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商標取消審判

2024-300837

ガレナ

審判番号
2024-300837
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2015-000436
登録番号
5761601
請求日
2024年11月11日
審決日
2025年07月15日
公報発行日
2025年10月31日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社 パトラ
  • 【請求人代理人】弁理士法人藤本パートナーズ
  • 【被請求人】株式会社 G.O.A.T
  • 【被請求人代理人】弁理士法人タナベ・パートナーズ国際特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 大橋 良成
  • 審判官 板谷 玲子
  • 審判官 富澤 哲生
分類
T132 .1 -Y (W25)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第2号、商標法第2条第3項第8号、商標法第2条第3項、商標法第50条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第5761601号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第5761601号商標(以下「本件商標」という。)は、「GALENA」の欧文字と「ガレナ」の片仮名を2段に表してなり、平成27年1月6日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,キャミソール,ティーシャツ,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ナイトキャップ,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。)」を指定商品として、同年5月1日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。 そして、本件審判の請求の登録は、令和6年11月26日にされたものであり、この登録前3年以内の期間(令和3年11月26日~令和6年11月25日)を以下「要証期間」という。 第2 請求人の主張 請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第25類「アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ナイトキャップ,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。)」(以下「請求に係る指定商品」という。)についての登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とするとの審決を求め、審判請求書及び令和7年1月14日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年3月5日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)にて、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品中、請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 被請求人の主張及び乙各号証のいずれをもってしても、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者(以下「商標権者等」という。)のいずれかが、請求に係る指定商品について本件商標の使用をしていることを証明したものとは認められないことから、本件審判請求の趣旨のとおり、本件商標の登録は取り消されるべきである。以下にその理由を述べる。 (1)乙第1号証-1 乙第1号証-1(型番「70032-9101」の2023AWCOLLECTIONカタログ)には、商品「ストール」と思しき商品が掲載されているが、商品「ストール」が掲載されたページに本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の記載が見当たらない。 また、当該商品カタログは、誰でもパソコンで作成できる程度のものであり、当該商品カタログには発行日や発行元等を示す記載はなく、さらにその発行部数、頒布先及び当該商品カタログが実際に頒布されたことを示す第三者(取引者又は需要者)による具体的かつ客観性のある証拠が一切提出されていない。 (2)乙第1号証-2 乙第1号証-2(型番「70032-9101」の2023AWCOLLECTION掲載時のウェブサイト)には、商品「ストール」と思しき商品が掲載されているが、商品「ストール」が掲載されたページに本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の記載が見当たらない。 また、乙第1号証-2に係るウェブサイトのURL、作成日が特定されておらず、印刷日も不明であることから、要証期間に当該ウェブサイトが実際に存在していた事実が客観的に証明されていない。 (3)乙第2号証及び乙第3号証 乙第2号証(型番「70032-9101」の現物写真)及び乙第3号証(型番「70032-9101」のタグ部分写真)は、その撮影日や撮影場所が不明であり、要証期間に日本国内で撮影されたものであることが何ら立証されていないことから、これにより要証期間に日本国内で乙第2号証及び乙第3号証に示す商品が実際に存在していた事実を確認することができない。 また、乙第2号証及び乙第3号証の商品写真には商標「GALENA」が表示された商品タグ及び下げ札が付されているが、商品タグ及び下げ札は後から容易に付すことが可能であることから、要証期間内に当該商品タグ及び下げ札が付された商品「ストール」が実際に存在していた事実を確認することができない。 さらに、乙第3号証に係る下げ札には事業者としてC社の表記があるが、答弁書において、C社が商標権者から本件商標の使用の許諾を受けていることを示す証拠は提出されておらず、両社の関係性も明らかにされていないことから、商標権者等による本件商標の使用事実を確認することができない。 (4)乙第4号証ないし乙第9号証 被請求人は、乙第4号証ないし乙第9号証に係る売上伝票を証拠として提出し、乙第4号証ないし乙第9号証に示すように少なくとも2023年10月6日から2024年1月31日までは、商標権者は本件商標を使用して「えり巻き、ショール、マフラー」を製造し、乙第14号証に示すように被服卸売商社のC社を通じて各小売店に販売した事実があると主張する。 しかしながら、乙第4号証ないし乙第9号証にある文字がC社を指すのか定かではなく、仮に乙第4号証ないし乙第9号証がC社発行の売上伝票であって同社が被服卸売商社であるとしても、これをもって商標権者がC社を通じて本件商標を使用していたということはできない。 さらに、答弁書において、C社が商標権者から本件商標の使用の許諾を受けていることを示す証拠は提出されておらず、両社の関係性も明らかにされていないことから、乙第4号証ないし乙第9号証に基づいて要証期間における商標権者等による本件商標の使用事実を確認することができない。 (5)乙第10号証及び乙第11号証 乙第10号証及び乙第11号証は被請求人が自ら作成した資料であり、全く客観性がない。このような資料は誰でも作成し得る程度のものであり、当該納品書が実際に頒布されたことを示す第三者(取引者又は需要者)による客観性のある証拠(納品書に対応する注文書や受領書等)が提出されていない。 また、乙第10号証については、納品書の表紙(1枚目)の右上に商標「GALENA\TOKYO」を有し、納品書2枚目に記載の納品物一覧のリスト上に(リストと重なって)表紙と同位置に商標「GALENA\TOKYO」が表示されていることが認められるが、通常、納品書2枚目のようにリスト上に重ねて商標を表示することはなく、商標の表示方法が非常に不自然であることから、当該証拠は、実際には納品書に表記されていなかった商標「GALENA\TOKYO」を後から付加して印刷したものと推測され、あたかもはじめから納品書に当該商標が表示されていたかのような外形を作出したものと考えざるを得ない。 このような客観性及び信憑性の低い証拠をもって登録商標の使用と認定することはできないというべきである。 さらに、乙第11号証は伝票日付及び請求日付が2024年11月26日であり、要証期間外のものであるから、有効な証拠とはならない。 (6)乙第12号証 乙第12号証(型番「70032-9101」タグ)は、その撮影日及び撮影場所が不明であり、要証期間に日本国内で撮影されたものであることが何ら立証されていないことから、これにより要証期間に日本国内で乙第12号証に示すタグが実際に存在していた事実を確認することができない。 また、乙第12号証の商品タグには事業者として「株式会社G.O.A.T」及びC社の表記があるが、答弁書において、C社が商標権者から本件商標の使用の許諾を受けていることを示す証拠は提出されておらず、両社の関係性も明らかにされていないことから、商標権者等による本件商標の使用事実を確認することができない。 さらに、乙第12号証に係る「商品タグ」に商標「GALENA」が表示されているとしても、これが商品「えり巻き、ショール、マフラー」について使用されたものとはいえないことから、当該商品についての本件商標の使用とは認められない。 (7)乙第13号証 乙第13号証(株式会社G.O.A.Tウェブサイト)に係るウェブサイトには、「えり巻き、ショール、マフラー」が掲載されていない。 また、乙第13号証に係るウェブサイトのURL、作成日が特定されておらず、印刷日も不明であることから、要証期間内に当該ウェブサイトが実際に存在していた事実が客観的に証明されていない。 そもそも、被請求人が、乙第13号証に基づいてどのような使用事実を証明しようとするものかも不明である。 (8)乙第14号証 乙第14号証(C社ウェブサイト)に係るウェブサイトには、本件商標及び「えり巻き、ショール、マフラー」が掲載されていない。 また、乙第14号証に係るウェブサイトのURL、作成日が特定されておらず、印刷日も不明であることから、要証期間内に当該ウェブサイトが実際に存在していた事実が客観的に証明されていない。 そもそも、被請求人が、乙第14号証に基づいてどのような使用事実を証明しようとするものかも不明である。 (9)まとめ このように、乙各号証によっては、要証期間に日本国内で商標権者等により、「えり巻き、ショール、マフラー」について本件商標の商標法第2条第3項各号にいう使用があったことを認めるに足る事実を見いだすことはできない。 第3 被請求人の主張 被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第14号証(枝番号を含む。)を提出した。 なお、以下、証拠の表記に当たっては、「乙第1号証」を「乙1」のように省略して表示する場合がある。 1 答弁の理由 (1)登録商標の使用について 商標権者は、本件商標を第25類「えり巻き、ショール、マフラー」に少なくとも2023年10月6日より現在に至るまで継続して日本国内において使用している。よって、商標法第50条第1項には該当しない。 乙第1号証-1(「型番70032-9101」の2023AWCOLLECTIONカタログ)、乙第1号証-2(「型番70032-9101」の2023AWCOLLECTION掲載時のウェブサイト)、乙第2号証(「型番70032-9101」の現物写真)、乙第3号証(「型番70032-9101」のタグ部分写真)、乙第12号証(「型番70032-9101」タグ)に示すように、商標権者は、本件商標を「えり巻き、ショール、マフラー」に使用している。 商標権者は、本件商標を使用している商品(型番70032-9101)を「 ストール」等とも表記しているが、「ストール」は第25類の「えり巻き、ショール、マフラー」の類に該当することは明白である。 具体的には、乙第4号証(2023年10月6日発行「型番70032-9101 品名 GALENA雑貨」売上伝票 C社(披服卸売商社)からL社宛て)、乙第5号証(2023年10月23日発行「型番70032-9101 品名 GALENA雑貨」売上伝票 C社からA社宛て)、乙第6号証(2023年10月18日発行「型番70032-9101 品名 GALENA雑貨」売上伝票 C社からU社宛て)、乙第7号証(2023年11月2日発行「型番70032-9101 品名 GALENA雑貨」売上伝票 C社からR社宛て)、乙第8号証(2023年12月29日発行「型番70032-9101 品名 GALENA雑貨」売上伝票 C社からF社宛て)、乙第9号証(2024年1月31日発行「型番70032-9101 品名 GALENA雑貨」売上伝票 C社からO社宛て)に示すように、少なくとも2023年10月6日から2024年1月31日までは、商標権者は本件商標を使用して「えり巻き、ショール、マフラー」を、製造し、乙第14号証(C社ウェブサイト)に示すように、被服卸売商社C社を通じて各小売店に販売した事実がある。 また、乙第10号証(2024年10月1日発行「型番70032-9101 品名 ストール」納品書 株式会社G.O.A.TからI社宛て)、乙第11号証(2024年11月26日発行「型番70032-9101 品名 ストール」納品書 株式会社G.O.A.TからQ社宛て)、乙第13号証(株式会社G.O.A.Tウェブサイトhttps://galenatokyo.official.ec/)に示すように、2024年10月1日からは商標権者から小売店への直販に切り替えて、商標権者は本件商標を使用して「えり巻き、ショール、マフラー」を、製造販売した事実がある。 (2)社会通念上同一の商標 本件商標は、甲第1号証所載のように「GALENA\ガレナ」と二段併記してなる一方、乙各号証にて示した商標は「GALENA」とローマ字一段書きで書してなるものであるが、「GALENA\ガレナ」は複数の意味を有する語ではなく観念を同一にすることは明白であり、「上段及び下段の各部が観念を同一とするときのその一方の使用に該当し、社会通念上同一と認められる商標」に該当することが明白である(「審判便覧54-01登録商標の不使用による取消審判」)。 2 まとめ 商標権者は、本件商標を第25類「えり巻き、ショール、マフラー」に少なくとも2023年10月6日より現在に至るまで継続して日本国内において使用しており、本件商標はその商標登録を取り消されるものではない。 第4 当審の判断 1 事実認定 (1)被請求人の主張及び乙各号証によれば、以下の事実が確認できる。 ア 乙第1号証-1 乙第1号証-1は、被請求人が、「2023AWCOLLECTIONカタログ」と主張するものであり、1葉目おいて、人物写真に重ねて「GALENA」の記載、その左下に、「2023AWCOLLECTION」の記載、その右に、「G.O.A.T」の記載がある。 また、5葉目において、左上に、「70032-9101」の記載、その右に、「PRICE」に対応して価格の記載、その左下に、色違いのストールを撮影した3枚の写真が提示され、このうちの中央のものは、色がベージュである。 イ 乙第2号証及び乙第3号証 乙第2号証及び乙第3号証は、被請求人が、それぞれ、「型番70032-9101」の現物写真及び同じくタグ部分写真と主張するものであり、乙第2号証の1葉目において、乙第1号証-1の3枚の写真のうちの中央の写真と同じ商品と見受けられるベージュ色のストールを撮影した写真が提示され、当該ストールのポケット内の入り口付近に、布製のタグが取り付けられていることが見て取れる。 一方、乙第3号証の1葉目及び2葉目において、乙第2号証の1葉目における上記写真に写っているストールのポケット付近を拡大したと思われる写真が提示され、布製のタグに、「GALENA」及び「70032-9101」の各文字が表示されていることが見て取れる。 ウ 乙第10号証 乙第10号証は、納品書であり、1葉目において、上部に、その表題の記載、その左下に、「御中」の記載を伴った、商品の納品先の事業者名を示すものと思われる記載、その下に、愛知県内の住所の記載、その右に、商標権者の社名の記載、その右に、「GALENA」の欧文字と「TOKYO」の欧文字を2段に表してなる商標の記載、その左下における、「伝票日付」及び「請求日付」に対応する欄に、共通して「2024年10年01日」の記載があり、その下に、1行目に「商品」、「合計」、「上代」等の見出しが設けられた表(リスト)が提示されている。 ここで、当該表中、下から4行目及び同3行目は、「合計」欄が統合されていることから、同じ商品についての情報を記載したものと解されるところ、下から4行目における「商品」欄に、「70032-9101」の記載、その下(表の下から3行目)に、「ストール」の記載、上記「合計」欄に「7」の記載、下から4行目における「上代」欄に、上記アの価格と一致する数値の記載、その下(表の下から3行目)に、当該数値の7倍に相当する数値の記載がある。 また、本号証の2葉目においても、1葉目の上記表と同様の表(リスト)が提示され、かつ右上に「GALENA」の欧文字と「TOKYO」の欧文字を2段に表してなる商標の記載があるところ、当該表及び当該商標は、表示が重なった状態とされている。 エ 乙第11号証 乙第11号証は、納品書であり、全体のフォーマットが乙第10号証と同様であって、上部に、その表題の記載、その左下に、「御中」の記載を伴った、商品の上記ウと異なる納品先の事業者名を示すものと思われる記載、その下に、奈良県内の住所の記載、その右に、商標権者の社名の記載、その右に、「GALENA」の欧文字と「TOKYO」の欧文字を2段に表してなる商標の記載、その左下における、「伝票日付」及び「請求日付」に対応する欄に、共通して「2024年11年26日」の記載があり、その下に、1行目に「商品」、「合計」、「上代」等の見出しが設けられた表が提示されている。 (2)上記(1)アないしエによれば、次の事実を認めることができる。 ア 「GALENA 2023AWCOLLECTION」と称するカタログ(以下「本件カタログ」という。)に、「G.O.A.T」の記載とともに、品番が「70032-9101」の商品について、ストールの写真や、その価格等の情報が掲載されていた(乙1-1)。 イ 商標権者は、品番が「70032-9101」の商品「ストール」を7個納品することについて、「伝票日付」及び「請求日付」がいずれも2024年10年1日とされ、「GALENA」の欧文字と「TOKYO」の欧文字を2段に表してなる商標が記載された、愛知県内の事業者宛の納品書(以下「本件納品書」という。)を作成した(乙10)。 ウ 本件納品書に記載の品番は、本件カタログ中の品番と一致し、本件納品書の「上代」欄に記載の数値も本件カタログに記載の価格と一致しており、また、本件カタログには「G.O.A.T」、すなわち商標権者の社名の記載があること、本件カタログの名称中の「2023AW」は、2023年の秋から冬にかけての期間を意味するものと解されるところ、本件納品書の日付はこれと矛盾するものではないこと、さらに、本件カタログ中の写真のストールと同じ商品と見受けられるストールを撮影した写真から、当該ストールに取り付けられた布製のタグに同じ品番の表示があることが見て取れる(乙2、乙3)ことを併せ考慮すれば、本件納品書は、商標権者が2024年10年1日に、商品「ストール」を愛知県内の事業者に販売した事実を示すものと認められる。 そして、その販売の際、当該商品には、乙第2号証及び乙第3号証の写真が示すように、「GALENA」の欧文字(以下「使用商標1」という。)が表示されたタグが取り付けられていたものと推認できる。 エ 本件納品書とフォーマットが同様の納品書が、他の事業者宛にも作成されている(乙11)ことからすれば、本件納品書の作成は、商品「ストール」に関する取引書類を頒布する行為として行われたものとみて差し支えない。 オ 上記アないしウによれば、商標権者は、2024年10年1日に日本国内において、使用商標1が表示された商品「ストール」(以下「使用商品」という。)を販売したことが認められる。 カ 上記アないしエによれば、商標権者は、2024年10年1日に日本国内において、使用商品に関する「GALENA」の欧文字と「TOKYO」の欧文字を2段に表してなる商標(以下「使用商標2」という。)が表示された取引書類を頒布したことが認められる。 2 判断 (1)使用商品の販売について 上記1(2)オの行為について、次のとおり判断できる。 ア 使用商標について 本件商標は、「GALENA」の欧文字と「ガレナ」の片仮名を2段に表してなるところ、 下段の片仮名は、特段の意味を有しないものであって、上段の欧文字の読みを表した文字として容易に認識されるから、当該欧文字の読みを超えた特段の観念を有するものでない。 他方、使用商標1は、上記1(2)ウのとおり「GALENA」の欧文字を表してなるものであり、本件商標の上段の「GALENA」の欧文字と使用商標1とはつづりが同一であるから、両商標は異なる観念を生じるとはいえない。 そうすると、使用商標1は、本件商標と社会通念上同一の商標ということができる。 イ 使用商品について 使用商品は、ストールであって、請求に係る指定商品中、少なくとも「えり巻き」、「ショール」及び「マフラー」のいずれかの範ちゅうに属する商品と認められる。 ウ 使用者、使用時期及び使用行為について 使用商標1の使用者は、商標権者であり、使用商標1の使用時期は、2024年10月1日であって、要証期間であり、使用商標1が表示された使用商品を販売する行為は、日本国内において行われたものであって、商標法第2条第3項第2号にいう、商品に標章を付したものを譲渡する行為に該当する。 (2)取引書類の頒布について 上記1(2)カの行為について、次のとおり判断できる。 ア 使用商標について 使用商標2は、「GALENA」の欧文字と「TOKYO」の欧文字を2段に表してなるものであるところ、後者は「東京」を意味する一方で、前者からは特段の観念が生じるものとはいえないこと、また、前者が後者に比して圧倒的に大きく表されていることから、前者が需要者に強く支配的な印象を与えるものである。 そうすると、使用商標2は、「GALENA」の文字部分について、独立して自他商品役務識別機能を発揮する要部として認識されるものである。 これに対し、本件商標は、「GALENA」の欧文字と「ガレナ」の片仮名を2段に表してなるところ、下段の片仮名は、上段の欧文字の読みを超えた特段の観念を有するものでなく、当該欧文字と使用商標2における上記文字部分とはつづりが同一であるから、両者は異なる観念を生じるとはいえない。 よって、使用商標2は、本件商標と社会通念上同一の商標ということができる。 イ 使用商品について 使用商品は、上記(1)イのとおり、請求に係る指定商品中、少なくとも「えり巻き」、「ショール」及び「マフラー」のいずれかの範ちゅうに属する商品と認められる。 ウ 使用者、使用時期及び使用行為について 使用商標2の使用者は、商標権者であり、使用商標2の使用時期は、2024年10月1日であって、要証期間であり、使用商品に関する、使用商標2が表示された取引書類を頒布する行為は、日本国内において行われたものであって、商標法第2条第3項第8号にいう、商品に関する取引書類に標章を付して頒布する行為に該当する。 (3)小括 上記(1)及び(2)によれば、商標権者は、要証期間に日本国内において、請求に係る指定商品中の「えり巻き」、「ショール」及び「マフラー」のいずれかの範ちゅうに属する商品に、本件商標と社会通念上同一の商標を付して譲渡する、商標法第2条第3項第2号に該当する行為を行ったことが認められ、さらに、商標権者は、要証期間に日本国内において、請求に係る指定商品中の「えり巻き」、「ショール」及び「マフラー」のいずれかの範ちゅうに属する商品に関する取引書類に標章を付して頒布する、商標法第2条第3項第8号に該当する行為を行ったことが認められる。 3 請求人の主張について 請求人は、弁駁書(第4~5頁)において、本件納品書(乙10)に関し、被請求人が自ら作成した資料であり、全く客観性がなく、また、通常、その2葉目のようにリスト上に重ねて使用商標2を表示することはなく、使用商標2の表示方法が非常に不自然であることから、本件納品書は、実際にはこれに表記されていなかった使用商標2を後から付加して印刷したものと推測され、あたかもはじめから本件納品書に使用商標2が表示されていたかのような外形を作出したものと考えざるを得ない旨主張する。 しかしながら、本件納品書について、上記1(1)ウのとおり、2葉目における表及び使用商標2は表示が重なった状態とされているものの、取引書類にそのような表示を行うことがまったくあり得ないこととはいえず、その内容に特段不審な点を見いだすことはできない。 また、本件カタログ等の他の証拠を併せ考慮すれば、本件納品書は、上記1(2)ウのとおりの事実を示すものと認められ、事実認定の基礎とすることができないほどに客観性を欠くものということはできない。 よって、請求人の上記主張は採用できない。 4 まとめ 以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、請求に係る指定商品中の「えり巻き」、「ショール」及び「マフラー」のいずれかの範ちゅうに属する商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したということができる。 したがって、本件商標の登録は、請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-300837

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