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商標異議申立

2024-685020

ハイスポート、ハイスポルト、ハイスポーツ

審判番号
2024-685020
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
—
請求日
2024年10月16日
審決日
2025年07月09日
公報発行日
2025年09月26日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】HIGH SPORT, LLC
  • 【異議申立人】ハイ-イント エス.エー.
  • 【異議申立人代理人】瀧野 文雄
  • 【異議申立人代理人】江成 文恵
  • 【異議申立人代理人】加藤 智子
  • 【異議申立人代理人】赤岩 美紀
  • 【異議申立人代理人】今井 貴子
審判長/審判官
  • 審判長 大橋 良成
  • 審判官 馬場 秀敏
  • 審判官 板谷 玲子
分類
T1651.261-Y (W25) / T1651.262-Y (W25) / T1651.263-Y (W25)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法43条の2商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

国際登録第1764001号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

国際登録第1764001号商標の商標登録を維持する。

理由

1 本件商標 本件国際登録第1764001号商標(以下「本件商標」という。)は、「HIGH SPORT」の文字を横書きしてなり、2023年(令和5年)10月31日に国際商標登録出願、第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、令和6年8月28日に登録査定され、同年9月27日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立人が引用する商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する国際登録第918526号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、2006年(平成18年)8月25日にBeneluxにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2007年(平成19年)2月19日に国際商標登録出願、第18類及び第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成20年9月19日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第48号証を提出した。 (1)本件商標について 本件商標は、「HIGH」と「SPORT」の欧文字を同一書体で横書きしてなるところ、「HIGH」の欧文字と「SPORT」の欧文字との間には、若干の空間(スペース)があることから、両者は外観上分離して看取されるものというべきである。 また、本件商標の構成中「HIGH」の欧文字は「高い」を意味する平易な英単語として、「SPORT」の欧文字は「運動(スポーツ)」の意味を有する平易な英単語として、いずれも一般に広く親しまれているものである一方、「HIGH SPORT」の語は、特段の意味を有しない造語であることからすると、本件商標は「HIGH」と「SPORT」の文字とに観念的なつながりがあるともいえない。 そして、本件商標の指定商品は、いずれも被服関係の商品であるところ、多くのファッションブランドでは、自己のブランド名で展開している通常の街着等の被服に加え、「自己のブランド名+SPORT(S)」の商標等を使用するなどして、スポーツラインと呼ばれる、運動用又は運動に適した被服を同時に販売することが頻繁に行われている実情が見受けられることからすれば(甲6~甲8)、本件商標の構成中、「SPORT」の文字部分は、これに接する取引者、需要者において、「○○ブランドのスポーツライン」ほどの意味合いを認識させるにすぎず、本件商標の指定商品との関係において、その商品の品質・用途又は特徴等を表示するものといえ、自他商品の識別標識としての機能を有しないか、又は、その機能が極めて弱い部分であるといえる。 他方、本件商標の構成中、「HIGH」の文字部分は、「高い」を意味し、その指定商品との関係で「SPORT」よりも識別力が高く、取引者、需要者に対して強く支配的な印象を与えるというべきである。 そうとすると、本件商標の「HIGH」の文字部分と「SPORT」の文字部分とが、分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとは認められず、本件商標から「HIGH」の文字部分を要部として観察することは許されるというべきであり、本件商標は、要部である「HIGH」の欧文字に相応して、「ハイ」の称呼のみを生じるものであり、「高い」の観念を生じるものである。 なお、本件商標の指定商品との関係で、「SPORT」の文字部分の識別力が欠如していることは、本件商標の出願人が国際登録簿上で「SPORT」の文字について権利不要求していることからも明らかである(甲9)。 (2)引用商標について 引用商標は、その構成に相応して、「ハイ」の称呼を生ずるものであって、「高い」の観念を生ずるものである。 なお、引用商標は、「H」の欧文字の横棒と「G」の欧文字の横棒が同一線上になるように、「HIGH」の各文字を横棒で一直線に貫くようにロゴ化したものであるが、引用商標が「HIGH」の欧文字をロゴ化したものであることは容易に把握されるものであるから、これが上記称呼、観念に影響を与えることはない。 (3)本件商標と引用商標との対比 本件商標と引用商標は、それぞれ上記の構成よりなるものであるから、外観上は「SPORT」の文字の有無において異なるものである。 しかしながら、本件商標の要部である「HIGH」の文字と引用商標は、ロゴ化の程度が異なるとしても同一の構成文字からなり、外観上、近似した印象を与えるものである上、称呼及び観念を共通にするものであることから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者・需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある互いに類似の商標というのが相当である。 (4)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品中、第25類の一部の商品とは同一又は類似の商品である。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (5)特許庁における審査例 申立人の主張が正しいことは、これまでの特許庁における審査例を見ても明らかである。ある商標と、当該商標に「SPORT」又は「SPORTS」の語を結合させた結合商標とが同一の権利者又は出願人に属していることを示す登録例(甲10~甲48)は、ファッション業界においては、あるブランドと当該ブランドのスポーツラインが同一権利者により展開されている取引の実情を反映しているといえる。 (6)まとめ 前記したとおり、本件商標は、引用商標と類似であって、かつ引用商標の指定商品と同一又は類似の指定商品について使用するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について ア 本件商標 本件商標は、「HIGH SPORT」の文字を横書きしてなるところ、半角分程のスペースを介するとしても、同書、同大でまとまりよく一連に表してなるものであり、その構成文字全体から生じる「ハイスポート」の称呼も一連によどみなく称呼し得るものである。 また、本件商標は、いずれも一般に広く親しまれた、「高い」等の意味を有する「HIGH」の文字(語)と「スポーツ」等の意味を有する「SPORT」の文字(語)(いずれも、「新英和中辞典 第7版」株式会社研究社)を結合してなるものであり、本件商標の構成中の「HIGH」の文字部分が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標は、その構成文字全体をもって一体不可分のものと認識し、把握されるとみるのが相当であるから、これより「ハイスポート」の一連の称呼のみを生じるものである。 そして、本件商標は、上記意味を有する各語を結合してなるとしても、その全体として特定の意味を有するものではないから、特定の観念を生じないものである。 なお、申立人は、本件商標の構成中、「SPORT」の文字部分は、「○○ブランドのスポーツライン」ほどの意味合いを認識させるにすぎず、本件商標の指定商品との関係において、自他商品の識別標識としての機能を有しないか、又は、その機能が極めて弱い部分であるといえるため、本件商標は、「HIGH」の文字部分が要部であり、当該要部に相応して、「ハイ」の称呼及び「高い」の観念を生じるものである旨主張する。 しかしながら、特定のブランドにおいて、当該ブランド名に「SPORT(又はSPORTS)」の文字を併記して使用されている事例があることを否定するものではないが、上記の構成からなる本件商標については、親しまれた語を結合させた一体的な商標として把握されるとみるのが相当であり、「HIGH」の文字(語)が「(品質など)上等な、高級な」(前掲書)の意味を有することを踏まえればなおさら、「HIGH」の文字部分に相応する「ハイ」の称呼及び「高い」の観念をもって取引に資するとは認めることができない。 イ 引用商標 引用商標は、別掲のとおり、左側に3本の縦線、中央部に右やや上部をわずかに開口させた円弧、右側に2本の縦線を表し、それらを貫くように1本の横線を組み合わせてなるものと看取されるものであるところ、顕著な図案化により、特定の文字等を認識させないものというのが相当であるため、これからは特定の称呼及び観念は生じない。なお、申立人の主張から、引用商標から「ハイ」の称呼及び「高い」の観念を生じるというべき事情は見いだせない。 ウ 本件商標と引用商標との類否 本件商標と引用商標を比較すると、外観においては、それぞれの構成に照らし明らかな相違があることから、両者は、外観上、判然と区別し得るものである。 また、称呼においては、本件商標から「ハイスポート」の称呼が生じるのに対し、引用商標からは特定の称呼は生じないことから、両者は、称呼上、相紛れるものではない。 さらに、観念においては、本件商標及び引用商標は、ともに特定の観念を生じないから、観念上、比較することができない。 そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において相紛れることのないものであるから、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標であるというべきである。 他に、本件商標が、引用商標との関係において、出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。 エ 小括 したがって、本件商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とを比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものでなく、その登録は、同法第4条第1項の規定に違反してされたものではなく、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

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