商標異議申立
2024-900011
シンクデザイン、シンク
- 審判番号
- 2024-900011
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2023-059438
- 登録番号
- 6753246
- 請求日
- 2024年01月19日
- 審決日
- 2024年09月04日
- 公報発行日
- 2024年10月25日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】T3Japan株式会社
- 【異議申立人】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
- 【異議申立人代理人】小暮 理恵子
- 【異議申立人代理人】行田 朋弘
- 【異議申立人代理人】上田 ゆかり
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 杉本 克治
- 審判官 渡邉 あおい
- 分類
- T1651.261-Y (W09) / T1651.262-Y (W09) / T1651.263-Y (W09) / T1651.271-Y (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法4条1項15号商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
- データ出所
- 審決公報(XML)
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登録第6753246号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6753246号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6753246号商標(以下「本件商標」という。)は、「THINKDESIGN」の文字を標準文字により表してなり、令和5年5月31日に登録出願、第9類「コンピュータプログラム及びコンピュータソフトウェア,電子計算機用プログラム,記録された又はダウンロード可能なデータセット,コンピュータソフトウェア用アプリケーション(電気通信回線を通じてダウンロードにより販売されるもの),コンピュータプログラム用記録済み磁気カード,コンピュータ用ゲームソフトウェア,電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,スロットマシン用プログラム,ぱちんこ器具用プログラム,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物,業務用テレビゲーム機用プログラム」を指定商品として、同年11月1日に登録査定され、同月10日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する商標は、以下の14件の登録商標であり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである(以下、これらの商標をまとめていうときは「引用商標」という。)。
1 登録第2571577号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の構成:THINK PAD
指定商品:第9類に属する商標登録原簿に記載の商品
優先権主張:アメリカ合衆国 1990年6月29日
登録出願日:平成2年12月27日
設定登録日:平成5年8月31日
書換登録日:平成16年10月20日
2 登録第4679937号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:THINKCENTRE(標準文字)
指定商品:第9類及び第16類に属する商標登録原簿に記載の商品
優先権主張:アメリカ合衆国 2002年8月26日
登録出願日:平成14年12月4日
設定登録日:平成15年6月6日
3 登録第4422628号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の構成:THINKLIGHT(標準文字)
指定商品:第9類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日:平成11年9月29日
設定登録日:平成12年10月6日
4 登録第4899408号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の構成:THINKPLUS(標準文字)
指定商品及び指定役務:第9類、第37類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務
登録出願日:平成17年4月1日
設定登録日:平成17年10月7日
5 登録第5274704号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の構成:THINKSERVER(標準文字)
指定商品:第9類に属する商標登録原簿に記載の商品
登録出願日:平成20年1月22日
設定登録日:平成21年10月23日
6 登録第5180701号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の構成:THINKSTATION(標準文字)
指定商品及び指定役務:第9類、第16類、第35類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の商品及び役務
登録出願日:平成19年2月19日
設定登録日:平成20年11月14日
7 登録第4679936号商標(以下「引用商標7」という。)
商標の構成:THINKVANTAGE(標準文字)
指定商品:第9類及び第16類に属する商標登録原簿に記載の商品
優先権主張:アメリカ合衆国 2002年8月26日
登録出願日:平成14年12月4日
設定登録日:平成15年6月6日
8 登録第4696902号商標(以下「引用商標8」という。)
商標の構成:THINKVISION(標準文字)
指定商品:第9類及び第16類に属する商標登録原簿に記載の商品
優先権主張:アメリカ合衆国 2002年12月12日
登録出願日:平成15年1月28日
設定登録日:平成15年8月1日
9 国際登録第1344942号商標(以下「引用商標9」という。)
商標の構成:THINKAGILE
指定商品:第9類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品
国際商標登録出願日:2017年(平成29年)2月28日
設定登録日:平成30年11月30日
10 国際登録第1466979号商標(以下「引用商標10」という。)
商標の構成:THINKBOOK
指定商品:第9類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品
優先権主張:シンガポール 2018年11月16日
国際商標登録出願日(事後指定日):2019年(令和元年)5月13日
設定登録日:令和2年8月14日
11 国際登録第1447376号商標(以下「引用商標11」という。)
商標の構成:THINKREALITY
指定商品:第9類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品
優先権主張:アメリカ合衆国 2018年12月7日
国際商標登録出願日:2018年(平成30年)12月7日
設定登録日:令和2年4月10日
12 国際登録第1431022号商標(以下「引用商標12」という。)
商標の構成:THINKSHIELD
指定商品:第9類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品
優先権主張:アメリカ合衆国 2018年7月24日
国際商標登録出願日:2018年(平成30年)10月4日
設定登録日:令和2年4月10日
13 国際登録第1396390号商標(以下「引用商標13」という。)
商標の構成:THINKSMART
指定商品及び指定役務:第9類、第38類及び第42類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務
優先権主張:アメリカ合衆国 2017年12月7日
国際商標登録出願日:2017年(平成29年)12月7日
設定登録日:令和元年5月31日
14 国際登録第1324014号商標(以下「引用商標14」という。)
商標の構成:THINKSYSTEM
指定商品:第9類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品
国際商標登録出願日:2016年(平成28年)8月17日
設定登録日:平成29年10月27日
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれかに該当する商標であり、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものである旨申し立て、その理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第15号証を提出した。
1 申立人及びそのグループ会社、並びに「THINK」を接頭辞とする商標について
(1)申立人及びそのグループ会社について
申立人は、アメリカに本店を置き、北京に本社を置き、シンガポール等にオペレーションセンターを置く中国のパーソナルコンピュータ(PC)メーカーであるレノボ・コーボレイション(英語:Lenovo Corporation、以下「レノボ」という。)を頂点とする、世界的企業体「レノボグループ」に属するシンガポール法人であり、レノボの世界的ブランドである「THINK」関連の商標を管理する法人である(甲第3号証)。
レノボは、1984年に設立され、その後、2004年にIBM社のPC部門を買収し、日本企業では、2011年に日本電気(NEC)のPC部門を買収し、「合弁会社Lenovo NEC HoldingsB.V.(レノボNECホールディングス)」と「NECレノボ・ジャパングループ」を設立している。その他ドイツの大手PCメーカー、メディオンを買収し、アジア太平洋市場ではシェア1位を取り続け、中東アフリカ・ヨーロッパ・世界市場でもシェア2位となり、2013年からは世界シェア1位のPCベンダーとなった(甲第3号証、甲第4号証)。その後レノボは、2017年には、富士通のPC部門を買収し、日本市場では1995年の日本電気(NEC)以来となる4割超の圧倒的なシェアを得た(甲第3号証、甲第5号証)。また、2018年には、世界のコンピュータの性能ランキングを競い合うTOP500(甲第6号証)で、スーパーコンピュータのシェア世界1位のベンダーとなった(甲第3号証)。近年では2020年に、レノボは日本国内のパソコン市場において16.5%のシェアを獲得し、前年の5位から一気に首位に踊り出ている(甲第7号証)。また、2023年第3四半期には、レノボは世界のPC出荷台数の25.1%の市場シェアを獲得し、HP社とDell社と併せて、世界のPC販売の約3分の2を占めている(甲第8号証)。さらに、IT分野の米国大手調査会社であるガートナー(Gartner)によると、2022年第4四半期は、そのPC出荷台数から、市場において最大の24.9%のシェアを占め、2023年第4四半期は、同じくそのPC出荷台数から、市場において最大の25.6%のシェアを占めると予測されている。
(2)「THINK」を接頭辞とする商標について
レノボの販売するノートパソコン「ThinkPad」は、IBM社によって開発・販売が開始されたが、2004年にレノボがIBM社を買収した際、IBM社のPC部門からレノボに引き継がれた(甲第3号証、甲第10号証)。このほかにもレノボはIBM社より「ThinkCentre」、「ThinkVision」のブランドを承継し(甲第3号証、甲第11号証)、さらに、「Think」を接頭辞とするブランドを開発し、パソコンやその関連機器を製造・販売している。そして、これらの「THINK」を接頭辞とするブランドを「Thinkファミリー」と総称して、ホームページ等で紹介している(甲第12号証)。なお、レノボのPC関連製品は、第三者によっても、「Thinkシリーズ」、「Thinkブランド」と呼称されている(甲第13号証ないし甲第15号証)。これは、レノボの製造・販売するPC関連の商品又はそれに関係する役務について、「THINK」を接頭辞とするブランドが、我が国において周知性を獲得していることの証左であり、「THINK」を接頭辞とする上記に挙げたような引用商標は、それぞれ「THINK」の部分が、取引者・需要者に対して、商品の出所の識別標識として強く支配的な印象を与え得る要部となっていることを意味している。
2 商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、「THINKDESIGN」の文字を標準文字で書してなるものであるが、一見して「THINK」と「DESIGN」を組み合わせたものであることが分かる。また、欧文字が全て大文字であり、全ての欧文字が同書同大等間隔である点は、レノボに係る上記第2に挙げた14件の登録商標とその構成を共通にしており、「THINK」と「DESIGN」の間にスペースがない文字の構成は、引用商標中、引用商標1を除く13件の商標と共通している。また、上記1に述べたとおり、「THINK」を接頭辞とする商標は、レノボ製品が属する分野、すなわち、レノボ製品に類似する本件商標の指定商品が属する分野において、レノボ製品を表す商標として理解、認識されており、引用商標中「THINK」の部分が要部となっている。
よって、本件商標は、レノボの有する引用商標と類似している。
本件商標は、コンピュータプログラム及びコンピュータソフトウェアを始めとする第9類の商品を指定商品としており、これら指定商品は、レノボの「THINKファミリー」の商標における指定商品と同一であるか又は類似しているため、「THINK」を接頭辞とする本件商標をその指定商品に使用した場合、本件商標が、あたかもレノボの「THINKファミリー」の一つであるかのごとく誤認されるおそれが高い。
また、本件商標権者による本件商標の使用により、レノボないしレノボグループの業務を表する「THINKファミリー」が、取引者・需要者に真っ先に想起される可能性が高く、あたかも本件商標権者が、レノボないしレノボグループと経済的又は組織的に何らかの関係がある者であるかのごとく、誤認混同されるおそれがあることを否定することは決してできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標と引用商標の比較
ア 商標の外観について
本件商標は、欧文字「THINKDESIGN」の構成からなるものであり、語頭に位置する「THINK」の部分が、商品の出所の識別標識として特に強く支配的な印象を与え得ると考えられる。特にPCを中心とするコンピュータの分野においては、レノボグループの「THINK」を接頭辞とする一連の商標は、取引者及び需要者の間において広く知られているため、本件商標の要部は「THINK」であるといえる。
引用商標は全て語頭に「THINK」を配しており、これらはレノボの「THINKファミリー」の一環であることから、その要部は、語頭部の「THINK」であることはいうまでもない。
そうすると、本件商標と引用商標は、要部である語頭部の「THINK」の文字が共通しているため、本件商標は、引用商標とは外観上近似した印象を与えるものであり、類似しているといえる。
イ 商標の称呼について
称呼においては、本件商標の要部である「Think」の文字部分から「シンク」の称呼を生じ、引用商標の要部である「THINK」の文字部分からも「シンク」の称呼を生じることから、本件商標は、引用商標とは、「シンク」の称呼を共通にするものである。
よって、本件商標は引用商標と称呼において類似している。
ウ 商標の観念について
本件商標は全体として、その構成から一種の造語として理解されるものであり、特定の観念は生じないため観念においては比較し得ない。
引用商標は、いずれも全体として、一種の造語として理解されるものであり、特定の観念は生じないため観念においては比較し得ない。
一方、本件商標及び引用商標の要部は「THINK」の文字であり、当該要部は「考える」等の意味合いを共通にするものである。
よって、本件商標と引用商標とは、全体として観念においては比較し得ないが、要部の観念は同一であるため、観念において類似している。
エ 商標の類否について
以上より、本件商標及び引用商標がその外観、称呼又は観念等によって需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に観察すると、本件商標を指定商品又は指定役務に使用した場合に、引用商標と出所混同のおそれがあるから、本件商標は、引用商標に類似する。
(2)商品の類否について
本件異議申立てに係る本件商標の指定商品は、引用商標の第9類の商品及び第16類の商品と需要者の範囲等が共通し、同じ類似群を有している。
よって、本件異議申立てに係る本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似である。
(3)まとめ
本件商標は、申立人及びその関連会社の引用商標に類似し、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似である。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
第4 当審の判断
1 引用商標の周知著名性について
(1)申立人の提出した証拠及び同人の主張によれば、以下のとおりである。
ア 申立人は、アメリカに本店を置き、北京に本社を置き、シンガポール等にオペレーションセンターを置く中国のパーソナルコンピュータ(PC)メーカーであるレノボを頂点とする、「レノボグループ」に属するシンガポール法人であり、レノボの「THINK」関連の商標を管理する法人である(甲第3号証)。
イ レノボは、1984年に設立され、その後、2004年にIBM社のPC部門を買収し、日本企業では、2011年に日本電気(NEC)のPC部門を買収し、「合弁会社Lenovo NEC HoldingsB.V.(レノボNECホールディングス)」と「NECレノボ・ジャパングループ」を設立している。その他ドイツの大手PCメーカー、メディオンを買収し、アジア太平洋市場ではシェア1位を取り続け、中東アフリカ・ヨーロッパ・世界市場でもシェア2位となり、2013年からは世界シェア1位のPCベンダーとなった(甲第3号証、甲第4号証)。
ウ レノボは、2017年には、富士通のPC部門を買収し、日本市場では1995年の日本電気(NEC)以来となる4割超のシェアを得た(甲第3号証、甲第5号証)。2020年に、レノボは日本国内のパソコン市場において16.5%のシェアを獲得し、前年の5位から首位になった(甲第7号証)。
エ 2023年第3四半期には、レノボは世界のPC出荷台数の25.1%の市場シェアを獲得し、HP社とDell社と併せて、世界のPC販売の約3分の2を占めている(甲第8号証)。
オ レノボの販売するノートパソコン「ThinkPad」は、IBM社によって開発・販売が開始されたが、2004年にレノボがIBM社を買収した際、IBM社のPC部門からレノボに引き継がれ(甲第3号証、甲第10号証)、このほかにもレノボはIBM社より「ThinkCentre」、「ThinkVision」のブランドを承継し(甲第3号証、甲第11号証)、さらに「Think」を接頭辞とするブランドを開発し、パソコンやその関連機器を製造・販売している。
カ レノボは、「THINK」を接頭辞とするブランドを「Thinkファミリー」と総称して、ホームページ等で紹介し(甲第12号証)、第三者によっても、「Thinkシリーズ」、「Thinkブランド」と呼称されていることが認められる(甲第13号証~甲第15号証)。
キ しかしながら、「ThinkPad」、「ThinkCentre」及び「ThinkVision」などの「THINK」を接頭辞とする商品の我が国における販売台数、売上額、出荷台数など取引実績に係る主張はなく、それを示す証左も見いだせない。
(2)上記(1)アないしカより、レノボグループは、2005年(平成17年)頃から現在までパーソナルコンピュータなどの商品の製造販売を行っており、それら商品を総称して「Thinkブランド」及び「Thinkシリーズ」などと表記し、「Think」を冠したシリーズ商標として使用していることが認められる。
しかし、上記(1)キのとおり、商品名に「Think」の文字が冠された商品全体の取引実績を示す証左は見いだせないから、申立人提出の証拠によっては、我が国における売上高、市場比率(販売シェア)等の量的規模を客観的な使用事実に基づいて、引用商標の周知著名性の程度を推し量ることができない。
また、他に「Think」の文字が申立人等の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めるに足る事情は見いだせない。
そうすると、「Think」の文字を冠してなる引用商標は、いずれも本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人等の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は、前記第1のとおり、「THINKDESIGN」の欧文字を横書きした構成からなるところ、その構成各文字は、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔で、全体としてまとまりよく表されているものであり、外観上、いずれかの文字部分が強調されて表現されているものではない。
また、本件商標全体から生ずる「シンクデザイン」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標の構成中の「THINK」の文字が、「考える」等の意味を有し、「DESIGN」の文字が「設計、デザイン」の意味を有する語(「研究社 新英和辞典(第七版)」参照)として、いずれも我が国において親しまれたものといえるとしても、これらを組み合わせてなる本件商標は、直ちに特定の観念を生じない一種の造語として看取されるものであって、全体が不可分一体のものとして、取引者、需要者に記憶されるというのが相当である。
してみれば、本件商標は、「THINKDESIGN」の文字全体で取引に資されるとみるべきであって、「THINK」の文字部分をのみもって取引に資されるというべき特段の事情は見いだせないから、該文字部分のみを捉えた称呼及び観念は生じないというのが相当である。
なお、申立人は、レノボグループの「THINK」を接頭辞とする一連の商標は、取引者及び需要者の間において広く知られているため、本件商標の要部は「THINK」である旨主張している。
しかしながら、「Think」の文字が申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないことは、上記1(2)のとおりであって、本件商標は、上述したとおり、特定の観念を有しない不可分一体のものとして認識されるものであり、その構成中の「THINK」の文字部分のみが分離、抽出されるということはなく、他に構成中の「THINK」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情を見いだすこともできないから、申立人の上記主張は、採用することができない。
(2)引用商標
引用商標1は、前記第2の1のとおり、「THINK PAD」の文字からなるところ、「THINK」及び「PAD」の間に1文字分のスペースを有しているとしても、同じ書体でまとまりよく表されているもので、視覚上一体的に看取されるものであり、いずれかの文字部分が看者の注意を引くような構成とはなっていない。
また、その構成文字全体から生ずる「シンクパッド」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、「THINK PAD」の文字は、全体で特定の意味合いを有する語として、一般的な辞書等に載録されておらず、かつ、特定の意味合いをもって親しまれているような事情も見いだせない。
そうすると、引用商標1は、その構成文字全体をもって、特定の観念を生じない一体不可分の造語を表したものとして認識、把握されるとみるのが相当である。
また、引用商標2ないし14は、前記第2の2ないし14のとおり、いずれも語頭に「THINK」の文字を有するが、それに続く文字も、同一の書体、同一の大きさ、同じ間隔で書され、商標全体として、まとまり感のある一体的な構成態様で表されており、特に「THINK」の文字部分が看者の注意を引くような構成にはなっていない。
さらに、引用商標2ないし14は、その構成文字全体としては、いずれも特定の意味合いを想起させない造語を表したものと理解されるから、特定の観念は生じないものというのが相当である。
してみると、引用商標2ないし14は、その構成全体が一体不可分のものであって、それぞれの構成文字全体に相応した称呼のみを生じ、いずれも特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標を比較すると、両商標は、その構成要素中に「THINK」の文字を含んでいるとしても、他の構成要素において判然とした差異を有しており、この差異が両者の外観に与える影響は大きく、全体から受ける視覚的印象において明らかな差異を有するものであるから、これを時と所を異にして離隔的に観察するも、外観において相紛れるおそれはないものである。
また、本件商標と引用商標は、上記(1)及び(2)のとおり、いずれも全体としてまとまりよく一体的に表されているものであるから、このまとまりよく表現されている構成から、殊更、「THINK」の文字部分のみを分離抽出して、単に「シンク」の称呼をもって取引に供されることはなく、それぞれの構成文字全体に相応した称呼のみを生ずるとみるのが相当である。
さらに、観念においては、両商標は、いずれも特定の観念を生じないから、観念において比較することができない。
したがって、本件商標と引用商標とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
その他、本件商標と引用商標とが類似するというべき理由は見いだせない。
してみれば、本件商標は、その指定商品中に引用商標の指定商品と同一又は類似の商品が含まれているとしても、上記のとおり引用商標と非類似の商標であるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものといえない。
3 商標法第4条第1項第15号について
上記2(3)のとおり、本件商標と引用商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであり、また、上記1のとおり、申立人の提出に係る証拠において、引用商標がパーソナルコンピュータ等に使用し、「THINK」シリーズとして広く知られているともいい難いものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
4 むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものではなく、その登録は、同項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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