商標拒絶査定不服審判
2024-017347
ピイデイエフニ、ピイデイエフツー、ピイデイエフ
- 審判番号
- 2024-017347
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-060229
- 請求日
- 2024年10月30日
- 審決日
- 2025年10月29日
- 公報発行日
- 2026年04月24日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ジェイシーピーディーエス インターナショナル センター フォー ディフラクション データ
- 【請求人代理人】青木 博通
- 【請求人代理人】片山 礼介
- 【請求人代理人】中田 和博
- 審判長/審判官
- 審判長 山田 啓之
- 審判官 石塚 文子
- 審判官 杉本 克治
- 分類
- T18 .16 -Z (W09) / T18 .272-Z (W09)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法3条1項6号商標法4条1項16号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第6号、商標法第27条第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 60229拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年6月1日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年11月16日付け:拒絶理由通知書
令和6年5月24日 :意見書の提出
令和6年7月22日付け :拒絶査定
令和6年10月30日 :審判請求書の提出
令和7年2月12日 :手続補正書の提出
令和7年3月26日 :上申書の提出
令和7年6月17日付け :審尋
2 本願商標
本願商標は、「PDF-2」の文字を横書きしてなり、第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものであり、その後、指定商品については、上記1の手続補正により、第9類「粉末回折データファイルが保存されているDVD・USBメモリその他の電子データ記録媒体」に補正されたものである。
3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、電子文書のファイル形式の意味を有する語として認識される「PDF」の文字と、数字の「2」の文字とを、「-(ハイフン)」で結合してなる「PDF-2」の文字を、普通に用いられる方法で横書きしてなるものである。そして、ウェブサイト情報によると、PDF形式の電子書籍が存在し、それが、実際に取引されている実情や、電子文書のファイル形式である「PDF」やこれに関連する印刷用規格「PDF/X」について、「2.0」や「4」等の数字が、バージョン番号や後継の規格の番号を表すために使用されている実情がある。そうすると、本願商標は、「PDF形式のバージョン2」ほどの意味合いを、これを見る者に理解させるものであり、これをその指定商品中、「PDF形式で作成された商品」に使用するときは、これに接する需要者は、「PDF形式のバージョン2で作成された商品」と認識するにすぎないから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、本願商標を「PDF形式で作成された商品」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
4 当審における審尋
当審において、令和7年6月17日付け審尋により、請求人に対し、別掲1及び別掲2のとおりの証拠を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答
請求人は、上記4の審尋に対し、所定の期間を経過するも、何ら意見を述べていない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「PDF-2」の文字を横書きしてなるところ、その構成中の「PDF」の文字(語)は、「電子文書のファイル形式の一つ。文字情報以外に、フォントの種類や大きさ、図や画像、それらのレイアウト情報などを記述できる。」(参照:広辞苑第七版(株式会社岩波書店))の意味を有する語として、広く一般に使用されている。
また、別掲1のウェブサイトの記載によれば、電子文書のファイル形式である「PDF」や、これに関連する規格である「PDF/X」や「PDF/A」等について、バージョン番号を表すために、「2.0」、「-2」、「-4」等のように、数字や、「-(ハイフン)」と数字の組合せが使用されている実情が認められる。
そうすると、本願商標を構成する「PDF-2」の文字は、「バージョン番号が2であるPDF」ほどの意味合いを容易に認識させるものというのが相当である。
そして、様々な内容のデータベース等を作成する際に、PDF形式のデータファイルは広く一般に使用されており、別掲2のウェブサイトの記載によれば、PDF形式のデータファイルを保存した記録媒体が取引されている実情も認められる。
なお、別掲2(7)のとおり、粉末回折データベースのカタログがPDFファイルで提供されていることも認められる。
以上を踏まえれば、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、電子データ記録媒体に保存されているデータファイルのファイル形式及びそのバージョンを表したものと認識するにすぎないというのが相当であるから、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標である。
また、本願商標を、その指定商品中のPDF形式のファイルが保存された商品以外の商品に使用するときは、商品の品質に誤認を生じさせるおそれがあると判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、本願商標について、普及、宣伝活動により、本願商標の使用に係るデータベースを保存したDVD等は、当該需要者・取引者において、およそ80年にわたって国際的に頒布されてきたデータベースの出所を示す標識として知られるものとなっていることや、本願商標の使用に係るデータベースは、限定された特殊な科学技術の用途に利用されるものであって、本来的に当該需要者は極めて限られたものであるから、当該宣伝・普及活動は当該需要者、取引者に対しては極めて広範囲に及ぶものと評価すべきである旨主張する。
ところで、商標が「自他識別性や品質を誤認させる性質・・・を有するか否かは、これに接する取引者・需要者の認識を基準として判断されるべき」である(平成13年(行ケ)第68号判決)。
これについて、請求人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、請求人は、粉末の回折データを収集したデータベース(以下「本件データベース」という。)を提供していることが認められ、また、本件データベースは、チラシやウェブサイト等で紹介されるとともに、その販売金額及び数量は相当程度あることが認められ、さらに、本件データベースには、本願商標が使用されていることが認められる。
そうすると、本件データベースそれ自体は、需要者の間に一定程度知られていることがうかがえる。
しかしながら、本件データベースを紹介するチラシやウェブサイトにおいては、本願商標とともに、本願商標よりも目立つ態様で「ICDD」の文字からなる商標が記載されている。
そして、上記(1)のとおり、「PDF」の文字(語)は「電子文書のファイル形式」を表し、「PDF-2」の文字は「バージョン番号が2であるPDF」ほどの意味合いを認識させること、また、登録商標の範囲は願書に記載した商標に基づいて定めなければならないところ(商標法第27条第1項)、本願商標は「PDF-2」の文字からなるものであって、「ICDD」の文字は含まれていないことからすると、「PDF-2」の文字のみからなる本願商標に接する取引者、需要者は、本件データベースを認識するとはいえず、むしろデータファイルのファイル形式及びそのバージョンを表したものと認識するとみるのが相当である。
したがって、請求人の主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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