商標取消審判
2024-300514
コンプリートジェル、コンプリート
- 審判番号
- 2024-300514
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2019-035875
- 登録番号
- 6265334
- 請求日
- 2024年07月24日
- 審決日
- 2025年06月04日
- 公報発行日
- 2025年08月29日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】三井 基敬
- 【被請求人】ライオン株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 小俣 克巳
- 審判官 高橋 幸志
- 分類
- T132 .1 -Z (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第50条第2項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第6265334号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第6265334号商標の指定商品中、第3類「ジェル状のせっけん類」についての商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第6265334号商標(以下「本件商標」という。)は、「コンプリートジェル」の文字を標準文字で表してなり、平成31年3月11日に登録出願、第3類「ジェル状の化粧品,ジェル状のせっけん類,ジェル状の香料,ジェル状の口臭用消臭剤,ジェル状の動物用防臭剤,ジェル状の家庭用帯電防止剤,ジェル状の家庭用脱脂剤,ジェル状のさび除去剤,ジェル状の洗濯用柔軟剤,ジェル状の洗濯用漂白剤,ジェル状のかつら装着用接着剤,ジェル状の洗濯用でん粉のり,ジェル状のつけまつ毛用接着剤,ジェル状の塗料用剥離剤,ジェル状の靴クリーム,ジェル状の靴墨,ジェル状のつや出し剤,ジェル状の歯磨き」を指定商品とし、令和2年7月2日に設定登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件商標権は、商標登録原簿の記載によれば、「株式会社ACK-Comapny」を権利者とし設定登録されたものであるが、令和6年10月24日(受付日)で特定承継による本権の移転がされ、「ライオン株式会社」が権利者となったものである。
なお、本件審判の請求の登録日は、令和6年8月7日であり、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である同3年8月7日から同6年8月6日までを、以下「要証期間」という場合がある。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書において要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
本件商標は、その指定商品中、「ジェル状のせっけん類」(以下「請求に係る指定商品」という場合がある。)について、3年以上日本国内において使用されていないのみならず、本件商標を使用していないことについて何等正当な理由が存することも認められないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
なお、本件商標には、他人に専用使用権を設定若しくは通常使用権を許諾・登録した形跡はなく、また登録されていない通常使用権者が本件審判請求の日前3年以内に、日本国内で上記商品について本件商標を使用しているとの事実も見いだせない。
したがって、本件商標は、その登録を取り消されるべきものである。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を令和6年9月25日付け答弁書において要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証を提出した。
1 乙第1号証について
株式会社ACK-Company(以下「ACK-Company社」という。)の子会社である株式会社フォーサ(以下「フォーサ社」という。)は、少なくとも2022年7月7日に、楽天グループ株式会社が日本国内で運営する楽天市場の仮想店舗において、本件商標をシャンプーについて使用している。
当該楽天市場の仮想店舗は、現状、閉店しているものの、当該楽天市場の仮想店舗のURL「https://www.rakuten.eo.jp/forthir/」を、過去のウェブページを閲覧できるツールであるWayback Machineに入力することにより、上述の使用について確認することが可能である。
乙第1号証は、当該楽天市場の仮想店舗のURLをWayback Machineに入力して現われる画面のスクリーンショットである。フォーサ社が、少なくとも2022年7月7日まで、楽天市場の被請求人仮想店舗において、本件商標をシャンプーについて使用していることがわかる。
ここで、本件商標の使用に係る商品「シャンプー」は、本件商標がその名称であるのだから「ジェル状のシャンプー」であることは明白である。この点、「ジェル状のシャンプー」を販売するからといって、ECサイトにおいて「ジェル状のシャンプー」と表記せず、単に「シャンプー」と表記して販売することは、商慣習上、普通のことである。
2 乙第2号証について
乙第2号証は、当該楽天市場の仮想店舗のURLをWayback Machineに入力して現われる画面の写しである。乙第2号証より、フォーサ社が楽天市場の仮想店舗において、本件商標をシャンプーについて使用していること、フォーサ社の住所がACK-Company社と同じ住所「北海道札幌市白石区南郷通13丁目南4番5号」であること、及び、フォーサ社の代表者が「H氏」であることがわかる。
3 乙第3号証について
乙第3号証は、ACK-Company社のウェブサイトの写しである。ACK-Company社とフォーサ社の代表者が同一人物「H氏」であることがわかる。
よって、乙第2号証と乙第3号証から、フォーサ社はACK-Company社の子会社であることがわかり、それゆえ、フォーサ社は本件商標の使用権者であることがわかる。
なお、乙第3号証によれば、H氏はフォーサ社をジオテクノロジーズ株式会社へ売却していることがわかるが、その時期は2024年1月31日である。
第4 当審における審尋及び被請求人の回答
1 当審における審尋について
審判長は、令和7年2月25日付け審尋において、被請求人に対し、被請求人が提出した証拠によっては、被請求人が商標法第50条第2項に規定する本件商標の使用をしている事実を証明したものとは認めることができない旨の合議体の暫定的見解に対する回答を求めた。
2 被請求人の回答
被請求人は、上記1の審尋に対し何らの応答もしていない。
第5 当審の判断
1 被請求人が提出した証拠について
被請求人の主張及び同人が提出した証拠によれば、以下のとおりである。
(1)乙第1号証について
乙第1号証は、被請求人がACK-Company社の子会社であるフォーサ社が楽天市場においてかつて有していた仮想店舗をWayback Machineのツールを用いて表示した仮想店舗のウェブページの写しと主張するものであるところ、当該ページの中央に大きく「FORTHIR」の欧文字が表され、右上には「JUL」「07」「2022」の文字が3段に表されており、中央左側に「CATEGORY」の見出しの下、「コンプリートジェル」の文字が認められる。
(2)乙第2号証について
乙第2号証は、上記(1)と同じウェブページを内容とする写しであるところ、1ページ目の中央左側に「CATEGORY」の見出しの下、「コンプリートジェル」の文字が記載されている。2ページ目に「RECOMMEND」の見出しの下、「コンプリートジェル」の文字が記載されている。3ページ目に商品の容器の写真が掲載され、その容器の胴部には、上から「NEHAN」「TOKYO」「EPSALT SCRUB」「granulated」「Fresh Rose」の文字が記載されている。4ページ目から5ページ目にかけて、「連絡先について」の見出しの下、「株式会社フォーサ」の文字が記載され、その住所を「北海道札幌市白石区南郷通13-南4-5」とし、その「代表者」として「H氏」の名前が記載されている。
(3)乙第3号証について
乙第3号証は、被請求人がACK-Company社のウェブサイトの写しであると主張するものであるところ、当該ページの左上に「ACK-Company」の文字が記載され、「0=1の事案作りを得意とする「ゼロイチメーカーズ」代表」の見出しの下に「H氏」の名前が記載され、「現職も株式会社フォーサの代表取締役を務めつつ」の記載が認められる。また、ページ下には「ACK-Company」及び「北海道札幌市白石区南郷通13丁目南4-5」の記載が認められる。
なお、乙第3号証にウェブサイトのページを表示するために必要なURLや当該ページが掲載されていた期間が確認できる情報は認められない。
2 上記1からすれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
乙第1号証及び乙第2号証は、フォーサ社が楽天市場において、かつて有していた店舗のウェブページの写しであると推認されるところ、当該ページに本件商標と同一の「コンプリートジェル」の文字が認められる。
また、乙第2号証の3ページ目に商品が掲載されているが、その商品の容器には「コンプリートジェル」の文字及びそれと社会通念上同一と認められる表示は認められない。
(2)使用商品について
上記(1)のとおり、乙第1号証及び乙第2号証のウェブページの写しにおける「コンプリートジェル」の文字が認められるが、これらはいずれもウェブページ内での項目の名称として使用されているものであり、その項目における詳細な内容が確認できないことから、当該文字をいかなる商品について使用しているか確認することができない。
(3)使用者について
乙第1号証の右上の「JUL」「07」「2022」の記載から、当該ウェブページは2022年7月7日に存在していたことが推認できるところ、当時本件商標の商標権者であった「株式会社ACK-Company」と当該ウェブページを運営していた「株式会社フォーサ」は、その所在地の住所が同一であり、共に「H氏」を代表者とすることが確認できるものの、この事実のみをもって、フォーサ社がACK-Company社の子会社であるということはできないし、その根拠となる他の証拠の提出もされていない。また、被請求人が提出する証拠から、ACK-Company社が本件商標をフォーサ社に対し、本件商標について使用の許諾をしていたということはできないし、その許諾を行った事実を証明する証拠も提出されていない。
そうすると、ACK-Company社がフォーサ社に対し、本件商標について使用の許諾をしていたということはできない。
(4)使用行為及び使用時期について
フォーサ社が要証期間内である2022年7月7日に楽天市場に店舗を有し、そのウェブページにおいて「コンプリートジェル」の文字を使用していたことは推認できるものの、上記(2)のとおり、当該文字をいかなる商品について使用しているか不明であることからすれば、この使用が本件商標の使用とはいえないものである。
(5)小括
以上(1)ないし(4)のとおり、被請求人の主張及び同人が提出した全証拠をみても、要証期間に、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が、本件商標(社会通念上同一の商標を含む。)を使用した事実を確認することができない。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが請求に係る指定商品について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を使用していた事実を証明したものと認めることはできない。
また、被請求人は、請求に係る指定商品について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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