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商標拒絶査定不服審判

2024-015619

マルタカ

審判番号
2024-015619
法域
商標
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
商願2021-122473
請求日
2024年09月30日
審決日
2025年04月15日
公報発行日
2025年07月25日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社マルタカ
  • 【請求人代理人】中川 淨宗
審判長/審判官
  • 審判長 山田 啓之
  • 審判官 渡邉 あおい
  • 審判官 深田 彩紀子
分類
T18 .261-Z (W10) / T18 .262-Z (W10)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第10条第1項、商標法第10条第2項
データ出所
審決公報(XML)

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商願2021-122473拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 1 手続経緯 本願は、令和元年8月8日に登録出願された商願2019-108130(以下「原々出願」という。)に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願(以下「分割出願」という。)として同3年4月2日に登録出願された商願2021-40544(以下「原出願」という。)に係る分割出願として、同年10月1日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和 4年 1月20日付け:拒絶理由通知書 令和 5年 8月29日 :意見書の提出 令和 6年 2月19日 :意見書の提出 令和 6年 6月20日付け:拒絶査定 令和 6年 9月30日 :審判請求書の提出 第2 本願商標 本願商標は、別掲1のとおり「MARUTAKA」の文字を横書きしてなり、第10類「ベッド式マッサージ器,マッサージ機器,椅子型電気マッサージ機器,医療用マッサージ器,医療用機械器具,家庭用電気マッサージ器,業務用美容マッサージ器,磁気治療器具,振動マッサージ器,足用マッサージ機器,超短波治療機械器具,電位治療器」を指定商品として、登録出願されたものである。 第3 原査定の拒絶の理由 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6144348号商標(以下「引用商標」という。)は、「丸隆」の文字を横書きしてなり、平成30年5月24日に登録出願、「電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第35類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、令和元年5月17日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)商標の類否について ア 本願商標について 本願商標は、別掲1のとおり、「MARUTAKA」の文字を横書きしてなるところ(1文字目の「M」が他の文字よりやや大きく表されている。)、該文字は、辞書類に載録された既成語とは認められないものであるから、特定の語義を有しない一種の造語として理解されるものである。 そうすると、本願商標は、その構成文字に相応して、「マルタカ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 イ 引用商標について 引用商標は、「丸隆」の文字を横書きしてなるところ、該文字は、一般的な辞書等に載録されている既成の語ではなく、また、特定の意味合いを有する語として知られているというべき事情も見当たらないものであるから、特定の意味合いを認識させない一種の造語として理解されるというのが相当である。 そして、漢字からなる造語においては、通常はこれを音読み又は訓読みするところ、語頭が「丸」の漢字2字の単語については、「丸薬」(がんやく)のように「丸」を「がん」と読む場合もなくはないが、「丸襟」(まるえり)、「丸顔」(まるがお)、「丸首」(まるくび)、「丸腰」(まるごし)、「丸印」(まるじるし)、「丸損」(まるぞん)、「丸太」(まるた)、「丸裸」(まるはだか)などのように、「丸」を「まる」と読む場合が多いといえる。 また、「隆」の文字は、他の文字と組み合わせて人名に使用される場合が多く、例えば「大内義隆」(おおうちよしたか)、「黒田清隆」(くろだきよたか)又は「藤原道隆」(ふじわらのみちたか)のように、語尾の「隆」を「たか」と読むことが一般的であるといえる。 そうすると、「丸隆」の文字からなる引用商標は、「マルタカ」の称呼を生じるとみるのが自然である。 このことは、別掲2のとおり、「丸隆」の文字を含む企業等の名称において、「丸隆」の文字部分を「MARUTAKA(Marutaka)」、「マルタカ」又は「まるたか」と表記していることからも、うかがい知ることができる。 してみると、引用商標は、その構成文字に相応し、「マルタカ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。 ウ 本願商標と引用商標との類否について 本願商標と引用商標とを比較すると、外観については、それぞれ欧文字のみ又は漢字のみの態様であり、「MARUTAKA」の文字と「丸隆」の文字とで文字種の差異があり、また、1文字目が大きく表されているか否かの差異があるとしても、いずれも格別の特徴を有しない文字からなるものである。 そして、商標の使用においては、商標の構成文字を、同一の称呼が生じる範囲内で、文字種を相互に変換して表記することが一般的に行われている取引の実情があり、別掲2のとおり、「丸隆」の文字についても、「MARUTAKA(Marutaka)」、「マルタカ」又は「まるたか」と表記することが一般に行われている実情があることを踏まえれば、両者の文字種の相違が、取引者、需要者に対し、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として、強い印象を与えるとまではいえない。 また、称呼については、本願商標と引用商標は、「マルタカ」の称呼を共通にし、観念においては、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較することができない。 そうすると、本願商標と引用商標とは、外観に相違があり、観念において比較することができないとしても、外観上の差異は、両者を別異のものであることを認識させるほど強い印象を与えるとまではいえないものであり、また、両者は称呼を共通にするものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は、互いに紛れるおそれのある類似の商標というのが相当である。 (2)本願の指定商品と引用商標の指定役務との類否について 本願の指定商品中、第10類「ベッド式マッサージ器,マッサージ機器,椅子型電気マッサージ機器,家庭用電気マッサージ器,振動マッサージ器,足用マッサージ機器」は、引用商標の指定役務中、第35類「電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と類似する商品である。 (3)小括 以上により、本願商標は、引用商標に類似する商標であって、引用商標の指定役務と類似する商品を含むものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 2 請求人の主張について 請求人は、本願の指定商品の主たる需要者ないし取引者は、相当の注意力と商品知識を具備していると考えられ、また、本願商標と引用商標とは、称呼の共通性が外観及び観念における差異を凌駕するものとはいい難く、外観、観念、及び称呼を総合して考察すると、両商標は、商品の出所の誤認ないし混同を生じるおそれのない非類似の商標である旨主張している。 ところで、「商標の外観上の類否を判断するに当たっては、時と場所を異にして離隔的に観察する方法によるべきである」(知財高裁、令和3年(行ケ)第10092号同4年1月27日判決)。 また、「商標の類否判断は、指定商品の需要者が通常有する注意力を基準として判断すべきである」(知財高裁、令和4年(行ケ)第10095号同5年2月22日判決)ところ、引用商標の指定役務と類似する本願の指定商品は「ベッド式マッサージ器,マッサージ機器,椅子型電気マッサージ機器,家庭用電気マッサージ器,振動マッサージ器,足用マッサージ機器」であり、これらの商品には、家庭用のものも含まれているため、その需要者には一般の消費者が含まれるといえるから、需要者の通常有する注意力はさほど高いとはいえない。 そして、本願商標及び引用商標は、いずれも特徴的な図形を伴うものでも特徴的なデザインを施されたものでもなく、格別の特徴を有しない文字からなるものであるから、このような商標に接する需要者は、その商標を構成する文字の外観(外形)を記憶するとはいい難く、むしろ当該文字から生じる称呼を記憶し、その称呼を頼りに取引に当たるというべきである。 そうすると、本願商標と引用商標との類否判断においては、時と場所を異にした離隔的観察によるべきであること、及び需要者の通常有する注意力がさほど高いとはいえないことをも踏まえれば、称呼が重要な役割を果たすというべきであり、そのため、両者の外観上の相違は、両者を別異のものであることを認識させるほど強い印象を与えるものではないといわなければならない。 請求人の主張は、商標を対比させて観察する対比観察においていえることであり、商標の類否判断においては妥当ではない。 3 出願の分割について なお、上記第1のとおり、本願は、分割出願として登録出願されたものであるが、以下に述べるとおり、本願は分割出願の要件を満たすとはいえないため、商標法第10条第2項の効果は生じないものである。 したがって、本願は、通常の商標登録出願として処理した。 (1)商標法第10条第1項は、「・・・2以上の商品又は役務を指定商品又は指定役務とする商標登録出願の一部を1又は2以上の新たな商標登録出願とすることができる。」と定めている。このように、分割出願においては、もとの商標登録出願の指定商品等を2以上に分けることが当然の前提となっているから、もとの商標登録出願と分割出願で指定商品等が重複するのを避けるため、もとの商標登録出願から分割出願に係る指定商品等を削除する必要がある(知財高裁、令和4年(行ケ)第10033号同4年11月21日判決)。 そうすると、分割出願の要件を満たすというためには、もとの商標登録出願に係る補正後の指定商品等と、分割出願に係る指定商品等は、少なくとも重複していないことを要するものというべきである。 (2)本願の手続経緯は上記第1のとおりであるところ、原々出願に係る出願時の指定商品は、別掲3のとおりであり、原出願と同時に提出された手続補正書により、「医療用電子式神経刺激装置」と補正されたものである。 また、原出願に係る出願時の指定商品は、別掲4のとおりであり、本願と同時に提出された手続補正書により、「医療用電子式筋肉刺激装置」と補正されたものである。 そして、上記第2並びに別掲2及び3によれば、原々出願、原出願及び本願は、いずれもその出願時の指定商品中に「医療用機械器具」が含まれているといえる。 (3)ところで、商標法施行規則別表(以下「省令別表」という。)の第10類によれば、「一 医療用機械器具」として、「(一)診断用機械器具」から「(八)医療用X線装置」が掲載され、また、例えば「(一)診断用機械器具」には「胃鏡 核磁気共鳴CT装置 角膜検査用器具 眼圧測定器」等が、「(八)医療用X線装置」には「X線CT装置」がそれぞれ例示されているように、様々な医療行為を行うための機械器具が例示されている。 そうすると、第10類における「医療用機械器具」とは、省令別表における他の類において明示的に例示されているなどの特段の事情がない限り、様々な医療行為を行うための機械器具が全て含まれる包括的な表示とみるのが相当である。 (4)原々出願及び原出願の補正後の指定商品は、「医療用電子式神経刺激装置」又は「医療用電子式筋肉刺激装置」であり、その表示からして、いずれも医療行為を行うための機械といえる。 そうすると、これらの商品は、いずれも「医療用機械器具」の範ちゅうに含まれるものといわなければならない。 してみると、原出願の出願時の指定商品及び本願の指定商品には、いずれも「医療用機械器具」が含まれているから、原出願及び本願は、いずれも、もとの商標登録出願に係る補正後の指定商品と、分割出願に係る指定商品とが重複しているものといわなければならない。 (5)以上により、原出願及び本願は、分割出願の要件を満たしていない。 4 まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することはできない。 よって、結論のとおり審決する。

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