商標拒絶査定不服審判
2024-020246
フローラルアンバー、フローラル
- 審判番号
- 2024-020246
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-112271
- 請求日
- 2024年11月29日
- 審決日
- 2025年07月15日
- 公報発行日
- 2025年10月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社 MTG
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 真鍋 伸行
- 審判官 須田 亮一
- 分類
- T18 .13 -Z (W03)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第3号、特許法第150条第5項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-112271拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和5年10月10日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年6月13日付け:拒絶理由通知書
令和6年7月23日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年9月19日付け:拒絶査定
令和6年12月2日 :審判請求書の提出
令和7年4月8日付け :証拠調べ通知書
令和7年5月14日 :意見書の提出
第2 本願商標
本願商標は、「floral amber」の文字を標準文字で表してなり、第3類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、登録出願され、その後、指定商品については、上記第1の手続補正書により、第3類「シャンプー,トリートメント」とされた。
第3 原査定の拒絶の理由(要点)
本願商標は、「floral amber」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「floral」の文字は「花のようであるさま。花を使った。」の意味を、「amber」の文字は「琥珀。また、琥珀色。」の意味を有する語である。
そして、「floral amber」の表音を片仮名で表した「フローラルアンバー」の文字が、商品の香りを表す語として一般に使用されている実情が見受けられる。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者・需要者は、「フローラルアンバーの香りがする商品」であることを認識するにすぎないから、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示した標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
第4 当審における証拠調べ通知
本願商標が、その指定商品との関係において、商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施した結果、別掲1ないし別掲4のとおりの事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知し、請求人の意見を求めた。
第5 上記通知に対する請求人の意見
請求人は、上記第4の証拠調べ通知に対し、意見書を提出し、要旨以下の1ないし3のとおりの意見を述べた。
1 本願の指定商品の特徴は「香り」のみに限定されるものではなく、「髪や頭皮の悩みへの効果」「成分」「価格」「泡立ち」等もまた、本願の指定商品の特徴として製造・販売されているわけであるから、「香り」をその商品の特徴とするものが製造・販売されていたとしても、需要者及び取引者は本願の指定商品に付された商標を直ちに商品の香り名であると認識するにとどまるものではない。
2 証拠調べ通知書において示されたものは、「香り」を指し示す表記や「香り」であるとの前提を明記しなければ、需要者及び取引者は「フローラル」及び「アンバー」の文字等の香りの種類として使用される文字がその文字単体で香りの種類や商品の香りを表す語として直ちに認識するものではないから、これらは、いずれも需要者及び取引者が本願商標を見てそれ即ち商品の香り名であると認識するにとどまるとする証拠には該当しない。
3 過去における登録例を考慮すれば、本願商標も登録されるべきである。
第6 当審の判断
1 商標法第3条第1項第3号について
本願商標は、前記第2のとおり、「floral amber」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中「floral」の文字は「花の香りがするさま」の意味を、「amber」の文字は「こはく」(いずれも「コンサイスカタカナ語辞典第5版」株式会社三省堂)の意味を有する語である。
そして、本願の指定商品には、香りを特徴とした商品があり、香りが商品選択の際に考慮要素とされており(別掲1)、これらの商品の香りを表す際に、「フローラル」の文字及び「アンバー」の文字が香りの種類を示す語として一般に使用されている(別掲2)。また、調合香料の香りを表す際に、香りの種類を表す語を複数組み合わせて表す方法が採用されており(別掲3)、「フローラルアンバー」の文字も香りの種類を示す語として一般に使用されている(別掲4)。
以上からすれば、「floral amber」の文字からなる本願商標は、構成全体として「フルーラルとアンバーが組み合わされた香り」程の意味合いを容易に認識させるものであり、これをその指定商品に使用するときは、これに接する需要者は、商品の品質(香りの種類)を表示したものと認識するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願の指定商品の特徴は「香り」のみに限定されるものではなく、「髪や頭皮の悩みへの効果」「成分」「価格」「泡立ち」等もまた、本願の指定商品の特徴として製造・販売されている旨や、証拠調べ通知において示されたものは、「香り」を指し示す表記や「香り」であるとの前提を明記しなければ、需要者及び取引者は「フローラル」及び「アンバー」の文字等の香りの種類として使用される文字がその文字単体で香りの種類や商品の香りを表す語として直ちに認識するものではない旨を述べ、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、これが商品の香り名を表すものとは認識しない旨を主張している。
しかしながら、本願の指定商品の特徴には「香り」以外のものがあり、商品の香りの種別を記載する際に「香り」を指し示す表記や「香り」であるとの前提が記載されることがあるとしても、それらによって直ちに、本願商標が商品の品質(香りの種別)を表したものと認識させることを否定することにはならないし、むしろ、上記1のとおり、本願商標を構成する各語の語義と別掲1ないし別掲4のとおりの取引の実情を踏まえれば、本願商標は、需要者に「フローラルとアンバーの香りを組み合わせた香り」という意味合いを容易に認識させるものであり、これをその指定商品に使用するときは、これに接する需要者は、商品の品質(香りの種類)を表示したものと認識するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識し得ないというのが相当である。
(2)請求人は、過去における登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨を主張している。
しかしながら、登録出願に係る商標がその指定商品との関係において、自他商品の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の構成態様と指定商品との関係や取引の実情をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の示す登録例と本願商標とは、構成文字が異なり、事案を異にするものであり、本願商標が自他商品の識別力を欠くものであることは、上記1のとおりであるから、登録例があるからといってその判断が左右されるものではない。
(3)したがって、請求人の主張はいずれも採用できない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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