商標取消審判
2024-300824
マツカゼ、ショーフー
- 審判番号
- 2024-300824
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2014-090298
- 登録番号
- 5812110
- 請求日
- 2024年11月05日
- 審決日
- 2026年02月10日
- 公報発行日
- 2026年05月29日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】株式会社 松風
- 【請求人代理人】前川 真貴子
- 【被請求人】株式会社 松風
- 【被請求人代理人】手島 勝
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 大島 康浩
- 審判官 小林 裕子
- 分類
- T132 .1 -Z (W44)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条1項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5812110号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第5812110号商標の指定商品及び指定役務中、第44類「医療用機械器具の貸与」についての商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5812110号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成26年10月27日に登録出願、第44類「医療用機械器具の貸与」を含む、第3類、第35類及び第44類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同27年12月11日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和6年11月18日である。
なお、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である令和3年(2021年)11月18日から同6年(2024年)11月17日までを、以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書及び審判事件弁駁書において、その理由を要旨以下のように述べた。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第44類「医療用機械器具の貸与」(以下「請求に係る役務」という。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)乙第1号証について
提出された許可証には、商標権者の名称のみ記載され、本件商標は付されていない。
したがって、乙第1号証は、本件商標を請求に係る役務に使用している証拠ではない。
(2)乙第2号証について
「まつげエクステ技術者養成基礎講座」のテキストへの商標の使用は、請求に係る役務に対する商標の使用ではない。
そもそも、本審判の予告登録の日付が2024年11月18日であるのに対し、証拠の日付が2025年3月7日であり、明らかに要証期間外である。
オートクレーブ貸与報告書の日付は2014年5月8日であり、貸与期間は 2014年5月9日から2014年6月6日であって、明らかに要証期間外である。平山製作所のオートクレーブの紹介のWEBページの写しに関しては、本件商標は付されていないし、オートクレーブの貸与についての記載もない。
そもそも、証拠の日付が2025年3月7日であり、明らかに要証期間外である。
したがって、乙第2号証は、本件商標を請求に係る役務に使用している証拠ではない。
(3)乙第3号証について
本件商標は付されておらず、医療用機械器具の貸与に使用されていることも示されていない。
そもそも、証拠の日付は2025年3月7日であり、要証期間外である。
したがって、乙第3号証は、本件商標を請求に係る役務に使用している証拠ではない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を審判事件答弁書において要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。
被請求人である商標権者は、現在、高度管理医療機器等の貸与業を行っている。乙第1号証として、「高度管理医療機器等貸与業許可証」(有効期間:令和5年5月9日から令和11年5月8日までのもの)を示す。また、高度管理医療機器等の貸与業は、15年以上継続して行っており、乙第1号証には過去の「高度管理医療機器等貸与業許可証」の一つも含めている。
商標権者は、「エクステンション用人工まつ毛」(まつげエクステション、又は、まつげエクステ)の製造販売とともに、まつげエクステションの施術の教室(まつげエクステ技術者養成基礎講座)を開催して、まつげエクステションの安全な施術の教育およびまつげエクステ技術者養成を行っている。そのまつげエクステ技術者養成基礎講座において、医療用機械器具としての「オートクレーブ」の貸与を行っている。
乙第2号証には、商標権者のホームページ(松風アイコスメサイト)において、「まつげエクステ技術者養成基礎講座」のテキスト(電子書籍)を表示することができる箇所を示しており、具体的には、「アカデミー」→「トレーニング・教育」→「テキスト(電子書籍)」にいき、その「49ページ目」を表示すると、医療用機械器具の貸与のための「オートクレーブ」が表示される。「オートクレーブ」の貸出報告書の一つを乙第2号証に含める。また、「オートクレーブ」が、医療用機械器具(管理医療機器)であることの証拠の一つとして、平山製作所のホームページの該当箇所を示しておく。
商標権者は、会社名とともにブランドロゴとして、いわゆる「松風ロゴ」を継続して使用している。
乙第1号証及び乙第2号証に示すとおり、商標権者は、本件商標の使用を実際に行っている。なお、乙第3号証として、商標権者のホームページの会社案内のページを示す。ここでも本件商標の使用が行われていることが分かる。
第4 審尋
審判長は、被請求人に対し、令和7年7月17日付け審尋において、被請求人が提出した証拠によっては、要証期間に、商標権者又は通常使用権者が、請求に係る指定役務について本件商標を使用していたことを被請求人が証明しているものとはいえない旨の合議体の暫定的見解及び請求人が提出した同年4月17日付けの弁駁書に対する回答を求めた。
第5 審尋に対する回答
前記第4の審尋に対し、被請求人からの回答はなかった。
第6 当審の判断
被請求人は、商標権者が「まつげエクステ技術者養成基礎講座」を開催し、同講座において、医療用機械器具としての「オートクレーブ」の貸与の役務を行っており、当該役務について本件商標を使用している旨、及び、同人が高度管理医療機器等の貸与業を15年以上行っているから、本件商標は取り消されるべきでない旨主張するので、以下検討する。
1 被請求人の主張及び提出された証拠によれば、以下のとおりである。
(1)被請求人である商標権者は、まつげエクステ(エクステンション用人工まつ毛)の製造、卸販売等を事業内容とする会社であるとともに、令和5年5月9日から令和11年5月8日までを有効期間として、高度管理医療機器等の貸与業の許可を受けている(乙1、乙3)。
(2)乙第2号証の1葉目は、2025年3月7日に出力された商標権者のホームページ(以下「本件ホームページ」という。)の写しとするものであり、別掲2のとおりの標章(以下「使用商標」という。)が表示されており、複数の項目が表示されている中の一つに「テキスト(電子書籍)」の項目がある。
(3)乙第2号証の2葉目ないし4葉目は、2025年3月7日に出力された「まつげエクステ技術者養成基礎講座 Version8.0」のテキスト(電子書籍。以下、「本件テキスト」という。)の表紙及び48ページないし49ページの写しとするものであり、表紙の下部に使用商標が表示されている。
また、本件テキストの48ページにおいては、まつげエクステの施術に用いる器具の消毒法が説明されており、同49ページにおいては、同器具を蒸気殺菌するものとして「オートクレーブ」と称する装置が紹介されている。
(4)乙第2号証の5葉目は、2014年5月8日付けのオートクレーブ」の貸出報告書(以下「本件貸出報告書」という。)とするものであり、公益社団法人Nの依頼により、2014年5月9日から同年6月6日を貸出日として、「オートクレーブ」を貸し出す旨が記載されている。なお、同報告書に商標権者の名称の記載はなく、同報告書の下方に個人名が記載されているものの、この者と商標権者との関係は明らかではない。
(5)乙第2号証の6葉目及び7葉目は、平山製作所のホームページの写しとするものであり、「オートクレーブ」が、管理医療機器の一つとして紹介されている。
2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。
(1)本件商標と使用商標は、別掲1及び別掲2のとおり、いずれも隅丸長方形内に、図案化した「松風」の文字を横書きしてなるものであり、これらは白黒反転させて表示されているものの、その他の構成態様をほぼ同一にするものであって、外観において同視されるものといえるから、両者は、社会通念上同一の商標といい得る。
(2)しかしながら、上記1によれば、商標権者が「まつげエクステ技術者養成基礎講座 Version8.0」と称する本件テキストを作成し、その表紙に使用商標を表示していることはうかがえるものの、本件テキストの作成日は不明であり、本件テキストが掲載されていると思われる本件ホームページの出力日も、要証期間後のものである。
(3)また、商標権者が要証期間の一時期に高度管理医療機器等の貸与業の許可を受けており、かつ、本件テキストに掲載されている「オートクレーブ」と称する装置が管理医療機器であって、医療用機械器具の範ちゅうに属する商品といえるとしても、当該装置の貸出しに関する本件貸出報告書は、本件テキストに係る「まつげエクステ技術者養成基礎講座」との関係が不明であるだけでなく、要証期間前の2014年のものであり、貸出しを行った者の詳細も明らかでない。
(4)小括
以上のことからすると、使用商標が、本件商標と社会通念上同一の商標といえるとしても、これが要証期間内に、商標権者によって、請求に係る役務について使用されたものと認めることはできない。
そして、その他、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、要証期間に日本国内において、本件商標を請求に係る役務について使用をしていることを認めるに足りる証拠の提出はない。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間内に日本国内において、本件商標権者、通常使用権者又は専用使用権者のいずれかが、請求に係る役務のいずれかについて、本件商標を使用していることを証明したとはいえない。
また、被請求人は、請求に係る役務について、本件商標を使用していないことについて、正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、指定商品及び指定役務中、請求に係る役務についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2024-300824