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商標拒絶査定不服審判

2024-016497

テノヒラサイズカメラ、テノヒラサイズ

審判番号
2024-016497
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2023-085870
請求日
2024年10月16日
審決日
2025年04月15日
公報発行日
2025年07月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】富士フイルム株式会社
  • 【請求人代理人】弁理士法人栄光事務所
審判長/審判官
  • 審判長 大橋 良成
  • 審判官 渡邉 あおい
  • 審判官 渡邉 潤
分類
T18 .13 -Z (W0942) / T18 .272-Z (W0942) / T18 .17 -Z (W0942)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号商標法3条2項商標法4条1項16号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第3条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2023- 85870拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和5年8月2日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和6年 3月25日付け:拒絶理由通知書 令和6年 6月10日 :意見書の提出 令和6年 7月 5日付け:拒絶査定 令和6年10月16日 :審判請求書の提出 令和7年 1月17日付け:審尋 第2 本願商標 本願商標は、「手のひらサイズカメラ」の文字を標準文字で表してなり、第9類及び第42類に属する別掲1に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。 第3 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、「本願商標は、「手のひらサイズカメラ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「手のひら」の文字は「手首から指の付け根までの、手を握ったときに内側になる面。」の意味を有する「手の平」の文字に通じるものであり、「サイズ」の文字は、「大きさ。寸法。」の意味を、「カメラ」の文字は、「写真を撮影する光学器械。」の意味を有する語であるから、全体として、「手のひらの大きさのカメラ」程の意味合いを理解させる。そして、実際に、本願の指定商品を取り扱う業界において、手のひらに収まる大きさほどの小型のカメラが取引されており、それらの中には、その大きさを「手のひらサイズ」と称している実情が見受けられる。そうすると、本願商標を、その指定商品中、カメラ(に関する商品)に使用しても、これに接する取引者・需要者は、手のひらに収まる大きさのカメラ(に関する商品)であると認識するにとどまるというのが相当であるから、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記意味合いに相当する商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 第4 当審における審尋 当審において、上記第1の審尋により、請求人に対し、別掲2のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、かつ、同法第3条第2項に規定する要件を具備するものではない旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する回答を求めたが、請求人は、応答期間において、当該審尋に対する意見を提出していない。 第5 当審の判断 1 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について 本願商標は、「手のひらサイズカメラ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「手のひら」の文字は「手首から先の、内側の面。手のうら。たなごころ。」の意味を、「サイズ」の文字は「大きさ。寸法。」の意味を、「カメラ」の文字は「針穴・レンズ・反射鏡などの光学系を用いて、被写体の映像を暗箱内のすりガラス・紙・感光材料・撮像素子などの面上に結ばせる装置。」(いずれも「広辞苑 第七版」発行者:株式会社岩波書店)の意味を有する語である。 そして、別掲2のとおり、本願指定商品に含まれるカメラの業界において、カメラが小型であることが、「手のひらに収まる」、「手のひらサイズ」などと表現されていることが確認できる。 そうすると、本願商標の構成文字の語義及び上記取引の実情をも併せ考慮すれば、本願商標は、その構成文字全体から、「手のひらに収まるサイズのカメラ」ほどの意味合いを認識、理解させるものであり、これを、その指定商品及び指定役務のうち、「カメラ,カメラ用レンズ,接写レンズ,カメラ用のレンズマウントアダプター,カメラ用フラッシュ,カメラ用ケース,カメラ用フィルター,カメラ用ブロアブラシ,カメラ用三脚,カメラ用ストラップ,カメラ用部品及び附属品,その他の写真機械器具,コンパクトデジタルカメラ,デジタルカメラ,ビデオカメラ,監視カメラ」に使用しても、これに接する取引者・需要者は、当該商品が、「手のひらに収まるサイズのカメラ」であること、「手のひらに収まるサイズのカメラ用の商品」であることを理解するにとどまるから、本願商標は、商品の品質及び用途を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものである。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願商標を、その指定商品中、「手のひらに収まるサイズのカメラ」と関連のない商品について使用をするときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。 2 請求人の主張について (1)請求人は、「人の手の大きさには個人差があり、「手のひらサイズ」の表現が商品の具体的な形状を示すものとはいえない。また、カメラといえば、両手で使用される手の平より大きいものが一般的であるが、本願商標中の「手のひらサイズ」の部分は、片手に収まる大きさを需要者に想像させる結果、両手で扱う必要のあった従来の商品とは異なる、何らかの新たな機能や用途を備えた商品をも想起させ得る表現であり、新しい種類のカメラであることを暗に示すものといえる。このように、本願商標は、商品の内容を直接表すものではなく、あくまで暗示的な表現に止まるものであるから、商標として機能するための識別力を十分に備えていると解すべきである。」旨主張する。 しかしながら、本願商標の構成文字の語義及びカメラの業界における別掲2の取引の実情をも併せ考慮すれば、本願商標は、新しい種類のカメラであることを暗に示すものであるというよりは、「手のひらに収まるサイズのカメラ」ほどの意味合いを、無理なく、容易に認識、理解させるものであるというべきである。 そして、本願商標を、その指定商品及び指定役務のうち、上記1に挙げた商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、当該商品が、「手のひらに収まるサイズのカメラ」であること、「手のひらに収まるサイズのカメラ用の商品」であることを理解するにとどまるから、本願商標は、商品の品質及び用途を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものであり、自他商品識別標識としての機能を備えていると解することはできない。 (2)請求人は、「仮に本願商標が本来的に識別力を備えていないとしても、使用による識別力の獲得によって商標としての機能を十分に発揮するものと解すべきである。」旨主張する。 請求人は、本願商標は商標法第3条第2項の要件を具備し、登録されるべき旨主張しているものと解され、当審において、証拠方法を提出しているところ、その前提として、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであることは、上記1のとおりである。 そこで、請求人の主張及び同人が令和6年6月10日付けの意見書において提出した参考資料1ないし参考資料13及び同年10月30日付け手続補正書において提出した参考資料1ないし参考資料17を参照し、以下、本願商標が商標法第3条第2項に規定する要件(使用による自他商品の識別性)を具備するか否かについて検討する。 なお、請求人が令和6年6月10日付けの意見書において提出した参考資料1ないし参考資料13は、同年10月30日付け手続補正書において提出した参考資料1ないし参考資料12及び参考資料17と同じ内容であると認められるから、本審尋において参考資料について言及する際は、上記手続補正書において提出された参考資料についてのみ言及する。 ア 商標法第3条第2項について 商標法第3条第1項第3号から第5号に該当する商標について、同法第3条第2項所定の「使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるもの」に至ったか否かを判断するに当たっては、当該商標と外観において同一と見られる標章が指定商品又は指定役務とされる商品又は役務に使用されたことを前提として、その使用開始時期、使用期間、使用地域、使用態様、当該商品又は役務の販売数量又は売上高等及び当該商品又は役務やこれに類似した商品又は役務における当該商標又は標章に類似した他の標章の存否などの事情を総合的に考慮すべきものといえる(知財高裁平成27年(行ケ)第10019号同年10月29日判決参照)。 また、同法第3条第2項にいう「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるもの」とは、同法第3条第1項第3号ないし第5号に該当する出所表示機能を欠く商標であっても、永年使用されることにより、特定の者の出所表示としてその商品又は役務の需要者の間で全国的に認識されるに至っている(特別顕著性がある)をいうと解される(知財高裁平成19年(行ケ)第10127号同年11月22日判決参照)。 そこで、本願商標が使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品及び役務であることを認識することができるに至っているか否かについて、上記判決に照らし、以下、認定、判断する。 イ 事実認定 請求人の提出に係る証拠及びその主張によれば、次の事実が認められる。 (ア)「instax“チェキ”」シリーズ及び「instax Pal」シリーズについて 請求人は、1998年11月、インスタントカメラ「instax mini 10」の販売を開始し、2002年、同製品シリーズは年間販売台数100万台に達し、その後も継続して同製品シリーズの製造販売を続け、2014年には全世界での年間販売台数が300万台を超え、2018年には1000万台を突破した(参考資料1~参考資料3)。また、同製品シリーズの「instax mini Evo」は、2021年12月のデジタルカメラ全体における販売台数シェアの10.7%を占め、首位を獲得した(参考資料4)。 請求人は、2023年9月、「instax“チェキ”」シリーズの新たな製品として、デジタルカメラ「instax Pal」の販売を開始した(参考資料1、請求人の主張)。 (イ)ウェブサイト 請求人が運営するウェブサイトには、「instax Pal」の商品画像が掲載されているところ、当該ウェブサイトの左上には「instax チェキ」(「チェキ」の文字は六角形の図形で囲われている。以下同じ。)の文字が記載されており、「instax Pal」の正面上部には「instax」の文字が記載されている(以下、請求人が販売しているデジタルカメラ「instax Pal」(正面上部に「instax」の文字の記載がある。)を、「請求人商品」という。)。なお、「手のひらサイズカメラ」の文字(以下「使用商標」という。)は、請求人商品の画像や、「instax Pal」の文字及び「チェキ」の文字と共に記載されており、中には、使用商標よりも、「instax Pal」の文字及び「チェキ」の文字が大きく記載されているものも見られる(参考資料5)。 そして、上記ウェブサイトにおいて、請求人商品は、女性アーティストと提携して紹介されているところ、使用商標は、使用商標より大きく記載された「instax Pal」及び「チェキ」の文字と共に記載されており、中には、「instax チェキ」の文字の記載があるのみで、使用商標の記載が見られないページもある(参考資料5)。 (ウ)女性アーティストと提携した請求人商品の広告活動 上記(イ)の女性アーティストと提携した請求人商品の広告活動に関する成果として、SNSサイト「X」でのimp数(ユーザーに投稿が表示された件数)の合計は、1,495,000件であった。また、2024年3月27日、28日に東京・有明で、同月30日,31日に大阪で、同年4月13日、14日に東京・代々木で行われた請求人商品の体験イベントには、10,000名を超える参加があり、SNSサイト「X」及び動画配信サイト「YouTube」上で公開された請求人商品の広告動画の合計視聴回数は69万件を超えた。もっとも、当該体験イベントの様子を撮影したと認められる画像や、広告動画の画像には、「チェキ」、「instax」の文字や「instax Pal」の文字の記載は見られるが、使用商標の記載は確認できない(参考資料16)。 (エ)テレビCM 使用商標の記載がある請求人商品のテレビCMが、2023年12月30日から2024年1月4日にかけて、全国ネットで105回ほど放映され(請求人の主張、参考資料6)、当該テレビCMと同一内容の動画は、動画配信ウェブサイトの「TVer」及びソーシャルネットワーキングサービスの「Instagram」、「Tiktok」のウェブサイト上にて配信されたほか、映画館や明治神宮における初詣のモニターにて放映され(請求人の主張)、同CMは、CM総合研究所による同期間のCM好感度調査で総合第1位を獲得した(参考資料8)。もっとも、当該テレビCMにおいて、使用商標は、請求人商品の画像や、使用商標より大きく記載された「instax Pal」の文字及び「チェキ」の文字と共に記載されており、中には、「instax Pal」の文字の記載があるのみで、使用商標の記載が見られないカットも確認できる(参考資料7)。 (オ)プレスリリース 請求人が請求人商品の販売を知らせるニュースリリースにおいて、使用商標は、ダブルクオーテーションの記号でくくって記載されているものの、使用商標の記載の直下にある見出しには、使用商標よりも大きく「INSTAX Pal(インスタックス パル)」との記載がされている。また、当該ニュースリリース中に掲載されている画像おいて、使用商標は、請求人商品の画像や、使用商標より大きく記載された「instax Pal」の文字及び「チェキ」の文字と共に記載されており、請求人商品の画像が掲載されているページには、「INSTAX Pal(インスタックス パル)」の文字の記載があるのみで、使用商標の記載が確認できない(参考資料9)。 (カ)プロモーション動画 請求人は、商品の宣伝広告用に、使用商標の記載がある動画を作成し、動画共有プラットフォーム「YouTube」に動画を投稿しており、同動画は2023年9月に公表されてから2024年5月現在まで3万回以上視聴されている。もっとも、「YouTube」に投稿されている動画において、使用商標は、使用商標より大きく記載された「instax Pal」の文字及び「チェキ」の文字と共に記載されている(参考資料10)。 (キ)店舗での販売 実店舗における請求人商品の陳列棚及び店頭POP(店頭における販促用広告物)において、使用商標の記載があり(参考資料11、参考資料13)、店頭POPは、全国の1284の家電量販店等において使用されているところ(参考資料14)、実店舗の陳列棚において、使用商標は、使用商標より大きく記載された「instax Pal」の文字及び「チェキ」の文字と共に記載されている(参考資料11)。店頭POPについては、左側の水色を基調としたPOPには、大きく黄色で「instax Pal」の文字が記載されており、右側の灰色を基調としたPOPには、左下に記載されている使用商標の右側に「instax Pal」の文字及び「チェキ」の文字の記載があり、展示されている商品には、上記(イ)のとおり、「instax」の文字が記載されている。 (ク)オンラインストアでの販売 請求人商品は、オンラインストアでも販売されているところ(参考資料15)、使用商標は、「チェキ instax Pal」の文字と共に使用されており、掲載されている商品画像には、上記(イ)のとおり、「instax」の文字が記載されている。 (ケ)販売状況 請求人商品は、2023年10月9日から15日の日次集計データによる実売台数ランキングにおいて10位であった(参考資料12)。 (コ)請求人以外による使用商標の使用状況 インターネット検索エンジン「Google」による「手のひらサイズカメラ」をキーワードとする検索結果の上位50件に、請求人商品以外に関する検索結果は見られない(参考資料17(2024年5月28日時点))。 ウ 判断 以上認定した事実を総合すれば、請求人は、2023年9月に、使用商標を使用して請求人商品の販売を開始し、女性アーティストとの提携による広告宣伝、ウェブサイト、テレビCM、店頭POP等による広告宣伝を行ってきたことが認められる。 しかしながら、本願商標は、以下に述べるとおり、未だ自他識別力を獲得するまでには至っていないと判断する。 (ア)本願商標の使用について 請求人は、本願商標と同一の文字構成からなり、その書体は、本願商標と同一性を損なわない範囲のものと認められる使用商標を、請求人商品に使用していることが認められる。 他方で、請求人商品は「デジタルカメラ」であるところ、本願の指定商品には、「デジタルカメラ」以外の商品も含まれているから、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備しているか否かを判断するにあたっての前提となる、本願の指定商品と使用商品との同一性が認められない。 また、仮に、本願の指定商品と使用商品との同一性が認められ、使用商標が請求人商品に使用されている状況にあるとしても、請求人商品の販売期間は、2023年9月の販売開始から、1年半ほどの短期間である。 (イ)広告活動 請求人は、請求人商品について、女性アーティストとの提携による広告宣伝、ウェブサイト、テレビCM、店頭POP等による広告宣伝を行ってきたことが認められる。 そして、請求人は、当該広告宣伝において、請求人商品の名称である「instax Pal」等の文字とは独立した態様で使用商標を表示していることを繰り返し述べた上で、女性アーティストと提携した請求人商品の広告宣伝に関し、SNSサイト「X」でのimp数の合計や、体験イベントへの参加者数、SNSサイト「X」及び動画配信サイト「YouTube」上で公開された請求人商品の広告動画の合計視聴回数について上記イ(ウ)のとおり主張し、テレビCMの放映回数について同(エ)のとおり主張している。 しかしながら、上記広告宣伝において、請求人商品の名称である「instax Pal」(「INSTAX Pal(インスタックス パル)」)等の文字が、使用商標よりも大きく、上記広告宣伝に接する需要者の注意を引くように記載されているものが多数見られることから、使用商標たる「手のひらサイズカメラ」の文字が、単独で、請求人商品の需要者において、請求人の商標として認識されているとはいい難く、したがって、SNSでのimp数、体験イベント参加者数、動画配信サイトでの動画視聴数、テレビCMの放映回数といった各種数字は、請求人商品の需要者の間における使用商標の認識について推し量るための判断材料たり得ない。 (ウ)販売状況 請求人商品は、全国の家電量販店及びオンラインストアで販売されていると認められることから、その販売地域は全国に及ぶものと認められる。 しかしながら、請求人商品の販売期間は、1年半ほどの短期間であり、また、販売数量等については、請求人商品の販売が開始される前の「instax“チェキ”」シリーズ全体の販売台数に関する証拠は提出されているものの、請求人商品の販売数量等については、2023年10月9日から15日の日次集計データによる実売台数ランキングにおいて10位であったことが確認できるのみであり、その他、請求人商品に関連する業界における、請求人商品の我が国での具体的な販売数、売上高、市場占有率等についての証拠は提出されておらず、これらの客観的な評価ができない。 (エ)他者による「手のひらサイズ」などの表現の使用 仮に、請求人以外の者による「手のひらサイズカメラ」の文字の使用は確認できないとしても、別掲2のとおり、これに類する「手のひらサイズ」などの表現が使用されている。 エ 小括 以上のとおり、本願商標と使用商標の同一性は認められるものの、本願の指定商品と請求人商品との同一性は認められず、請求人商品の販売期間は1年半ほどの短期間であること、使用商標たる「手のひらサイズカメラ」の文字が、単独で、請求人の商標として認識されているとはいい難いこと、請求人商品の販売状況を客観的に評価するに足る証拠が提出されていないこと、本願商標に類似する請求人等以外の第三者の標章が多数存在することなどを踏まえると、本願商標は、請求人により、永年の間、一貫して使用されてきたものとはいえず、我が国において、請求人等の出所表示として、その商品の需要者の間で全国的に認識されるに至っているとはいえないものである。 そうすると、本願商標は、使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものとは認められない。 したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものではない。 (3)請求人は、過去の審決例を挙げて、本願商標も同様に取り扱われるべきである旨主張している。 しかしながら、請求人の挙げる審決例は、本願商標とは、構成文字や構成態様が異なるものであって、かつ、具体的事案の判断においては、過去の登録例等に拘束されることなく、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と取引の実情に応じて個別的に判断されるべきであるから、これらの事例の存在によって、上記1の認定、判断が左右されるものではない。 (4)請求人の上記主張は、いずれも採用することができず、その他、請求人の主張は、採用するべき事情はない。 3 まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、かつ、同法第3条第2項に規定する要件を具備するものではないから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

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