商標異議申立
2024-685001
オップル、オップレ、オプル、オプレ
- 審判番号
- 2024-685001
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- —
- 請求日
- 2024年01月04日
- 審決日
- 2025年04月24日
- 公報発行日
- 2025年07月25日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】OPPLE LIGHTING CO., LTD.
- 【権利者代理人】弁理士法人三枝国際特許事務所
- 【異議申立人】アップル インコーポレイテッド
- 【異議申立人代理人】弁理士法人大島・西村・宮永商標特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 大島 康浩
- 分類
- T1651.261-Y (W35) / T1651.262-Y (W35) / T1651.263-Y (W35) / T1651.271-Y (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号商標法4条1項15号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号、商標法第43条の4第2項、商標法第4条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
国際登録第1698480号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
国際登録第1698480号商標の商標登録を維持する。
理由
第1 本件商標
本件国際登録第1698480号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、「OPPLE」の欧文字を横書きしてなり、第35類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、2022年(令和4年)10月28日に国際商標登録出願、2023年(令和5年)10月20日に設定登録されたものであり、その後、指定役務については、2024年(令和6年)7月1日に減縮された結果、第35類に属する別掲2のとおりの役務とされたものである。
第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する登録商標(以下、1ないし4をまとめて「引用商標A」といい、また、5及び6をまとめて「引用商標B」という。なお、これらの商標をまとめていうときは「引用商標」という。)であり、いずれも現に有効に存続している。
1 登録第3037959号商標
商標の態様:別掲3のとおり
登録出願日:平成4年9年24日
設定登録日:平成7年4月28日
指定役務:第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
2 登録第5054550号商標
商標の態様:APPLE(標準文字)
登録出願日:平成18年7月31日
設定登録日:平成19年6月15日
指定商品及び指定役務:第9類、第16類、第18類、第35類、第37類及び第40類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務
3 登録第5631909号商標
商標の態様:APPLE(標準文字)
登録出願日:平成24年5月25日
設定登録日:平成25年11月22日
指定商品及び指定役務:第7類、第10類、第11類、第14類、第16類、第17類、第35類、第38類ないし第41類及び第45類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務
4 登録第5256657号商標
商標の態様:アップル(標準文字)
登録出願日:平成20年5月15日
設定登録日:平成21年8月14日
指定商品及び指定役務:第9類、第16類、第18類、第35類ないし第38類、第40類ないし第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務
5 登録第1758671号商標
商標の態様:別掲3のとおり
登録出願日:昭和53年4月4日
設定登録日:昭和60年4月23日
指定商品:第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品(平成17年6月22日書換登録)
6 登録第3286569号商標
商標の態様:別掲3のとおり
登録出願日:平成4年9月24日
設定登録日:平成9年4月25日
指定役務:第42類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務
第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
なお、申立人は、登録異議申立書について補正できる期間(理由補充期間。商標法第43条の4第2項。)経過後に、上申書をもって、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当する旨上申するとともに、甲第5号証ないし甲第15号証を提出している。
1 引用商標の周知著名性について
申立人は、GAFAMと称されるデジタル市場の巨大企業の4つのうちの一社であり、「MacBook」、「iMac」等のパーソナルコンピュータ、スマートフォン「iPhone」、タブレット型コンピュータ「iPad」、腕時計型コンピュータ「Apple Watch」等を製造販売し、音楽・映像配信サービス「Apple Music」、映画・動画配信サービス「Apple TV」、データ保管サービス「iCloud」等を提供する米国の法人である。引用商標は、申立人の社名(AppleInc.(アップル インコーポレイテッド))にかかるハウスマークであって、申立人名称の略称にあたる。我が国において、申立人の商品・サービスは広く知られており、「APPLE」は、申立人を表示する周知・著名商標である。特許庁の「日本国周知・著名商標検索」に登録第1758671号商標及び登録第3286569号商標が掲載されている事実からも、申立人の商標「APPLE」の周知著名性が確認できる。
2 商標法第4条第1項第11号について
引用商標Aと本件商標を比較すると、本件商標は、「OPPLE」の欧文字が普通に用いられる書体からなり、引用商標1ないし引用商標3の「APPLE」とは、最初の「O」と「A」の文字以外が全て共通している。したがって、両者は外観上相紛らわしい類似商標であり、特に「PPLE」を含む単語は極めて少なく、「APPLE」と見誤る可能性は十分にある。
次に称呼についてみると、本件商標より生じる「オップル」の称呼と引用商標Aより生じる「アップル」の称呼は、語頭において「ア」と「オ」の差異音はあるが、共に短母音であり、それらが語頭にあったとしても称呼全体に及ぼす影響は小さく、互いに相紛れるおそれのある称呼上類似する商標である。また、本件商標の指定役務は引用商標Aの指定役務と共通するもので、審査上類似と判断される。
よって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
3 商標法第4条第1項第15号について
上記のとおり、「APPLE」は「Apple Inc.」の略称として周知であり、申立人は広告の配信等、第35類にかかる役務を現に提供している(甲1~甲4)。本件商標を本件指定役務に使用した場合には、「Apple Inc.」に関する役務を想起させ、申立人と何らかの関係があるかのように誤認・混同させるおそれが高いものである。
よって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
4 まとめ
したがって、本件商標は商標法商標法第4条第1項第11号及び15号に該当し、商標登録を受けることができないものであるから、本件商標登録は同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである。
第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり、「OPPLE」の欧文字を横書きにしてなる。
そして、「OPPLE」の欧文字は、辞書等に載録されている成語ではなく、直ちに何らかの意味合いを理解させるものではないから、一種の造語として認識され、欧文字からなる造語は、通常、我が国において親しまれたローマ字又は英語の読みに倣って発音するものであるから、当該文字より「オップル」の称呼を生じ、特定の観念は生じない。
(2)引用商標について
ア 引用商標1ないし引用商標3は、上記第2の1ないし3のとおり、「APPLE」の欧文字からなり、当該文字より「アップル」の称呼を生じ、観念については、「りんご」を理解させる。
イ 引用商標4は、上記第2の4のとおり、「アップル」の文字を標準文字で表してなり、当該文字より「アップル」の称呼を生じ、観念については、「りんご」を理解させる。
(3)本件商標と引用商標Aの類否について
ア 外観について
本件商標は、上記(1)のとおりの構成からなり、一方、引用商標1ないし引用商標3は、上記(2)アのとおりの構成からなるところ、「OPPLE」の文字と「APPLE」の文字とは、外観の識別上重要な要素である語頭において「O」と「A」の文字の差異を有するものであるから、たとえ「PPLE」の文字部分が共通するとしても、この差異が、比較的短い5文字という文字構成からなる両商標の外観全体の視覚的印象に与える影響は小さいとはいえないから、本件商標と引用商標1ないし引用商標3は外観上相違する。また、本件商標「OPPLE」の文字と引用商標4「アップル」の文字は文字種及びその構成態様が明らかに相違するものである。
したがって、本件商標と引用商標Aは、外観上、判然と区別し得るものである。
イ 称呼について
本件商標から生じる「オップル」の称呼と引用商標Aから生じる「アップル」の称呼とは、称呼の識別上重要な要素を占める語頭音において、「オ」と「ア」の音の差異を有するものであるから、たとえ、申立人の主張のごとく、母音「オ」は「ア」の音に近似しているとしても、相違する音の位置、全体の音数など、それらの差異が両称呼全体の語調語感に及ぼす影響は大きく、両者をそれぞれ一連に称呼しても、聞き誤るおそれはないと判断するのが相当である。
ウ 観念について
本件商標からは、特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標Aからは、「りんご」の観念を生じることから、両者は観念において相紛れるおそれはない。
エ 小括
そうすると、本件商標と引用商標Aとは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれはないから、両者の外観、称呼、観念等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は非類似の商標であって、別異の商標というべきである。
その他、本件商標と引用商標Aとが類似するというべき特段の事情は見いだせない。
以上のとおり、本件商標と引用商標Aは非類似の商標であるから、両商標の指定役務が同一又は類似する役務であるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)引用商標Bの周知性について
申立人の主張及び提出された証拠によれば、申立人は、GAFAMと称されるデジタル市場の巨大企業の4つのうちの一社であり、「MacBook」、「iMac」等のパーソナルコンピュータ、スマートフォン「iPhone」、タブレット型コンピュータ「iPad」、腕時計型コンピュータ「Apple Watch」等を製造販売し、音楽・映像配信サービス「Apple Music」、映画・動画配信サービス「Apple TV」、データ保管サービス「iCloud」等を提供する米国の法人である。
また、引用商標は、申立人のハウスマークであり、申立人名称(AppleInc.(アップル インコーポレイテッド))の略称にあたる。また、我が国において、申立人の商品・サービスは広く知られており、「APPLE」は、申立人を表示する周知・著名商標であり、特許庁の「日本国周知・著名商標検索」に登録第1758671号商標及び登録第3286569号商標が掲載されている事実からも、申立人の商標「APPLE」の周知著名性が確認できる旨主張している。
しかしながら、上記商品以外の商品及び役務については、引用商標Bの使用の態様、商標を使用した商品又は役務の我が国における市場占有率、広告宣伝の方法、範囲、回数等、周知著名性を判断するための客観的な事実を量的に把握することができる資料の提出はないから、申立人の提出に係る証拠によっては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、引用商標Bが上記商品役務以外の商品及び役務について、申立人の業務に係る商品及び役務を表示する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く知られているとはいえない。
また、申立人のハウスマーク又は略称である「APPLE」について、申立人が主張するように、当該文字が「日本国周知・著名商標検索」に掲載されているとしても、上記のとおり、申立人の提出に係る証拠において、周知著名性を判断するための客観的な事実を量的に把握することができる資料の提出はないから、引用商標Bが、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品及び役務を表示する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く知られているとはいえない。
(2)本件商標と引用商標Bの類否について
本件商標と引用商標Bとは、上記1(3)と同様に、類似するとはいえない別異の商標であるから、両者の類似性の程度は低い。
(3)出所混同のおそれ
上記のとおり、本件商標は、引用商標Bと別異の商標であるから、その指定役務と申立人の商品及び役務との関連性の程度、需要者の共通性の程度などを考慮しても、また、引用商標の周知著名性の程度に関わらず、取引者、需要者をして引用商標Bを連想又は想起させるとは考えにくく、その商品及び役務が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれはない。
(4)小括
以上のとおり、本件商標は、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標ではないから、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 申立人の提出に係る上申書について
申立人は、令和6年3月28日付け手続補正書において、申立人が、本件商標権者と放棄を含め交渉を行っていることを理由に、異議申立の審理の猶予を求めていたため、令和6年10月1日付け審尋において申立人及び本件商標権者の意見を確認したところ、令和6年10月31日付け回答書において申立人から、交渉が決裂した場合には引用商標の周知性を示す証拠を提出する旨の回答があった。
そして、令和6年11月29日付け上申書において、申立人の引用商標の周知性を示す証拠(甲5~甲15)を提出するとともに、本件商標が商標法第4条1項第15号に該当する内容の上申があったことから、本件の審理を遅延させるべき合理的な理由はないものと判断し、審理を進めることとした。
なお、当該上申書は、異議申立期間及び申立人が補正を行うことのできる期間の経過後に提出されたものであるから、これを採用することはできない。
4 むすび
以上のことから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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