審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
商標拒絶査定不服審判

2024-015629

審判番号
2024-015629
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2023-114124
請求日
2024年09月30日
審決日
2025年03月21日
公報発行日
2025年06月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社ロイズコンフェクト
  • 【請求人代理人】山本 龍郎
  • 【請求人代理人】中西 康裕
  • 【請求人代理人】山本 彰司
審判長/審判官
  • 審判長 高野 和行
  • 審判官 清川 恵子
  • 審判官 白鳥 幹周
分類
T18 .13 -Z (W2830)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法3条1項3号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第3条第1項第3号、商標法第2条第1項、商標法第4条第1項第18号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

商願2023-114124拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続の経緯 本願は、令和5年10月13日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和6年 4月17日付け:拒絶理由通知書 令和6年 6月20日 :意見書、手続補正書の提出 令和6年 8月22日付け:拒絶査定 令和6年 9月30日 :審判請求書の提出 2 本願商標 本願商標は、願書に記載のとおりの構成からなる立体商標として、第28類及び第30類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。 そして、本願商標は、上記1の手続補正書により、別掲1のとおりの構成からなる立体商標に補正され、また、その指定商品は、同手続補正書により、第28類「遊園地用機械器具,ペット用おもちゃ,おもちゃ,人形,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具(登山用・サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用のものを除く。),登山用ハーネス,サーフィン用・水上スキー用・スキューバダイビング用運動用具,釣り具,柄付き捕虫網,殺虫管,毒つぼ」及び第30類「チョコレート,チョコレート菓子」と補正されたものである。 3 原査定の拒絶の理由(要旨) 本願商標は、熊をモチーフにしたと思われる立体的形状とカップ型の立体的形状を組み合わせた立体的形状からなるものである。 ところで、おもちゃや食品を取り扱う業界においては、需要者の関心を引き、購買意欲を喚起するなどのため、商品の形状を工夫することが広く行われているところ、熊をモチーフとした立体的形状やそれにカップ型の立体的形状を組み合わせた立体的形状のぬいぐるみやチョコレート菓子が、一般に製造、販売されている実情がある。 そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、これを自他商品の識別標識として認識するというよりは、需要者の関心を引き、購買意欲を喚起する程度の、商品の一形状として認識するとみるのが相当であるから、本願商標は、商品の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきである。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号該当性について ア 立体商標における商品の形状について商標法は、商標登録を受けようとする商標が、立体的形状(文字、図形、記号若しくは色彩又はこれらの結合との結合を含む。)からなる場合についても、所定の要件を満たす限り、登録を受けることができる旨規定する(商標法第2条第1項、同法第5条第2項参照)。 しかしながら、以下の理由により、立体商標における商品等の形状は、通常、自他商品の識別機能を果たし得ず、商標法第3条第1項第3号に該当するものと解される。 (ア)商品の形状は、多くの場合、商品に期待される機能をより効果的に発揮させたり、商品の美感をより優れたものとするなどの目的で選択されるものであって、商品の出所を表示し、自他商品を識別する標識として用いられるものは少ないといえる。このように、商品の製造者、供給者の観点からすれば、商品の形状は、多くの場合、それ自体において出所表示機能ないし自他商品識別機能を有するもの、すなわち、商標としての機能を有するものとして採用するものではないといえる。また、商品の形状を見る需要者の観点からしても、商品の形状は、文字、図形、記号等により平面的に表示される標章とは異なり、商品の機能や美感を際立たせるために選択されたものと認識し、出所表示識別のために選択されたものとは認識しない場合が多いといえる。 そうすると、商品の形状は、多くの場合に、商品の機能又は美感に資することを目的として採用されるものであり、客観的に見て、そのような目的のために採用されたと認められる形状は、特段の事情のない限り、商品の形状を普通に用いられる方法で使用する標章のみからなる商標として、商標法第3条第1項第3号に該当すると解するのが相当である。 (イ)また、商品の具体的形状は、商品の機能又は美感に資することを目的として採用されるが、一方で、当該商品の用途、性質等に基づく制約の下で、通常は、ある程度の選択の幅があるといえる。しかし、同種の商品について、機能又は美感上の理由による形状の選択と予測し得る範囲のものであれば、当該形状が特徴を有していたとしても、商品の機能又は美感に資することを目的とする形状として、商標法第3条第1項第3号に該当するものというべきである。その理由は、商品の機能又は美感に資することを目的とする形状は、同種の商品に関与する者が当該形状を使用することを欲するものであるから、先に商標出願したことのみを理由として当該形状を特定の者に独占させることは、公益上の観点から必ずしも適切でないことにある。 (ウ)さらに、商品に、需要者において予測し得ないような斬新な形状が用いられた場合であっても、当該形状が専ら商品の機能向上の観点から選択されたものであるときには、商標法第4条第1項第18号の趣旨を勘案すれば、商標法第3条第1項第3号に該当するというべきである。その理由として、商品が同種の商品に見られない独特の形状を有する場合に、商品の機能の観点からは発明ないし考案として、商品の美感の観点からは意匠として、それぞれ特許法・実用新案法ないし意匠法の定める要件を備えれば、その限りにおいて独占権が付与されることがあり得るが、これらの法の保護の対象になり得る形状について、商標権によって保護を与えることは、商標権は存続期間の更新を繰り返すことにより半永久的に保有することができる点を踏まえると、特許法、意匠法等による権利の存続期間を超えて半永久的に特定の者に独占権を認める結果を生じさせることになり、自由競争の不当な制限に当たり公益に反することが挙げられる。 (以上、知的財産高等裁判所、平成18年(行ケ)第10555号同19年6月27日判決、平成19年(行ケ)第10215号同20年5月29日判決及び平成22年(行ケ)第10253号同23年6月29日判決参照。) イ 本願商標は、別掲1のとおり、容器状のものに入り、左手を挙げ、また、右耳に帽子状のものを、首回りに首輪又はよだれかけ状のものを、それぞれ身に着けている、熊をモチーフにしたと考えられる立体的形状よりなるものであり、全体的にやや光沢のある黒色である。 そして、原審提示の情報や、別掲2の情報にあるように、本願の指定商品中「ペット用おもちゃ,おもちゃ,人形」及び「チョコレート,チョコレート菓子」を取り扱う分野においては、熊をモチーフにしたと考えられる立体的形状からなる様々な商品が製造、販売されている実情が存在し、これらの立体的形状の中には、色々なポーズをとるもの、衣類その他の物品を身に着けるもの、容器等に入ったものなど、本願商標の形状が有する特徴と同様又は同等の特徴を備えるものもみられるものである。 上記実情を踏まえて本願商標に係る立体的形状を考察すると、当該立体的形状は、その指定商品中「ペット用おもちゃ,おもちゃ,人形」及び「チョコレート,チョコレート菓子」に採用し得る形状の一形態を表したものと容易に認識されるものであり、これに接する取引者、需要者が、その商品の機能又は美感上の理由による形状の選択と予測し得る範囲のものであるというべきであって、商品の機能又は美感に資することを目的とするために採用されたものといえる。 そうすると、本願商標をその指定商品中「ペット用おもちゃ,おもちゃ,人形」及び「チョコレート,チョコレート菓子」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品に採用し得る形状の一形態を表したものとして理解するにとどまり、自他商品を識別するための標識としては認識し得ないものと判断するのが相当であるから、本願商標は、商品の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (2)請求人の主張について ア 請求人は、本願商標の形状は、「カカオポッド」の形状を使用するなど、請求人が創意工夫して考えた独自のものであって、このような立体的形状からなるぬいぐるみやチョコレート菓子が、一般に製造、販売されている実情もない旨主張する。 しかしながら、本願商標の構成中の下部の形状が「カカオポッド」の形状であるといったことは、これに接する需要者が一見して判別できないと考えられる上、上記(1)イのとおり、本願商標と同様ないし同等の特徴を備える、熊をモチーフとしたと考えられる様々な立体的形状よりなる商品が実際に販売されている事実があること等に鑑みると、本願商標の立体的形状は、客観的に見て、商品等の機能や美感に資することを目的として採用され得る形状であるから、本願商標の立体的形状をもって他の商品と識別できるとはいい難いものである。 そして、商品等の機能や美感に資することを目的として採用され得る形状は、同種の商品等に関与する者が当該形状を使用することを欲するものであるから、本願商標の立体的形状がその装飾的要素を含め、一定程度の特徴を有しているとしても、本願の指定商品の需要者にとっても、商品の美感に資することを目的とする形状の選択であると十分予測し得る範囲内のものというべきであるから、先に商標出願したことのみを理由として当該形状を特定人に独占使用を認めることは、公益上適当でない。 イ 請求人は、本願商標と同一のデザインをモチーフとした図形商標が登録を認められていることからすれば、本願商標も登録を認められるべきである旨主張する。 また、請求人は、ほかの立体商標に係る登録例を挙げ、本願商標もそれらと同様に登録を認められるべきである旨主張する。 しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様が本願商標と同一とはいえないものである上、立体商標である本願商標とは異なる平面的な図形商標に関するもの(登録第6699407号商標、登録第6846959号商標)や、商標構成中に自他商品の識別標識としての機能を十分に有するといえる図形が含まれているもの(登録第4182160号商標)、指定商品中に「ペット用おもちゃ,おもちゃ,人形」及び「チョコレート,チョコレート菓子」が含まれていないもの(登録第5726582号商標、登録第5959116号商標)など、本願とは事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。 ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2024-015629

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存