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商標取消審判

2024-300010

パビース、パバイス

審判番号
2024-300010
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2019-069129
登録番号
6250240
請求日
2024年01月10日
審決日
2025年07月30日
公報発行日
2025年10月31日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【請求人】株式会社 PAVISE
  • 【請求人代理人】新保 斉
  • 【被請求人】エルエフティー 株式会社
審判長/審判官
  • 審判長 板谷 玲子
  • 審判官 大橋 良成
  • 審判官 富澤 哲生
分類
T131 .1 -Z (W17)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第50条、商標法第2条第3項、商標法第50条第1項、商標法第50条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第6250240号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 登録第6250240号商標の商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第6250240号商標(以下「本件商標」という。)は、「PAVISE」の欧文字を標準文字で表してなり、令和元年5月15日に登録出願、同2年5月8日に第17類「プラスチック製のフィルム,窓ガラス貼着用フィルム,自動車用窓ガラス用プラスチックフィルム,プラスチック基礎製品」を指定商品として設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。 そして、本件審判の請求の登録は、令和6年1月26日になされたものであり、この登録前3年以内の期間(令和3年1月26日~令和6年1月25日)を、以下「要証期間」という。 第2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書及び弁駁書にて、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものと思料する。 2 答弁に対する弁駁 被請求人より提出された答弁書の内容について反論する。 被請求人が提出した証拠(乙4)は、要証期間内に撮影したものと主張しているが、その撮影日時について客観的な証拠はなく、要証期間内にそれらの商品があったことは不明であり、また、撮影場所についても、客観的な証拠はなく日本国内か否かも不明である。 さらに、本件商標が箱に付されていると主張しているが、指定商品に関する商品がその箱に入っているものか否かも不明であり、本件商標に係る指定商品について使用しているか否かも不明である。 次に、商標の不使用取消審判において、被請求人が提出した、倉庫に保管されている商品に付された登録商標の写真のみでは、登録商標の使用を証明するものとは認められない。商標の使用と認められるためには、市場での取引を通じた使用(例:販売、提供、広告など)が必要である。 単に倉庫に保管されている商品に商標が付されているだけであり、他の証拠(例えば、出荷記録や販売契約書、取引先への商標使用を示す証拠など)がなければ、実際の商取引における使用と見なされることはないものと思料する。 以上のことから、被請求人が提出した証拠(乙4)だけでは商標の使用を裏付けることができないものと思料する。 第3 被請求人の主張 1 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする旨の審決を求め、答弁書において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。 本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないとまではいえないことから、本件審判請求は成り立たない。 以下、詳述する。 (1)被請求人の状況について ア 商標権者は、自動車関連用品(フィルム等)の企画・販売業を主な業務内容とする株式会社であるところ、令和3年9月頃まで営業を行っていたことが認められるが、同月頃廃業し、同年12月28日付けで横浜地方裁判所に破産手続開始の申立てを行い、令和4年2月3日付けで破産手続開始決定がなされ、破産管財人が選任された(乙1)。 イ 上記破産手続開始申立書においては、商標権者に知的財産権は存在しないとされており(乙2)、破産管財人においても本件商標については確知できないまま、財産換価を終了して配当手続を経て、令和5年2月15日に商標権者の破産手続を終結している(乙3)。 ウ 上記破産手続において、破産管財人は、商標権者が賃借していた倉庫の明渡し、及び、倉庫内の動産類を処分しているところ、同倉庫内には、在庫商品としてフィルムが残置されており、その箱には本件商標と同様の記載がなされていたことから(乙4)、廃業直前の令和3年9月頃まで本件商標が印字された自動車用窓ガラス用プラスチックフィルム等が販売されていたことがうかがわれた。 (2)むすび 以上から、本件商標については、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないとまではいえないことから、本件審判請求は成り立たない。 2 なお、審判長は、被請求人に対し、令和7年3月25日付けで、合議体の暫定的見解を示した審尋を送付し、相当の期間を指定して、当該審尋に対する回答を求めたが、被請求人は、何ら応答していない。 第4 当審の判断 1 被請求人の立証責任 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、本件商標の指定商品について登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。 すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標の指定商品について、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることを全て証明する必要がある。 2 事実認定 (1)被請求人の提出した乙各号証によれば、以下の事実が確認できる。 ア 乙第1号証ないし乙第3号証 乙第1号証ないし乙第3号証は、いずれも商標権者を債務者とする裁判所の破産手続に関するものであり、乙第1号証は、破産手続開始決定、乙第2号証は、破産手続開始申立書、乙第3号証は、破産手続終結決定である。 イ 乙第4号証 乙第4号証は、「報告書」との表題の文書であり、1葉目において、商標権者の破産手続における清算人が、商標権者が賃借していた倉庫内に保管されていた在庫商品について、令和4年2月6日に撮影した写真を当該文書に添付して報告する旨の記載があり、2葉目ないし4葉目において、それぞれ写真が提示されている。 そして、2葉目の写真からは、別掲1のとおり、側面が細長い長方形の箱が多数、壁面に立て掛けられている様子が見て取れ、さらに、一部の箱について、その側面に盾状の赤枠図形内の「P」に続き「AVISE FILM」を一連に「PAVISE FILM」の欧文字(一部の文字はデザイン化されている。)を表した商標が見て取れる。 また、3葉目の写真においては、上記と同様の箱における上記商標の表示部分を拡大したものが見て取れる。 一方、4葉目の写真においては、別掲2のとおり、複数の箱のそれぞれにおけるおおむね正方形の側面に、上記商標と同様の商標の記載(一部の箱においては「P」を囲む赤色の枠が極めて薄くなっているが、これは退色によるものと思われる。)があり、複数のうちの1つの箱において、当該商標の下に、「PAVISE ECONOMY 35」の文字を横書きにしてなる商標の記載、その下に、「60”×100’ 1.524mm×30m」の記載があることが見て取れる。 (2)上記(1)ア及びイによれば、次の事実を認めることができる。 ア 倉庫内で撮影されたとされる乙第4号証の写真から見て取れる、箱に表示された商標の構成中の「FILM」から、当該箱の収容物が何らかのフィルム(以下「本件フィルム」という。)であることは推認できる。 イ しかしながら、本号証において、本件フィルムの用途や材質は明らかでなく、その製造時期又は販売時期も明らかでなく、また、その販売者が商標権者、専用使用権者又は通常使用権者であることは確認できない。 さらに、本件フィルムの販売の際、上記アの箱と共に販売していたのか、あるいは、本件フィルムのみを販売していたのかが明らかではなく、後者の場合、本件フィルムに本件商標と社会通念上同一と認められる商標が付されていたか否かも明らかでない。 そして、これらは、乙第1号証ないし乙第3号証によって明らかになるものではない。 被請求人は、令和3年9月頃まで本件商標が印字された自動車用窓ガラス用プラスチックフィルム等が販売されていたことがうかがわれた旨主張しているが、そのような事実が確認できる証拠は提出されていない。 ウ そうすると、盾状の赤枠図形内の「P」に続き「AVISE FILM」を一連に「PAVISE FILM」の欧文字(一部の文字はデザイン化されている。)を表した商標(以下「使用商標1」という。)及び「PAVISE ECONOMY 35」の文字を横書きにしてなる商標(以下「使用商標2」という。)が、本件フィルムを収容する箱に表示されていた事実は認められるものの、被請求人が提出した証拠によっては、使用商標1及び使用商標2について、使用主体、使用時期及び具体的な使用態様は、特定することができず、また、本件フィルムと本件商標の指定商品との関係も特定することができない。 3 判断 上記2(2)ウによれば、本件商標と使用商標1又は使用商標2との社会通念上の同一性について検討するまでもなく、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を、その指定商品のいずれかについて、商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する行為によって使用したものとは認められない。 4 まとめ 以上のとおりであるから、被請求人が提出した証拠によっては、被請求人は、要証期間に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を、その指定商品のいずれかについて使用していたことを証明していない。 また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。 したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

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