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商標異議申立

2024-685021

モティバ、モチバ

審判番号
2024-685021
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
—
請求日
2024年10月17日
審決日
2025年03月13日
公報発行日
2025年06月27日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】DAVANTI TYRES LIMITED
  • 【異議申立人】TOYO TIRE株式会社
  • 【異議申立人代理人】森下 賢樹
  • 【異議申立人代理人】村田 雄祐
審判長/審判官
  • 審判長 山田 啓之
  • 審判官 杉本 克治
  • 審判官 渡邉 あおい
分類
T1651.261-Y (W12) / T1651.262-Y (W12) / T1651.263-Y (W12)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

国際登録第1757018号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

国際登録第1757018号商標の商標登録を維持する。

理由

1 本件商標 本件国際登録第1757018号商標(以下「本件商標」という。)は、「MOTIVA」の欧文字を書してなり、2023年(令和5年)3月30日に英国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張して、同年9月18日に国際商標登録出願、第12類「Tyres; solid, semi-pneumatic and pneumatic tyres, rims and covers for vehicle wheels of all kinds.」を指定商品として、令和6年7月12日に登録査定、同年8月9日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5393251号商標(以下「引用商標」という。)は、「Motivo」の文字を標準文字で表してなり、平成22年8月26日に登録出願、第12類「自動車並びにその部品及び附属品」を指定商品として、同23年2月25日に設定登録され、その後、指定商品については、同28年3月18日に、第12類「自動車並びにその部品及び附属品(但し自動車用タイヤ,自動車用チューブ,自動車用ホイールを除く。)」について、一部放棄による一部抹消の申請がなされた結果、一部抹消の登録がされたものであり、その商標権は、現に有効に存続しているものである。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標の登録は商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものであるから取り消すべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第23号証を提出した。 (1)本件商標 本件商標は、通常書体の欧文字で「MOTIVA」と横書きした構成からなるところ、この「MOTIVA」の語は、英和辞典に載録されていないが、商標権者が英国法人であること、近いスペリングからなる「motive」(モーティブ)という英単語があることなどから、「モーティバ」又は「モティバ」という称呼が生じ、観念については、英和辞典に載録されていないため、特定の観念を想起させない造語として認識、把握される。 (2)引用商標 引用商標は、標準文字で「Motivo」と横書きしてなるところ、上記(1)の本件商標と同様に、引用商標からは、「モーティボ」又は「モティボ」という称呼が生じ、観念については、こちらも英和辞典に載録されていないため、特定の観念を想起させない造語として認識、把握される。 (3)本件商標と引用商標の類否について 両商標は、どちらも6文字の欧文字からなり、各商標の末尾の「A」と「o」の1文字のみ相違するが、「MOTIV」及び「Motiv」の5文字を共通にするため、両商標は外観上、一定程度近似した印象を与えるものである。 次に、本件商標から生じる「モーティバ」の称呼と引用商標から生じる「モーティボ」の称呼を比較すると、両称呼は共に長音を含む4音よりなり、末尾の「バ」と「ボ」の音の差異を有するのみで、他の3音を共通にする。差異音の「バ」と「ボ」は、「バ」が両唇を合わせて破裂させる有声子音「b」と母音「a」との結合した音で、舌全体を下げ、口を大きく開いて発するもので、「ボ」も両唇を合わせて破裂させる有声子音「b」と母音「o」との結合した音で、「ボ」は「ア」の口をもとに、その両唇をつぼめるようにして軟口蓋を通って発するため、顎角の開きが十分でないときには相紛れやすい音で、その調音の位置及び方法において極めて近い関係にある。そのため、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が相似たものとなり、当該差異が称呼全体に及ぼす影響は小さく、互いに聞き誤るおそれがあると考えるのが自然である。これは、本件商標から生じる「モティバ」の称呼と、引用商標から生じる「モティボ」の称呼を比較した場合でも同様である。つまり、両商標は、称呼上類似する。 そして、観念については、共に特定の観念を生じないものであるから、比較することができない。 また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、どちらも「タイヤ」に関するものなので、両者の指定商品は、同一又は類似する。 以上より、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観上、一定程度近似した印象を与えるものであり、かつ、称呼において相紛らわしいものであるから、互いに類似の商標である。 (4)引用商標に係る取引実情について 引用商標「Motivo」は、我が国において平成23年(2011年)に登録されているが、我が国だけでなく、世界20の国又は地域で申立人によって商標登録が行われており、具体的には、マレーシア、メキシコ(2021年に権利消滅)、アメリカ、クウェート、パナマ、チリ、カナダ、バーレーン(2024年に権利消滅)、イギリス(2024年に権利消滅)、欧州連合(2024年に権利消滅)、オマーン、イスラエル、トルコ(2024年に権利消滅)、カタール、中国、ノルウェー(2024年に権利消滅)、コロンビア、ロシア、ブラジル、セルビアで、平成23年(2011年)から令和2年(2020年)の間に商標登録が行われている(甲3~甲22)。そして、「Motivo」ブランドの商品(タイヤ)は現在も世界で販売が行われている(甲23)。 こうした状況とあいまって、引用商標の指定商品分野である「タイヤ」関連商品に本件商標を使用すると、引用商標と出所の混同が生じる可能性を否定することはできない。 (5)小括 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について ア 本件商標について 本件商標は、上記1のとおり、「MOTIVA」の欧文字を書してなるところ、当該文字は、辞書類に載録された既成語ではないから、我が国において親しまれた英語読み又はローマ字読みに倣って発音されるとみるのが相当である。そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して「モーティバ」又は「モティバ」の称呼を生じ、当該文字からは、特定の観念を生じないものと認められる。 イ 引用商標について 引用商標は、上記2のとおり、「Motivo」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、辞書類に載録された既成語ではないから、本件商標と同様に、その構成文字に相応して「モーティボ」又は「モティボ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものと認められる。 ウ 本件商標と引用商標の類否について 本件商標を構成する「MOTIVA」の文字と引用商標を構成する「Motivo」の文字とを比較すると、本件商標は、全て大文字で表してなるのに対し、引用商標は、語頭だけを大文字で表し、それに続く文字は、小文字で表してなる点が異なり、また、両者は、語尾における「A」と「o」の文字において差異を有するものである。そして、いずれも6文字という少ない文字構成からなる両商標において、これらの差異が両者の外観全体の視覚的印象に与える影響は大きく、両者は、外観において相紛れるおそれのないものである。 また、本件商標から生じる「モーティバ」又は「モティバ」の称呼と引用商標から生じる「モーティボ」又は「モティボ」の称呼を比較すると、いずれも4音又は3音からなる音構成の中で語尾における「バ」と「ボ」の音に差異を有するものであって、短い音構成においてこの差異が両称呼全体の語調語感に及ぼす影響は大きく、両者は、それぞれ一連に称呼しても、聞き誤るおそれのないものである。 そして、観念においては、本件商標及び引用商標ともに、特定の観念を生じないものであるから、両者は、観念において比較することができない。 エ 小括 以上によれば、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、相紛れるおそれのない非類似の商標であるというべきものである。 したがって、本件商標と引用商標の指定商品が同一又は類似であるとしても、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)申立人の主張 申立人は、引用商標は、我が国だけでなく、世界20の国又は地域で商標登録され、申立人の業務に係るタイヤが世界で販売されていることから、「タイヤ」関連商品に本件商標を使用すると出所の混同を生じる旨主張している。 しかしながら、当該商標登録の存在及び申立人の業務に係るタイヤが世界各地で販売されていることをもって、引用商標が需要者の間に広く認識されているとはいい難く、また、引用商標が申立人の業務に係るタイヤについて使用して、需要者の間において広く認識されているとする具体的な証拠の提出もないから、当該申立人の主張を採用することができない。 (3)むすび 以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

審決本文(J-PlatPat)

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