欧文字「SPRING AIR」と書してなり、「スプリングエア」の称呼が生じるが、英語の「SPRING」と英語の「AIR」を組み合わせてなる造語であり、その間にスペースがあることに加え、観念上のつながりがないことから、強く結合しているとまではいえない。
そうすると、それぞれの文字に相応した称呼と観念が生じ得ると考えられ、「エア」の称呼を生じ、「空気」のような観念を生じる。
ウ 本件商標と引用商標の類否
以上から、本件商標と引用商標は、称呼、観念において相紛れるおそれのある類似の商標である。
エ 申立てに係る商品及び役務と引用商標の指定商品及び指定役務
申立てに係る商品「医療用マスク」は、引用商標の指定商品「医療用呼吸マスク及びその部品」、「respiratory masks for medical purposes and parts therefor」、「医療用の呼吸器用機械器具用マスク」、「医療用呼吸マスクの部品及び付属品」、「呼吸器用機械器具用マスク」、「医療用呼吸マスク用のクッション」とは、同じ医療の現場で使用される点に鑑みると、少なくとも販売部門、需要者の範囲は一致し、需要者にとっても同じ分野の商品であるとの印象を与え得るものであるから、両商品は、類似の商品である。
また、申立てに係る役務は、引用商標1の第44類の指定役務「睡眠関連呼吸器疾患の分野におけるウェブサイトを通じた情報の提供,睡眠関連呼吸器疾患の分野における、患者の認識・教育・症状管理を向上させるための及び患者を支援するためのオンラインによる医療データ・既往歴及び医療記録の分析及び提供」とは、互いに類似する役務である。
(2)まとめ
上記より、本件商標と引用商標は、称呼及び観念において類似する商標であり、申立てに係る商品は、引用商標の指定商品と類似し、申立てに係る役務は、引用商標1の指定役務と類似する。
したがって、本件商標は商標法4条第1項第11号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標と引用商標1との類否について
(ア)本件商標
本件商標は、別掲のとおり、やや全体が丸みを帯び欧文字「AIR」を横書きしてなり、その構成文字に相応して「エア」の称呼、「空気」の観念を生じる。
(イ)引用商標1
引用商標1は、上記2(1)のとおり、欧文字「AIRWEAR」の文字を標準文字で表してなり、その構成文字に相応して、「エアーウエア」の称呼を生じ、当該文字は、辞書等に掲載が認められないから、特定の観念は生じない。
(ウ)本件商標と引用商標1との類否について
本件商標は、上記(ア)のとおり、欧文字「AIR」を横書きしてなり、引用商標1は、上記(イ)のとおり、欧文字「AIRWEAR」の文字を表してなるところ、両者は、外観において、「WEAR」の文字の有無の差異を有しており、また全体の構成文字数も3文字と7文字であり明らかに相違していることから、外観上相紛れるおそれはない。
また、称呼において、本件商標から生じる「エアー」の称呼と引用商標1から生ずる「エアーウエア」の称呼は、語尾における「ウエア」の音の有無において明らかな差異を有しており、全体の構成音数も3音と6音と明らかに相違しているから、称呼上相紛れるおそれはない。
さらに、観念において、本件商標は「空気」の観念が生じるのに対し、引用商標1は特定の観念が生じないから、観念上相紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標1は、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標である。
したがって、本件商標の指定商品及び指定役務中、申立てに係る商品及び役務と引用商標1の指定商品及び指定役務が類似するとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
イ 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について
(ア)本件商標の申立てに係る商品と引用商標の指定商品との類否について
申立人は、本件商標の指定商品及び指定役務中、第10類「医療用マスク」(以下「本件医療用マスク」という場合がある。)と引用商標の指定商品及び指定役務中、第10類「医療用呼吸マスク及びその部品」(引用商標1)、「respiratory masks for medical purposes and parts therefor」(参考訳:医療用呼吸マスク及びその部品)(引用商標2)、「医療用の呼吸器用機械器具用マスク」(引用商標3~引用商標6)、「医療用呼吸マスクの部品及び付属品」(引用商標7)、「呼吸器用機械器具用マスク」(引用商標8)「医療用呼吸マスク用のクッション」(引用商標9)(以下これらの商品をまとめて「引用呼吸器用機械器具用マスク等」という場合がある。)が類似する商品であると主張しているので、以下検討する。
a 「本件医療用マスク」について
本件商標の申立てに係る商品である「医療用マスク」は、例えば「JIS T9001に関する医療用マスク、一般用マスクの表示・広告ガイドライン」(一般社団日本法人衛生材料工業連合会https://www.jhpia.or.jp/about/jis/img/jis-t9001_guideline.pdf)によれば、「2.1 医療用マスク、サージカルマスク/主に医療関係者の着用を想定し,ウイルスを含む飛まつ,バクテリアを含む飛まつ及び体液の体内への侵入を防御するとともに,バクテリアなどを含む飛まつの空気中への飛散を防止することを目的としたマスク」と定義されている。
そして、このような医療用マスクの主たる原材料は、不織布等からなる商品であり、その需要者は医療関係者ばかりでなく一般の需要者も含むものといえる。
b 「引用呼吸器用機械器具用マスク等」について
「引用呼吸器用機械器具用マスク等」については、その表記からすれば、医療用機械器具の範疇に属する商品といえるところ、医療用機械器具については、「特許庁商標課編 商品及び役務の区分解説(国際分類第11‐2022版対応)」によれば、「医院又は病院で専ら使用される機械器具が該当します。」と記載されている。
また、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第4項には、「この法律で「医療機器」とは、人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等(再生医療等製品を除く。)であつて、政令で定めるものをいう。」と規定されている。
そうすると、引用呼吸器用機械器具用マスク等は、「専ら医院又は病院等の医療機関で疾病の治療等に使用する呼吸器用の機械器具として使用されるマスク及びその部品・付属品」であり、その用途は、人の疾病の診断、治療若しくは予防に使用される機械器具であり、その需要者は医療関係者であるといえる。
c 「本件医療用マスク」と「引用呼吸器用機械器具用マスク等」の類否について
両商品の用途については、上記aのとおり、本件医療用マスクは「主にウイルスを含む飛まつ,バクテリアを含む飛まつ及び体液の体内への侵入を防御するとともに、バクテリアなどを含む飛まつの空気中への飛散を防止することを目的としたマスク」であるのに対して、引用呼吸器用機械器具用マスク等は「主に医療機関で人の疾病の治療用等として使用される機械器具」であることからすれば、その用途は異なるといえる。
また、両商品の需要者については、医療関係者である点においては共通にするとしても、本件医療用マスクは一般の需要者も含むものである点において異なる。
さらに、本件医療用マスクは主に不織布等からなる医療・衛生用品といえるものであるのに対して、引用呼吸器用機械器具用マスク等は、治療のために使用する呼吸器用の医療機械器具としてのマスク及びその部品・付属品といえるものであることから、両商品はその製造者、流通経路、販売場所が異なる。
そうすると、両商品の需要者については、医療関係者である点においては共通にする場合があるとしても、本件医療マスクは一般の需要者を含む点においては異なるものであり、商品の用途、製造者、流通経路、販売場所が異なることからすれば、両商品は非類似の商品というべきである。
その他、両商品は類似する商品であるとする理由を見いだすことはできない。
したがって、両商品は、非類似の商品であるから、本件商標と引用商標2ないし引用商標9の商標の類否を判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
なお、本件商標と引用商標1は、上記アのとおり、非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、申立てに係る商品及び役務について、商標法第4条第1項第11号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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