審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
商標無効審判

2024-890020

ゲルマ、ジェルマ、ジャーマ

審判番号
2024-890020
法域
商標
審判種別
無効審判(無効の審決)
出願番号
商願2023-001470
登録番号
6710149
請求日
2024年04月11日
審決日
2024年09月05日
公報発行日
2025年03月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】イーザルケア ホールディング ゲーエムベーハー
  • 【請求人代理人】弁理士法人浅村特許事務所
  • 【被請求人】株式会社 浅井ゲルマニウム研究所
  • 【被請求人代理人】麦島 隆
審判長/審判官
  • 審判長 大森 友子
  • 審判官 清川 恵子
  • 審判官 白鳥 幹周
分類
T112 .4 -Y (W0305) / T112 .271-Y (W0305)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項15号商標法8条1項商標法46条1項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第8条第1項、商標法第4条第1項第15号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第6710149号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6710149号商標(以下「本件商標」という。)は、「ゲルマ」の片仮名及び「GERMA」の欧文字を上下二段に横書きした構成からなり、令和5年1月10日に登録出願、別掲のとおりの第3類及び第5類の商品並びに第1類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年5月15日に登録査定され、同年6月21日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 請求人が、本件商標の登録の無効の理由として引用する国際登録第1647594号商標(以下「引用商標」という。)は、「GermaCare」の欧文字を横書きした構成からなり、2022年(令和4年)5月31日に国際商標登録出願(事後指定)、第3類「Non-medicinal preparations for body and beauty care, especially skin creams.」及び第5類「Pharmaceutical products, in particular medicated skin creams.」を指定商品として、令和5年9月22日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。 第3 請求人の主張 請求人は、本件商標の指定商品中、第3類「全指定商品」及び第5類「全指定商品」についての登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、商標法第8条第1項及び同法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号の規定により、本件商標の指定商品中、第3類「全指定商品」及び第5類「全指定商品」(以下「請求に係る商品」という。)についての登録を無効とすべきである。 2 具体的理由 (1)商標法第8条第1項について 本件商標は、片仮名「ゲルマ」を上段に、欧文字「GERMA」を下段に、それぞれ配しているのに対して、引用商標は、欧文字「Germa」と「Care」を横書きに表示して、それぞれ「G」と「C」は大文字で構成されている。ここで、欧文字「Germa」又は「GERMA」は特定の観念を想起させない言葉であるのに対して、後半部分である欧文字「Care」は「人の世話・介護・ケア、注意、保護」等を意味するごく初歩的な英単語であると共に、例えば「スキンケアをする。」「患者をケアする。」「お年寄りをケアする。」「赤ちゃんのケアをする。」のように「Care(ケア)」は日本語の日常生活に定着して使用されているごく自然な言葉であることは明らかである。このため、引用商標は「ゲルマで」又は「ゲルマを用いて」ケアするという意味合いを想起することとなる。 そうすると、引用商標の指定商品との具体的関係においては、引用商標の後半部分「Care」は商品の機能や用途を示す記述的な表現にとどまり、「Germa」が要部として一般の取引者・消費者に強く認識されるから、本件商標「ゲルマ/GERMA」と引用商標は類似する商標である。 請求に係る商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品の関係にある。 本件商標の出願日は令和5年1月10日、先願権発生日は同日であるのに対して、引用商標の事後指定日は同4年(2022年)5月31日、先願権発生日は同日であるから、請求人は商標法第8条第1項に規定される「最先の商標登録出願人」に該当する。 そうすると、本件商標は、商標法第8条第1項に違反して登録がされたものである。 (2)商標法第4条第1項第15号について 本件商標と引用商標は「GERMA」と「Germa」の部分において共通するうえ、引用商標の後半部分「Care」は引用商標の指定商品との具体的関係においては、商品の機能や用途を示す記述的な表現にとどまる。このため引用商標に近似する本件商標が請求に係る商品に使用された場合には、それに接する取引者・消費者が請求人の業務に係る商品であると誤認し、商品の出所について混同するおそれがあるのみならず、請求人と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品等であると誤認し、商品の出所について混同するおそれがある。 そうすると、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録がされたものである。 第4 被請求人の主張 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第34号証を提出した。 1 商標法第8条第1項について (1)本件商標 本件商標は、下段に標記された「GERMA」の欧文字と、その上段に表記された「ゲルマ」の片仮名とが上下二段に横書きされた構成である。また、「GERMA」の欧文字は一般的な辞書に掲載がない造語であり、特定の観念がない。 欧文字「GERMA」は、英語風に発音すれば「ジャーマ」と読めなくもないが、本件商標の構成では、「GERMA」の上段に「ゲルマ」という片仮名が一つの視界に入るのであり、取引者、需要者が、一見して発音可能な片仮名を無視して英単語として存在しない「GERMA」をわざわざ「ジャーマ」と読むことは非常に考えにくい。 よって、本件商標の自然な称呼は、片仮名の読みに照らして「ゲルマ」である。 (2)引用商標 引用商標は、欧文字で横書きされた「GermaCare」という構成である。そして、全ての文字が同じ書体及び同じ大きさであり、文字間隔も均等でまとまりがある。 前半の「Germa」の部分が一般的な辞書に掲載のない特定の観念のない造語であることは上記のとおりであるが、それに続く「Care」は、請求人の主張のとおり「人の世話・介護・ケア、注意、保護」等を意味するごく初歩的な英単語と考えられる。そうすると、前半部分の「Germa」も英語風に読むのが通常であり、「G」が大文字であること、並びに、取引において引用商標の権利者が提供する商品の製造者又は販売者を確認する際、その国籍、住所である「Germany」あるいは「Munchen」を目にすることもあることを考慮すると、前半の「Germa」からごく初歩的な英単語である「ドイツの、ドイツ人の、ドイツ風の」を意味する「German」を連想させる。 よって、引用商標「GermaCare」に接する取引者、需要者はまず「ジャーマケア」という称呼を想起するのが通常であると考えられる。 上記のように、「Germa」は特定の観念のない造語であり、それに続く「Care」の文字が前半の「Germa」と同じ書体、同じ大きさ、均等の文字間隔で連なっているとともに、「ケア」という僅か2音の読みを発生させる構成であることから、「GermaCare」全体も一体不可分の特定の観念のない造語とみるべきである。 そうすると、引用商標に接する取引者、需要者が、このまとまりのある「GermaGare」を、「Germa」のみに着目して「ジャーマ」と略称して取引することは考えられない。 よって、引用商標からは「ジャーマケア」の称呼のみが生じるとみるべきである。 仮に、「GermaCare」という欧文字のみからなる表記を「ゲルマケア」と称呼したとしても、外観上まとまりがある僅か5音の短い発音の表記であることに変わりなく、そこからわざわざ「Germa」のみを抽出し、取引者、需要者が「ゲルマ」と略称することは考えられない。この点は、上記の「ジャーマケア」と発音する場合と同様である。 (3)本件商標と引用商標の類否 上記のとおり、本件商標は「GERMA」に片仮名「ゲルマ」を併記した態様であるのに対し、引用商標は、「GermaCare」という同じ書体、同じ大きさ、同じ文字間隔のまとまりのある一体の表記である。 よって、外観上両者は明確に区別でき、相紛れるおそれは一切ない。 観念については、両者はいずれも造語であり、特定の観念を生じない。 称呼については、本件商標は、上記のように片仮名の読みに即して「ゲルマ」のみの称呼が生じ、引用商標は、「ジャーマケア」のみの称呼が生じる。 よって、両者は称呼においても相紛れるところがない。 仮に、引用商標から「ゲルマケア」という称呼が生ずると解釈する場合であっても、本件商標の「ゲルマ」という称呼と比較すると、前者が5音、後者が3音と、2音の差がある。2音の差は、前者の音数の4割に相当する音数であり、「Care」の称呼である「ケア」の有無が全体に及ぼす影響は大きく、両者は称呼上明確に区別できる。 以上より、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれにおいても非類似である。 なお、請求人は、「Care(ケア)は、日本語の日常生活に定着して使用されているごく自然な言葉である」ことから、引用商標の指定商品との具体的関係において、「Care」の部分が記述的表現に留まり、前半部分の「Germa」が要部となる」旨主張するが、上記のとおり、引用商標が「GermaCare」という同じ書体、同じ大きさ、同じ文字間隔のまとまりのある一体の表記で、全体として造語と解釈できることと、音数が5音という短いこととを考慮した場合に、「Care」の部分を捨象して「Germa」の部分のみを抽出して取引に資することは考えられない。 (4)審決例等について ア 「ゲルマ」「GERMA」とそれらに2音の短い文字を付加した商標との類否は非類似と判断されている(乙2)。 イ 「化粧品」等の指定商品との関係において「care」が品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得ないと判断されている(乙6)。 ウ 乙第9号証ないし乙第34号証は、第3類及び第5類の指定商品について、商標構成中の文字の後半部分に「○○○○Care」の文字を有する登録例と前半部分の「○○○○」の文字とが同一又は類似の文字構成からなる登録例に関するものであり、各審査において両者は非類似と判断されている。すなわち、「Care(ケア)」を含めた一連の称呼が採用され、その前半部分を要部として抽出していない。 2 商標法第4条第1項第15号について 本件商標と引用商標とは、上記のように全く相紛れるおそれのない非類似の商標である。 しかも、請求人は、引用商標の周知性を示す証拠を全く提出しておらず、本件商標の登録出願時及び登録査定時のいずれにおいても、我が国の需要者に引用商標の周知性がどの程度認識されていたか全く不明である。 念のため、被請求人がインターネットで調査したところでは、引用商標が日本において使用された事実さえ把握できなかった。 このような事実に鑑みれば、本件商標の請求に係る商品への使用が、請求人の業務に係る商品であると誤認し、あるいは、その商品が請求人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混合を生じるおそれなど全くない。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 第5 当審の判断 請求人が本件審判を請求するにつき、被請求人は利害関係については何ら争っておらず、また、当審は請求人が本件審判を請求する利害関係を有するものと認める。 以下、本案について判断する。 1 商標法第8条第1項について (1)本件商標 本件商標は、「ゲルマ」の片仮名及び「GERMA」の欧文字を上下二段に横書きした構成からなるところ、上段の「ゲルマ」の片仮名は、下段の「GERMA」の欧文字の読みを表したものと容易に理解されるものであり、欧文字の表音として自然なものといえるから、その構成文字に相応して「ゲルマ」の称呼を生ずるものである。 そして、「GERMA」の欧文字は、一般的な辞書等に掲載のないものであって、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語といえるものである。 そうすると、本件商標は、「ゲルマ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 (2)引用商標 引用商標は、「GermaCare」の欧文字を横書きした構成からなるところ、その構成態様から「Germa」の文字と「Care」の文字を結合したものと認識されることがあるとしても、その構成は、同じ大きさ、同じ書体で、等間隔にまとまりよく一体的に表されており、当該文字に相応して生じる「ゲルマケア」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。 また、構成中の「Care」の文字は、「人の世話、介護、ケア」等の意味を有する既成の英単語である一方、「Germa」の文字は、上記1と同様に、特定の観念を生じないものであるから、全体として特定の意味合いを認識させるとはいえない。 そうすると、引用商標のかかる構成及び称呼において、引用商標は、その構成文字全体をもって特定の観念を生じない一体不可分の造語を表したものとして認識、把握されるとみるのが相当である。 したがって、引用商標からは、「ゲルマケア」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないというべきである。 なお、請求人は、引用商標構成中の「Care」の文字は、「人の世話、介護、ケア」等の意味を有し、引用商標の指定商品との関係で商品の機能等を示す記述的な表現であるから、「Germa」が商標の要部となる旨、主張する。 しかしながら、「Care」の文字が「人の世話、介護、ケア」等の意味を有する語であるとしても、引用商標は上記のとおり、一体不可分の造語を表したものとして認識し、把握されるというのが相当であり、これに接する取引者、需要者は、殊更に「Germa」の文字部分に着目することはないというべきである。 したがって、請求人の主張は採用できない。 (3)本件商標と引用商標との類否について 本件商標と引用商標は、上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ、両者は片仮名の有無、欧文字部分について大文字のみからなるものと大文字と小文字からなるものといった相違及び「Care」の文字の有無において明らかに異なるものであるから、外観上、明確に区別できるものである。 次に、称呼を比較すると、本件商標と引用商標は、「ゲルマ」の音を共通にするとしても、「ケア」の音の有無で相違し、その構成音が3音又は5音と比較的短い音構成においては、該「ケア」の音の有無の相違が称呼全体に与える影響は少なくなく、これらを一連に称呼しても語調語感が明らかに異なるから、称呼上、明瞭に聴別されるものである。 また、観念については、両者とも特定の観念を生じないから、観念上、比較することができない。 そうすると、本件商標と引用商標は、観念において比較できないとしても、その外観及び称呼において明らかに異なるものであるから、これらを総合して判断すると、両者は相紛れるおそれのない、非類似の商標というのが相当である。 (4)小括 以上のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、両商標の指定商品が同一又は類似のものであって、引用商標が最先の出願であるとしても、本件商標は、商標法第8条第1項に該当しない。 2 商標法第4条第1項第15号について 請求人は、本件商標が請求に係る商品に使用された場合には、それに接する取引者・消費者が請求人の業務に係る商品であると誤認し、商品の出所について混同するおそれがあるのみならず、請求人と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品等であると誤認し、商品の出所について混同するおそれがある旨主張している。 しかしながら、上記1のとおり、本件商標と引用商標とは、十分に区別し得る別異の商標であり、また、請求人は、引用商標を付した請求人の業務に係る商品の販売実績、宣伝広告の時期、規模、地域、広告宣伝費など、引用商標の周知性を判断するための証拠を何ら提出していないから、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標が請求人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者にどの程度認識されているのか把握、評価することができないものである。 よって、引用商標が、請求人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。 そうすると、本件商標は、その指定商品中の請求に係る商品について使用しても、これに接する取引者、需要者に引用商標を連想又は想起させるということはできず、その商品が他人(請求人)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれもないといわざるを得ない。 その他、本件商標が商品の出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 3 まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、請求に係る商品について、商標法第8条第1項及び同法第4条第1項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえず、同法第46条第1項の規定により、無効とすることはできない。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2024-890020

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存