商標拒絶査定不服審判
2024-016764
キョートテラマチムラカミカイシンドー、キョートテラマチムラカミカイシン、ムラカミカイシンドー、ムラカミカイシン
- 審判番号
- 2024-016764
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2024-063260
- 請求日
- 2024年10月21日
- 審決日
- 2025年01月30日
- 公報発行日
- 2025年09月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】有限会社村上開新堂
- 【請求人代理人】本田 史樹
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 白鳥 幹周
- 審判官 清川 恵子
- 分類
- T18 .261-Z (W35) / T18 .262-Z (W35) / T18 .263-Z (W35)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2024- 63260拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和6年6月12日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年 8月 2日付け:拒絶理由通知書
令和6年 9月16日 :意見書の提出
令和6年10月16日付け:拒絶査定
令和6年10月21日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「京都寺町村上開新堂」の文字を標準文字で表してなり、第35類「菓子の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5556493号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成24年9月6日登録出願、第30類「菓子,パン」を含む第29類、第30類及び第43類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同25年2月8日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、「京都寺町村上開新堂」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、その構成中「寺町」の文字は、「近世、城下町などの外縁部に寺院が集められた一画。」などを意味する語であるが、これが「京都」の文字に続いて表されていることを踏まえて考えれば、「京都河原町の西側を南北に走る通り。」を意味する語として認識されるといえるものである(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)。
そして、別掲2の情報にあるように、京都の寺町(京都河原町の西側を南北に走る通り)周辺に存在する各種の店舗等が、「京都寺町店」「京都寺町営業所」などと一般的に称されている実情が認められることからすると、本願商標構成中の「京都寺町」の文字は、京都の寺町周辺を指称する地名ないし地名に準じた表示として一般的に使用され、理解されているといえるものである。
そうすると、同文字は、本願商標に接する需要者において、その指定役務が京都の寺町周辺で提供されるものであるという、役務の提供場所などを表示記述したものと認識されるにとどまるというのが相当であって、自他役務の識別標識としての機能を有しないか、又は、その機能が極めて弱いものといえる。
他方、本願商標構成中の「村上開新堂」の文字、又は、「開新堂」の文字は、一般的な辞書類に掲載されている語ではなく、特定の意味合いを認識させない造語といえるものであって、自他役務の識別標識としての機能を十分に果たし得るものといえる。
また、本願商標構成中の「京都」の文字と「寺町」の文字は、上述のとおり、「京都寺町」で一体として京都の寺町周辺を指称する地名ないし地名に準じた表示として把握され得るものであるのに対し、当該文字と、造語と考えられる「村上開新堂」若しくは「開新堂」の文字、又は、請求人主張のとおり人の姓氏として認識され得る「村上」の文字との間に、観念的なつながりは見いだせないものである。
さらに、本願商標全体より生じる「キョウトテラマチムラカミカイシンドウ」の称呼は17音と相当冗長であり、容易に一息で発音できるとはいい難いものである。
以上のことからすると、本願商標構成中の「京都寺町」の文字と「村上開新堂」の文字とは、これらを分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分的に結合しているということはできず、簡易迅速を尊ぶ商取引の実際においては、本願商標に接する取引者、需要者が、自他役務の識別標識としての機能を十分に有する「村上開新堂」の文字部分(以下「本願要部」という。)に着目し、これをもって取引に当たることもあるというべきである。
そうすると、本願商標よりは、その構成文字全体に相応した称呼のほか、本願要部に相応した「ムラカミカイシンドウ」の称呼も生じ、また、特定の観念は生じないものというのが相当である。
イ 引用商標について
引用商標は、別掲1のとおり、「村上開新堂」の漢字と「MURAKAMI KAISHINDO」の欧文字を、上下二段に横書きしてなるところ、その構成態様からすれば、下段の欧文字は、上段の漢字の読みをローマ字で付記的に表したといえるものである。
そして、「村上開新堂」の文字は、上記アのとおり、特定の意味合いを認識させない造語というべきものである。
したがって、引用商標よりは、その構成文字に相応した「ムラカミカイシンドウ」の称呼が生じ、また、特定の観念は生じないものというのが相当である。
ウ 本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標を比較するに、外観においては、全体としては文字数などが明らかに相違するものであるが、構成中に「村上開新堂」の文字を有する点では共通するものである。また、本願要部と引用商標との比較においては、文字の書体や、欧文字の有無という差異はあるものの、「村上開新堂」の文字からなる又はこれを顕著に有する点において共通しており、相当程度近似した印象を与えるものといえる。
そして、称呼においては、「ムラカミカイシンドウ」を共通にする。
また、観念においては、いずれも特定の観念が生じるものでないから、比較することができない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、観念においては比較することができないものの、外観においては、全体としては共通点があり、本願要部と引用商標の対比においては相当程度近似した印象を与えるものであって、また、称呼を共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標は、商品又は役務の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
エ 本願商標と引用商標の指定商品又は指定役務の類否について
本願の指定役務である第35類「菓子の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標の指定商品中、第30類「菓子,パン」と類似する役務である。
オ 小括
上記アないしエによれば、本願商標は引用商標と類似する商標であって、かつ、本願の指定役務は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、構成中に自他商品役務の識別標識としての機能がない文字等を含む商標に係る、過去の審決例を挙げ、本願商標についてもそれらと同様に判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、商標の類否の判断は、出願された商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断すべきものであり、また、請求人の挙げる審決例と本願とは、商標の構成等を異にするものであるから、当該審決例によって、直ちに本願商標に係る判断が左右されるものではない。
そして、本願商標と引用商標とが類似の商標であることは、上記(1)のとおりである。
したがって、請求人の主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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