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特許拒絶査定不服審判

2024-020663

絞出し容器

審判番号
2024-020663
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-078057
請求日
2024年12月24日
審決日
2026年06月23日
公報発行日
2026年09月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社吉野工業所
  • 【請求人代理人】杉村 憲司
  • 【請求人代理人】杉村 光嗣
  • 【請求人代理人】片岡 憲一郎
審判長/審判官
  • 審判長 田口 傑
  • 審判官 宮地 匡人
  • 審判官 神山 茂樹
分類
P18 .121-Z (B65D)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2021-78057「絞出し容器」拒絶査定不服審判事件〔令和4年11月11日出願公開、特開2022-171426〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本件出願(以下「本願」と記す。)は、令和3年4月30日に出願された特願2021-78057号であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和6年 6月 3日付け 拒絶理由通知書 令和6年 8月 6日 意見書の提出 令和6年10月 1日付け 拒絶査定(以下「原査定」という。) (令和6年10月 8日 原査定の謄本の送達) 令和6年12月24日 審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和6年12月24日提出の手続補正についての補正の却下の決定 〔補正の却下の決定の結論〕 令和6年12月24日提出の手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 〔理由〕 1 本件補正について (1)本件補正は、特許請求の範囲の全文を補正するものであって、本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。 「【請求項1】 円筒状の口部、前記口部の下端に一体に連なって前記口部の下端から径方向外側に向けて延びる肩部、前記口部の下端よりも横断面形状が大きい上端において前記肩部の下端に一体に連なる胴部及び前記胴部の下端に一体に連なって前記胴部の下端を閉塞する底部を備え、前記胴部が平面視において前記口部の軸線上で互いに交差する長軸と短軸とを有する扁平形状であるとともに押圧により変形して内容物を絞り出し可能に構成されている合成樹脂製の絞出し容器であって、 前記胴部の上側部分に、前記胴部の全周に亘って延びる周方向凹リブが設けられ、 前記胴部の前記周方向凹リブよりも前記肩部の側の部分が、それぞれ外側に向けて凸となる湾曲した形状を有して前記短軸に沿う方向に互いに対向するとともに前記長軸に沿う方向の両端部において互いの下端部分が連結する一対の押潰し壁部と、それぞれ前記長軸に沿う方向に互いに対向するとともに一対の前記押潰し壁部の間に配置された一対の連結側壁部とを有し、 一方の前記押潰し壁部と一対の前記連結側壁部との間及び他方の前記押潰し壁部と一対の前記連結側壁部との間に、それぞれ前記押潰し壁部の前記長軸に沿う方向の両端部の下端部分から延びるとともに前記短軸方向における互いの間隔が上方から下方に向かって漸次短くなる屈曲部が設けられていることを特徴とする絞出し容器。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲の請求項1 本件補正前の、本件の出願時の特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。 「【請求項1】 口部、肩部、胴部及び底部を備え、前記胴部が平面視において前記口部の軸線上で互いに交差する長軸と短軸とを有する扁平形状であるとともに押圧により変形して内容物を絞り出し可能に構成されている合成樹脂製の絞出し容器であって、 前記胴部の上側部分に、前記胴部の全周に亘って延びる周方向凹リブが設けられ、 前記胴部の前記周方向凹リブよりも前記肩部の側の部分が、それぞれ外側に向けて凸となる湾曲した形状を有して前記短軸に沿う方向に互いに対向するとともに前記長軸に沿う方向の両端部において互いの下端部分が連結する一対の押潰し壁部と、それぞれ前記長軸に沿う方向に互いに対向するとともに一対の前記押潰し壁部の間に配置された一対の連結側壁部とを有し、 一方の前記押潰し壁部と一対の前記連結側壁部との間及び他方の前記押潰し壁部と一対の前記連結側壁部との間に、それぞれ前記押潰し壁部の前記長軸に沿う方向の両端部の下端部分から延びるとともに前記短軸方向における互いの間隔が上方から下方に向かって漸次短くなる屈曲部が設けられていることを特徴とする絞出し容器。」 2 補正の適否 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「口部」、「肩部」、「胴部」及び「底部」について、上記のとおり限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。 (2)引用文献の記載事項 ア 引用文献1 (ア)原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2019-119477号公報(令和元年7月22日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある。(「・・・」は省略を示す。) 「【特許請求の範囲】 【請求項1】 筒状の口部と、該口部の下端から径方向外側に向けて延びる肩部と、該肩部の外周端に連なる筒状の胴部と、該胴部の下端を閉塞する閉塞部とを備え、前記胴部が押圧により変形して内容物を絞り出し可能に構成されている合成樹脂製の絞出し容器であって、 前記胴部の上側部分に設けられ、該胴部の全周に亘って延びる周方向凹リブと、 それぞれ前記胴部の前記周方向凹リブと前記肩部との間の部分に設けられ、前記胴部の中心軸に沿う方向に延びる複数の縦方向凹リブと、を有することを特徴とする絞出し容器。」 「【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかし、上記従来の絞出し容器では、胴部は、その上端において口部の下端から径方向外側に延びる肩部の外周端に連ねられた構成となっているので、胴部の肩部の近傍部分は押し潰し難く、そのため、内容物を最後まで絞り出すことが困難である。このように、上記従来の絞出し容器には、容器内の内容物の残量を容易に低減することができるようにするという点で改善の余地があった。 【0006】 本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、胴部の肩部近傍の部分を押し潰し易い構成として内容物の残量をより容易に低減させることができる絞出し容器を提供することにある。」 「【0020】 本実施の形態では、絞出し容器1は、口部11、肩部12、胴部13及び底部14が、低密度ポリエチレン(LDPE)を主材とした合成樹脂材料により一体に形成された合成樹脂製となっている。・・・」 「【0026】 口部11は円筒状に形成されており、・・・」 「【0027】 肩部12は、口部11の下端から径方向外側に向けて延びており、口部11の下端と胴部13の上端とを連ねている。すなわち、胴部13の上端は口部11の下端よりも横断面形状が大きくなっており、これらの間を肩部12が連結した構成となっている。・・・」 「【0029】 胴部13は筒状となっており、その上端において肩部12の外周端に連なっている。胴部13の内部は収容空間となっており、収容空間に上記した内容物を収容することができる。胴部13は可撓性を有しており、胴部13を押圧(スクイズ)により変形させることで収容空間に収容されている内容物を口部11から外部に絞り出すことができる。」 「【0030】 本実施の形態では、胴部13は、互いに対向する正面壁部分13a及び背面壁部分13bと一対の側壁部分13cとを有するとともに、図3に示すように、正面壁部分13a及び背面壁部分13bの幅よりも一対の側壁部分13cの幅が狭い扁平形状となっている。」 「【0035】 底部14は胴部13の下端に一体に連なり、胴部13の下端を閉塞する閉塞部として機能する。 ・・・ 【0036】 図1、図2に示すように、本実施の形態の絞出し容器1では、胴部13の肩部12の近傍部分を押し潰し易くし、これにより、内容物を容易に最後まで絞り出すことができるようにするために、胴部13に1本の周方向凹リブ21と複数の縦方向凹リブ22とが設けられている。・・・ 【0037】 周方向凹リブ21は、胴部13の、最も口部11の側に設けられた横リブ20よりもさらに口部11の側の上側部分に、胴部13の内側に向けて半円状に凹むとともに胴部13の全周に亘って周方向に連続的に延びる凹溝状となって設けられている。・・・ 【0038】 複数の縦方向凹リブ22は、それぞれ胴部13の周方向凹リブ21と肩部12との間の部分に設けられている。・・・」 「【0043】 一方、胴部13の大部分が押し潰された状態となって絞出し容器1に収容されている内容物の残量が少なくなった場合には、残りの内容物を絞り出すためには、胴部13の肩部12の近傍部分を押し潰して内容物を口部11に向けて押し出す必要がある。 【0044】 これに対し、本実施の形態の絞出し容器1では、胴部13に周方向凹リブ21を設けるようにしたので、周方向凹リブ21を起点として胴部13を中心軸Oを挟んだ両側において容器内側に向けて折り曲げることで、胴部13の肩部12の近傍部分を容易に変形させることができる。例えば、本実施の形態のように、胴部13が扁平形状とされている場合には、正面壁部分13aの内面と背面壁部分13bの内面とが接するように押し潰されている胴部13の肩部12の近傍の部分を、周方向凹リブ21を起点として容器内側に容易に折り曲げることができる。そして、これにより、胴部13の周方向凹リブ21と肩部12との間の部分を肩部12の内面に接触させるように肩部12の側に容易に押し込むことができるようにして、肩部12の近傍部分にある内容物を口部11に向けて容易に押し出して最後まで絞り出すことができる。」 「【0053】 また、周方向凹リブ21は、胴部13の全周に亘って連続的に延びる構成に限らず、胴部13の全周に亘って断続的に延びる構成(間欠部分を有して周方向に分断されながら延びる構成)であってもよい。」 「 [図:0001438835000001.jpg] 」 「 [図:0001438835000002.jpg] 」 (イ)上記(ア)より、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる(括弧内は特に参照する箇所である。以下同様。)。 [引用発明] 「口部11、肩部12、胴部13及び底部14が、低密度ポリエチレン(LDPE)を主材とした合成樹脂材料により一体に形成された合成樹脂製となっている絞出し容器1であって、(【0020】、【図1】、【図2】) 口部11は円筒状に形成されており、(【0026】、【図1】、【図2】) 肩部12は、口部11の下端から径方向外側に向けて延びており、口部11の下端と胴部13の上端とを連ねており、胴部13の上端は口部11の下端よりも横断面形状が大きくなっており、これらの間を肩部12が連結した構成となっており、(【0027】、【図1】、【図2】) 胴部13は筒状となっており、その上端において肩部12の外周端に連なっており、胴部13は可撓性を有しており、胴部13を押圧(スクイズ)により変形させることで収容空間に収容されている内容物を口部11から外部に絞り出すことができ、(【0029】、【図1】、【図2】) 胴部13は、互いに対向する正面壁部分13a及び背面壁部分13bと一対の側壁部分13cとを有するとともに、正面壁部分13a及び背面壁部分13bの幅よりも一対の側壁部分13cの幅が狭い扁平形状となっており、(【0030】、【図3】) 底部14は胴部13の下端に一体に連なり、胴部13の下端を閉塞する閉塞部として機能し、(【0035】、【図1】、【図2】) 胴部13の肩部12の近傍部分を押し潰し易くし、これにより、内容物を容易に最後まで絞り出すことができるようにするために、胴部13に1本の周方向凹リブ21と複数の縦方向凹リブ22とが設けられ、(【0036】、【図1】、【図2】) 周方向凹リブ21は、胴部13の、最も口部11の側に設けられた横リブ20よりもさらに口部11の側の上側部分に、胴部13の内側に向けて半円状に凹むとともに胴部13の全周に亘って周方向に連続的に延びる凹溝状となって設けられており、(【0037】) 複数の縦方向凹リブ22は、それぞれ胴部13の周方向凹リブ21と肩部12との間の部分に設けられている、(【0038】) 絞出し容器1。」 イ 引用文献2 (ア)同じく原査定に引用され、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2021-37974号公報(令和3年3月11日出願公開。以下「引用文献2」という。)には、図面とともに、次の記載がある。 「【特許請求の範囲】 【請求項1】 閉塞された底部(5)と、該底部(5)の上に高さ方向に沿って連設された平面視略楕円形状から成る胴部(4)及び肩部(3)と、該肩部(3)の上に起立設された口筒部(2)とを有して成る合成樹脂製の押出し容器であって、 前記胴部(4)の長軸側の両端には鉛直折り返し部(6)が形成され、前記肩部(3)と前記胴部(4)との間には水平折り返し部(7)が形成されており、 前記肩部(3)の前方(a)及び後方(b)の面には、上方に向かって凸を成して略半楕円形に形成されて成る第1肩側部(3A)が形成され、更に前記肩部(3)の右方(c)及び左方(d)の面には、略三角形状に形成されて成る第2肩側部(3B)が形成されていることを特徴とする押出し容器。 【請求項2】 水平折り返し部(7)に沿って複数の横溝(8)が配置されている請求項1記載の押出し容器。 【請求項3】 第1肩側部(3A)と第2肩側部(3B)との境界辺(3C)の下端部が、直線状又は僅かな略円弧凹形状を有して形成されている請求項1又は2記載の押出し容器。」 「【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかし、上記従来の押出し容器では、、胴部は、その上端において口部の下端から径方向外側に延びる肩部の外周端に連ねられた構成となっているので、胴部の肩部の近傍部分は押し潰し難く、内容物を最後まで押し出すことが困難であることから、特に肩部や口部近傍における内容物の残量を低減するという点ではまだまだ改善の余地があった。 【0006】 本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく、従来以上に押し潰し易い構成とすることにより、肩部や口部近傍における内容物の残量をより効果的に低減させる押出し容器を提供することにある。」 「【0008】 本発明の他の手段は、上記主たる手段に、水平折り返し部に沿って複数の横溝が配置されているとの手段を加えたものである。 上記手段では、水平折り返し部における折り畳みを容易とすることができる。」 「【0019】 肩部3の第1肩側部3Aと胴部4との境界部分(図1のA-A線に沿う部分)は水平折り返し部7が周設されており、この水平折り返し部7には容器内方に向かって細溝状に形成されて成る複数の横溝8(本実施例では、前方aに2つ、後方bに2つの合計4つ)が周方向に間欠的に配置されている。そして、第1肩側部3Aの前方a(後方bも同様)中央の位置で、且つ右方cの横溝8と左方dの横溝8との間には、平面視略半円形状を有して凹状に陥没設されて成る押出し部9が夫々に形成されている。押出し部9は第1肩側部3Aの内面から容器内方に向かって凸状に突出しており、また押出し部9の下端部9aは、水平折り返し部7(図1のA-A線)上に設けられている。 そして、肩部3の第1肩側部3Aは、水平折り返し部7(図1のA-A線)において胴部4に対して谷折り状に折り畳み可能であり、前方aの胴部4と後方bの胴部4とが互いに接触する容器内方に向かって弾性変形可能に構成されている(図4参照)。 尚、複数の溝部8が形成されていなくても水平折り返し部7において折り畳むことは可能であるが、図1のA-A線上に沿って複数の溝部8を設けることにより、水平折り返し部7における折り畳みを容易とすることが可能となる。」 「【0022】 大部分の内容物が吐出され、押出し容器1内の内容物の残量が少なくなった場合には、例えば押出し容器1を倒立姿勢にして内容物を口筒部2及び肩部3近傍に集めた後、図4に示すように水平折り返し部7において胴部4に対して肩部3の第1肩側部3Aを谷折り状に折り畳む第1使用状態に設定する。 【0023】 第1使用状態では、水平折り返し部7において第1肩側部3Aが谷折り状に折り畳まれると同時に、境界辺3Cにおいては前方a及び後方bに設けられた両第1肩側部3Aが第2肩側部3Bに対して山折り状に折れ、両第1肩側部3Aが口筒部2の下端に接近することになる(図4参照)。これにより、両第1肩側部3Aが、肩部3内に集まっていた残留内容物を口筒部2側に押し込むことが可能となる。」 「 [図:0001438835000003.jpg] 」 「 [図:0001438835000004.jpg] 」 「 [図:0001438835000005.jpg] 」 「 [図:0001438835000006.jpg] 」 (イ)引用文献2の記載から認定できる事項 a 請求項1、図3A、Cより、平面視略楕円形状から成る胴部(4)は、平面視において口筒部(2)の軸線上で互いに交差する長軸と短軸とを有する扁平形状であることが看取できる。 b 図1、図2より、横溝(8)の上側に、それぞれ外側に向けて凸となる湾曲した形状を有して短軸に沿う方向に互いに対向するとともに長軸に沿う方向の両端部において互いの下端部分が連結する一対の第1肩側部(3A)が看取できる。 c 図1、図2より、横溝(8)の上側に、それぞれ長軸に沿う方向に互いに対向するとともに一対の第1肩側部(3A)の間に配置された一対の第2肩側部(3B)が看取できる。 d 図1、図2より、横溝(8)の上側に、一方の第1肩側部(3A)と一対の第2肩側部(3B)との間及び他方の第1肩側部(3A)と一対の第2肩側部(3B)との間に、それぞれ第1肩側部(3A)の長軸に沿う方向の両端部の下端部分から延びるとともに短軸方向における互いの間隔が上方から下方に向かって漸次短くなる境界辺(3C)が看取できる。 (ウ)引用文献2に記載されている事項 上記(ア)、(イ)より、引用文献2には、以下の事項(以下「引用文献2記載事項」という。)が記載されていると認められる。 「引用文献2記載事項」 「閉塞された底部(5)と、(【請求項1】) 該底部(5)の上に高さ方向に沿って連設され、平面視略楕円形状から成り、平面視において口筒部(2)の軸線上で互いに交差する長軸と短軸とを有する扁平形状である胴部(4)、(【請求項1】、上記(イ)a) 及び肩部(3)と、該肩部(3)の上に起立設された口筒部(2)とを有して成る合成樹脂製の押出し容器において、(【請求項1】) 従来以上に押し潰し易い構成とすることにより、肩部や口部近傍における内容物の残量をより効果的に低減させるために、(【0006】) 前記胴部(4)の長軸側の両端には鉛直折り返し部(6)を形成し、前記肩部(3)と前記胴部(4)との間には水平折り返し部(7)を形成し、(【請求項1】) 水平折り返し部(7)に沿って複数の横溝(8)を配置し、(【請求項2】) 横溝(8)の上方に、それぞれ外側に向けて凸となる湾曲した形状を有して短軸に沿う方向に互いに対向するとともに長軸に沿う方向の両端部において互いの下端部分が連結する一対の第1肩側部(3A)、(上記(イ)b) 横溝(8)の上方に、それぞれ長軸に沿う方向に互いに対向するとともに一対の第1肩側部(3A)の間に配置された一対の第2肩側部(3B)、(上記(イ)c) 横溝(8)の上方に、一方の第1肩側部(3A)と一対の第2肩側部(3B)との間及び他方の第1肩側部(3A)と一対の第2肩側部(3B)との間に、それぞれ第1肩側部(3A)の長軸に沿う方向の両端部の下端部分から延びるとともに短軸方向における互いの間隔が上方から下方に向かって漸次短くなる境界辺(3C)を設けること。(上記(イ)d)」 (3)対比 ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。 ・引用発明の「円筒状に形成されて」いる「口部11」は、本件補正発明の「円筒状の口部」に相当する。 ・引用発明の「口部11の下端から径方向外側に向けて延びており、口部11の下端と胴部13の上端とを連ね」る「肩部12」は、引用発明の「絞出し容器1」が「口部11、肩部12、胴部13及び底部14が、低密度ポリエチレン(LDPE)を主材とした合成樹脂材料により一体に形成」されているから、本件補正発明の「口部の下端に一体に連なって前記口部の下端から径方向外側に向けて延びる肩部」に相当する。 ・引用発明の「口部11の下端よりも横断面形状が大きくなって」いる「上端において肩部12の外周端に連なって」いる「胴部13」は、引用発明の「絞出し容器1」が「口部11、肩部12、胴部13及び底部14が、低密度ポリエチレン(LDPE)を主材とした合成樹脂材料により一体に形成」されているから、本件補正発明の「口部の下端よりも横断面形状が大きい上端において前記肩部の下端に一体に連なる胴部」に相当する。 ・引用発明の「胴部13の下端に一体に連なり、胴部13の下端を閉塞する閉塞部として機能」する「底部14」は、本件補正発明の「胴部の下端に一体に連なって前記胴部の下端を閉塞する底部」に相当する。 ・引用発明の「胴部13は、互いに対向する正面壁部分13a及び背面壁部分13bと一対の側壁部分13cとを有するとともに、正面壁部分13a及び背面壁部分13bの幅よりも一対の側壁部分13cの幅が狭い扁平形状となって」いる態様は、胴部13が平面視において口部11の軸線上で互いに交差する長軸と短軸を有するのは明らかであるから、本件補正発明の「胴部が平面視において前記口部の軸線上で互いに交差する長軸と短軸とを有する扁平形状である」態様に相当する。 ・引用発明の「胴部13は可撓性を有しており、胴部13を押圧(スクイズ)により変形させることで収容空間に収容されている内容物を口部11から外部に絞り出すことができ」る態様は、本件補正発明の「胴部」が「押圧により変形して内容物を絞り出し可能に構成されている」態様に相当する。 ・引用発明の「低密度ポリエチレン(LDPE)を主材とした合成樹脂材料により一体に形成された合成樹脂製となっている絞出し容器1」は、本件補正発明の「合成樹脂製の絞出し容器」に相当する。 ・引用発明の「胴部13の、最も口部11の側に設けられた横リブ20よりもさらに口部11の側の上側部分に、胴部13の内側に向けて半円状に凹むとともに胴部13の全周に亘って周方向に連続的に延びる凹溝状となって」いる「周方向凹リブ21」が設けられている態様は、本件補正発明の「胴部の上側部分に、前記胴部の全周に亘って延びる周方向凹リブが設けられ」ている態様に相当する。 イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 [一致点] 「円筒状の口部、前記口部の下端に一体に連なって前記口部の下端から径方向外側に向けて延びる肩部、前記口部の下端よりも横断面形状が大きい上端において前記肩部の下端に一体に連なる胴部及び前記胴部の下端に一体に連なって前記胴部の下端を閉塞する底部を備え、前記胴部が平面視において前記口部の軸線上で互いに交差する長軸と短軸とを有する扁平形状であるとともに押圧により変形して内容物を絞り出し可能に構成されている合成樹脂製の絞出し容器であって、 前記胴部の上側部分に、前記胴部の全周に亘って延びる周方向凹リブが設けられている 絞出し容器。」 <相違点> 周方向凹リブから口部の下端にわたる形状について、本件補正発明は、「前記胴部の前記周方向凹リブよりも前記肩部の側の部分が、それぞれ外側に向けて凸となる湾曲した形状を有して前記短軸に沿う方向に互いに対向するとともに前記長軸に沿う方向の両端部において互いの下端部分が連結する一対の押潰し壁部と、それぞれ前記長軸に沿う方向に互いに対向するとともに一対の前記押潰し壁部の間に配置された一対の連結側壁部とを有し、一方の前記押潰し壁部と一対の前記連結側壁部との間及び他方の前記押潰し壁部と一対の前記連結側壁部との間に、それぞれ前記押潰し壁部の前記長軸に沿う方向の両端部の下端部分から延びるとともに前記短軸方向における互いの間隔が上方から下方に向かって漸次短くなる屈曲部が設けられている」と特定するのに対して、引用発明は、「それぞれ前記胴部の前記周方向凹リブと前記肩部との間の部分に設けられ、前記胴部の中心軸に沿う方向に延びる複数の縦方向凹リブとを有する」ものである点。 (4)判断 引用発明の周方向凹リブ21は、「胴部13の肩部12の近傍部分を押し潰し易くし、これにより、内容物を容易に最後まで絞り出すことができるようにするために、胴部13に1本の周方向凹リブ21と複数の縦方向凹リブ22とが設けられ」るものであって、引用文献1の「本実施の形態の絞出し容器1では、胴部13に周方向凹リブ21を設けるようにしたので、周方向凹リブ21を起点として胴部13を中心軸Oを挟んだ両側において容器内側に向けて折り曲げることで、胴部13の肩部12の近傍部分を容易に変形させることができる。」(【0044】)なる記載より、胴部13を容器内側に向けて折り曲げる起点となるものである。 一方、引用文献2記載事項の「肩部(3)」における「口筒部(2)」の下端から径方向外側に向けて延びている口筒部(2)近傍の部分が、本件補正発明の「口部の下端に一体に連なって口部の下端から径方向外側に向けて延びる肩部」に相当し、引用文献2記載事項の「肩部(3)」の当該口筒部近傍の部分に連なる部分とそれに連なる「胴部(4)」を合わせた部分が、本件補正発明の「口部の下端よりも横断面形状が大きい上端において前記肩部の下端に一体に連なる胴部」に相当するので、引用文献2記載事項の「複数の横溝(8)」は、胴部(4)の上側部分に設けられているものといえ、引用文献2の「本発明の他の手段は、上記主たる手段に、水平折り返し部に沿って複数の横溝が配置されているとの手段を加えたものである。上記手段では、水平折り返し部における折り畳みを容易とすることができる。」(【0008】)、「・・・そして、肩部3の第1肩側部3Aは、水平折り返し部7(図1のA-A線)において胴部4に対して谷折り状に折り畳み可能であり、前方aの胴部4と後方bの胴部4とが互いに接触する容器内方に向かって弾性変形可能に構成されている(図4参照)。・・・図1のA-A線上に沿って複数の溝部8を設けることにより、水平折り返し部7における折り畳みを容易とすることが可能となる。」(【0019】)との記載を踏まえると、引用発明の「周方向凹リブ21」と同様の機能を有するものと認められる。 そうすると、引用発明の「胴部13の肩部12の近傍部分を押し潰し易くし、これにより、内容物を容易に最後まで絞り出すことができるようにするために、胴部13に1本の周方向凹リブ21と複数の縦方向凹リブ22とが設けられ」ている構成において、周方向凹リブ21の上側の構成として、「複数の縦方向凹リブ22」に代えて、引用文献2記載事項の「従来以上に押し潰し易い構成とすることにより、肩部や口部近傍における内容物の残量をより効果的に低減させるため」の「第1肩側部(3A)」、「第2肩側部(3B)」及び「境界辺(3C)」を採用し、相違点にかかる本件補正発明の構成とすることは、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に想到し得たことである。 (5)本件補正発明の作用効果について 本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献2記載事項の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 (6)審判請求人の主張について 審判請求人は、審判請求書において、引用文献2に記載された発明では、一対の押潰し壁部は、本願発明ないし引用文献1の絞出し容器における胴部に相当する部分ではなく、肩部に相当する部分に設けられており、引用文献2には、絞出し容器における一対の押潰し壁部、一対の連結側壁部及び屈曲部に相当する部分を胴部に設けることについて何ら開示も示唆もしていない旨を主張している。 しかし、本件補正発明、引用発明及び引用文献2記載事項において、押潰し壁部に相当する部分は、口部と周方向凹部(本件補正発明:周方向凹リブ、引用発明:周方向凹リブ21、引用文献2記載事項:横溝(8))との間の斜面部分に設けられており、当該斜面部分が、本件補正発明及び引用発明は胴部、引用文献2記載事項においては肩部と名称上違う名称になってはいるものの、実質的には、それぞれ対応する部位であると認められることから、上記(3)アで説示したように、引用文献2記載事項の「肩部(3)」における「口筒部(2)」の下端から径方向外側に向けて延びている口筒部近傍の部分が、本件補正発明の「口部の下端に一体に連なって口部の下端から径方向外側に向けて延びる肩部」に相当し、引用文献2記載事項の「肩部(3)」の当該口筒部近傍の部分に連なる部分とそれに連なる「胴部(4)」を合わせた部分が、本件補正発明の「口部の下端よりも横断面形状が大きい上端において前記肩部の下端に一体に連なる胴部」に相当するものである。 したがって、審判請求人の上記主張は採用できない。 (7)小括 したがって、本件補正発明は、引用発明及び引用文献2記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3 本件補正についてのむすび よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 令和6年12月24日提出の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~5に係る発明は、本願の出願当初の特許請求の範囲の請求項1~5に記載されたとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記第2の1(2)に示したとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由のうち、本願発明についての拒絶の理由は、おおむね以下のとおりである。 1.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 <引用文献等一覧> 1.特開2019-119477号公報 2.特開2021-037974号公報 3 引用文献 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1ないし2及びその記載事項は、上記第2の2(2)に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、上記第2の2で検討した本件補正発明から、「口部」、「肩部」、「胴部」及び「底部」についての限定事項を削除したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、上記第2の2に記載したとおり、引用発明及び引用文献2記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び引用文献2記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

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2024-020663

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