商標拒絶査定不服審判
2024-016452
ワンデイケイ、イチデイケイ
- 審判番号
- 2024-016452
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-082955
- 請求日
- 2024年10月15日
- 審決日
- 2025年08月12日
- 公報発行日
- 2025年10月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社pad
- 【請求人代理人】平野 耕平
- 審判長/審判官
- 審判長 豊瀬 京太郎
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 鯉沼 里果
- 分類
- T18 .15 -Z (W03) / T18 .17 -Z (W03)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第3条第1項第5号、商標法第3条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 82955拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年7月26日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年 3月21日付け:拒絶理由通知書
令和6年 5月23日 :意見書の提出
令和6年 6月24日付け:拒絶査定
令和6年10月15日 :審判請求書の提出
令和7年 5月 8日付け:審尋
令和7年 6月20日 :回答書の提出
2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第3類「化粧品,せっけん類,シャンプー,ヘアートリートメント,ヘアーオイル」を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要点)
本願商標は、「1」の数字と「DK」のローマ文字2字を組み合わせた「1DK」の文字を普通に用いられる方法で表してなるところ、これをその指定商品に使用しても、数字とローマ文字2字を組み合わせた標章は、各種商品・役務の分野で、商品・役務の品番・等級等を表示する記号・符号として類型的に普通に使用されている実情があるから、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標と認める。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。
4 当審における審尋
当審において、上記1の審尋により、別掲2に掲げる事実を記載した上で、本願商標が商標法第3条第1項第5号に該当するとの暫定的見解を示し、期間を指定した上で請求人に対し意見を求めた。
5 審尋に対する請求人の回答(要旨)
本願商標は、販売実績、広告宣伝、雑誌露出、店舗流通の全てにおいて実績を有し、商品の出所識別標識としての機能を十分に果たしていることから、商標法第3条第1項第5号に該当しない。
6 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第5号該当性について
本願商標は、別掲1のとおり「1DK」の文字を一列に横書きしてなるところ、当該文字は一般に用いられる書体で表されており、用いられる文字の態様や組合せ方法に特徴があるわけではない。
そして、このような数字と欧文字2字の組み合わせからなる標章は、一般に様々な商品分野において、自己の製造、販売に係る各種商品について、商品の型番、品番等を表示するための記号、符号として、取引上普通に採択、使用されている実情があるところ、別掲2の情報にあるように、本願の指定商品を取り扱う分野においても、同様の実情が認められるものである。
そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、これが単に、商品の型番、品番等を表した記号又は符号の一類型であると理解するにとどまるものであるから、本願商標は、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標であり、自他商品の識別標識とは認識し得ないといわざるを得ないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当する。
(2)商標法第3条第2項に規定する要件を具備するか否かについて
請求人は、本願商標は、請求人により使用された結果、商品の出所識別標識としての機能を十分に果たしている旨主張し、証拠方法として、当審において第1号証ないし第17号証(以下「甲○」と表記する。)を提出していることから、請求人は、本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備したものであると主張していると解し、請求人の主張及び同人の提出にかかる各号証に基づいて、本願商標が同項に規定する要件を具備するものであるか否かについて、以下検討する。
ア 事実認定
請求人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、以下の事実が認められる。
(ア)請求人は、本願商標を、2023年11月頃から指定商品であるシャンプー、ヘアートリートメント、ヘアーオイルなどの化粧品について使用を開始し、それ以降、継続的に使用している(甲3、請求人の主張)。
(イ)請求人は、本願商標を商品パッケージ、オンラインショップ、ブランド公式サイト、実店舗の陳列棚及びPOP等において表示し、使用している(請求人の主張)。
(ウ)請求人は、本願商標を付した指定商品(以下「使用商品」という。)を、全国740の取扱店舗(甲2、2025年5月時点)に対して販売し、請求人作成の「1DK」ブランド商品販売実績(甲1)によれば、2024年1月から2025年5月までの期間における使用商品の累計販売金額(税抜き)は約1億3000万円、累計販売個数は約8万2千個である(請求人の主張)。
(エ)請求人は、2023年11月2日に、プレスリリース配信サービスを手がける「PRTIMES」において、使用商品についてのプレスリリースを掲載した(甲3)。また、雑誌「CYAN」及び「WWD JAPAN」において、使用商品についての記事掲載を行い、書店や商業施設における特設展開やプロモーション棚設置、POP広告を活用した店舗販売を行った(甲4~甲6、請求人の主張)。
(オ)請求人のInstagram公式アカウント(@1dk_official_)は、開設から1年足らずでフォロワー数が5000人を超え(2025年6月時点)、定期的な投稿がなされている。また、1投稿あたりの平均インプレッションは1万件超、エンゲージメント率は5~8%前後である(請求人の主張)。
(カ)請求人は、使用商品の販売に伴い、2024年5月から2025年4月までの間に、「1DK styling collabo Seminar」等のイベント(セミナー)を名古屋、広島、東京、大阪、金沢、岡山の会場(定員25名~100名)において開催した(甲7~甲14)。
(キ)使用商品の代理店が運営するウェブサイト及び使用商品の取扱店のSNSにおいて、使用商品が紹介されている(甲16、甲17)。
イ 判断
上記アによれば、請求人は、2023年11月以降現在に至るまで、使用商品について、本願商標を継続して使用していることがうかがわれ、使用商品は、全国740の取り扱い店舗に対して販売していることから、全国規模で販売されていたこと、一定程度の販売数、売上金額を上げていることがうかがわれる。また、使用商品は、雑誌(2回)に掲載され、使用商品の販売を伴うイベントは2024年に4回(名古屋等)、2025年に4回(金沢等)行われている。また、代理店のウェブサイト及び取扱店のSNS(各1回)において紹介されたことが認められる。
しかしながら、使用商品の販売期間は2年弱ほどと極めて短い上、請求人が主張する使用商品の販売数及び売上金額は請求人作成の内部資料と推認されることから、その販売数や売上金額を客観的に裏付ける証拠とはいえず、その他、使用商品の市場占有率等を示す証拠の提出はないことから、使用商品の販売実績の多寡について評価することができない。
また、広告宣伝の程度についても、プレスリリースの配信サイトへの掲載、雑誌への掲載(2回)及び店舗における商品陳列風景については確認ができるものの、その掲載回数は決して多いものとはいえず、商品陳列風景については、これがいつどこで撮影され、どのような宣伝広告効果をもたらしているのか不明であり、その他請求人が主張するSNS公式アカウントへの投稿等については事実の確認ができない。
さらに、使用商品の販売に伴うイベントを開催したとしているものの、提出された証拠によれば、開催地域が限定されている上、会場の定員も最大で100名程の小規模なものといえ、また、当該会場等において、使用商品が紹介されているといった事実も確認できないことからすれば、これをもってしては、わが国において使用商品に係る宣伝広告活動が広範に行われていたということはできない。
加えて、第三者による使用商品の雑誌による紹介記事はわずか2件にとどまり、需要者の認識度を客観的に示す証拠(アンケート結果など)は提出されていない。
以上のことからすると、提出された証拠をもってしては、本願商標が、その指定商品との関係において、使用をされた結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っているとは認められないから、本願商標は、商標法第3条第2項に規定する要件を具備しない。
(3)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は、その書体デザインも含め、様々な想いを込めて請求人が緻密に計算して創作したものであり、識別力を有する旨主張する。
しかしながら、本願商標が、多少デザイン化されているとしても、特に強い特徴があるものとはいえず、数字と欧文字2文字の組み合わせからなるものとみるのが自然であるから、極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標であるというのが相当であることは、上記(1)のとおりであって、上記判断は、請求人が本願商標をどのような想いを込めて創作したかという事実によって左右されるものではない。
イ 請求人は、数字とローマ字2文字を組み合わせてなる過去の登録例を列挙し、本願商標もそれらと同様に判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、請求人の挙げる登録例は、本願商標とは、構成態様が異なるものであって、かつ、具体的事案の判断においては、過去の登録例等に拘束されることなく、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と取引の実情に応じて個別的に判断されるべきであるから、これらの事例の存在によって、上記(1)及び(2)の認定、判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第5号に該当するものであり、また、同法第3条第2項に規定する要件を具備するものともいえないから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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