商標拒絶査定不服審判
2024-020242
ハカタラーメンセンモンテンコーチャンラーメン、ラーメンセンモンテンコーチャンラーメン、コーチャンラーメン、コーチャン、コー、サチ、ユキ、サイワイ、シアワセ、ハカタラーメン
- 審判番号
- 2024-020242
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-142198
- 請求日
- 2024年12月17日
- 審決日
- 2025年05月20日
- 公報発行日
- 2025年08月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】吉村 幸助
- 【請求人代理人】峰 雅紀
- 審判長/審判官
- 審判長 大島 勉
- 審判官 真鍋 伸行
- 審判官 吉沢 恵美子
- 分類
- T18 .261-Z (W43) / T18 .262-Z (W43) / T18 .263-Z (W43)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023-142198拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続経緯
本願は、令和5年12月22日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年 1月23日受付:上申書
令和6年 2月 9日付け:拒絶理由通知書
令和6年 7月 1日受付:意見書
令和6年 9月10日付け:拒絶査定
令和6年12月17日 :審判請求書
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,動物の宿泊施設の提供,保育所における乳幼児の保育,高齢者用入所施設の提供(介護を伴うものを除く。),会議室の貸与,展示施設の貸与,布団の貸与,まくらの貸与,毛布の貸与,家庭用電気式ホットプレートの貸与,家庭用電気トースターの貸与,家庭用電子レンジの貸与,業務用加熱調理機械器具の貸与,業務用調理台の貸与,業務用流し台の貸与,家庭用加熱器(電気式のものを除く。)の貸与,家庭用調理台の貸与,家庭用流し台の貸与,食器の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,おしぼりの貸与,タオルの貸与」の役務を指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5678903号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成26年1月14日に登録出願、第43類「ラーメンを主とする飲食物の提供」の役務を指定役務として、同年6月20日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)本願商標について
ア 本願商標は、別掲1のとおり、「幸ちゃんラーメン」の文字(「幸」の漢字は、それに続く「ちゃんラーメン」に比して2倍程度に大きく表してなる。)を、筆文字様の書体で大きく中央に、その上部に「博多ラーメン専門店」の文字を横書きし、左右の端に「博多の味」及び「味一番」の文字を、それぞれ、赤色長方形内に縦に白抜きして表し、さらにこれらの文字部分を上下に挟むように赤色の装飾的な線(以下「赤色装飾線」)を配した構成からなるものである。
イ 本願商標の構成中の赤色装飾線は、原審説示のとおり、一般にラーメン店の看板やのれん、ラーメン鉢に用いられ親しまれている「雷文(雷紋)」と呼ばれる文様を想起させ得る態様であることも相まって、文字部分を印象付けるための装飾線との認識を超えるほどに取引者、需要者に強く記憶されるとはいい難い。
ウ 本願商標の構成中の「博多ラーメン専門店」の文字について、その構成中の「博多ラーメン」の文字部分は、札幌ラーメン、喜多方ラーメンなどのように、「ラーメン」の文字に地域名を冠して、当該地域で提供されるラーメンを表すことが一般に知られていることからすれば、「博多地域で提供されるラーメン」程の意味合いを容易に認識させるものであり、それと「特定の商品を専門に販売する店」の意味を有する「専門店」(岩波書店「広辞苑第七版」参照)の文字を結合させた「博多ラーメン専門店」の文字からは、「博多地域で提供されるラーメンを専門に取扱う店」程の意味合いを認識させるものである。そうすると、「博多ラーメン専門店」の文字は、本願商標の指定役務中「飲食物の提供」との関係において、単に提供される飲食物の内容及び提供場所を表したものと認識されるにすぎないものであるから、自他役務を識別する機能を果たし得ないか、極めて弱いものである。
また、「博多の味」及び「味一番」の文字は、その構成(赤色長方形内に白抜き文字で縦に表してなる。)、配された位置(左右両端)及び大きさ(小さい)が、本願商標全体の構成において特に目を引くものとはいえず、かつ、原審説示のとおり、食品業界、飲食店業界において、前者は博多地域特有の味付けの食品や料理であることを強調する語として一般に用いられ、後者は「一番」の文字が「同種のものの中で最もすぐれたもの。」(前掲書参照)の意味を有することから、味が良いこと、味に自信があることを強調する語として認識されるにすぎず、いずれも、指定役務「飲食物の提供」との関係において、自他役務を識別する機能を果たし得ないか、極めて弱いものである。
そして、本願商標の構成中、ひときわ顕著に表された「幸ちゃんラーメン」の文字のうち、「ラーメン」の文字部分は、「中華そば」(前掲書参照)の意味を有するところ、本願商標の指定役務中「飲食物の提供」との関係において、単に提供される飲食物がラーメンであることを認識させるにすぎないものであるから、自他役務を識別する機能を果たし得ないか、極めて弱いものである。
エ 以上よりすれば、本願商標の指定役務中、「飲食物の提供」との関係では、その構成中の「幸ちゃん」の文字部分が自他役務の識別標識としての機能を有する特に注意を引く部分である一方、その他の構成文字は、自他役務を識別する機能を果たし得ないか、極めて弱いものであるから、本願商標は、その構成中の「幸ちゃん」の文字部分を分離抽出し、これを要部として引用商標と比較することが許されるというべきである。
また、「幸ちゃん」の文字は、一般的な辞書に掲載のない語であるから、具体的な意味合いを認識させるものではない。
オ したがって、本願商標はその要部「幸ちゃん」の文字部分に相応して「コーチャン」の称呼を生じ、特定の観念を生じるものではない。
(2)引用商標について
ア 引用商標は、上記3のとおり、「にんにくラーメン」の文字をゴシック体の書体で横書きしたものを左上に小さく、その下に、「幸ちゃん」の文字(「幸」の漢字は、それに続く「ちゃん」の文字に比して2倍程度に大きく表してなる。)を、筆文字様の書体で、ひときわ大きく表し、「ん」の文字の上に、下部が欠けた楕円と逆さまの「Y」のごとき図を組み合わせた図形を配した構成からなるものであるところ、文字部分と図形部分とは、その構成上、分離して観察することが取引上、不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいえない。
イ 引用商標の構成中、文字部分についてみるに、「にんにくラーメン」の文字は、「ヒガンバナ科(旧ユリ科)の多年草。二年生作物として栽培。ネギ・ニラなどと同属。」を意味する「にんにく」の文字と「中華そば」の意味を有する「ラーメン」(いずれも、前掲書参照)の文字の結合からなるところ、全体として「にんにく入りのラーメン」程の意味合いで、単に提供される飲食物の内容を表したものと認識させるにすぎないものであるから、引用商標の指定役務「ラーメンを主とする飲食物の提供」との関係において、自他役務を識別する機能を果たし得ないか、極めて弱いものである。
ウ そうすると、引用商標は、その構成中、ひときわ大きく表された「幸ちゃん」の文字部分が自他役務の識別標識としての機能を有する特に注意を引く部分である一方、その他の構成文字は、自他役務を識別する機能を果たし得ないか、極めて弱いものであるから、引用商標は、その構成中の「幸ちゃん」の文字部分を分離抽出し、これを要部として本願商標と比較することが許されるというべきである。
また、「幸ちゃん」の文字は、本願商標構成中の「幸ちゃん」の文字と同一の文字よりなることから、上記(1)エと同様に、具体的な意味合いを認識させるものではない。
エ したがって、引用商標はその要部「幸ちゃん」の文字部分に相応して、「コーチャン」の称呼を生じ、特定の観念を生じるものではない。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標の要部と引用商標の要部を比較すると、外観においては、両商標は、その構成文字全てを共通にするだけでなく、いずれも毛筆風の書体で、かつ、語頭の「幸」の漢字を、それに続く「ちゃん」の平仮名の2倍程度に大きく表した構成よりなる点で、両商標を特徴付ける主要な部分においてその構成の軌を一にするものであるから、これに、時と所を異にして、需要者、取引者が接した場合には、外観上、近似した印象を生じさせるものである。
また、称呼において、両商標は「コーチャン」の称呼を同一にする。
さらに、観念においては、両商標は、いずれも特定の観念を生じるものではなく、比較できない。
以上のとおり、本願商標の要部と引用商標の要部は、観念において比較できず、外観上近似した印象を与えるものであって、かつ、称呼を同一にするものであるから、その外観及び称呼において、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、全体的に考察すれば、両商標は、役務の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(4)本願商標と引用商標の指定役務の類否について
本願商標の指定役務中「飲食物の提供」と引用商標の指定役務「ラーメンを主とする飲食物の提供」は、同一又は類似する役務である。
(5)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、それら指定役務は同一又は類似するから、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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