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商標無効審判

2024-890024

ブッケンイチバ

審判番号
2024-890024
法域
商標
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
商願2019-129285
登録番号
6337733
請求日
2024年05月16日
審決日
2025年03月04日
公報発行日
2025年06月27日
結論
請求成立(無効)
当事者
  • 【請求人】株式会社 物件市場
  • 【請求人代理人】福田 信雄
  • 【被請求人】株式会社 物件市場
審判長/審判官
  • 審判長 旦 克昌
  • 審判官 小林 裕子
  • 審判官 真鍋 伸行
分類
T112 .261-Z (W36)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法4条1項15号商標法46条1項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第6337733号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 登録第6337733号の指定役務中、第36類「全指定役務」についての登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6337733号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおり、「物件いちば」の文字を黄土色で書してなり、令和元年9月18日に登録出願、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,建物又は土地の売買に関する情報の提供」を含む第35類ないし第37類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同2年9月24日に登録査定、同3年1月7日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 請求人が、本件商標の登録の無効の理由において、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するとして引用する登録第5999974号商標(以下「引用商標」という。)は、「物件市場」の漢字を標準文字により表してなり、平成29年4月10日に登録出願、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,建物又は土地の情報の提供,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介」を指定役務として、同年12月1日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。 第3 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、商標法第4条第1項第11号又は同項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号により、その登録は無効とされるべきである。 2 本件商標登録を無効とすべき事由 (1)商標法第4条第1項第11号について ア 両商標の類否について (ア)本件商標について 本件商標は、漢字及び平仮名で「物件いちば」と書してなるものであるから、これより「ブッケンイチバ」との称呼を生ずる。 また、本件商標中「物件」の文字部分は、「物品,品物」を意味する文言で、本件指定役務との関係でいえば「契約などの対象としての不動産」を意味する文言であり、本件商標中「いちば」の文字部分は、「人が集まり商いを行う場所」を意味する文言である。 よって本件商標全体では、「不動産の売買・賃貸を行う場所」といった観念を生ずる。 (イ)引用商標について 引用商標は、漢字で「物件市場」と書してなるものであるから、これより「ブッケンイチバ」との称呼を生ずる。 また、引用商標中「物件」の文字部分は、「物品,品物」を意味する文言で、本件指定役務との関係でいえば「契約などの対象としての不動産」を意味する文言であり、引用商標中「市場」の文字部分は、「人が集まり商いを行う場所」を意味する文言である。 よって引用商標全体では、「不動産の売買・賃貸を行う場所」といった観念を生ずる。 (ウ)小括 したがって、本件商標と引用商標とは、外観が相違するとしても「ブッケンイチバ」の称呼及び「不動産の売買・賃貸を行う場所」の観念を共通にする類似の商標である。 イ 指定役務の類否について 本件商標の指定役務中、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供,建物又は土地の売買に関する情報の提供」と、引用商標の指定役務中、第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,建物又は土地の情報の提供,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介」とは、同一又は類似のものである。 ウ 結論 以上のとおり、本件商標は、当該商標登録出願の日前の商標登録出願に係る他人の登録商標又はこれに類似する商標であって、その商標登録に係る指定役務又はこれらに類似する役務について使用をするものであることから、商標法第4条第1項第11号に該当し、同法第46条第1項第1号の無効理由を有する。 (2)商標法第4条第1項第15号について ア 出所混同について 本件商標と引用商標とは、上記(1)のとおり、同一又は類似のものである。そして、引用商標は、請求人である栃木県小山市所在の株式会社物件市場が「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,建物又は土地の情報の提供,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介」(以下「請求人役務」という。)について使用し、自己の業務に係る役務を表示するものとして、本件商標の出願前から需要者の間に広く認識されているものである。 そうすると、本件商標をその指定役務について使用するときは、これに接する需要者は、その役務が、請求人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の役務であると誤認し、その役務の需要者が役務等の出所について混同するおそれがある。 イ 結論 以上のとおり、本件商標は、他人の業務に係る役務と混同を生ずるおそれがある商標であることから、商標法第4条第1項第15号に該当し、同法第46条第1項第1号の無効理由を有する。 3 むすび したがって、本件商標登録は、商標法第4条第1項第11号、又は同項第15号に違反してされたものであるから、同法第46条第1項の規定により、無効とすべきである。 第4 被請求人の答弁 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べた。 1 答弁の理由 本件商標は、漢字及び平仮名で「物件いちば」と書してなるもので、一般的な呼称は「ブッケンイチバ」と生ずるものである。一方、引用商標は漢字で「物件市場」と記して、一般的には「ブッケンシジョウ」とも「ブッケンイチバ」とも呼称できるものであり、称呼により別の概念を生ずる商標であって、概念を共通する商標とは言い難いと思うのが、通常である。 第5 当審の判断 請求人が本件審判を請求するにつき、利害関係については何ら争っておらず、また、当審は請求人が本件審判を請求する利害関係を有するものと認める。 以下、本案について判断する。 1 引用商標の周知性について 引用商標は、上記第2のとおり、「物件市場」の漢字を標準文字により表してなるところ、請求人は、請求人が引用商標を請求人役務に使用し、引用商標が我が国の需要者に広く知られていたことを認めるに足りる事実を証する証拠について、何ら提出していないことから、引用商標が我が国の需要者にどの程度認識されているのかについて、客観的な評価をすることができない。 その他、引用商標の周知性を認め得る事情は見いだせない。 したがって、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が請求人の業務に係る役務(請求人役務)を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。 2 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標と引用商標との類否について ア 本件商標について 本件商標は、別掲のとおり、黄土色で「物件いちば」の文字を横書きしてなるところ、外観上、文字種の違いから「物件」の漢字と「いちば」の平仮名とを結合してなるものと容易に看取されるものである。 そして、本件商標の構成中「物件」の文字は「物品。品物。土地・建物など、不動産をもいう。」(広辞苑 第七版)等の意味を有する語であり、「いちば」の文字は「1 毎日または定期に商人が集まって、商品の売買を行う場所。2 常設の設備があって、おもに日用品・食料品を販売する所。しじょう。マーケット。」などの意味を有する「市場」の語に通じるものとして、我が国で広く親しまれた平易な語といえるものである。 また、「物件」の文字は、本件商標の第36類に属する指定役務との関係においては、「土地・建物などの不動産」を意味するものと認識されるというのが自然であることから、本件商標に接する取引者、需要者は、その構成全体から「土地・建物などの不動産の販売をする場所」程の意味合いを容易に認識できるものである。 そうすると、本件商標は、その文字に相応して「ブッケンイチバ」の称呼及び「土地・建物などの不動産の販売をする場所」程の観念を生じるものである。 イ 引用商標について 引用商標は、「物件市場」の漢字を標準文字で表してなるところ、その構成中「物件」及び「市場」の語は、我が国で広く親しまれた平易な語といえるものであるから、引用商標は、両語を結合してなるものと容易に看取されるものである。 そして、引用商標の構成中「物件」の文字は「物品。品物。土地・建物など、不動産をもいう。」(広辞苑 第七版)の意味を有する語であり、「市場」の文字は「1 毎日または定期に商人が集まって、商品の売買を行う場所。2 常設の設備があって、おもに日用品・食料品を販売する所。しじょう。マーケット。」などの意味を有する「いちば(市場)」の語に、あるいは、「1 売手と買手が特定の商品を規則的に取引する場所。魚市場・卸売市場・証券取引所など。いちば。具体的市場。2 広義には、一定の場所・時間に関係なく相互に競合する無数の需要・供給間に存在する交換関係をいう。国内市場・国際市場・労働市場など。抽象的市場。マーケット。」などの意味を有する「しじょう(市場)」の語に通じるものとして、我が国で広く親しまれた語といえるものである。 また、「物件」の文字は、引用商標の第36類に属する指定役務との関係においては、上記アと同様、「土地・建物などの不動産」を意味するものと認識されるというのが自然であり、「市場」の文字は、上記のとおり、「いちば(市場)」と「しじょう(市場)」の辞書上の項目において詳細な説明ぶりは異なるものの、概ね「商品等を販売(取引)する場所」を表すものとされており、さらに「いちば」と「しじょう」の語は同義で用いられる場合があることも説明されていることから、引用商標に接する取引者,需要者は、その構成全体から「土地・建物などの不動産の販売をする場所」程の意味合いを容易に認識できるものである。 そうすると、引用商標は、その文字に相応して「ブッケンイチバ」又は「ブッケンシジョウ」の称呼及び「土地・建物などの不動産の販売をする場所」程の観念を生じるものである。 ウ 小括 したがって、本件商標と引用商標とは、外観が相違するとしても、「ブッケンイチバ」の称呼を共通にする場合があり、また、「土地・建物などの不動産の販売をする場所」の観念を共通にするものであるから、両者の外観、称呼及び観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考慮すれば、両者は相紛れるおそれのある類似の商標である。 (2)本件商標の指定役務と引用商標の指定役務との類否について 本件商標の指定役務中第36類に属するすべての役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似するものである。 (3)まとめ 以上からすると、本件商標と引用商標とは、互いに相紛れるおそれのある類似の商標であり、かつ、本件商標の指定役務中第36類に属するすべての役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似するものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 3 商標法第4条第1項第15号の該当性について (1)引用商標の周知性について 上記1のとおり、引用商標が請求人の業務に係る役務(請求人役務)を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。 (2)本件商標と引用商標の類似性の程度について 上記2(1)のとおり、本件商標と引用商標とは、類似の商標であるから、類似性の程度は高いものである。 (3)本件商標の指定役務と請求人役務の関連性及び需要者の共通性について 本件商標の指定役務中第36類に属するすべての役務と請求人役務は、いずれも不動産に関連する役務であるから、両者の関連性は高く、また、その需要者は共通する。 (4)引用商標の独創性について 上記2(1)イのとおり、引用商標は、その構成する「物件」及び「市場」の語が我が国で広く親しまれた語であって、平易な漢字が組み合わされたものであるから、独創性が高いとはいえないものである。 (5)出所の混同のおそれについて 本件商標と引用商標とは、両商標の類似性の程度及び本件商標の指定役務と請求人役務の関連性は高く、これらの役務の需要者は共通にするとしても、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、請求人の業務に係る役務(請求人役務)を表示するものとして、全国的であるなどの広範囲にわたる需要者の間に広く認識されていたと認められないものであり、また、引用商標の構成は、辞書に掲載されている「物件」及び「市場」という我が国で親しまれた平易な語の組み合わせであり、独創性が高いとはいえないことからすれば、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定役務について使用しても、需要者が請求人もしくは引用商標を連想又は想起することはなく、その役務が他人(請求人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないとみるのが相当である。 その他、本件商標が、引用商標との関係において、出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 4 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しないとしても、同項第11号に該当するものであるから、その登録は同号に違反してされたものであって、同法第46条第1項の規定により、無効とすべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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