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商標拒絶査定不服審判

2024-019322

デイエックストーゴーパッケージ、デイエックストーゴー、トーゴーパッケージ

審判番号
2024-019322
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2023-075103
請求日
2024年12月02日
審決日
2025年08月29日
公報発行日
2025年11月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社大塚商会
  • 【請求人代理人】中山 俊彦
  • 【請求人】株式会社OSK
  • 【請求人代理人】中山 俊彦
審判長/審判官
  • 審判長 山田 啓之
  • 審判官 石塚 文子
  • 審判官 杉本 克治
分類
T18 .13 -Z (W0942) / T18 .17 -Z (W0942)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法4条1項16号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2023- 75103拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和5年7月6日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和6年2月27日付け:拒絶理由通知書 令和6年6月12日 :意見書の提出 令和6年9月9日付け :拒絶査定 令和6年12月2日 :審判請求書の提出 第2 本願商標 本願商標は、「DX統合パッケージ」の文字を標準文字で表してなり、第9類及び第42類に属する別掲1のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。 第3 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、「本願商標は、「DX統合パッケージ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「DX」の文字は「IT(情報技術)が社会のあらゆる領域に浸透することによってもたらされる変革」の意味を有する語である「デジタルトランスフォーメーション」の略語であり、また、「統合パッケージ」の文字は、本願に係る指定商品及び指定役務の分野において、「企業の各種基幹業務を統合的・一元的に管理するためのパッケージソフトウェア」を指すものとして使用されていることが認められる。そして、DXのための統合パッケージソフトウェアが取引され、それに関する役務が提供されている実情がうかがえることからすると、本願商標を、本願に係る指定商品又は指定役務に使用した場合、これに接する需要者は、「DXのための業務統合管理用パッケージソフトウェア、又はそれに関する商品若しくは役務」ほどの意味合いを認識するにとどまるというのが相当である。したがって、本願商標は、単に商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示したものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記意味合いに照応する商品又は役務以外の商品又は役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。さらに、出願人は、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する場合であっても、出願人の使用による識別性が認められるため、同条第2項の適用により登録されるべき旨を主張しているが、出願人が提出した証拠からは、本願商標のみによって、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるに至っているものと認めることはできないから、同条第2項に規定する要件を具備するものとは認められない。」旨認定、判断し、拒絶したものである。 第4 当審の判断 1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について (1)本願商標は、「DX統合パッケージ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「DX」の文字は「IT(情報技術)が社会のあらゆる領域に浸透することによってもたらされる変革。」を意味する「デジタルトランスフォーメーション」の略語を、「統合」の文字は「二つ以上のものを合わせて一つにすること。」を、「パッケージ」の文字は「ひとまとめにすること。一括して処理すること。また、そのもの。」をそれぞれ意味する語として(いずれも出典:デジタル大辞泉(小学館))、一般に広く使用されている。 そして、本願の指定商品及び指定役務に関する分野において、原審において示した別掲2(1)から(9)のウェブサイトの記載によれば、「統合パッケージ」の文字(語)は、「各種業務システムをパッケージ化したもの」ほどの意味合いを表す語として使用されており、そのうち、別掲2(4)から(9)のウェブサイトの記載によれば、「DX」のための「統合パッケージ」が取引されている実情について認められる。 なお、当該実情は、当審における職権調査からも、それをうかがい知ることができる(別掲2(10)~(13))。 そうすると、「DX統合パッケージ」の文字に接する取引者、需要者は、当該文字を「DX」と「統合パッケージ」との組み合わせからなる文字(語)と認識し、当該文字が付された商品及び役務が「DX(デジタルトランスフォーメーション)のための各種業務システムをパッケージ化した商品及び役務」であると認識するにとどまるというべきである。 してみると、本願商標は、これをその指定商品及び指定役務に使用しても、「DX(デジタルトランスフォーメーション)のための各種業務システムをパッケージ化した商品及び役務」であること、すなわち、商品の品質及び役務の質を表示するにすぎないものと判断するのが相当である。 また、本願商標は、標準文字で表してなるものであるから、普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。 そうすると、本願商標は、商品の品質又は役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきであり、これをその指定商品及び指定役務中、上記商品及び役務以外の商品及び役務に使用するときは、その商品の品質又は役務の質について誤認を生じさせるおそれがある。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。 (2)請求人らの主張について 請求人らは、「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の語の定義は様々であり、厳密には一致していない旨や、「DX」、「統合」及び「パッケージ」のそれぞれの文字(語)が指定商品等との関係でそれぞれに記述的な側面があるとしても、三者が結合した「DX統合パッケージ」は「DX」と「統合」と「パッケージ」とが互いにどのような関係であるかは深慮したとしても認識することはできず、それが指定商品等との関係においてどのような性質でどのような機能を発揮するかは極めて曖昧な造語の範疇を出ない旨主張する。 しかしながら、たとえ「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の定義が説明する媒体によって異なっているとしても、ITにより変革をもたらすという点においては共通しており、いずれの定義も全く別異の意味を定義しているわけではない。 そして、上記(1)において認定した取引の実情を踏まえれば、「DX統合パッケージ」の文字に接する取引者、需要者は、「DX(デジタルトランスフォーメーション)のための各種業務システムをパッケージ化した商品及び役務」であることを容易に理解するというのが相当であり、「DX」、「統合」及び「パッケージ」の各語の関係を明確かつ適切に認識できるというべきである。 2 本願商標の商標法第3条第2項該当性について 請求人らは、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する場合であっても、請求人らの使用による識別性が認められるため、本願商標は同条第2項の規定により、登録されるべきである旨主張している。 そこで、請求人らの主張及び同人が提出した甲第19号証から甲第100号証(以下、甲各号証の表記は、「甲○」のように省略して表示する。)を踏まえ、以下、本願商標の使用による自他商品及び自他役務の識別性(本願商標の商標法第3条第2項の要件の充足性)について判断する。 (1)事実認定 請求人らの提出に係る証拠及び同人の主張によれば、次の事実が認められる。 ア 請求人らは、本願商標と同一と認められる標章を使用して、「基幹業務システム及びグループウェアをパッケージ化したコンピュータソフトウェア」の製造、販売や、当該「ソフトウェアの提供」を行っている(甲25、甲26、甲31。当該商品及び役務について、以下「請求人商品及び役務」という。)。 イ 請求人商品及び役務には、販売、会計及び人事給与システムである「SMILE」(以下、単に「SMILE」という。)やワークフロー、ドキュメント管理、スケジューラ及びコミュニケーション機能である「eValue」が含まれる(甲25、甲26)。 ウ 請求人商品及び役務のうち、「SMILE」の売上額は、2021年12月期は、113億4,500万円、2022年12月期は、130億7,800万円、2023年12月期は159億5,200万円である(請求人らの主張)。 エ 請求人である株式会社大塚商会(以下「大塚商会」という。)は、2021年から「実践ソリューションフェア」等の大塚商会主催のイベントや、大塚商会主催のセミナーにおいて、請求人商品及び役務の周知を図った(甲27~甲30、甲33の2)。 オ 請求人である株式会社OSK(以下「OSK」という。)は、2022年9月以降、DX統合パッケージ機能強化版の発売や、機能強化を行った旨のニュースリリースを行った(甲31)。 カ OSKは、2023年に、JIIMA主催Webセミナー「証憑保存はただのスタート、電帳法対応から始める全社DX実現の道」、デジタルインボイス推進協議会が主催する「デジタルインボイス オンラインEXPO 2023」において、請求人商品及び役務の周知を図った(甲33の1及び3)。 キ OSKは、2022年から請求人商品及び役務に関するYouTube動画を公開している(甲34)。 ク OSKは、請求人商品及び役務のカタログを発行し(甲35)、DX統合パッケージカタログ(甲35の19)は、合計5,300部を印刷した(甲35の24~26)。 ケ 請求人らは、2022年から継続的に、日本経済新聞、月刊企業実務、月刊企業会計、週刊BCN、電波新聞、週刊税務通信といった新聞及び雑誌に、総額約5,200万円の広告費をかけ広告を掲載している(甲36~甲39。広告費については、請求人らの主張)。 コ 業界紙である電波新聞、インターネット記事、提携先企業のニュースリリースに、請求人らに係る「DX統合パッケージ」の紹介記事が掲載された(甲40~甲100)。 (2)上記(1)によれば、請求人らは、2021年から請求人商品及び役務に本願商標を使用しており、その販売数や売上高は相当程度あることが認められる。また、大塚商会が主催するイベントや他社の主催するセミナーでの紹介や、新聞、雑誌等への広告宣伝により周知を図った事実とともに、業界紙やインターネット記事に紹介記事が掲載されたことが認められる。 そうすると、請求人商品及び役務それ自体は、需要者の間に一定程度知られていることがうかがえる。 しかしながら、請求人商品及び役務には、本願商標が、「SMILE」又は「eValue」の文字からなる商標や、請求人らの名称とともに使用されていたり、図案化された「DX」の欧文字と「統合パッケージ」の語を組み合わせた商標とともに使用されていたりしており、本願商標が単独で使用や紹介されている例は少ない。 また、本願商標が使用されている場合であっても、別掲2のとおり、「DX」のための「統合パッケージ」が取引されている実情があることからすると、「DX統合パッケージ」の文字それ自体は、自他商品又は役務を識別し、出所を表示する標識としては、需要者及び取引者に認識されるとは考えられず、当該標識として印象に残るものとも考え難い。 さらに、本願商標の使用期間についても長期にわたるものとはいえない。 加えて、請求人らが提出した証拠からは、本願の指定商品中、「基幹業務システム及びグループウェアをパッケージ化したコンピュータソフトウェア」以外の商品や、指定役務中、「基幹業務システム及びグループウェアをパッケージ化したコンピュータソフトウェアの提供」以外の役務については、本願商標が、当該商品又は役務に使用されていることを確認することができない。 以上を踏まえると、請求人商品及び役務が、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う分野において一定程度知られていることはうかがえるとしても、本願商標が、独立してその指定商品及び指定役務に使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品及び役務であることを認識することができるに至っていると認めることはできない。 3 まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、かつ、第3条第2項の要件を具備するものではないから、これを登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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