商標取消審判
2024-300682
アライバル
- 審判番号
- 2024-300682
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願1994-121626
- 登録番号
- 4004254
- 請求日
- 2024年09月25日
- 審決日
- 2025年12月25日
- 公報発行日
- 2026年06月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】セラ プログノスティックス, インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】福田 秀幸
- 【被請求人】有限会社 アライバル
- 【被請求人代理人】羽田 長愛
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 大島 康浩
- 分類
- T131 .1 -Y (041)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第5号、商標法第50条第1項、商標法第70条第1項、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第4004254号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第4004254号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成6年12月1日に登録出願、第41類「演芸又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,放送番組の制作」を指定役務として、同9年5月30日に設定登録され、同19年6月26日及び同29年5月9日に存続期間の更新登録がなされて、その商標権は現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和6年10月10日である。
なお、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である令和3年(2021年)10月10日から同6年(2024年)10月9日までを、以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書において、その理由を要旨以下のように述べた。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。
第3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を審判事件答弁書及び令和7年7月24日付け審尋に対する同年8月26日付け回答書において要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第15号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 答弁の理由
請求人は、日本国内において、要証期間に本件商標の指定役務について被請求人が使用した形跡はない旨主張するが、被請求人はテレビ放送番組内で制作協力として本件商標を使用していたものであり、かかる主張には理由がないとして、証拠を提示した(乙1~乙8)。
また、上記テレビ放送番組において用いられた標章は、本件商標と同一の図形である一方で色彩は異なるが、いわゆる色違いの特則(商標法第70条第1項、同法第50条)により、本件商標と同一の商標であると認められる。
以上のとおり、被請求人は、日本国内において、審判請求日より3年以内に、指定役務について本件商標を使用していることは明らかである。
したがって、本件審判請求について理由なしとの審決を求める次第である。
2 回答書における主張
(1)通常使用権者による本件商標の使用について
ア テレビ放送番組が実際に放送されたこと
テレビ放送番組「夢対決2023 とんねるずのスポーツ王は俺だ!!5時間スペシャル」(乙4の1ないし3。以下「本件テレビ番組」という。)は、令和5年1月2日18時から23時までの間に実際に放送され、18時から19時までの1時間の個人視聴率は6.6%、19時から23時までの4時間は7.8%であった(乙9)。
イ 本件テレビ番組の制作者は株式会社テレビ朝日であること
本件テレビ番組の放送局は、株式会社テレビ朝日(以下「テレビ朝日」という。)である(乙9、乙10)。
そして、乙第4号証の2において、本件テレビ番組の「制作著作」はテレビ朝日と示され、「制作協力」は被請求人と示されているところ、かかる表示方法(制作著作・制作協力)は、局制作番組である場合の表示である(乙11)。すなわち、本件テレビ番組は、本件テレビ番組の放送局であるテレビ朝日による制作番組であることが分かる。
ウ 被請求人はテレビ朝日に通常使用権を設定し、テレビ朝日は本件商標を使用したこと
テレビ朝日においては、番組制作の際に、制作クレジットの表示方法を製作協力者に申入れを行うこととなっている(乙11)。
被請求人とテレビ朝日は、2022年(令和4年)12月1日付けで、本件商標に係る使用許諾契約を締結し、テレビ朝日は、本件商標の通常使用権者となった(乙12)。
それに基づき、乙第4号証の2のとおり、本件テレビ番組内において、制作クレジットの表示として本件商標を表示させることによって使用(商標法第2条第3項第5号又は同項第7号)した。
エ 小括
以上のことから、本件商標は、通常使用権者であるテレビ朝日によって、要証期間内である2023年(令和5年)1月2日に放送された本件テレビ番組の制作のために使用されたといえる。
(2)被請求人による使用
仮に、テレビ朝日が本件商標の通常使用権者として、本件テレビ番組の制作において本件商標を使用(商標法第2条第3項第5号又は同項第7号)したとはいえないとしても、被請求人は、本件テレビ番組の制作協力者であり(乙4の2、乙11)、本件テレビ番組をテレビ朝日と共同して制作したものといえる。
なお、被請求人の代表者は、I氏(乙13)であるところ、同人は、コンビ名「とんねるず」で活動するお笑いタレントであるI氏と同一人物である(乙14、乙15)。
そのI氏及び「とんねるず」が、本件テレビ番組に出演することによって(乙4の1、乙4の3及び乙10)、被請求人は本件テレビ番組の制作に携わったものである。
かかる立場にある被請求人が、自らの意思によって、自らが本件テレビ番組の制作協力者としてテレビ放送番組の制作を行ったことを示すために、本件商標を本件テレビ番組にて表示させたものであるから、被請求人が本件テレビ番組の制作のために本件商標を使用(商標法第2条第3項第5号又は同項第7号)したといえる。
(3)結語
以上のとおり、被請求人は、通常使用権者をして、又は自ら、日本国内において、要証期間内である2023年(令和5年)1月2日に放送された本件テレビ番組の制作のために本件商標を使用したものであるから、審判請求日より3年以内に、請求役務について本件商標を使用したことは明らかである。
したがって、本件審判請求について理由なしとの審決を求める次第である。
第4 当審の判断
1 被請求人の主張及び提出された証拠によれば、以下のとおりである。
(1)被請求人である商標権者は、平成6年6月に設立された、東京都渋谷区に本店を置く芸能プロダクション経営等を行う会社である(乙13)。
(2)乙第4号証の1及び2は、「夢対決2023 とんねるずのスポーツ王は俺だ!! 5時間スペシャル」と表示されたテレビ放送番組の画面キャプチャー及びテレビ放送番組の画面の左下に「制作協力」として別掲2のとおりの商標(以下「本件使用商標」という。)と、その右側には「制作著作」として「tv asahi」の文字が表示されたテレビ放送番組の画面キャプチャーを提出している。
(3)乙第9号証は、VideoResearchによる「タイムシフト視聴率ランキング」であり、「タイムシフト視聴率ランキング【関東地区】の10位欄に「番組名:夢対決2023とんねるずのスポーツ王は俺だ!!5時間スペシャル 放送局:テレビ朝日 放送日:2023/01/02(月)」の記載がある。
2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
本件使用商標は、別掲2のとおり、本件商標と同様の構成からなる図形及び文字を白抜きで表してなるものである。
そして、本件商標と本件使用商標は、色彩は相違するが、図形や文字の態様、配置等の特徴を共通にするため、本件使用商標は、本件商標と社会通念上同一の構成からなるといえる。
(2)使用者について
テレビ放送番組の画面に、「制作協力」として本件使用商標が表示されているところ、その構成中の「Arrival」の文字が商標権者の商号にも通じるものであることからすれば、本件使用商標は、商標権者を表すものでもあるといえるから、本件使用商標の使用者は、商標権者である。
(3)使用役務について
上記(2)のとおり、テレビ放送番組の画面に「制作協力」として表示された本件使用商標は、商標権者をも表すものといえることからすれば、商標権者は、当該テレビ放送番組の制作(以下「使用役務」という。)を行ったものと認められ、これは、指定役務中、「放送番組の制作」に該当するものといえる。
(4)使用時期について
上記1(3)によれば、当該テレビ放送番組の放送日は、要証期間内である2023年1月2日であると認められる。
よって、本件使用商標の使用時期は要証期間内である。
(5)使用行為について
当該テレビ放送番組の画面に本件使用商標を表示することは、使用役務に関する広告と認められる。
そして、上記1(2)より、当該テレビ放送番組の画面に表示された本件使用商標は、商標権者により日本国内の視聴者に対し放送されたものであるから、商標権者は、使用役務に関する広告を内容とする情報に本件使用商標を付して電磁的方法により提供したといえる。
(6)小括
上記(1)ないし(5)によれば、商標権者は、要証期間に、日本国内において、本件商標の指定役務中「放送番組の制作」に係るテレビ放送番組の画面において、当該役務に関する広告を内容とする情報に、本件商標と社会通念上同一の商標を付して電磁的方法により提供した(商標法第2条第3項第8号)と認められる。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間に、日本国内において、商標権者が、本件商標と社会通念上同一の商標を、本件商標の指定役務について使用していたことを証明したものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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