商標取消審判
2024-300062
アロハ
- 審判番号
- 2024-300062
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2007-120212
- 登録番号
- 5192243
- 請求日
- 2024年02月01日
- 審決日
- 2025年08月14日
- 公報発行日
- 2025年10月31日
- 結論
- 請求成立(取消)
- 当事者
- 【請求人】菅野 歩
- 【被請求人】佐藤 紀昭
- 【被請求人】古川 優三
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 大島 康浩
- 分類
- T132 .1 -Z (X43)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第50条第1項、商標法第50条第2項、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5192243号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
登録第5192243号商標の指定役務中、第43類「飲食物の提供」についての商標登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。
理由
理 由
第1 本件商標
本件登録第5192243号商標(以下「本件商標」という。)は、「アロハ」及び「ALOHA」の文字を二段に横書きしてなり、平成19年11月30日に登録出願され、同20年12月26日に第43類及び第44類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として設定登録がなされ、その後、同26年10月31日に第44類「美容,理容,入浴施設の提供,あん摩・マッサージ及び指圧,カイロプラクティック,きゅう,柔道整復,はり,医業,医療情報の提供,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導」について取り消す旨の審決があり、同27年1月8日に当該審決の確定登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、令和6年2月21日であり、その請求の登録前3年以内の令和3年2月21日から令和6年2月20日までの期間を以下「要証期間」という。
第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書及び審判事件弁駁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務中、第43類「飲食物の提供」(以下「請求に係る指定役務」という場合がある。)について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)商標の使用時期について
商標の使用時期が平成29年1月から現在に至るまでと解釈できる余地はあるが、乙第1号証及び乙第2号証から日付を確認することはできない。したがって、商標の使用時期は、客観的証拠により証明されていない。
(2)商標の使用主体について
商標の使用主体が被請求人及びA社、またはそのいずれかであると解釈できる余地はあるが、乙第1号証及び乙第2号証からは、使用主体についての情報を確認することはできない。
したがって、商標の使用主体は、客観的証拠により証明されていない。
(3)乙第1号証「cafe ALOHA」について
乙第1号証から確認できる商標は、上段の欧文字「Cafe」及び下段の欧文字「ALOHA」の二段構成の文字部分、及び、その左側に配された花及び葉のイラスト部分からなる。
この点、乙第1号証に係る商標の上段及び下段の文字部分は、それらの中央を揃えてまとまりよく一体的に表されている。また、文字部分の上端とイラスト部分の上端の上下方向の差と、イラスト部分の下端と文字部分の下端の上下方向の差がバランスよく揃えられているため、イラスト部分の存在によって、文字部分の一体性がさらに強調される。そのため、欧文字「Cafe」部分及び「ALOHA」部分は常に一体のものとして自然に把握される。
一方で、本件商標は、上段の片仮名「アロハ」及び下段の欧文字「ALOHA」の二段からなるものである。
したがって、乙第1号証に係る商標は、本件商標と明らかに異なるものであり、当然に、両者の社会通念上の同一性は認められるべきではない。
(4)乙第2号証「ALOHA Kitchen」について
乙第2号証の2枚目の写真から確認できる商標は、左側の欧文字「ALOHA」部分、中央の花及び葉のイラスト部分、及び、右側の欧文字「Kitchen」部分からなる。
この点、横長の長方形内において、2つの文字部分が中央のイラスト部分を挟んで左右に配され、かつ、「ALOHA」部分の左側の余白の広さと、「Kitchen」部分の右側の余白の広さが揃えられている。このように、乙第2号証に係る商標は、構成要素全体としての一体性を特徴とするため、常に一体のものとして自然に把握される。
したがって、乙第2号証に係る商標も、本件商標と明らかに異なるものであり、当然に、両者の社会通念上の同一性は認められるべきではない。
また、乙第2号証の1枚目の写真からは本件商標を確認できず、かつ、2枚目の写真との関係性も全く不明である。よって、乙第2号証は、本件指定役務の使用に関する証拠にはなりえない。
さらに、神奈川県横須賀市に存する店舗「ALOHA Kitchen」(乙第2号証の2枚目の写真の店舗と同じ外観を有する)に関するウェブページには、「仕出し弁当専門店」との記載がある(甲2)。そのため、施設名称「ALOHAKitchen」に係る使用は、本件指定役務に対するものではないことが明らかになった((商品「第30類 弁当」等)に対する使用にすぎない)。
第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を審判事件答弁書において要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証及び乙第2号証を提出した。
平成29年1月当時、被請求人が役員であったA社(横須賀市池田町所在)において併設する厨房「ALOHA Kitchen」「cafe ALOHA」において食事の提供を開始し、現在に至るまで当該商標の名称を使用している。
「cafe ALOHA」では、A社が「ALOHA Kitchen」で調理提供するサンドウィッチや弁当を「cafe ALOHA」において販売提供しており、「第43類 飲食物の提供」について継続して3年以上日本国内において商標権者が、当該商標を使用していたのは、明白な事実である。
第4 審尋について
審判長は、被請求人に対して、令和7年4月24日付けで通知した審尋により、被請求人の主張及び提出に係る証拠によっては、被請求人が、商標法第50条第2項に規定する本件商標の使用を証明したものと認めることができない旨の暫定的見解を示したうえで、請求人提出の審判事件弁駁書の主張及び上記暫定的見解に対し、意見があれば証拠とともに提出されたい旨の審尋を送付し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。
しかしながら、被請求人は上記審尋に対し、何ら応答していない。
第5 当審の判断
1 被請求人の主張及び提出された証拠によれば、以下のとおりである。
(1)被請求人は、平成29年1月当時、神奈川県横須賀市所在のA社の役員であり、A社に併設する厨房で「ALOHA Kitchen」「cafe ALOHA」の名称を用いて施設運営を開始し現在に至るまで、本件商標を使用し、A社が「ALOHA Kitchen」で調理提供するサンドウィッチや弁当を「cafe ALOHA」において販売提供していることから、第43類「飲食物の提供」について継続して3年以上日本国内において、商標権者が本件商標を使用している旨主張する。
(2)乙第1号証は、飲食物を提供していると思われる施設の壁面に、「Cafe」(「e」の文字の上にはアクサンテギュが付されている。)及び「ALOHA」の文字を二段に表した構成からなる標章(花等の図形及び色彩あり。以下「使用商標1」という。)が付された写真(上部)及び当該施設にテーブルと椅子等が配置された写真(下部)である。
(3)乙第2号証は、飲食物を提供している施設の写真(上部)及び「ALOHA Kitchen」の文字(花とおぼしき図形あり。以下「使用商標2」という。)を表示した看板が掲げられた建物の出入り口の写真(下部)である。
2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用者について
上記1(1)のとおり、被請求人は、審判事件答弁書において、被請求人が役員であったA社に併設する厨房の食事を提供する施設で本件商標を使用している旨主張しているが、本件商標権者(2名)とA社との関係を具体的に示す証拠が提出されておらず、両者の関係が明らかでない。
また、上記1(2)のとおりの使用商標1及び上記1(3)のとおりの使用商標2について、いかなる者による使用であるのかを裏付ける客観的な証拠の提出はない。
(2)使用時期について
上記1(2)のとおり、使用商標1が飲食物を提供するとおぼしき施設の壁面に表示され、使用商標2が建物の出入口の看板として掲げられていることはうかがえるものの、これらが要証期間に使用されていたことを裏付ける客観的な証拠の提出はない。
(3)小括
以上のことからすれば、本件商標と使用商標1及び使用商標2が社会通念上同一ということができたとしても、使用商標1及び使用商標2が、いかなる者の使用に係るものであるかが明らかでなく、それらが要証期間内に使用されたものとはいえない。
3 むすび
以上のとおり、被請求人は、本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標権者、通常使用権者又は専用使用権者のいずれかが、その請求に係る指定役務について、使用していることを証明したということはできない。
また、被請求人は、本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきである。
よって、結論のとおり審決する。
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