商標拒絶査定不服審判
2024-015092
タケノワ
- 審判番号
- 2024-015092
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 商願2024-005349
- 請求日
- 2024年09月20日
- 審決日
- 2024年12月25日
- 公報発行日
- 2025年03月28日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】株式会社ニッスイ
- 【請求人代理人】弁理士法人RIN IP Partners
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 和行
- 審判官 清川 恵子
- 審判官 白鳥 幹周
- 分類
- T18 .261-Z (W29) / T18 .262-Z (W29) / T18 .263-Z (W29)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項11号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第11号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
商願2024- 5349拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
1 手続の経緯
本願は、令和6年1月22日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和6年 6月 7日付け:拒絶理由通知書
令和6年 6月17日 :意見書の提出
令和6年 8月23日付け:拒絶査定
令和6年 9月20日 :審判請求書の提出
2 本願商標
本願商標は、「竹の輪」の文字を標準文字で表してなり、第29類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。
3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6653417号商標(以下「引用商標」という。)は、「TAKENOWA」の文字を標準文字で表してなり、令和4年7月5日登録出願、第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの役務を指定役務として、同年12月16日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、「竹の輪」の文字を標準文字で表してなるところ、これ自体は辞書類に掲載されている成語ではないものの、これを構成する「竹」「の」「輪」の各文字の意味や、別掲1の情報にあるように、一般に、「円い形にした竹(竹で作った円形状のもの)」を「竹の輪」と称している実情があることからすれば、これよりは「円い形にした竹」ほどの意味合いが容易に理解されるといえるものである。
そうすると、本願商標よりは、その構成文字に相応した「タケノワ」の称呼が生じ、また、「円い形にした竹」ほどの観念が生じるものというのが相当である。
イ 引用商標について
引用商標は、「TAKENOWA」の文字を標準文字で表されているものであるところ、これ自体は辞書類に掲載されている成語ではなく、その意味においては造語といえるものである。
そして、そのような欧文字からなる造語については、これを称呼する場合、我が国において親しまれているローマ字の読み又は英語の読みに倣って称呼するのが一般的であるところ、引用商標は、それを構成する欧文字が母音と子音の順に連続して並んでいるといえることから、ローマ字風の読みとして自然に「タケノワ」と称呼することが考えられる。他方、これを英語風に読むことを考えるに、一連で参考となる平易な英語が見当たらない上、かつ、上述のとおり、引用商標の文字列からすると、これを容易にローマ字風に読めるにも関わらず、あえて英語風に読むべき事情は見当たらないものであるから、引用商標よりは、「タケノワ」の称呼のみが生じるというのが相当である。
また、引用商標が、「タケノワ」と読む日本語をローマ字で表記したものと理解されることも十分に考えられるところ、そのような場合においては、別掲1の情報にあるように、一般に、「円い形にした竹」を「竹の輪」と称している実情があることに加え、別掲2の情報にあるように、「竹の輪」の語やこれに通じる「竹輪」「竹ノ輪」の語をローマ字で「TAKENOWA」と置き換えて使用している事例が見受けられることからすると、引用商標が「竹の輪」の語をローマ字で表記したものと理解され、それより「円い形にした竹」ほどの意味合いが理解されることを否定できないものであって、他方、引用商標よりそのほかの意味合いが容易に認識され得るというべき事情は見当たらないものである。
以上のことからすると、引用商標よりは、その構成文字に相応した「タケノワ」の称呼が生じるといえ、また、特定の観念は生じないか、若しくは、「円い形にした竹」ほどの観念が生じ得るというのが相当である。
ウ 本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標を比較するに、外観においては、文字種や文字数などを異にするものではあるが、いずれも標準文字で表されているものである上、一般に、商標の構成文字を同一の称呼が生じる範囲内で文字種を相互に変換して表記することは広く行われているところ、本願商標を構成する「竹の輪」の文字は、引用商標を構成する「TAKENOWA」の文字を漢字及び平仮名で表記したものと理解し得ることからすると、その文字を置き換えたものとして取引者、需要者に認識され得るといえるものであるから、これらの文字種などの相違が、出所識別標識としての外観上の顕著な差異として強い印象を与えるとはいえないものである。
そして、称呼においては、「タケノワ」で同一である。
また、観念においては、「円い形にした竹」を共通にし得るものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観においては相違があるものの、それは顕著な差異とはいえないものであり、また、称呼を同一にし、観念を共通にし得るものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標は、商品役務の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
エ 本願商標と引用商標の指定商品・指定役務の類否について
本願商標の指定商品「菓子(肉・魚・果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものに限る。),乳製品,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと」は、引用商標の指定役務中、第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と類似するものである。
オ 小括
上記アないしエによれば、本願商標は引用商標と類似する商標であって、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定役務と類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標からは、「竹から作られた円い形のもの」などの観念が認識、理解されるのに対し、引用商標を構成する欧文字「TAKENOWA」はその様な観念が一切生じないばかりでなく、必ずしも「タケノワ」と称呼されるわけではなく、「テイクノワ」や、親しまれた英単語「TAKEN」と「OWA」に分離し認識理解され、「テイクン・オワ」などと称呼される可能性も否めないといった点を考慮すると、「竹の輪」を「TAKENOWA」と、また逆に「TAKENOWA」を「竹の輪」と文字種を変更して使用することが、一般的な商標の変更使用の範ちゅうに入るとは到底認めることができないものであり、本願商標と引用商標の文字種の相違は、外観上の差異として強い印象を与える旨主張する。
しかしながら、引用商標は、「TAKENOWA」の文字を標準文字で一連に表してなり、文字間に空間(スペース)は存在しないものであるから、上記(1)イのとおり、その構成態様からすると、これをローマ字読みで「タケノワ」と称呼することが最も自然といえるのであって、そのような自然な称呼が考えられるものについて、請求人主張のごとく、これをあえて「TAKE」と「NOWA」や「TAKEN」と「OWA」に分離し、英語風に読むことは、不自然というべきである。
そして、引用商標よりは「タケノワ」の称呼が自然に生じることに加え、上記(1)イのとおり、一般に、「円い形にした竹」を「竹の輪」と称している実情、及び、「竹の輪」の語やこれに通じる「竹輪」「竹ノ輪」の語をローマ字で「TAKENOWA」と置き換えて表示している事例が見受けられる実情を踏まえれば、引用商標を構成する「TAKENOWA」の文字は、本願商標を構成する「竹の輪」の文字種を変更して表示したものと認識され得るといえるものであり、両商標の外観上の相違が、顕著な差異として強い印象を与えるとはいえないものである。
イ 請求人は、称呼を共通にする欧文字からなる商標と漢字からなる商標について、それらが非類似と判断された過去の審決例を挙げ、本願商標についてもそれと同様に引用商標とは非類似と判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、商標の類否の判断は、出願された商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断すべきものであり、また、請求人の挙げる審決例と本願とは、商標の構成等を異にするものであるから、当該審決例によって、直ちに本願商標に係る判断が左右されるものではない。
そして、本願商標と引用商標とが、称呼を同一にするばかりでなく、観念を共通にし得るものであって、かつ、外観の相違が顕著な差異とはいえないことから、類似の商標というべきものであることは、上記(1)のとおりである。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2024-015092