商標取消審判
2024-300248
オオピイエイ、オーパ、オパ
- 審判番号
- 2024-300248
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2015-006728
- 登録番号
- 5880001
- 請求日
- 2024年04月17日
- 審決日
- 2025年02月17日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】安富産業 株式会社
- 【被請求人】株式会社 OPA
- 【被請求人代理人】正木 裕士
- 【被請求人代理人】三上 祐子
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 大島 康浩
- 審判官 小林 裕子
- 分類
- T132 .1 -Z (W41)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5880001号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第5880001号商標の指定役務中、第41類「娯楽施設の提供」についての商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5880001号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成27年1月27日に登録出願、別掲2のとおりの第35類ないし第37類、第39類ないし第41類及び第43類ないし第45類に属する役務を指定役務として、同28年9月9日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和6年5月8日である。
なお、本件審判の請求の登録前3年以内の期間である令和3年(2021年)5月8日から同6年(2024年)5月7日までを、以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
本件商標は、その指定役務中、第41類「娯楽施設の提供」(以下「本件審判の請求に係る指定役務」という。)について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
なお、請求人は、令和6年7月12日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対して、弁駁していない。
第3 被請求人の主張
1 答弁の趣旨
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、答弁書において理由を要旨以下のとおり主張し、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証(枝番号あり。)を提出した。
2 答弁の理由
被請求人は、「聖蹟桜ヶ丘オーパ」(東京都多摩市)において、本件商標の通常使用権者たる「イオンモール株式会社」(以下「イオンモール社」という。)が、本件審判の請求に係る指定役務について、本件商標を使用している。
(1)イオンモール社が黙示の使用許諾を与えられていたこと
被請求人は、令和3年(2021年)3月1日から現在に至るまで、被請求人の親会社であるイオンモール社に対し、黙示の使用許諾を与えていた。
上記の事実を示す証拠として、本件商標権者の会社案内を提出する(乙1の1)。なお、同証拠資料は、本件商標権者のウェブサイト(https://www.opa.gr.jp/company2024_02.pdf)において閲覧が可能であり、同証拠資料10ページ目の「株主構成」にあるように、イオンモール社は、被請求人に100%出資する(被請求人の議決権の100%を保有する)親会社である。
また、同証拠資料7ページ目に「※組織再編により、明石ビブレ、秋田オーパ、水戸オーパ、八王子オーパ、聖蹟桜ヶ丘オーパ、湘南藤沢オーパ、名古屋mozoオーパ、河原町オーパ、心斎橋オーパ、大分オーパ、那覇オーパはイオンモール株式会社が運営しております。」とあるように、イオンモール社は、被請求人の合意のもと、これらの商業施設「オーパ」を運営している。
また、乙第1号証の2は、被請求人のウェブサイトであって、各店舗のサイトへのリンクが掲載されている箇所の写しである。この写しには、被請求人の運営にかかる「オーパ」のほか、イオンモール社の運営にかかる「オーパ」も確認できる。さらに、そのリンクのうち、イオンモール社の運営にかかる「オーパ」、例えば「聖蹟桜ヶ丘オーパ」をクリックすると、「聖蹟桜ヶ丘オーパ」のウェブサイトが表示され(乙1の3)、同証拠1ページ目上部に、本件商標と同一の商標が使用されている。一方、同証拠6ページ目に「Copyright OPA co.,ltd All right sreserved.」と記載されている。また、乙第1号証の4として提出する「利用規約」には、「当サイトで提供する情報、サービス、広告等(以下「情報等」といいます)に含まれる内容に関する商標権・著作権その他の知的財産権は、全て当サイトを運営管理する株式会社OPA又はその他の正当な権利者に帰属します。」と記載されている。
上記の乙第1号証の1ないし乙第1号証の4によれば、被請求人はイオンモール社が商業施設「オーパ」を運営していることを認識しており(乙1の1)、その運営にあたり、ウェブサイトに本件商標を使用していることも認識している(乙1の2)。
したがって、本件指定役務「娯楽施設の提供」はもちろん、本件商標の権利範囲において、被請求人に、イオンモール社が本件商標を商業施設「オーパ」の運営全般に使用することに許諾の意思があったことは明らかである。すなわち、イオンモール社は被請求人に黙示の使用許諾を与えられた通常使用権者である。
(2)「聖蹟桜ヶ丘オーパ」において、本件商標を、本件審判の請求に係る指定役務の用に供する掲示物に付して展示していたこと
イオンモール社は、少なくとも2019年9月13日に「聖蹟桜ヶ丘オーパ」(東京都多摩市)において、本件審判の請求に係る指定役務に関する広告に本件商標を付して展示していた。
ア 「聖蹟桜ヶ丘オーパ」が、看板に本件商標を使用していること
イオンモール社の運営にかかる「聖蹟桜ヶ丘オーパ」は、1999年9月23日に開店し、同年から乙第2号証の1のように、本件商標を看板として使用している。なお、ウェブサイト「地域NEWS号外NET 多摩市・稲城市」に掲載の記事を乙第2号証の3として提出する(https://tama-inagi.goguynet.jp/2022/08/06/vitahureaimaturi/)。この記事は、2022年8月7日(日)に、多摩市関戸のヴィータ・コミューネ(多摩市立関戸公民館)で、「第1回VITA(ヴィータ)ふれあいまつり」が開催されることの宣伝記事であり、少なくとも2022年8月7日(日)までに作成され、インターネット上に公開されたと考えられる。この記事に、「聖蹟桜ヶ丘オーパ」の外観写真が掲載されており、本件商標を看板として使用していることがわかる。このことから、遅くとも2022年8月7日(日)より前から、乙第2号証の1のように、本件商標を看板として使用していることがわかる。
(ア)要証期間内の使用か
上述のとおり、本件使用権者は1999年から本件商標を看板として使用している。また、「聖蹟桜ヶ丘オーパ」内で、遅くとも2019年9月13日に、娯楽施設の提供を行っているため、要証期間内の使用である。
(イ)日本国内での使用か
乙第2号証の2として、「聖蹟桜ヶ丘オーパ」のウェブサイトであって、イオンモール社の「聖蹟桜ヶ丘オーパ」の所在地がわかるページを提出する。同証拠から明らかなように、「聖蹟桜ヶ丘オーパ」は東京都多摩市に存する。
したがって、日本国内での使用である。
(ウ)役務の提供がイオンモール社によりなされているか
乙第3号証の1として、イオンモール社が、「株式会社イオンファンタジー」と締結した「出店契約書」の写しを提出する。
乙第3号証の1については、株式会社イオンファンタジーとイオンモール社との間でかわされた「出店契約書」の「契約の基本項目表」を抜粋したものである。契約書によれば、株式会社イオンファンタジー「聖蹟桜ヶ丘オーパ」の6階において、取扱品目がアミューズメントの店舗「ゲームスポット パロ」を、2019年9月13日に出店した。
また、乙第3号証の2は、「ゲームスポット パロ」の外観の画像であり、乙第3号証の3は、「聖蹟桜ヶ丘オーパ」の6階に「ゲームスポット パロ」があることが表示されている。
さらに、乙第3号証の4として、「聖蹟桜ヶ丘オーパ」の別の階にも複数の娯楽施設が提供されていることが表示されている。これら娯楽施設には各々屋号が表示されていることから、被請求人が管理運営する商業施設の中で娯楽施設の提供がなされているため、被請求人が娯楽施設の提供をしているとも考えることができる。この点については、乙第3号証の3によれば、株式会社イオンファンタジーとイオンモール社との関係においては、イオンモール社は「娯楽施設の提供」を行っているわけではない。しかしながら、来店者とイオンモール社との関係においては、イオンモール社は複数の娯楽施設を擁していることから、来店者は、娯楽施設の利用を目的とし「聖蹟桜ヶ丘オーパ」を訪れることも多い。そうすると、来店者からみると、「聖蹟桜ヶ丘オーパ」は、買物や飲食も可能な一方、娯楽施設としても認識されていることは容易に推測される。したがって、看板として使用されている本件商標は、娯楽施設の看板としても使用されているとみることができる。
(エ)本件商標と社会通念上同一の商標が使用されているか
乙第2号証の1から明らかなとおり、本件商標と社会通念上同一である。
イ 「聖蹟桜ヶ丘オーパ」での使用を示す証拠のまとめ
上記のとおり、被請求人からの黙示の使用許諾を得たイオンモール社は、要証期間内に、日本国内において、本件審判の請求に係る指定役務について、本件商標を、商標法第2条第3項第8号に該当する使用をしている。
(3)まとめ
上記のとおり、イオンモール社は、本件商標の通常使用権者である。
また、イオンモール社は、要証期間内に、日本国内において、本件審判の請求に係る指定役務について、本件商標を、商標法第2条第3項第8号に該当する使用をしている。
また、被請求人は、本件商標を、要証期間内に、日本国内において、本件審判の請求に係る指定役務について、本件商標を、商標法第2条第3項第8号に該当する使用をしている。
第4 当審の判断
1 被請求人の主張及び証拠資料によれば、以下のとおりである。
(1)被請求人である本件商標権者の会社案内(乙1の1)によれば、本件商標権者は都市型のSC開発運営を中心に事業展開をしている。そして、「会社概要」の「株主構成」欄には、「イオンモール株式会社 100%」の記載がある。
乙第1号証の3は、イオンモール社が運営する商業施設「聖蹟桜ヶ丘オーパ」のウェブサイトの写しであり、左上部に別掲3のとおりの商標(以下「本件使用商標」という。)が表示されている。
(2)「聖蹟桜ヶ丘オーパ」が、看板に本件使用商標を使用していることの証拠について
イオンモール社の運営にかかる商業施設「聖蹟桜ヶ丘オーパ」は、1999年9月23日に開店し、本件使用商標を看板として使用している(乙2の1)。
乙第3号証の1は、イオンモール社が、株式会社イオンファンタジーと締結した「出店契約書」の写しであり、当該契約書によれば、株式会社イオンファンタジーは「聖蹟桜ヶ丘オーパ」の6階において、アミューズメントサービスを提供する店舗「ゲームスポット パロ」を、2019年9月13日に出店した。
2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用商標について
本件商標は、別掲1のとおり、黒色の横長四角形内に「OPA」の欧文字の構成からなり、本件使用商標は、別掲3のとおりの構成からなるところ、両者はいずれも「O」の文字を青色、「P」の文字を黄色、「A」の文字を赤色で配色し、構成中の「P」の文字は、「O」と「A」の文字に一部重なるように表されているから、社会通念上同一の商標と認められる。
(2)使用者について
上記1(1)によれば、被請求人である本件商標権者は、イオンモール社が本件商標権者の株式を100%保有し、商業施設「聖蹟桜ヶ丘オーパ」を運営していること及び本件商標権者が、イオンモール社によって本件使用商標が使用されていることについて異議を述べていないことも勘案すれば、イオンモール社は通常使用権者であり、本件商標についての黙示の使用権者であると解される。
よって、本件使用商標の使用者は、本件商標の通常使用権者であるイオンモール社(以下「通常使用権者」という。)と認められる。
(3)使用時期及び使用役務について
上記1(2)によれば、本件商標権者が、株式会社イオンファンタジーと締結した「出店契約書」の写しであり、その契約期間は、2019年9月13日(営業開始日)から2025年8月31日(満了日)までとなっている。
契約書によれば、株式会社イオンファンタジーは、商業施設「聖蹟桜ヶ丘オーパ」の6階において、アミューズメントサービスを提供する店舗「ゲームスポット パロ」を営業している。
そうすると、当該契約書の契約期間は、要証期間といえるものの、本件商標権者と株式会社イオンファンタジーとの間で締結された契約書は「定期建物賃貸借契約」であり、出店場所の貸与(「建物の貸与」)に関する契約であることから、遊戯場や遊園地等の娯楽施設を一時的に利用させる本件審判の請求に係る指定役務「娯楽施設の提供」とはいえない。
さらに、通常使用権者と株式会社イオンファンタジーとの関係においても同様に、通常使用権者が本件商標の使用をしていたとしても、株式会社イオンファンタジーが「娯楽施設の提供」を行っているものであり、通常使用権者は「娯楽施設の提供」を行っているとはいえない。
したがって、本件商標権者及び通常使用権者は、要証期間に使用役務を使用していたことを証明していない。
(4)使用行為について
上記1(1)及び(2)によれば、 本件商標の通常使用権者であるイオンモール株式会社が運営する「聖蹟桜ヶ丘オーパ」のウェブサイトの左上部に別掲3の本件使用商標を使用しているものの、本件審判の請求に係る指定役務を使用していない。また、本件商標の通常使用権者であるイオンモール株式会社は、「聖蹟桜ヶ丘オーパ」に本件使用商標を看板として使用しているものの、本件商標権者及び通常使用権者は、本件審判の請求に係る指定役務について行っているものとはいえない。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人の提出した全証拠によっては、被請求人は、要証期間に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標又は社会通念上同一と認められる商標を本件審判請求に係る指定役務のいずれかについて、商標法第2条第3項各号に規定する使用行為を行ったことも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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