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商標取消審判

2024-300487

ダークムーン

審判番号
2024-300487
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2018-149977
登録番号
6129442
請求日
2024年07月12日
審決日
2025年07月16日
公報発行日
2025年10月31日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】有限会社 エム・ディー・エス
  • 【被請求人】前田 裕子
審判長/審判官
  • 審判長 旦 克昌
  • 審判官 大島 康浩
  • 審判官 小林 裕子
分類
T132 .1 -Y (W35)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第50条、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第8号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第6129442号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6129442号商標(以下「本件商標」という。)は、「DARK MOON」の文字を標準文字で表してなり、平成30年12月6日に登録出願、第35類「身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,壁掛け(織物製のものを除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同31年3月15日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 そして、本件審判の請求の登録日は、令和6年8月5日である。 なお、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である令和3年(2021年)8月5日から同6年(2024年)8月4日までを、以下「要証期間」という。 第2 請求人の主張 請求人は、本件商標の指定役務中、第35類「身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」(以下「請求に係る役務」という場合がある。)についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、審判請求書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、その指定役務中、請求に係る役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。 第3 被請求人の主張 被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を審判事件答弁書において要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第12号証を提出した。 1 2021年9月4日に商標権者がショップ名「DARK MOON」において髪飾りを販売していたことの証明 (1)乙第1号証は、2021年9月4日ないし同月5日に福井県大野市鍬掛のショッピングモールVIOにおいて開催されたクラフト市「Obra guia」(オブラギア)のポスターの写しである。ここにショップ名「DARK MOON」が出店している事実が確認できる。 (2)乙第2号証は、2021年9月4日ないし同月5日に福井県大野市鍬掛のショッピングモールVIOにおいて開催されたクラフト市「0bra guia」(オブラギア)の出店申請書の写しである。これにより、ショップ名「DARK MOON」が商標権者によって2021年9月4日ないし同月5日に出店申請されたことが確認できる。 (3)乙第3号証は、商標権者のアカウントの2021年9月2日のFacebookの記事である。ここに2021年9月4日ないし同月5日に開催されたクラフト市「Obra guia」(オブラギア)でショップ名「DARK MOON」が会場図上部右において1コマ区画で出店された事実が確認できる。 (4)乙第4号証は、商標権者のアカウントの2021年9月4日のFacebookの記事である。ここに2021年9月4日に商標権者が髪飾りを販売していたことが写真から確認できる。 (5)乙第5号証は、乙第4号証の上段左側の写真と同じ構図内にショップ名「DARK MOON」の看板が置かれていることを示した写真である。 (6)乙第6号証は、Googleフォトに保存されている乙第5号証の写真の日時情報及び画像データの日時情報を表示した画像である。この日時情報の画像から、乙第5号証が2021年9月4日の13時32分に撮影された事実が確認できる。 (7)乙第7号証は、Googleフォトに保存されている乙第4号証の上段左側の写真の日時情報及び画像データの日時情報を表示した画像である。この日時情報の画像から、乙第4号証の上段左側の写真が2021年9月4日の10時41分に撮影された事実が確認できる。 (8)乙第4号証の上段左側の写真と乙第5号証の写真は商品配置の構図が同じであることが確認できる。また、乙第4号証の上段左側の写真、乙第5号証の写真、乙第6号証の日時情報及び乙第7号証の日時情報から、開店直後の10時41分に撮影した乙第4号証の上段左側の写真にはショップ名「DARK MOON」の看板が配置されていなかったが、その後に看板の出し忘れに気付き13時32分にはショップ名「DARK MOON」の看板を設置して撮影されたことが確認できる。また、乙第4号証の写真群はいずれもショップ名「DARK MOON」の販売所を異なる角度から撮影したものであることは、乙第4号証の記事全文、写真の背景、乙第3号証の会場図から確認できる。 (9)乙第1号証ないし乙第7号証により、2021年9月4日に商標権者がショップ名「DARK MOON」において髪飾りを販売していたことが確認できる。 2 2024年7月6日に商標権者がショップ名「DARK MOON」において髪飾りを販売していたことの証明 (1)乙第8号証は、2024年7月6日ないし同月7日に福井県大野市鍬掛のショッピングモールVIOにおいて開催されたクラフト市「Obra guia」(オブラギア)のポスターの写しである。ここにショップ名「DARK MOON」が出店している事実が確認できる。 (2)乙第9号証は、2024年7月6日ないし同月7日に福井県大野市鍬掛のショッピングモールVIOにおいて開催されたクラフト市「Obra guia」(オブラギア)の出店申請書の写しである。これにより、ショップ名「DARK MOON」が商標権者によって出店申請されたことが確認できる。 (3)乙第10号証は、商標権者のアカウントの2024年7月6日のFacebookの記事である。ここに2024年7月6日に開催されたクラフト市「Obraguia」(オブラギア)で商標権者がショップ名「DARK MOON」で出店している事実が記事本文及び写真から確認できる。また商標権者がショップ名「DARK MOON」にて髪飾りを販売している事実が記事本文及び写真から確認できる。なお、Facebookの記事の日付表示において当該年の記事の西暦は表示されないが、乙第10号証はヘッダーから2024年9月6日に印刷されたことが確認できる。したがって、乙第10号証のFacebookの記事は2024年7月6日の記事であることがわかる。 (4)乙第11号証は、乙第I0号証の上段左側の写真を拡大した写真である。看板「DARK MOON」の前部に置かれた商品からスリーピン(通称、パッチン留め)が見えることにより、この商品が髪飾りであることが確認できる。 (5)乙第8号証ないし乙第11号証により、2024年7月6日に商標権者がショップ名「DARK MOON」において髪飾りを販売していたことが確認できる。 (6)なお、2024年7月6日に商標権者がショップ名「DARK MOON」において髪飾りを販売した事実が、商標法50条3項に規定するいわゆる駆け込み使用ではないことを以下に主張する。 (7)商標権者は、ショップ名「DARK MOON」を髪飾りの販売において使用した2024年7月6日までに、「身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の取消しを求める不使用取消審判を請求される旨の通知を請求人から一切通知されていない。 (8)商標権者が、ショップ名「DARK MOON」を髪飾りの販売において2024年7月6日に使用した必然性を説明する。乙第12号証は、福井県人野市鍬掛のショッピングモールVIOにおいて毎年定期開催されているクラフト市「Obra guia」(オブラギア)の初回開催となる2015年から2024年までのポスターの写しである(2020年のみコロナ禍により未開催)。2015年と2016年は福井県大野市においてイベント集客の多い7月にクラフト市「Obra guia」(オブラギア)が定期開催されていた。しかし、福井県大野市の7月の気温が高かったこと、開催場所の空調設備の不調、さらには同時期に福井県大野市の伝統食文化である夏至から数えて11日目に鯖の丸焼きを食べる「半月生さば」の影響でクラフト市「Obra guia」(オブラギア)の開催場所近くで鯖の丸焼きの実演販売が毎年行われ、焼鯖の匂いと暑さによって体調不良者が続出した。そこで、出店者及び来場者の健康を考慮し2017年から2022年までは9月定期開催に変更された。しかしながら9月の定期開催は福井県大野市内の学校体育祭等と重なり、家族の学校体育祭観戦を優先する出店者がクラフト市「Obra guia」(オブラギア)に出店できない事態が頻出して十分な出店者の確保が難しくなっていた。また、開催場所の空調設備の改修も完了し、コロナ禍を経て感染対策の観点から「半月生さば」の時期の鯖の丸焼きの実演販売が2021年以降の恒久不実施が確定したことを受け、オブラギア実行委員会の判断により2023年から7月定期開催に戻し、2024年も7月にクラフト市「Obra guia」(オブラギア)が定期開催された。商標権者はショップ名「DARK MOON」をクラフト市「Obra guia」(オブラギア)で2015年から毎年出店しており、2024年も7月に定期開催されたクラフト市「Obra guia」(オブラギア)にてショップ名「DARK MOON」を出店し、乙第10号証にあるとおり、ショップ名「DARK MOON」にて髪飾りを販売した。したがって、商標権者の意思とは別に開催日程が決定するクラフト市「Obra guia」(オブラギア)に8年連続でショップ名「DARK MOON」を出店していることから、9年目となる2024年もオブラギア実行委員会の開催要項にしたがって7月6日に髪飾り等を販売するショップ名「DARK MOON」を出店した。 3 以上より、「身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」において商標権者が本件商標を要証期間内の2021年9月4日及び2024年7月6日に、日本国内である福井県大野市において、使用していることが立証された。 第4 当審の判断 1 被請求人の主張及び提出された証拠によれば、以下のとおりである。 (1)Obra guiaのポスター(乙8、乙12) 乙第8号証及び乙第12号証(1葉目)は、2024年7月6日及び同月7日に福井県大野市で開催されたクラフト市であるObra guiaのポスターを写した画像であるところ、同ポスターの上部中央に、「Obra guia/オブラギア」、「県内外で活動している大野の作家たち」の記載があり、下部に「2024年/7月6日□土10:00~17:00(~19:00)/7月7日□日10:00~17:00」(「□土」は「土」を□で囲ったもの。同様に、「□日」は「日」を□で囲ったもの。)、「ところ/大野市ショッピングモール/ヴィオ内 センターコート」、「ViO・オブラギア実行委員会/0779-・・・」の記載がある。 そして、同ポスターの左下には、「DARK MOON」の表示がある。 (2)Obra guiaへの出店申し込み用紙(乙9) 乙第9号証は、2024年5月2日に提出されたObra guiaの出店申し込み用紙の写しであるところ、その上部に、「オブラ ギア」、「知っていますか?/県内外で活動している 大野の作家たち VIOに大集合」、「出店申し込み用紙」、「提出日 2024年5月2日」の記載がある。 そして、同出店申し込み用紙の中央の表内には、「ふりがな だーく むーん」、「ショップ名・名称 DARK MOON」、「商品・作品のジャンル あみぐるみ キーホルダー 編物 小物」、「責任者氏名 前田 裕子」の記載がある。 (3)商標権者のFacebookの記事(乙10、乙11) ア 乙第10号証は、商標権者のFacebook記事(以下「本件Facebook記事」という。)の写しとするものであるところ、上部に「前田 裕子さんはショッピングモール VIOにいます。/7月6日・大野市/オブラギア始まってます。/DARK MOONで出店しています。/ぬいぐるみ、編みぐるみ、キーホルダー、壁掛け、髪飾りなど、手作り小物を販売しています」の記載があり、その下に、各種商品が棚等に陳列された様子を撮影した5枚の画像が掲載され、そのうち上段左側の1枚には、髪飾りとおぼしき商品が、別掲のとおり「DARK/MOON」の文字を表示したボード等とともに陳列されている様子を撮影した画像が掲載されている。 イ また、乙第11号証は、乙第10号証の上段左側の画像を拡大したとするものであるところ、上記アと同様に、髪飾りとおぼしき商品と「DARK MOON」の文字を表示したボード等が棚等に陳列された様子を撮影した画像が掲載され、その右側に、商標権者の氏名と「7月6日」、「場所:ショッピングモール VIO」の記載がある。 2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。 (1)使用商標について 本件Facebook記事には、上記1(3)のとおり、本文中に「DARK MOON」の文字(以下「使用商標1」という。)及び、画像中のボードに別掲のとおりの「DARK/MOON」の文字(以下「使用商標2」という。また、使用商標1と使用商標2をあわせて「使用商標」という。)が表示されているところ、使用商標は、本件商標と文字構成を同じくし、「ダークムーン」の称呼、「暗い月」程の意味合いを理解させるものとしての観念もそれぞれ共通するから、本件商標と社会通念上同一の商標といえる。 (2)使用者について 上記1によれば、福井県大野市のショッピングモールで開催されたクラフト市「Obra guia」において、「DARK MOON」と称するショップを出店し、その様子を使用商標とともに本件Facebook記事に掲載したのは商標権者と認められるから、使用商標の使用者は、商標権者である。 (3)使用役務について 上記1(3)のとおり、「DARK MOON」と称する店舗においては、髪飾りが販売されていたと認められるところ、店舗において髪飾りを販売する行為(以下「使用役務」という場合がある。)は、請求に係る役務中、「身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の範ちゅうに属するものである。 (4)使用時期について 上記1(1)によれば、福井県大野市のショッピングモールにおいて、「DARK MOON」と称する店舗を含むクラフト市「Obra guia」が出店されたのは、2024年7月6日及び同月7日であることがうかがえるから、その様子が使用商標とともに掲載された本件Facebook記事における「7月6日」の表示は、その一日目である2024年7月6日を指すものと優に推認できる。 よって、使用商標の使用時期は要証期間内である。 (5)使用行為について 本件Facebook記事の投稿内容は、使用役務についての広告と認められる。 そうすると、商標権者は、本件Facebook記事において使用役務に関する広告を内容とする情報に使用商標を付したといえる。 また、当該行為は、日本国内において行われたことが明らかである。 (6)小括 上記(1)ないし(5)によれば、商標権者は、要証期間に、日本国内において、請求に係る役務中「身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の範ちゅうに属する役務についての広告を内容とする情報に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して電磁的方法により提供した(商標法第2条第3項第8号)と認めることができる。 3 まとめ 以上のとおり、被請求人は、要証期間に、日本国内において、商標権者が、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を、本件商標の指定役務中、請求に係る役務について使用していたことを証明したものと認められる。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。 よって、結論のとおり審決する。

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