商標異議申立
2024-900025
ヒールプロテクターマモル、マモル
- 審判番号
- 2024-900025
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2023-021400
- 登録番号
- 6757036
- 請求日
- 2024年02月02日
- 審決日
- 2024年09月09日
- 公報発行日
- 2024年11月29日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】仁木 誠
- 【異議申立人】合同会社 シーウォーク
- 【異議申立人代理人】矢島 裕
- 審判長/審判官
- 審判長 板谷 玲子
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 馬場 秀敏
- 分類
- T1651.25 -Y (W25)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項10号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第10号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6757036号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6757036号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6757036号商標(以下「本件商標」という。)は、「Heelprotector守」の文字を標準文字により表してなり、令和5年3月1日に登録出願、第25類「靴底用かかと保護具」を指定商品として、同年8月22日に登録査定、同年11月27日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議申立ての理由に該当するとして引用する商標は、申立人が運営するブランド「Forefoot」(以下「申立人ブランド」という場合がある。)が販売する靴底用かかと保持具を表示するものとして需要者の間に広く認識されていると主張する「Heel Protector 守」(「ヒールプロテクター守」)の文字からなる商標(以下「引用商標」という場合がある。)である。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証を提出した。
(1)申立人ブランドの立ち上げについて
令和2年7月頃、申立人代表者、本件商標権者及び他1名で、スニーカーのかかとを保護する商品のブランドを立ち上げる運びとなり、上記3名に、デザイナーを加えた4名が立ち上げメンバーとなり、「Forefoot」が発足し、同ブランドの運営は申立人が行うこととなった(甲1)。
そして、令和3年3月、申立人ブランドの商品として「Heel Protector 守(ヒールプロテクター守)」がリリースされた(甲2)。
(2)本件商標権者の離脱について
本件商標権者は、ブランド発足から1年弱にわたり、「Forefoot」の工場長として生産管理や商品のパッケージ化作業などの業務を担当していたが、令和4年6月頃、「Forefoot」から離脱する旨、意思を表明した。
そして、本件商標権者は、令和3年6月3日に、「Forefoot」のメンバーが参加するチャンネルに投稿し(甲3)、「Forefoot」から完全に離脱し、以後、「Forefoot」の運営には一切関わっていない。
なお、甲第3号証において、本件商標権者のユーザーネームが「1」と表示されているが、同じチャンネルで「1」というユーザーネームの者が商品発送の連絡とともに写真添付した宅配の控え伝票の依頼主欄に本件商標権者名があることや、同じく経費精算の着金確認ができた旨の連絡とともに添付したスクリーンショットに同名があることから明らかなとおり(甲4)、この「1」というユーザーネームの者が本件商標権者である。
「Forefoot」の公式ホームページにおいても、現在、運営メンバーは3名であり、本件商標権者は、削除されている(甲5)。
(3)商標法第4条第1項第10号に該当することについて
ア 上述のとおり、「Forefoot」は、その発足当初から、申立人が運営するブランドであり(甲1、甲2)、本件商標権者が事業主体として運営していたブランドではない。
さらには、本件商標権者は、令和3年6月に「Forefoot」のメンバーから離脱し、「Forefoot」の運営に一切関与しなくなっているため、「Forefoot」ブランドの業務は、本件商標権者にとって「他人の」業務である。
そして、本件商標は、「Heelprotector守」という文字商標であり、靴底用かかと保護具を指定商品とする商標であるところ、申立人は、自社が運営するブランドである「Forefoot」の商品として、令和3年3月より、「Heel Protector 守」(「ヒールプロテクター守」と片仮名表記をする場合もある。)という、スニーカーの靴底かかと部分に貼付することにより、スニーカーのかかとを擦り減りから保護する商品を販売している(甲2、甲6、甲7)。
本件商標は、「Heelprotector守」という文字商標であり、申立人の使用する引用商標との相違点は、アルファベットのPが大文字となるか小文字となるかという点のみである。
したがって、本件商標は、「他人の業務にかかる商品・・・を表示する・・・商標又はこれに類似する商標であって、その商品・・・について使用をするもの」に該当する。
イ 申立人の運営するブランド「Forefoot」の商品である「Heel Protector 守」(ヒールプロテクター守)は、ブランド公式ショップからオンラインで購入できるほか(甲6、甲7)、全国展開する大手スニーカーショップ「atmos」(甲8)をはじめとする複数のショップで取り扱われている(甲9)。
この「Heel Protector 守」は、令和3年3月の発売と同時に即完売し、「atmos」をはじめとするスニーカーショップでポップアップストアが開催されたり、日本ハンドボールリーグ所属のチームとのコラボレーションアイテムが限定販売されるなど、スニーカーファンを中心に全国的に高い人気を博している(甲10~甲12)。
以上のように、「Heel Protector 守」は、申立人が運営する申立人ブランドの商品を示す商標として需要者の間に広く認識されている。
ウ 小括
以上の次第であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。
4 当審の判断
(1)申立人ブランドの周知・著名性について
ア 申立人の主張及び同人提出の証拠によれば、以下のとおりである。
(ア)申立人は、2021年3月25日付けのプレスリリースにおいて、「・・・スニーカーに特化したクリエーティブチーム「Forefoot」始動!」の表題の下、「今回の発表に合わせ、チーム「Forefoot」の第一事業としてスニーカーのヒールプロテクター「守」という商品をリリースいたします。」との記載がある(甲2)。
(イ)ブランド公式ショップのウェブサイトとされるページの写しには、商品写真と共に、「Forefoot」や「Forefoot Heel Protector 守」の表示があるほか、「ヒールプロテクター守」の記載も見受けられる(甲6、甲7)。しかしながら、その掲載日は確認できない。
(ウ)instagramにおける「atmos」のページには、「Forefoot」の表示の下、「ヒールプロテクター守」や「いいね!219件」(2021年3月24日)の記載がある(甲9)。
イ 上記アによれば、以下のとおり判断ができる。
(ア)申立人は、2021年3月にクリエーティブチーム「Forefoot」の始動と同時に、スニーカーの「ヒールプロテクター「守」」という商品をリリースした。
(イ)そして、当該ヒールプロテクターを紹介するウェブサイトの記事には、靴底用のかかと保護具と思しき商品写真と共に、「Forefoot Heel Protector 守」の表示のほか、「ヒールプロテクター守」の記載も見受けられることから、靴底用のかかと保護具に引用商標を使用していることはうかがえる。
(ウ)しかしながら、申立人の業務に係る商品について、我が国における引用商標の使用地域、その商品の売上高、シェア等の販売実績及び営業規模、並びに引用商標に係る広告宣伝の費用、方法、回数及び期間等については、その事実を客観的、かつ、具体的に把握することができる証拠は何ら提出されていない。
(エ)小括
上記(ア)ないし(ウ)からすると、引用商標が靴底用かかと保護具を表示する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとは認めることができないというべきである。
(2)商標法第4条第1項第10号該当性について
上記(1)のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る靴底用かかと保護具を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めることができないものである。
したがって、その他の要件について検討するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第10号を適用するための要件を欠くものといわざるを得ないから、同号に該当しない。
(3)申立人の主張について
申立人は、本件は、本件商標権者が、申立人が運営するブランド「Forefoot」の運営から離脱し、同ブランド及び申立人と一切の関係がなくなった後に、「Forefoot」や申立人の営業を妨害する等、何らかの不利益を与える目的をもって、自身が「Forefoot」の運営をしている、あるいは運営に関わっていると偽り出願をしたものと思われる旨主張している。
しかしながら、本件商標権者がそのような目的をもって本件商標を出願したことを裏付ける証拠の提出はなく、その具体的事実は認められない上、上記(1)のとおり、引用商標は、申立人の業務に係る靴底用かかと保護具を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めることができないものであるから、申立人の主張は、本件における判断を左右するものではない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するとはいえず、他にその登録が同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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