商標拒絶査定不服審判
2024-015980
ダンキチ
- 審判番号
- 2024-015980
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2023-085668
- 請求日
- 2024年10月04日
- 審決日
- 2025年10月02日
- 公報発行日
- 2025年10月31日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ユニトレンド株式会社
- 【請求人代理人】松本 悟
- 審判長/審判官
- 審判長 板谷 玲子
- 審判官 小田 昌子
- 審判官 滝口 裕子
- 分類
- T18 .264-WY (W20)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2023- 85668拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和5年8月1日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年4月12日付け:拒絶理由通知書
令和6年5月15日 :意見書、手続補正書の提出
令和6年7月3日付け :拒絶査定
令和6年10月4日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「ダン吉」の文字を横書きしてなり、第20類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願され、その後、指定商品については、上記1の手続補正書により、第20類「ダンボールベッド,ダンボール製ベッド」に補正されたものである。
3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5995663号商標(以下「引用商標」という。)は、「段吉」の文字を標準文字で表してなり、平成28年8月9日に登録出願され、第16類及び第19類に属する別掲のとおりの商品を指定商品として、同29年11月10日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。
4 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、(1)本願商標と引用商標は類似する商標であり、(2)本願商標に係る補正後の指定商品「ダンボールベッド,ダンボール製ベッド」は家具の範疇の商品であり、引用商標に係る指定商品中「建具(金属製のものを除く。)」と類似する商品であるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとしたものである。
5 当審の判断
(1)本願商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について
ア 商品の類否判断について
商標法第4条第1項第11号に規定する指定商品の類否は、取引の実情に照らし、それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により、それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認混同されるおそれがあるか否かによって判断されるべきである(平成15年(行ケ)第456号同16年7月26日東京高裁判決参照。)。
そこで、これを踏まえて、本願商標に係る補正後の指定商品「ダンボールベッド,ダンボール製ベッド」(以下「本願指定商品」という。)と、引用商標の指定商品中「建具(金属製のものを除く。)」(以下「引用指定商品」という。)の類否について検討する。
イ 請求人の提出に係る甲第1号証ないし甲第7号証(枝番を含む。以下、甲各号証の表記に当たっては、「甲○号証」を「甲○」のように省略し、枝番を有する証拠において、特に必要がない限り枝番の記載は省略する。)及び当審の職権による調査によれば、以下のとおりである。
(ア)生産部門、販売部門について
a ダンボール(製)ベッドの生産部門及び販売部門
本願指定商品は、職権調査による「段ボールベッドのおすすめ人気ランキング」(https://my-best.com/19853)によれば、上位10社が主として段ボール若しくは段ボール製品を製造・販売する会社、又は、防災用品等を製造・販売する会社であり、請求人の提出に係る証拠によっても同様の実情をみてとることができ(甲1、甲2)、一般的に建具メーカーにより生産、販売されているものとはいえない。
そして、日本標準産業分類には、「1432段ボール製造業」は、「主として段ボールを製造する事業所をいう。」、「1453段ボール箱製造業」は、「主として段ボール箱を製造する事業所をいう。」と記載され、「14 パルプ・紙・紙加工品製造業」の下位に分類されている(甲3)。
b 建具(金属製のものを除く。)の生産部門及び販売部門
日本標準産業分類には、「1331建具製造業」は、「主として障子,雨戸格子,ふすま(骨及び縁を含む)を製造する事業所をいう。」と記載され、「13 家具・装備品製造業」の下位に分類されている(甲6)。
また、「内装建具・木製建具大手メーカーリスト(8社)」には、一般的に段ボール若しくは段ボール製品を製造・販売する会社、又は、防災用品等を製造・販売する会社は含まれていない(甲7)。
c ダンボールベッドと建具の生産部門及び販売部門の相違
上記a及びbで検討したとおり、本願指定商品を生産、販売している部門は、「パルプ・紙・紙加工品製造業」の下位に分類される、主として段ボール又は段ボール製品の製造・販売をしている会社か、それらの会社から段ボールを購入し、防災用品等として段ボールベッドを生産し、販売している会社であるのに対して、引用指定商品を生産、販売している部門は、「家具・装備品製造業」の下位に分類される、主として障子、ふすま等を製造する会社である。
よって、両商品は、生産部門、販売部門が異なるものである。
(イ)原材料及び品質について
本願指定商品の原材料は、主として段ボールであり、工具不要で組み立てられる等の特徴を有するものであり、長い年月用いることができる品質等は要求されておらず、段ボールは折りたたみ可能であり軽量であることから、コンパクトに保管可能な商品である(甲1)。
これに対して、引用指定商品は、主な原材料は木材等であり、一般的に長い年月用いるものである(甲5)。そして、引用指定商品は、製造業者が工具を使用して、建具金物を取り付けたりして製造するものであり、一般的にダンボールが使用されることはない(甲4)。
よって、両商品は、原材料及び品質も異なるものである。
(ウ)用途及び需要者の範囲について
本願指定商品は、主に、緊急災害時等に一時的に使用されるものであるのに対して(甲1、甲2)、引用指定商品は、家屋等で、恒常的に使用されるものであって、上記のような用途の相違に相応して需要者の範囲も異なるものとなる。
(エ)完成品と部品との関係にあるかについて
本願指定商品と引用指定商品は、完成品と部品との関係にはないといえる。
ウ 判断
上記イ(ア)ないし(エ)のとおり、本願指定商品と引用指定商品は、生産部門、販売部門、原材料、品質、用途及び需要者の範囲において、いずれも一致するとはいえず、完成品と部品との関係にもないものである。
そうすると、本願指定商品と引用指定商品とは、取引の実情に照らし、それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により、それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認混同されるおそれがあるものということはできないから、非類似の商品とみるのが相当である。
(2)まとめ
以上のとおり、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品は類似しないものであるから、本願商標は、引用商標との商標の類否について判断するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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