商標異議申立
2024-900046
コクサイダイビングスクールキョーカイ、コクサイダイビングスクール、コクサイダイビング、ダイビングスクール、コクサイ
- 審判番号
- 2024-900046
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2021-153004
- 登録番号
- 6763444
- 請求日
- 2024年02月22日
- 審決日
- 2024年10月01日
- 公報発行日
- 2024年11月29日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】木造 伸一
- 【異議申立人】小林 義正
- 【異議申立人代理人】Authense弁理士法人
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 康浩
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 阿曾 裕樹
- 分類
- T1651.22 -Y (W41) / T1651.25 -Y (W41) / T1651.271-Y (W41) / T1651.222-Y (W41)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項7号商標法4条1項10号商標法4条1項15号商標法4条1項19号商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第7号、商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項第19号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6763444号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6763444号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6763444号商標(以下「本件商標」という。)は、「国際ダイビングスクール協会」の文字を標準文字で表してなり、令和3年12月8日に登録出願、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,インターネットを利用して行う映像の提供,映画の上映・制作又は配給,インターネットを利用して行う音楽の提供,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),スポーツの興行の企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),娯楽施設の提供,娯楽の提供,運動施設の提供,運動用具の貸与,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,録音済み記録媒体の貸与,ネガフィルムの貸与,ポジフィルムの貸与,イベントのためのビデオの編集,ビデオテープの編集,録音又は録画済み記録媒体の複製」を指定役務として、同5年11月29日に登録査定、同年12月19日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標は、国際ダイビングスクール協会が、その主催するスクールプログラム・イベント等について使用していると主張している「国際ダイビングスクール協会」の文字からなる商標(以下「引用商標」という。)である。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第10号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証から甲第10号証(以下「甲○」と表記する。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第7号について
ア 本件商標は、「国際ダイビングスクール協会」の文字を標準文字で表してなる。
ところで、静岡県静岡市清水区所在の国際ダイビングスクール協会が、その主催するスクールプログラム・イベント等について引用商標を使用しているところ(甲2~甲4)、本件商標は、引用商標と同一又は酷似する。そして、本件商標権者は同協会の元会員であり、引用商標の存在を知ることができる状況にあったという実情がある(甲7~甲9)。また、本件商標権者は現在、同協会に所属していないところ、その経緯は以下のとおりである。
(ア)令和3年10月14日、同協会理事会が開催され、理事の1/2以上が出席した中で、会則に則り満場一致で本件商標権者の除名を決議した。除名理由としては、本件商標権者による複数の会則違反が挙げられる(甲7)。また、除名の旨は公式Webサイトにも掲載された(甲2)。
(イ)令和3年11月1日付けで同協会会長名義による除名通告書を通知し、同協会関連資産の返還などを求めた(甲8)。
(ウ)令和3年12月15日、同協会総会が開催され、同年10月14日の理事会の除名決議につき満場一致の承認が得られた(甲9)。なお、新たな除名理由として、本部事務局への郵便物が、本件商標権者の住所に無断で転送されていた事実等も加えられている(甲9)。
(エ)令和3年12月15日、同協会総会に引き続き理事会が開催され、理事会役員改選について話し合われ、申立人は、副会長に選任された(甲10)。
イ 以上の経緯を踏まえると、本件商標権者が本件商標を採択するにあたって、引用商標と偶然に同一又は酷似のものとなったとは考えられず、剽窃的に本件商標を登録出願したものと推認される。
そうすると、本件商標は、その登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、その登録を認めることは商標法の予定する秩序に反するものとして容認し得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第10号について
国際ダイビングスクール協会は、「1980年に日本で設立されたADSは、現在は台湾、ブラジル、インドネシア、中国、フィリピン、ミクロネシアなどで活動し、ADS教育は世界へ広がり続けています。ADSの特徴は、それぞれの国の人々やその環境に適した個別プログラムにより、1,500人以上のADSインストラクターがADS共通理念を基に活動しています。」との紹介があるとおり(甲3)、40年以上にわたり国内外で教育活動を実施しており、その活動実績は同協会の標章のもと、我が国の取引者、需要者間に広く認識されている。
そうすると、同協会が主催するスクールプログラム、イベント等について使用し、本件商標の登録出願前より我が国の取引者、需要者間に広く認識されている引用商標と、本件商標は同一又は類似であり、かつ、前記役務と同一又は類似の役務に使用するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、「国際ダイビングスクール協会」の文字を標準文字で表してなるところ、これは同協会が、その主催するスクールプログラム・イベント等において、教材等の印刷物、その他のダイビングスクール関連の商品について使用し(甲3、甲5、甲6)、本件商標の登録出願前より我が国の取引者・需要者間に広く認識されている引用商標と同一又は類似する。
そうすると、本件商標をその指定役務に使用するときは、これがあたかも同協会又はそれと組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品、役務であるかのように、商品、役務の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、前記のとおり、国際ダイビングスクール協会が、その主催するスクールプログラム・イベント等において使用し、本件商標の登録出願前より我が国の取引者、需要者間に広く認識されている引用商標と同一又は酷似する。そして、本件商標権者は、同協会の元会員であり、引用商標の存在を知ることができる状況にあったという事情、また、前記の経緯に示す事情に照らせば、本件商標権者が本件商標を採択するにあたって、引用商標と偶然に同一又は酷似のものとなったとは考えられず、剽窃的に本件商標を登録出願したものと推認される。
そうすると、本件商標権者が本件商標を使用した場合、引用商標に化体した信用、名声、顧客吸引力を毀損させるおそれがあり、不正の利益を得る等の不正の目的をもって使用するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第7号該当性
ア 申立人の主張及び提出証拠によれば、本件商標権者とその登録出願に関する経緯は以下のとおりである。
(ア)本件商標権者は、国際ダイビングスクール協会の会長であったところ、令和3年10月14日付けの同協会の理事会において、その除名が決議された(甲2、甲7)。
(イ)同協会の新会長は、令和3年11月1日付けの本件商標権者宛ての除名通告書において、同協会からの除名を通知した(甲8)。
同通知書にはその除名の理由として、本件商標権者が理事会の議決を経ずに他の会員を除名したこと、訴訟を提起したこと、品位を落とす言動などをしたことが記載されている。
(ウ)本件商標権者は、本件商標を上記1のとおり、令和3年12月8日に登録出願した。
(エ)令和3年12月15日付けの同協会の総会において、上記(ア)の理事会決議が承認された(甲9)。
イ 以上によれば、「国際ダイビングスクール協会」の会長であった本件商標権者は、その除名が同協会理事会により決議され、除名通知が送付された約1月後に、本件商標「国際ダイビングスクール協会」の登録出願に至ったことはうかがい知れるものの、本件商標権者が、本件商標を通じて、同協会に対して何らかの具体的な要求をしたとか、事業活動を阻害したなどの事実関係を示す証拠はない。
また、本件商標権者が、引用商標や除名通知があったことを知りながら本件商標を登録出願していたとしても、何らかの義務に明確に違反しているかは明らかではないから、それだけでは登録出願の経緯や目的に不正があるとまでは直ちにいえない。
そうすると、本件商標は、その登録出願の経緯に不自然な点はあるものの、著しく社会的相当性を欠くとまでは直ちにいえず、また、その商標権により不正の利益を得る目的、他人に損害を与える目的などの、不正の目的があったものとまではいえないから、その登録自体が、適正な商道徳に反し、著しく社会的相当性を欠くとはいえない。
したがって、本件商標は、公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがある商標ではなく、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第10号該当性
ア 引用商標の周知性
申立人の主張及び提出証拠によれば、静岡県静岡市清水区所在の国際ダイビングスクール協会の運営する「ADS国際ダイビングスクール協会」のウェブサイトには、「ADSインターナショナル」(潜水教育指導団体)、「ADSスクールプログラム」、「ADSスクール 教育カリキュラム」などの紹介記事が掲載されている(甲2~甲4)ことは確認できるが、引用商標を使用した事業の規模や広告宣伝実績などを客観的に評価、把握できるような証拠は提出されていない。
そうすると、引用商標は、申立人提出証拠によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間において、広く認識されている商標とはいえない。
イ 以上のとおり、引用商標は、需要者の間に広く認識されている商標とはいえないから、本件商標は、引用商標と同一又は類似の商標であるかにかかわらず、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性
引用商標は、上記(2)アのとおり、我が国の需要者の間において、広く認識されている商標ではないから、本件商標と引用商標の類似性の程度やその指定役務と使用に係る役務の類似性の程度などにかかわらず、本件商標権者がこれをその指定役務について使用しても、我が国の需要者をして引用商標を連想又は想起させるとは考えにくく、その役務が他人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であると誤認し、その役務の出所について混同を生じさせるおそれはない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第19号該当性
引用商標は、上記(2)アのとおり、我が国の需要者の間において、広く認識されている商標ではない。
また、本件商標は、上記(1)のとおり、不正の利益を得る目的、他人に損害を与える目的などの、不正の目的をもって使用をするものとはいえない。
そうすると、本件商標は、引用商標と同一又は類似の商標であるかにかかわらず、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(5)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同項第10号、同項第15号及び同項第19号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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